2018 10/24

IoTソリューション

より安全・便利で快適な暮らしの実現へ時代を先取りした「IoTマンション」を提供

清水建設グループの一員として、不動産事業を総合的に展開する清水総合開発。同社は多様化・細分化するマンション需要への対応施策の一環として「IoTマンション」に着目。KDDIのコラボレーション型ホームIoTサービス『with HOME』を活用し、2019年1月より販売を開始する「ヴィークコート新川崎」の全邸にホームIoTサービスを標準装備する。その目的やメリットについて話を聞いた。

多様化・細分化する顧客ニーズにどうこたえるかが課題に

創業200年の歴史を誇る清水建設のDNAを受け継ぐ、総合不動産会社の清水総合開発。清水建設グループの一員として、不動産の開発、賃貸、仲介、建物の管理事業などを展開する。徹底的にモノと品質にこだわり、多様な利用者の期待に応える不動産環境を整え、快適な都市環境・住環境づくりに貢献している。

その主力事業の1つが“VIEQU(ヴィーク)”ブランドで提供する分譲マンション事業である。“VIEQU”シリーズは清水建設の「先進」と「伝統」を融合し、住みやすさと快適さを追求した高級分譲マンション。都心部や人気エリアなどを中心に数多くの物件を提供している。

しかし、最近は課題も抱えていた。それはマンション需要の変化だ。「近年は少子高齢化に伴い社会環境が大きく変化し、家庭のあり方やライフスタイルも多様化しています。夫婦と子供で構成される3、4人単位のファミリーだけでなく、生涯単身者や単身高齢者、いわゆるパワーカップルと呼ばれる高い購買力を持った共働き夫婦など1、2人単位の小ファミリーも多くなっています。そうした中、分譲にこだわらず、賃貸でいいと考える方、通勤時間や利便性にこだわる方、建物仕様にこだわる方など、消費者ニーズが多様化しているのです」と同社の小堀 隆憲氏は語る。

清水総合開発株式会社
開発ソリューション事業本部 副本部長 首都圏第3部長

小堀 隆憲

※所属、役職情報は2018年9月末時点のものです。

また、これからマーケットリーダーとなるミレニアル世代は画一的な価値観によって消費行動するこれまでの世代と異なり、自身のリスペクトする発信者への共感によって消費行動するといわれる。「同じものを作れば売れていた時代から、現在は多種多様なニーズにどうこたえるかが重要になっています」と同社の神戸 薫氏は説明する。

こうした背景から分譲マンションについては、ファミリータイプといわれる3LDKや4LDK物件のほか、小ファミリー向けの1LDK物件も拡充。所有から借りるというニーズにこたえるため、賃貸物件の強化にも取り組んでいる。

導入が容易で利用者負担も少ない『with HOME』を採用

しかし、これだけでは競合他社との差別化は難しい。社会環境と消費者ニーズの変化は業界共通の課題であり、他社も同様の戦略を進めているからだ。「物件を売って終わり、提供して終わりではなく、住んでからどうするかが重要と捉えています。新しい住宅に住み始めた時の満足度を長く維持してもらいたいと考えています。ここに住んで良かった、これからも住み続けたいと思ってもらえることが大切です」と小堀氏は話す。そのためには利用者の立場に立って、快適な住空間を創造し、便利さや楽しさなどの付加価値を提供することが求められる。

その一環として取り組んだのが、IoT技術を活用した「IoTマンション」の提供である。これは無線LANと室内に設置したIoTデバイスを組み合わせることで、快適・便利なサービスを提供するマンションを指す。

同社では、その実現に向けたパートナーとしてKDDIを選定し、ホームIoTサービス『with HOME』に参画した。これはKDDIのホームIoTサービス『au HOME』をベースに、多業種のパートナー企業と共同で新しいサービスを企画・開発するコラボレーション型ホームIoTサービスである。「サービスの提供に必要なサーバーやアプリケーションなどはKDDIが提供するため、自前でインフラを構築・管理する必要がありません。初期費用、ランニングコストもわずかな負担だけで済みます」と小堀氏は選定の理由を述べる。

入居者にとってもメリットが大きい。基本利用料は、わずか月額490円。利用したいサービスに対応した『with HOMEデバイス』を購入すれば、「あんしん」「べんり」「たのしい」をコンセプトにしたホームIoTサービスを利用できる。自宅の鍵や窓の開閉状況、家族やペットの状況などを外出先から確認できるサービス、リモートや音声によって家電をコントロールなど多様なサービスが揃っている。

