このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、または対応ブラウザでご覧下さい。

ブロックチェーンとは?~仮想通貨 (ビットコイン) との関係性とあわせてわかりやすく解説~

ブロックチェーンとは?
~仮想通貨 (ビットコイン) との関係性とあわせてわかりやすく解説~

次世代社会基盤として期待される革新的技術ブロックチェーン」。
データ透明性と改ざん防止機能を備えたブロックチェーンは、取引信頼性効率性大幅向上させ、ビットコインなどの仮想通貨だけでなくさまざまな分野活用が進んでいます。本記事ではブロックチェーン仕組みやビットコインとの違い、メリットデメリットなどについてわかりやすく解説します。

  • ※ 2021年3月3日公開


ブロックチェーンの基本情報とその影響

ブロックチェーンとは「ブロック」と呼ばれる取引データ過去の「ブロック」と時系列チェーンのようにつなぎ、取引記録複数参加者間共有する技術です。ブロック一度チェーンに組み込まれると、取引記録の後からの改ざんが実質的不可能となるため、データ信頼性透明性が保たれる仕組みです。この仕組みは「分散型台帳」とも呼ばれ、従来中央集権的システムとは異なり、特定管理者存在せず、全ての参加者平等データ管理確認できる点に革新性があります。

従来の中央集権型システムは第三者機関の管理者が信頼性を担保、ブロックチェーンでは、全員が取引履歴を共有、各取引を記録したブロックが時系列でチェーン状につながっており改ざんが困難

また、ブロックチェーンは単なる分散型システムというだけでなく、インターネット上での取引データ共有において第三者介入不要にします。例えば、金融業界における従来銀行決済プロセスのような中間業者排除できるため、取引コスト削減取引速度向上実現できます。

ブロックチェーン仮想通貨基盤技術としてのイメージが強いですが、さまざまな産業においてもその重要性が高まっています。例えば、音楽業界ではブロックチェーン活用した著作権管理効率化不動産業界ではブロックチェーンシステム上の概念である「スマートコントラクト」を利用して不動産賃貸契約自動で行うことができるようになっています。
このように、ブロックチェーン技術は多くの業界作業効率化し、情報透明性を高めています。
今後、この技術がさらに進化することで、私たちの生活ビジネスがもっと便利革新的になることが期待されています。


ブロックチェーンとビットコインの関係性

ブロックチェーンビットコイン同時議論されることが多いからか「ブロックチェーン仮想通貨 (暗号資産) 」と考えている人が多いのも事実です。しかし、実際には両者には明確な違いがあります。

  • ブロックチェーン分散型台帳としての機能を持ち、データ取引記録を改ざん不可能な形 (ブロック) で安全記録する技術
  • ビットコインブロックチェーン技術活用して作成された最初仮想通貨

ビットコインサトシ・ナカモト (Satoshi Nakamoto) と名乗人物が2008年に発表した論文発端として知られており、実際ビットコイン登場した2009年、ビットコイン技術基盤としてブロックチェーン活用されました。革新的ブロックチェーン技術はすぐに注目を集め、2015年ごろからは大手企業中心ブロックチェーン技術導入普及し始めており、今後さらにブロックチェーン活用サービス市場規模拡大していくと予想されています。


ブロックチェーンの種類とそれぞれの特徴

ブロックチェーンは大きく3つのタイプに分けられます。それぞれの特徴について詳しく解説します。

パブリックチェーン (オープン型ブロックチェーン):管理者が不在で不特定多数参加、プライベートチェーン (許可型ブロックチェーン) :管理者が単独組織で許可制参加、コンソーシアムチェーン (許可型ブロックチェーン):管理者が複数組織で許可制参加

パブリックチェーン (オープン型ブロックチェーン)

パブリックチェーンは、ネットワークに誰でも自由参加できるオープンブロックチェーンです。
代表的な例としてビットコインをはじめとした仮想通貨が挙げられます。管理者存在しないことが特徴完全分散化されており、全ての取引透明で、誰でも取引履歴確認可能です。しかし、誰でも参加できる分、スケーラビリティ (取引処理能力) の問題や、ネットワークの遅さがデメリットとして挙げられます​。

プライベートチェーン (許可型ブロックチェーン)

プライベートチェーンは、主に特定組織企業管理するクローズドブロックチェーンです。
ネットワークへの参加者取引承認者制限されており、金融機関企業内部取引など、機密性が求められる場面での利用一般的です。パブリックチェーンに比べて取引速度が速く、より効率的ですが、参加者が限られているため、やや中央集権的性質が含まれています。

コンソーシアムチェーン (許可型ブロックチェーン)

コンソーシアムチェーンは、複数組織共同運営するブロックチェーンです。
プライベートチェーンパブリックチェーン中間位置し、複数企業団体ネットワーク維持運営分担します。
これにより、中央集権化リスク軽減しつつ、透明性プライバシーバランスを取ることができます。サプライチェーン管理銀行間取引など、業界全体協力必要場合に適しています​。

