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DX推進の技術・知見が集結するセミナー「KDDI SOLUTION DAY 2021」

DX推進の技術・知見が集結するセミナー「KDDI SOLUTION DAY 2021」

基調講演後のBreakout Sessionでは、社内外から各登壇者が自身の専門分野で培ってきた知見を参加者と共有した。その一部を紹介する。

  • ※ 記事中の部署名と役職名は2021年3月時点のものです。

Breakout Session

日立物流がKDDIと5Gで実現する物流高度化

日立物流 営業統括本部 輸送事業強化PJ SSCV強化グループ長 兼 スマートロジスティクス推進部 担当部長 兼 協創PJ員の南雲 秀明氏は、「デジタルシフによる物流高度化日立物流のDX戦略実証実験から始める物流領域の5Gソリューション開発~」と題して、自社で取り組むDX戦略紹介した。

冒頭南雲氏物流業界をとりまく環境課題俯瞰物流ニーズ高度になる一方で、人材不足深刻化していることに加え、コロナ禍によって物流に対する社会的要請が高まっているという。

そのような状況の中、日立物流は新たなDX戦略策定。さらに輸送領域、SCM(サプライチェーンマネジメン領域倉庫領域における3つのコア機能について紹介した。

物流業界には多くの課題存在しますが、これらを解決し、社会インフラとして重要物流サービス実現することが当社使命です。我々はSociety5.0の実現に向け、フィジカルサイバーをつなぐ3つのコア機能駆使し、業界を超えたエコシステム形成拡大をめざしています」 

さらに、KDDIと連携した大規模な5G実証実験 についても言及高精細4Kカメラ画像解析AI、5Gの技術をかけ合わせたモニタリングによる従業員安全生産性向上など、物流高度化に向けての取り組みを紹介、5Gへの期待感を語った。

株式会社 日立物流
営業統括本部
輸送事業強化PJ SSCV強化グループ長 兼
スマートロジスティクス推進部 担当部長 兼
協創PJ員

南雲 秀明氏


デジタル化とDX総合戦略によって導かれる、三井物産の「共創時代

三井物産は、2020年の新本社移転 を見据えて、約3年にわたり社内意識改革を含めたDX推進のための基盤を築いてきた。その足跡を、デジタル総合戦略部 部長補佐 石黒 太郎氏が「~オフィスデジタルが支える『変革成長』~三井物産の取り組み」と題した講演で語った。

三井物産株式会社
デジタル総合戦略部 部長補佐

石黒 太郎氏

社内コンセプト長期業態ビジョン2030』に盛り込まれた、『強い”個”と”個”のコラボレーションによる知的化学反応で新しい価値ビジネスを創る」を実現するため、デジタル専門人材常駐し、DXについて気軽相談できる『d.space(dスペース)』を設ける等の施策実行。DX推進のための中核組織である『デジタル総合戦略部』設立にもつながっています」

2018年からは、グローバルのITインフラ刷新
KDDIやシスコシステムズグループ会社三井情報連携して、自由度の高いネットワーク基盤構築し、場所時間にとらわれないワークスタイル可能とした。

現在掲げているDX総合戦略二本柱推進している。
デジタルによる社会課題産業的解決価値創造目指す「DX事業戦略」とデータ共有活用によるプロセス改善迅速かつ正確意思決定支援する「DD経営戦略」だ。「DXビジネス人材育成急務とした上で、「DXはさまざまな企業とのコラボレーションによりチャンスが広がるものだと確信しています」と共創への期待を語った。


SUBARUが打ち出す「総合安全」の新機軸

SUBARU 国内営業本部 ビジネスイノベーション部長重野 守氏は「お客さまの安全安心のために~SUBARUのコネクティッドサービス~」をテーマ講演を行った。

はじめに重野氏は、SUBARUが創業期から受け継いできた「総合安全」の理念について言及。「0次安全」と呼称する事故を起こしにくい車の設計や、「走行安全」「予防安全」「衝突安全」、さらにはコネクティッドサービス実現する「つながる安全」など、あらゆる場面想定して磨き上げられた独自安全技術紹介した。

