データ活用でお客様を理解する お客さまにとってより身近な存在となるために データドリブンでCX向上に挑戦

KDDIでは、CX ( 顧客体験価値 ) を成長戦略の根幹と位置付け、さまざまな施策を実施している。特に重要な顧客接点となるauショップでは、CX向上に向けてお客さま一人一人に合った最適なサービスを最適なタイミングで提案することが求められる。そのために導入された「auノート」は顧客ロイヤルティーを高め、データドリブンな事業展開にも大きく貢献している。そのCX向上への挑戦について、コンシューマエクスペリエンス推進部長の木村 奈津子に話を聞いた。
(※.本記事は2019年3月の取材内容となります)

KDDI株式会社
コンシューマ事業本部
コンシューマ事業企画本部
コンシューマエクスペリエンス推進部長
木村 奈津子

お客さま体験価値向上を目指し 全国の店舗にauノートを導入

KDDIでは、事業運営方針に「お客さま体験価値を提供するビジネスへの変革」を掲げ、通信とライフデザインの融合を通じ、CXを向上させ、お客さまに一番身近に感じてもらえる存在となることを目指している。「その実現に向け、2015年にお客さま体験価値向上を目指してコンシューマエクスペリエンス推進部 ( 以下、CX推進部 ) が設立されました。まずは、お客さまとの最大のタッチポイントである全国のauショップを、お客さまに選ばれるチャネルとして磨き上げ、事業成長に貢献していくことを狙いとしました」と話すのはCX推進部長の木村 奈津子だ。
その施策の一環として導入されたのが「auノート」である。

「auノートは、PCやタブレットを活用したショップスタッフ向け接客支援ツールです。お客さまのご契約およびご利用状況を確認しながら、お一人お一人に適したおすすめの提案を最適なタイミングで提供できるよう設計されています」と木村は説明する。

auノートの導入前から、auショップではお客さまに満足いただける接客を理想としていたが、商材の増加で手続きが複雑化する中、応対時間や待ち時間が長時間化し、お客さまからの不満は高まり、スタッフの疲弊も招いていた。そこで2015年末ごろに、営業部門とCX推進部のメンバーで、お客さま一人一人にパーソナライズされたレコメンドが出せるシステムのプロトタイプを考案。一部auショップでスモールスタートした後に機能を拡充し、現在は全国のauショップをはじめとしたau取扱店に展開されている。

auノートでは接客の流れに応じて、現在のご利用状況に基づいた、よりお得な料金プランの案内、便利な使い方の提案、機種変更などに利用できるクーポンやキャンペーンを知らせるレコメンドをショップスタッフが確認できる。このナビゲーションに沿って提案を行うことで、顧客満足度を高め、購入意欲を喚起するカスタマージャーニーとなる工夫が施されているのである。また、契約後に何カ月も使われていないオプションがある場合は、再検討や解約を勧めるといった思い切った提案にも踏み込んでいる。

「私たちは、お客さまにご納得いただいた対価として支払ってくださる料金が本来の“よい売り上げ”だと考えています。一時的にはオプション解約で売り上げが減っても、プラスアルファでお客さまに本当に喜ばれる提案や便利なアドバイスを行うことでロイヤルティーが高まれば、結果的にauを使い続けていただける、あるいはご友人やご家族にauをお薦めしてくださるファン層の拡大につながると考えています」 ( 木村 )

地道なアプローチを繰り返し 現場スタッフたちの意識を変革

こうしたCXを客観的に測る指標としてKDDIではNPS ( Net Promoter Score ) を採用している。NPSは顧客ロイヤルティーを数値化する手法で、「auを友人などの親しい人に薦めたいか?」といった質問をし、批判者 ( 0-6点 ) / 中立者 ( 7-8点 ) / 推奨者 ( 9-10点 ) に分類する。

NPSを見る限り、既にauノートを活用した効果が表れつつある。例えば「レコメンドを実施した場合」と「未実施だった場合」を比較すると、実施した方が明確に推奨者の比率がアップしていることが確認された。

「CX活動をauショップで実際に担うのは、代理店さまの店長、ショップスタッフの方々です。2年ほど前にauノートを提案させていただいた当初は、現場のオペレーションが増えることや、これまでの経験則によるお客さま対応と比べて本当に効果が出るのかといった疑問の声も少なからず寄せられました。そこで、auノートを使ったCX実践の意義や効果検証のデータのほか、NPSと実績の相関を示しながらご説明しました。auノートの接客フローに沿って各種レコメンドをご提案した場合、店舗のNPS向上の効果はもとより、au WALLETクレジットカードやauでんきの契約が1.6倍という効果も出ています。また、接客効率の高いauノートを使うことで応対時間も短くなり、ES ( 従業員満足度 ) の向上も期待できる点についても丁寧に周知していきました」 ( 木村 )

すべての顧客接点をつなげれば お客さまをより理解できる

現在auノートは全国約7000のau取扱店に加え、全国のコールセンターおよび故障の際の問い合わせ先となるサポートセンターにも導入されている。auノートがauショップとコールセンターのハブ役となり、顧客情報をパイプライン化したことで、データドリブンでのお客さま理解とそのアプローチが大きく進化しつつある。
例えば、コールセンターに操作方法などで問い合わせをしたお客さまであれば、ショップスタッフが利用するauノートでは「前回のコールセンターでの問い合わせ以降、不明点はないか」と尋ねるようレコメンド表示が出るため、“auは私の悩みをしっかりと把握してくれている”という顧客満足につながる。

「auノートでの提案結果やお客さまの反応、実施効果の可視化と共有で、よりお客さまに適したレコメンドに改善するなど、徐々に継続的なSTPD ( See:現状を見る/Think:考える/Plan:計画する/Do:実行する ) サイクルを回せるようになってきました。今後もデジタルを含め幅広いチャネルで取得したデータから、auを積極的に推奨していただける要素を抽出・言語化し、CXのさらなる向上に挑戦していきます」と木村は語る。

KDDIがライフデザイン企業として果たすべき役割は、お客さまを全力で理解した先にある。それを社員やスタッフ全員が、実体験として心に刻み始めているようだ。

PAGE TOP