建設現場における現場監督の重要な役割として、関係者とのコミュニケーションが挙げられます。工程に合わせて従業員が入れ替わることや、状況の変化を的確に把握する必要があります。それらを関係者全員に共有するためにはどのようにスマートフォンを活用すればいいでしょうか。

元請会社であるB社。従業員の半数が現場監督、残りのほぼ半数は現場で働く従業員たちばかりです。それでも自社内の従業員だけでは対応しきれないので、現場では多くの専門工事会社から従業員が派遣されます。関連会社の従業員がほとんどではありますが、繁忙期には短期契約社員として従業員を増やすこともあります。中には繁忙期だけ契約する自営業の従業員も珍しくありません。

そこで問題になっているのが現場でのコミュニケーションです。朝の打ち合わせでその日の動きは全員で共有しますが、天候の変化や作業の遅れなどで、状況は変化します。現場監督は、それらすべての状況を把握し、関連する従業員に抜け漏れなく連絡する必要がありますが、遅れやミスが常態化していました。

そこで、B社は全従業員にスマートフォンをもたせることにしました。正社員には支給し、契約社員・関連会社社員は現場に入っている間のみ会社から貸与することにしました。そしてスマートフォンにインストールしたSNSを活用、現場での役割ごとにグループを作成して、必要な情報のやりとりはSNSに限定しました。音がうるさい現場では音声で話すことに支障もありましたが、SNSでの文字のやりとりなら問題ありません。また作業の進捗状況は、関係する従業員全員に伝わるので、それぞれが無駄なく動けるようになりました。