これら3つのタイプは、それぞれ異なる目的ニーズ対応しており、利用ケースに応じて最適ブロックチェーン選択することが重要です。


ブロックチェーンの利点と直面する課題

ブロックチェーンのメリット

ブロックチェーンの主なメリットは次の4点です。

メリット1:信頼性とセキュリティ

ブロックチェーン取引データ連鎖して保存されておりデータが改ざんされにくいため、信頼性セキュリティ担保されています。ブロックチェーンデータ鎖状に連なったものですが、各ブロックには「ハッシュ値」という文字列が使われています。過去データが改ざんされた場合は「ハッシュ値」が変わってしまい、ネットワーク全体ノード (参加者) によって検出され、改ざんが発覚する仕組みです。すべての取引データ複数ノード分散して記録されており、ネットワーク全体合意がない限り変更ができません。このような参加者同士取引内容確認合意する「コンセンサス・アルゴリズム」と呼ばれる仕組みや、分散型台帳システムによってデータ透明性が保たれており、高い信頼性実現されています。

メリット2:コスト削減

ブロックチェーン中央管理者必要としないため、従来取引において必要であった仲介役不要になり、取引コスト大幅削減できます。例えばビットコイン海外送金する際でも金融機関を通さないため、従来よりも安い手数料送金可能です。
また、高額サーバー個別構築する必要がないため、導入コストおよび運用コスト節約にもつながります。

メリット3:システム安定性

ブロックチェーン分散型仕組みにより、特定サーバーダウンしてもネットワーク全体影響を受けることはありません。ブロックチェーンは、特定サーバーを持たずにネットワーク参加する各デバイス直接やり取りをしてデータ分散保存する、P2P (Peer to Peer) 型を採用しています。たとえ一部通信障害発生しても正常稼働しているノードだけで取引が進むため、システム全体安全かつ安定して稼働できる特徴があります。

メリット4:スマートコントラクトによる効率化

スマートコントラクトは、契約内容自動的実行するプログラムで、あらかじめ設定された条件が満たされると自動動作します。これにより、契約迅速かつ正確履行され、第三者を介さずに取引進行できます。特に、複雑契約定期的支払いが必要取引では、スマートコントラクトによって手続きが簡素化されることで、取引効率化されます。
 

ブロックチェーンのデメリット

一方で、ブロックチェーンにはいくつか課題存在します。

デメリット1:スケーラビリティの問題

ブロックチェーン技術課題の一つは取引量増加するにつれて、処理速度低下するスケーラビリティ問題です。これは特にビットコインのようなユーザー数の多いパブリックチェーンで起こりやすい問題で、1つのブロック記録できる量が限られているために発生します。そのため、取引量増大すると取引時間がかかったり、遅延を避けるために余計コストがかさんだりといった一連問題が起きる可能性があります。

デメリット2:51%攻撃のリスク

ブロックチェーン分散型ネットワークですが、もし悪意のあるグループネットワーク過半数 (51%以上) を掌握すると、システム全体操作して不正取引承認する「51%攻撃」が可能になります。特にパブリックチェーンにおいて懸念されており、ネットワーク安全性に対する脅威となっています。しかし、参加者が多く、長期間にわたって運用されている成熟したパブリックチェーンでは、この攻撃発生する確率は極めて低くなります。一方運用期間が短く、参加者が少ない未成熟チェーンでは、51%攻撃リスクが高まります。

デメリット3:法的および規制上の課題

ブロックチェーン技術導入には、法制度規制整備が追いついていないという課題があります。特に、スマートコントラクトデジタル通貨法的有効性についてはまだ不確定部分が多く、法整備が進まない限り、技術普及が遅れる可能性があります。


今後のブロックチェーンの可能性

ブロックチェーン技術は、今後さらに多くの分野重要役割を果たすことが期待されています。その将来性は、単に仮想通貨金融システムにとどまらず、私たちの生活ビジネス根幹を支える技術として進化していくでしょう。

例えば、NFT (非代替性トークン) (注1) は、ブロックチェーンによってデジタルデータ唯一性を持たせ、真偽所有権証明できる技術としてすでに活用されています。アートエンタメゲーム業界ではNFTを活用して作品原本価値収益保護できるだけでなく、デジタル作品二次流通でもクリエイター収益還元される仕組みが実現されています。

また、ブロックチェーン利用したデータ分散保管は、中央サーバーを狙った攻撃への対策になるため、企業政府サイバーセキュリティ分野にも活用できます。ブロックチェーン利用したセキュアデータストレージは、顧客内部機密などを保管している企業政府データ管理において今後利用期待されています​。

このように、ブロックチェーン技術はさまざまな分野での活用が進んでおり、より安全効率的社会インフラ構築するために欠かせない要素となるでしょう。ブロックチェーン契約プロセス効率化データ管理セキュリティ面強化など、企業業務課題解決にもつながります。企業次世代ビジネスモデル構築する際、この技術活用することで競争優位性確立し、持続可能成長期待できます。自社課題解決や新たなビジネスチャンス創出に向けて、ブロックチェーン技術導入検討してみてはいかがでしょうか。

  • 注1) NFT (Non-Fungible Token) とは:ブロックチェーン上で生成される非代替性トークン特定デジタル資産所有権を表す。

関連記事


関連サービス