2018 12/19

IoTソリューション

ドローンから5Gまで
技術と警備の融合にともに挑戦

“あらゆる不安のない社会の実現”を目指すセコム。KDDIは長年のパートナーとして、同社のサービス基盤を支えてきた。昨年度はLTEを活用したドローン警備の実証実験に共同でチャレンジ。複数のドローン制御という世界初の課題に挑み、成果を上げた。セコムは、この成果を生かして、新しいセキュリティサービスの創出を考えているという。

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ドローンによる巡回で安全強化と負担軽減を両立

日本初の警備保障会社であるセコム。現在はセキュリティ分野を中心に防災、メディカル、保険、地理空間情報サービス、BPO/ICT、不動産など、さまざまな「社会に有益な事業」を展開している。

これらの事業を通じて新しい社会システムづくりを目指す同社は、最新技術の活用にも積極的だ。そのひとつがドローンである。

ネットワークに要求されていること、その理由を徹底的に理解し、最適な提案をしようとするKDDIの姿勢には、強いプロ意識を感じます。

セコム株式会社 企画部 担当部長

寺本 浩之 

「世界で初めて民間防犯用にドローンを採用した『セコムドローン』は、敷地内にカメラを搭載したドローンを待機させ、人や車が侵入した際にはドローンが自律飛行で急行し、より詳しい状況を確認するものです。監視カメラのみに比べ不審者・車両の特徴をより捉えやすいというメリットがあります」とセコム 企画部 担当部長の寺本 浩之氏は説明する。

セコムドローンは近距離無線で制御を行っているが、より広域な施設にも対応できるよう、現在、エリア構築の工数やコスト削減が見込めるLTEの採用を検討している。ドローンの役割もさらに一歩進み、異常発生時だけでなく、定期的に敷地内を自律飛行し、巡回警備用のライブ映像を送る役割を担っている。

「上空からの映像を使えば、より死角の少ない監視が行えます。また、危険な場所の巡回をドローンに任せることで警備員の負担軽減にもつながります。現在、山口県のPFI ※1 刑務所で運用中です」と寺本氏は言う。

このドローン警備システムのネットワークインフラを担っているのがKDDIだ。両社のパートナーシップは、GPSを利用した位置情報提供システム「ココセコム」がリリースされた2001年にまでさかのぼる。

「KDDIには開発段階から深くかかわってもらっています。警備の観点からやりたいことを妥協なく求めるセコムと、ネットワークの観点から課題をクリアするための方法を模索するKDDI。時には激しい言葉で議論を交わしながら相互理解を深めてきました。ビジネスパートナーとして大きな信頼を寄せており、ドローン警備システムのネットワークもKDDI以外の選択肢は考えませんでした」と寺本氏は話す。

未来の社会からの要請に最適な回答を示し続けたい

2018年3月には、両社共同でNEDO ※2 の「DRESSプロジェクト ※3 」の一環として「4G LTEで自律飛行する複数ドローンを活用した広域警備」の実証実験を実施。さらに広大な敷地における不審者発見や注意喚起、不審火の発見、夜間警備などの可能性を検証した。

KDDI株式会社
商品・CS統括本部 商品戦略部
商品第1グループ 課長補佐

杉田 博司

「高高度から広い範囲を見る『俯瞰ドローン』と、低高度で詳細を監視していく『巡回ドローン』、合計4機のドローンを組み合わせた監視体制を採用しました」と語るのはKDDI の杉田 博司課長補佐である。

インフラはKDDIのドローン専用基盤「スマートドローンプラットフォーム」を活用したが、4機のドローンからのリアルタイムで高品質な映像伝送にチャレンジしたのは世界でも初めてのこと。ドローン同士の衝突事故のリスク、ドローンからの電波とほかの電波との干渉といった問題がある中で、いかに通信を制御するかという高度な課題をクリアする必要があった。

「まだ法制度も完全には整っていない領域となるため、利用する通信モジュール一つ一つを総務省に申請しなければならないなど、さまざまな未体験の苦労がありました」とKDDIの神村 吏主任は言う。

未体験の苦労や課題をひとつずつ解決し、確かな手応えを得て実証実験は終了。セコムは2020年以降をめどに、大規模スポーツイベントでのスタジアム警備などに活用することを考えているという。

加えて、両社は5Gネットワークの活用にも共同で取り組んでいる。

KDDI株式会社
ビジネスIoT推進本部 ビジネスIoT営業推進部
営業第2グループ 主任

神村 吏

例えば、セコムは警備員にウェアラブルカメラを持たせ、その映像をセンターで確認、共有しながら連携した警備を行っているが、現在は、映像伝送に必要な通信容量の制約が課題となっている。しかし、5Gが利用できるようになれば、より大容量でより鮮明な映像を利用できるようになる。

このようなセコムの要求にこたえることこそが、社会の要請にこたえることにつながると杉田課長補佐は言う。「社会がどんな課題を抱えていて、どんなサービスが必要かを考え続けているセコム様の要求には、KDDIも全力で取り組むべきと強く感じています」。神村主任も「それだけに新しい要求も多いのですが、そこから得られるものも非常に大きい」と続ける。

長年のパートナーシップをベースに、ドローン警備システムをはじめ、さまざまな成果を上げてきたセコムとKDDI。「ネットワークだけでなく、豊富なアイデアと実現力を備えていることがパートナーとしてのKDDIの魅力です。これからも、ともに新しいサービスの創出に取り組んでいきたいですね」と寺本氏は最後に強調した。

※1:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ。公共施設などの設計、建設、維持管理および運営に、民間の 資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図るという考え方。
※2:国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構。
※3:ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト。

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