コネクティッドカーは、IoT概念の一つ。車載通信機によって、クルマヒトクルマクルマクルマインフラなどをつなげて価値を高めるものです」

肝になるのが「先進事故自動通報システム (AACN)」だ。コネクティッドカー衝突事故を起こすとAACNが起動自動コールセンター救急要請し、事故被害最小限に食い止める。このAACNの実現のため、SUBARUはKDDIとパートナーシップ提携している。

2030年までに「死亡交通事故ゼロ(注1)目指すSUBARU。
重野氏は「さまざまなモノ・コトとつながれば可能性無限大に広がる。今後大学研究機関自治体とも連携を進めていきます」とさらなる発展意気込む。

株式会社 SUBARU
国内営業本部 ビジネスイノベーション部 部長

重野 守氏

  • 注1) SUBARU乗車中の死亡事故およびSUBARU車との衝突による歩行者・自転車などの死亡事故をゼロにすることを目指す。

DX推進にまつわる、あらゆる分野網羅するBreakout Session

Breakout Sessionではパートナー企業やKDDI社員により、5GやIoT、アジャイル開発マルチクラウドなどさまざまなテーマが取り上げられた。

KDDI DIGITAL GATEセンター長の山根 隆行による講演では、アジリティ (注2) の高いビジネスのための開発ができる組織とはどのようなものかについて語られた。

スクラム導入によるイノベーション組織への変革」には、Scrum Inc. Japan代表取締役荒本 実氏登壇顧客価値中心に据えた開発手法アジャイル」を取り上げて、変化の中で「生き残る」のではなく「成長する」ことの重要性に触れた。

KDDIが取り組む5G事業展望を語ったのが、KDDI サービス企画開発本部 5G・IoTサービス企画部 部長野口 一宙。5Gがビジネスにもたらす変革や「ビジネス基盤」と「ビジネス共創」の分野展開していくKDDIの5G事業について解説した。

KDDI株式会社
経営戦略本部 次世代基盤整備室 KDDI DIGITAL GATEセンター長

山根 隆行

そのほか、近年注目を集める次世代セキュリティモデル概念ゼロトラスト  (注3)」にまつわる講演は、KDDIサービス企画開発本部 ネットワークサービス企画部 部長梶川 真宏ラック セキュリティプロフェッショナルサービス統括部 デジタルペンテストサービス部長 仲上 竜太氏登壇

また、KDDIのマルチクラウド基盤採用されている「MEC (Multi-access Edge Computing) (注4)」の講演には、アイレット クラウドインテグレーション事業部 事業部長小林 弘典氏登壇し、クラウド設計構築サポート導入事例紹介された。

  • 注2) 目まぐるしい環境変化に即応するために欠かせない、経営や組織運営のあり方における機敏性。
  • 注3)「通信相手を信頼せず、攻撃されることを前提とする」というコンセプトの、新たなネットワークセキュリティの考え方。業務システムのクラウドシフトやテレワークの急速な普及を背景に注目されるようになった。
  • 注4) 端末により近い場所にサーバーを分散配置することで、これまでクラウドで行っていた処理をリアルタイムに (超低遅延で) 行えるようになるネットワーク技術「エッジコンピューティング」の規格の一つ。


およそ4時間にわたって配信された「KDDI SOLUTION DAY 2021 」。
DX推進がいまだ過渡期日本において力強く歩みを進めるためには、本イベントで取り上げたように業種業界垣根を超えたパートナーとの「共創」が欠かせない。

KDDIは今後もDX推進必要技術先鋭化させ、パートナー伴走者となってニューノーマル時代を切り開いていく。

示唆に富んだ数々の講演は、目まぐるしく変化するビジネスシーンの道しるべになってくれるはずだ。