栗林マリタイム株式会社
船舶部 副部長 海務監督 真治 正章 様
船舶部 副部長 工務監督 大谷 明豊 様
トラブル発生時にも、乗組員は船を自力で寄港させなければなりません。IoTでその作業を陸上から支援します。
少ない乗組員での運航や、乗組員の負荷軽減に役立つ
M0内航船をいちはやく導入。
同社は、機関室の無人化運転が可能なM0 (エムゼロ) 内航船を他社に先駆けて導入し、今日では内航大型船のすべてに採用しています。M0とは、Machinery Space Zero Personの略であり、機関室や制御室の主要装備にセンサーを組み込み、そのデータを集中監視システムで収集することで、エンジンなどの制御と監視をブリッジ (操舵室) から行うことが可能です。少ない乗組員での運航や、乗組員の負荷軽減に役立っています。
機関室や制御室の状況をリアルタイムで知るだけでなく、
過去にさかのぼって状態の変化を調べることも可能に
実証実験を行った神瑞丸 (13,097総トン) には、機関室や制御室の各種センサーデータを収集する集中監視システムが既に搭載されていました。そこで、エンジンのシリンダー温度や冷却水温度などの主要データを、KDDIが新たに設置したIoTゲートウェイ装置で受け取り、衛星通信サービスでKDDIのクラウド上に送信・蓄積する仕組みを構築しました。
トラブルが発生して現場が対応に追われるときにも、
陸上から冷静な指示ができるようになります
陸上の管理者は、機関室や制御室の状況をリアルタイムに確認し、故障の予兆を発見できるだけでなく、トラブル発生時には過去にさかのぼって状態の変化を調べることが可能になりました。
「幸いなことに、実証実験中に運航上のトラブルは発生していませんが、万が一のときには、現場は対応に追われてしまうため、陸上から冷静で的確な指示ができ、安心です」。