このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、または対応ブラウザでご覧下さい。

KDDIが虎ノ門オフィスで推進する、時世に合わせた多様性ある働き方

KDDIが虎ノ門オフィスで推進する、
時世に合わせた多様性ある働き方

KDDIは、虎ノ門オフィス起点に、働き方改革社内DXを進めている。リモートワークが当たり前となった今、同社目指すのは単なるデジタルツール導入に留まらず、社員一人ひとりにとって最適な働き方を実現することだ。高度ハード・ソフト環境整備、さらには新しいコミュニケーションの形を模索することで、従来の働き方を根本から変革しようとするKDDI。変化するビジネス環境適応し、次世代の働き方を見据えたKDDIのアプローチ紹介する。

  • 記事内部署名役職取材当時のものです。
  • ※ 2020年9月30日公開


働き方改革の本質とは何か
~KDDIの新しいアプローチがリモートワークの理解を深める~

「働き方改革」。この言葉日本ビジネス界に浸透して久しい。しかし、その本質は何か。単なる労働時間短縮や、リモートワーク導入だけで十分なのか。KDDIは、この問いに対する答えを模索し続けている。

こうした中、KDDIがこれからの働き方を模索し、その実現に向けた実証実験を行う拠点として新たに構えたのが、虎ノ門オフィスだ。大規模再開発エリア中心にそびえる「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」に、ビジネス (当時ソリューション) 事業本部機能が移り、ビジネスのDX (デジタルトランスフォーメーション) を実現するために企業に求められる社内改革を、自ら率先して推し進めている。座席数移転前から4割減少させる一方で、ネットワーククラウドオンライン会議ツールなどの設備大幅拡充させた。

KDDIが目指す働き方改革目的は3つある。第一社員心身健康第二効率化第三イノベーションにつながる社員同士コミュニケーション活性化だ。画一的リモートワークデジタル化を強要するのではなく、この原理原則に基づいて、社員一人ひとりに合った働き方を模索している。


ハードとソフトの統合
~社内DX推進のために必要な環境整備と制度改革の事例~

KDDIが「働き方改革」に取り組み始めたのは、実に20年以上前のことだ。2003年には上長が別の場所にいても決裁が行えるよう決裁プロセス電子化を進め、2005年にはリモートワーク環境整備にも着手していた。当初リモートアクセス環境数千人規模に留まっていたが、2011年の東日本大震災発生契機一気拡充全従業員1万人リモートワークできる体制を早々に整えた。

このように、ハードインフラ着実整備されてきたが、現場社内DXを推し進めるメンバーは、課題感を抱くようになっていた。

かつて、多くの日本企業においては、従業員が朝から晩まで最大限時間労働に充て、成果を上げることが一般的な働き方だった。しかし、次第業務効率化し、同じ時間内でより高い成果を求められるようになってきた。そのため、KDDIではさまざまな設備を整えてきたが、やがて「効率化には限界がある」ということに気づいた。特にSE部門では、「いくらハード面を整備しても、これ以上効率化は難しい」という声が多くのSEから上がっていた。

そこで、ハードインフラ整備だけでなく、ソフト面、つまり制度仕事ルール・プロセス見直しも含めた総合的改革が始まったのだ。

KDDIが本格的社内DXに乗り出したのは2019年。代表取締役社長髙橋 誠自らが旗を振り、「働き方改革健康経営推進室」を新設ハードだけでなくソフト面も含めた両面での改革実現するべく、全社的な動きがスタートした。今般の虎ノ門オフィス開設につながる、KDDIの社内DXプロジェクトが動き出したのもこの頃だ。

働き方改革推進する上で、トップ決断非常重要である。社長本気改革に取り組む姿勢を見せることで、事業部リーダーたちも従来固定観念を改めることとなった。具体的には、オフィスへの出社固執することをやめ、上層部率先してリモートワーク実施し、まず自らが変わる姿勢を示し始めた。