清水総合開発株式会社
開発ソリューション事業本部 首都圏第3部 副部長

神戸 薫

検討段階では他社のホームIoTサービスも比較したが、最も現実的で公益性が高いサービスがKDDIの『with HOME』だったという。また、家電メーカー、給湯器メーカー、警備会社なども独自のIoTサービスを提供しているが、それらは自社の製品やサービスの利用を前提としたものであり、入居者は付加サービスとして個別に契約しなければならない。しかし『with HOME』なら、多様なメーカーのデバイスを統合的に制御できる。「単体のサービスや画一的なサービスの提供にとどまることなく、お客さま本位のサービスを柔軟に提供できるのです」と神戸氏は評価する。

住宅は長く住み続けるため、ホームIoTサービスも長期的かつ安定的に提供しなければならない。「その点、KDDIは重要な社会インフラである通信サービスを支える総合通信事業者で、長年にわたり事業展開してきた実績と信頼があります。ビジネスパートナーとして、これからも安心して長く付き合えることも大きな選定ポイントになりました」と小堀氏は語る。

利用者ニーズを取り込んで提供サービスは広がっていく

こうして同社は『with HOME』を活用したIoTマンションを開発。第一弾となる「ヴィークコート新川崎」(全33邸)の販売を2019年1月より開始する。

提供するホームIoTサービスは、まずスマートスピーカーによる家電コントロールサービスと外出先から子どもやペットの様子がスマートフォンで確認できるみまもりサービスから始める。入居者の反応や要望を聞き、サービスは順次拡充を図っていく。

withHOMEアプリ対象機種:Android5.0以上またはiOS10.0以上のスマートフォン

それを容易に実現できるのも『with HOME』の大きなメリットである。『with HOME』は上記ホームIoTサービスをプラットフォームとして提供し、今後パートナーと共に新たなデバイスやサービスを開発・実装することで、サービスをさらに広げていく。入居者は対応するデバイスを購入するだけで、ホームIoTサービスの利用範囲をどんどん広げていけるのだ。

「当社としても、IoTサービスを通じてお客さまとのつながりを構築・強化することができます。時代とともに変化するお客さまの声に耳を傾け、そのニーズに柔軟に対応することで、継続的に付加価値の提供と、顧客満足度の向上を図ることができます」と神戸氏は期待を寄せる。

今後はKDDIとのパートナーシップをより強化し、顧客の声を反映した新しいサービス開発に協力していく。例えば「おはよう」と声を掛ければ、スマートスピーカーが反応してカーテンを開け、お湯を沸かす。モーションセンサーで室内の人の動きを感知し、防犯や高齢者の見守りに役立てる。先の話ではあるが、そんなサービスの実現も夢ではない。

こうした取り組みに加え、同社が提供する物件の価値向上も目指す。分譲マンションだけでなく、賃貸のマンションやオフィスにも『with HOME』を導入し、多様なIoTサービスの提供を考えているという。またマンションの共用スペースの一角にネット環境やテレビ会議の仕組みを整備すれば、そこがサテライトオフィスになる。会社に出勤せず、自宅の目と鼻の先で仕事ができる。自宅マンションを働き方改革の起爆剤にする構想もあるという。「アイデアはたくさんあります。KDDIおよび『with HOME』のパートナーとともにその実現に取り組んでいきたいですね」と小堀氏は前を向く。

KDDIの『with HOME』を活用して、付加価値の高いIoTマンションを実現しようとしている清水総合開発。今後も顧客視点を第一に多様化するニーズを取り込み、IoTマンションの価値向上を推進し、より快適で便利な住環境づくりに貢献していく考えだ。

「with HOME」対応デバイスの一例
赤外線リモコン、センサー、ネットワークカメラ、スマートプラグなど多様なデバイスが揃っている。宅内に無線通信アダプタを設置し、スマートフォンの「with HOMEアプリ」から簡単に操作が可能だ。なお、スマートスピーカーは別売りとなる。
※1 防滴(IPX3):「IEC(国際電気標準会議)」によって定められている防水の保護規格。鉛直から60度の範囲で落ちて来る水滴による有害な影響がない。

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