2018 2/28

IoTソリューション

ソラコム×KDDI IoTビジネス対談スモールスタート可能なIoTプラットフォームがビジネスを変革する

ソフトウエアベースの革新的なIoT通信プラットフォームで脚光を浴びた日本発のスタートアップ企業ソラコムが、2017年8月、KDDIグループに加わった。ソラコムとKDDIは今後、どのようなシナジーを発揮し、世の中にイノベーションを巻き起こしていくのか。両社のキーマンが語り合った。

KDDI株式会社
ソリューション事業本部
ソリューション事業企画本部長
兼 クラウドサービス企画部長
兼 経営戦略本部

藤井 彰人

環境はすべて整い IoTビジネスの機は熟した

藤井 KDDIでは「本業貢献」、つまりお客さまのビジネスに全力で貢献することを目標に法人向けIoT戦略を展開していますが、実際、多くのお客さまにおいてIoTを核としたビジネス変革が加速しています。

玉川 ソラコムもIoTは時代のムーブメントと捉えています。2010年頃から日本でもクラウドが急速に立ち上がってきましたが、ちょうどその頃と状況がよく似ています。現在ではほとんどのITサービスがクラウドから調達できるようになり、一方でUberやAirbnbに代表されるシェアリングエコノミーが台頭してビジネス環境が一変しました。そうした中、あらゆる業界で変革が迫られており、また本気になれば変革することができる、そういう時代を迎えています。

藤井 環境はすべて整い、機は熟したということですね。

玉川 自ら変革しないと、一気にまわりから取り残されてしまいますので。

藤井 変革のために企業に必要とされるのは、どんな要素だと思いますか。

玉川 重要なのは「ビジョン」「ミッション」「パッション」の3つと考えています。10年前なら将来への見通しが立ったかもしれませんが、今はテクノロジーの動向を予測することさえ困難な時代です。例えばブロックチェーンのようなテクノロジーは数年前には存在しませんでした。仮に5年先や10年先を見据えたグランドデザインを描いたとしても、その大前提があっさり崩れてしまうような環境の中で、変革を進めていく必要があります。そのためには、理想の社会を実現する「ビジョン」、アプローチを定義する「ミッション」が欠かせませんし、それを高いレベルで実現するためにはイノベーターとしての「パッション」が必要だと思っています。

理念と価値観の一致が確信させた最大のシナジーを放つ協業の姿

株式会社ソラコム
代表取締役社長

玉川 憲

玉川 今後さらに市場環境やテクノロジーが激変したとしても、その変化に柔軟かつアジャイルに対応できるインフラやプラットフォームを選択することが、企業にとってますます重要な要件となっています。我々はそうした企業を支援したいという思いから、IoT通信プラットフォームの『SORACOM』を作り上げました。

藤井 SORACOMはハードウエアで従来行っていたパケット交換などの機能をすべてソフトウエアで開発し、クラウドを活用して初期費用を抑えながら従量課金で提供するバーチャルキャリアともいうべきビジネスで、きわめて衝撃的でした。本音を明かすとソラコムが世に出てきたとき、“これはやばい”と思いました(笑)。

玉川 実際、ソラコムは既存の通信キャリアのビジネスを破壊したいとはまったく考えておらず、多くの企業のイノベーションを支える“ゆりかご”を作りたいと思っただけなのです。IoTの世界にはまだスモールスタートを可能にするプラットフォームが存在せず、ならば私たちが最初につくって提供しようとソラコムを立ち上げました。

Grove IoT Starter kit for SORACOM

藤井 その理念はKDDIもまったく同じです。そういう意味でも、一緒に組めることになったのは本当によかったと思います。

玉川 我々もそう感じています。ソラコムはソフトウエア開発こそ得意ですが、基地局などのインフラはありません。したがって、今後より革新的なことにチャレンジしていくためには必ずどこかの通信キャリアと協業する必要がありました。その中でもKDDIは、モバイルとネットワークの両方をカバーしていることに加えて、何よりIoTの世界で企業のイノベーションを支えたいという価値観が一致しました。まさにタッグを組む相手として最もシナジーを発揮できると確信したのです。

自ら“コンパス”を持ちお客さまとともにイノベーションに立ち向かう

藤井 どうすればイノベーションを起こすことができるか。手前味噌ながら、多くの企業のビジネスモデルがネットワークサービス型に変わっていく中で、通信キャリアが果たすべき役割は非常に大きいと自負しています。実際、現在のイノベーションのほとんどはバーチャルな世界から発信されています。先ほど玉川さんから「イノベーションを支える“ゆりかご”でありたい」というお話がありましたが、そうした生まれたばかりのイノベーションを集めて、単独よりも格段に高い効果が生まれるような協力関係を築きたいというのがKDDIの思いです。

玉川 世の中に“地図”を示して「こちらに歩いてください」というのではなく、自ら“コンパス”を持って、お客さまとともにイノベーションに向かっていきたいですね。

藤井 そうありたいと思います。KDDIも単に拠点と拠点をつなぐだけのネットワークから、ビジネスとビジネスをつなぐネットワークをご提供できるよう進化を促進しています。そのひとつの起爆剤としてIoTに対する敷居を下げる、つまりスモールスタートを容易にするという意味で、ソラコムが提供を開始した「スターターキット」も非常におもしろいですね。私も実際に触りましたが、IoTデバイスが簡単にクラウドへとつながり驚きました。

玉川 ありがとうございます。藤井さんのようなマネジメント層の皆さまにも、ぜひ試していただきたいというのがソラコムの狙いです。これからは日本企業もハードウエアだけでなく、ソフトウエアやサービスを軸としたビジネスをグローバル展開していくことが、国際競争力の維持という点からも非常に重要です。

藤井 ソラコムとKDDIで、さらに多くのお客さまのデジタルトランスフォーメーションを一緒に支援していきましょう。

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