社内DXの推進には、部門横断的アプローチ不可欠だ。企画部門情報システム部門人事部門など、各部門トップ参画するチーム結成勤務体制人事評価ワークフローなど、あらゆる角度から制度設計見直した。

具体的な取り組みの一例として、リモートワークに伴う諸経費問題がある。通信費電気代負担通勤回数減少による交通費見直しなど、細部にわたる検討が進められている。

各部門トップ横並びで意見を交わし、より良い働き方を実現するにはどのような制度必要で、どのように運用するのが最適かという点について、実際試行しながら模索しているのだ。その実証実験の場が、まさに現在の虎ノ門オフィスである。


新しい業務スタイルの可能性を探る

リモートワーク浸透により、新たな課題も浮き彫りになった。それは、オフラインでのコミュニケーション重要性だ。

ビジネス源泉となるニーズシーズは、実際顧客の元を訪ねなければ出会えないものが多い。メンバー同士対面意見を出し合う過程で生まれることも多く、テレワークだけですべての業務完結するわけではない。

この認識のもと、KDDIは働く場の位置づけを再定義した。「ハブオフィス (本社) 」「サテライトオフィス」「ホーム (自宅) 」の3つのカテゴリ設定業務内容個人状況に応じて、これらを柔軟に使い分ける働き方を虎ノ門オフィスでは実践している。

さらに、オンライン会議が増える中で、「Web会議がしづらい」「ソロワーク集中できない」といった課題にも対応。各フロア、広々とした空間外部からの音や視線を遮る「集中ブース」を設置し、個々が集中できるスペース提供している。
周囲を気にせずに1人で集中したいときはひとり仕切られたスペース集中、他のメンバーとの共創必要場合にはオープンスペース議論するというスタイルだ。

KDDIでは、リモートワーク普及した今だからこそ、対面で生まれる議論価値重視し、より質の高いコミュニケーション促進するためのさまざまな手法試行錯誤しながら取り入れ続けている。新しい業務スタイル可能性を探り、より良い働き方を追求しているのである。


KDDIが体験から得た知見

少子高齢化による人材不足がますます深刻化する中で、経営事業活動最適化した環境ハード/ソフト両面から整備する社内DXは、あらゆる業種業態企業において喫緊課題となっている。そして、多くの企業はDX推進に取り組む中で、KDDIがこれまでのDX化で経験してきた「意識の壁」や「効率化限界」、さらにその先に訪れる多くの課題直面していることだろう。

KDDIの社内DXの取り組みは、単に自社改革にとどまらず、その知見ノウハウ顧客企業にも提供していく方針だ。

KDDIが目指すのは、生産性を高めながらも、より自由度の高い働き方の実現だ。実際に、軽井沢などの地方生活拠点とし、オフィス出社は月に一度程度という生活スタイル実現している社員もすでに存在する。それでも、ビジネス成果をしっかりと出している状況だ。このような働き方を、より多くの社員実現できるような制度環境整備し、顧客企業と共に真に多様柔軟な働き方を実現していくことを目指している。


これまでのノウハウを生かし、2025年高輪ゲートウェイへ移転

KDDIは、2025年春本社を「TAKANAWA GATEWAY CITY」へ移転する計画を進めている。JR東日本と共に推進する分散型スマートシティ一環として位置づけられ、CO2排出量実質ゼロ」を実現するサステナブルなまちづくりの拠点となる。この移転により、KDDIは「サテライトグロース戦略」で掲げる業界DXのさらなる推進を図り、会社部門の枠を超えた新たな価値創出するオフィス環境実現する。

このような取り組みを通じて、社会課題解決貢献しながら企業価値向上を図り、持続可能成長実現していくことを目指している。

新本社は、「つなぐチカラ進化させ、ワクワクする未来発信し続けるConnectable City」というコンセプトのもと、会社部門を超えたコラボレーション促進共創・シナジーを生み出すためのオフィス環境実現目指している。各フロアには異なるテーマ設定し、それに基づいたオフィスデザイン導入するなどさまざまなアイデアを取り入れ構築していく予定だ。


関連記事


関連サービス