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次世代モバイル通信「5G」で低遅延を実現

今後サービス開始予定されている次世代通信規格の「5G」。
言葉は耳にしたことがあっても、具体的にどのような特徴があるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
5Gは携帯電話以外にも、遠隔医療自動運転などの分野利用されることが期待されています。
また、5Gとあわせて中核を担う技術マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)」についても詳しく解説していきます。


5Gのビジネス活用で注目を集める「低遅延」

次世代通信規格である5Gには「高速大容量」、「多接続」、そして「低遅延」という3つの特徴があります。

  • 高速大容量最大20Gbps(LTEの20倍)
  • 多接続:100万デバイス / 平方km(LTEの10倍)多種多様デバイスサービス・用途ごとにネットワーク提供できる
  • 低遅延:1ms(LTEの10分の1)

携帯電話ネットワーク歴史通信速度進化とともにあったといっても過言ではなく、5Gにおいても通信速度が速くなるということはイメージしやすいと思います。
しかし、「低遅延」というポイントについてはあまりピンとこない方も多いのではないでしょうか。
じつは通信において遅延が少なくなると、これまで実現不可能とされてきたさまざまな分野において、5Gのネットワーク技術活用することができるようになります。ビジネスへの活用として注目されている5Gの実例をいくつかご紹介しましょう。


遠隔医療や自動運転で求められる低遅延

5Gのビジネス活用一例として「遠隔医療」と「自動運転」が挙げられます。どちらのケース安全性担保するために5Gは重要役割を果たすのですが、具体的にどのような理由があるのでしょうか。

遠く離れた場所医師手術を行う遠隔医療は、手術中映像医師確認しながら、医師指示のもとで手術ロボット操作する必要があります。このとき、通信遅延が生じてしまうとリアルタイムロボット操作することができず、わずかな判断の遅れが命取りとなってしまうことが考えられます。また、手術中に映し出す映像も、細かな部分まで確認できる超高精細なものである必要があります。

遠隔医療だけではなく、自動運転においても低遅延の5Gは必要不可欠です。自動運転基本的仕組みは、走行中映像管理センターへ送り、コンピュータ遠隔制御によって自動車運転操作するというもの。映像制御データ送受信する際に遅延が生じてしまうと、交通事故を引き起こすおそれがあります。

たとえば、時速60kmで走行している自動車は1秒間に16.7m進みます。LTEの通信遅延は10ms(0.01秒)のため、最大で約0.15m以上誤差が生じてしまうことも。これが高速道路走行中であればさらに距離が伸びるため、通信遅延重大事故を引き起こす原因にもなりかねません。5Gの遅延はわずか1ms(※)であり、距離計算すると数cm程度誤差となり、実用化に向けて現在実証実験が行われている段階です。

遠隔医療自動運転はどちらも人命に関わる重要なものです。ごくわずかな通信の遅れが人の命を奪う結果にもなりかねないため、細心注意を払う必要があります。5GはLTEに比べて10分の1以下という超低遅延実現し、さまざまなビジネス分野への応用期待されています。

(※)無線区間を想定した理論値のスペック


マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)で実現する低遅延

5Gのほかに低遅延通信実現するための技術として「マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)」も注目を集めています。これは端末のそば(エッジ)にサーバー配置し、スマートフォンやIoTデバイスとの通信時間短縮させるための技術です。

LTEの通信遅延は10msと紹介しましたが、クラウドサーバーのように伝送経路が長くなればなるほど遅延は大きくなり、伝送経路が短ければ遅延短縮されます。
端末サーバー物理的に近くにあることによって伝送経路も短くなり、低遅延実現できるというだけではなく、ネットワーク全体トラフィック減少し、混雑しているネットワーク効率化されるという期待もされています。

LTE+インターネット/5G+MECの体験ブースにて

5Gはもともと遅延の少ない通信システムですが、ネットワーク全体トラフィック増大して混雑してしまうとそのメリットを生かすこともできません。マルチアクセスエッジコンピューティングによってネットワーク全体トラフィック効率化することにより、初めて5Gの力が発揮され、世の中に広く普及してくると期待されています。

(文:西村広光)