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FIDO認証が実現するパスワードレスセキュリティ

FIDO認証が実現するパスワードレスセキュリティ

FIDO認証が実現するパスワードレスセキュリティは、従来パスワード管理に伴うセキュリティリスク煩雑さなどの課題解決します。公開鍵認証方式生体認証を組み合わせたFIDO認証は、年々増加傾向にある不正アクセスフィッシング攻撃に対しても有効です。本記事では日本国内でも導入が進んでいる「FIDO認証」についてわかりやすく紹介します。

  • ※ 2020年4月1日公開


従来のパスワード管理の課題

これまでスマートフォンやPCなどのデバイスサービスログインする際、英数字を組み合わせたパスワード設定一般的でした。しかし、近年不正アクセス情報漏えいのリスク増加しており、ログイン情報流出懸念されています。実際に年々不正アクセス被害増加傾向にあり、従来パスワード管理だけでは、セキュリティ十分に保つことが難しくなっているのが現状です。

サービス提供者がセキュリティ対策をしても、パスワードが管理しきれないユーザーによって (よくないと分かっていても安易なパスワード・パスワードの使いまわし) 、 ログイン情報が漏えいするリスクが高まる。その結果、パスワードレス認証に注目が集まる

ユーザーパスワード作成時に覚えやすさを優先する傾向があり、簡単パスワード設定したり複数サイトで同じパスワードを使い回したりといったケースがよくあります。例えば「123456」や「password」のようなパスワードは、毎年セキュリティ専門機関発表する「よく使われるパスワード」のリストに必ずと言っていいほど登場します。一般的に覚えやすいパスワード推測されやすく、フィッシング攻撃リスト型攻撃標的となりがちです。

実際総務省警察庁および経済産業省調査した「令和5年における不正アクセス行為(識別符号窃用型)の手口別検挙件数」においても、犯行手口内訳を見ると 「利用権者パスワード設定管理の甘さにつけ込んで入手」 が42.7%と最も多い結果になっています。

令和5年における不正アクセス行為 (識別符号窃盗型) の手口別検挙件数

たとえサービス提供者強固セキュリティ対策を施していても、ユーザー適切パスワード管理できていなければ、セキュリティは大きく損なわれる可能性があります。しかしユーザーパスワード管理重要性理解していても、登録サイトが多いため管理が難しいというのが現状です。


生体認証の利点と課題

そこで、パスワード管理の煩わしさやセキュリティリスク解決するための手段として「パスワードレス認証」が登場しました。この認証方式は、従来のようにパスワード入力して認証するのではなく、指紋や顔、音声などの「生体認証」を用いて本人確認を行います。

指紋認証、顔認証、音声認証、虹彩認証、静脈認証→ユーザーのセキュリティや利便性は高まるが登録の手間やサービス提供者側のセキュリティリスクが課題に

生体認証種類指紋認証顔認証音声認証虹彩認証静脈認証など、多様技術存在し、それぞれの認証手段は高いセキュリティ性と利便性があります。これらの技術ユーザー固有生体情報を用いるため、複製やなりすましが困難で、従来パスワードに比べても不正アクセスリスク大幅軽減できます。

生体認証の主な利点として、次の3点が挙げられます。

  • 高いセキュリティ:個々の生体情報唯一無二であるため、不正利用リスクが低い。
  • 利便性向上パスワードを覚える必要がないため、ログイン手間が省ける。
  • フィッシング対策パスワードを狙ったフィッシング詐欺リスク軽減できる。

生体認証は多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。例えば、認証を行うために指紋顔写真などの生体情報登録しなければならないため、手続きに抵抗を感じるユーザーも少なくありません。また、サービス提供者側には生体情報安全管理する責任が伴うため、より慎重セキュリティ対策が求められます。もしも生体情報が漏えいすれば、そのリカバリー非常困難ユーザー信頼を失う重大リスクがあります。


FIDO認証の仕組みと利点

そこで、生体認証におけるデメリットを補えるのではないかと注目されているのがFIDO認証です。
FIDO (ファイド) はFast Identity Online の略で、従来のID・パスワードを用いた認証方式に代わる新しい認証技術です。FIDO認証公開鍵認証方式生体認証を組み合わせた認証で、パスワード使用しない上に生体情報デバイス内でのみ処理されるため、インターネット上にユーザー生体情報流出するリスクもありません。

FIDO認証は次のようなステップで行われます。

従来型のID・パスワードを用いた認証ではそれぞれのポイントでパスワードに対するリスクがあるが、FIDO認証ではスマートフォンなどのローカル環境での本人認証と公開鍵認証方式を活用したオンライン認証を個別に行うことによって高いセキュリティを実現することができる。

FIDO認証サーバー側とユーザー側で秘密情報共有しないため、従来生体認証システムよりもセキュリティ管理面強化されています。
また、1回きりのパスワード発行する「ワンタイムパスワード」や複数画像選択することで認証を行う「ニーモニック認証」といった他の認証方式よりも手間がかからないため、ユーザー負担がかかりません。さらにUSBタイプ認証器やBluetooth、NFC対応デバイスなど、さまざまな機器利用できるため、導入時障壁も少ないでしょう。


FIDO認証の実際の導入例

FIDO認証企業サービス提供者にとっても、導入によるメリットが大きい技術です。Apple、Google、Microsoftなどの大手IT企業生体認証などを利用した新しいオンライン認証技術標準化目指す「FIDO Alliance」に加盟しており、2018年にはKDDIも加わりました。具体的には、FIDO2 (Fast Identity Online 2) やWebAuthnといった認証技術採用し、ユーザーパスワード依存せず、指紋顔認証セキュリティキーなどを使ってログインできる環境構築推奨しています。

国内でも金融機関医療機関など、重要個人情報を取り扱う業界ではFIDO認証導入されており、取引信頼性安全性確保しています。

また、KDDIの「au ID」に関しても、2023年7月19日に「指紋・顔認証によるログイン」の利用者数が1,000万人を突破しました。「au ID」は2020年から、ユーザー安全性利便性向上させるために、パスワードを使わないFIDO2対応ログイン方法導入しており、その結果として、2023年7月のパスワード再設定数は、同年1月と比較して約10%減少しています。また、「au IDでログインができない」といった問い合わせも減少傾向にあり、パスワードを用いることによる不便さが解消されていることがわかります。

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KDDIのFIDO対応サービスと活用方法

KDDIでは企業向けに「FIDO認証」を用いたパスワードレス認証ソリューション提供しています。
KDDIが提供している「KDDI Business ID」および「KDDI IDマネージャー」は、IDベース顧客管理やID運営簡単かつセキュア管理したい方におすすめです。

「KDDI Business ID」はクラウドサービスのIDをひとつにまとめ、より簡単なID管理アクセス実現します。事業所内のActive DirectoryやEntraIDとの連携可能で、アカウント情報同期一元化できます。KDDIの信頼性の高い自社設備内構築/運用するため、企業は24時間365日、ID管理を任せることができます。

「KDDI IDマネージャー」はユーザー安全かつ簡単ログインできる認証認可プラットフォームで、ID統合・ID連携実現します。ECサイトクラウドサービス展開する企業にとって、ユーザーエンゲージメント向上させるためには、シンプル安全ログインシステムが欠かせません。KDDI IDマネージャーはFIDO機能によりユーザビリティ担保しながら、不正アクセス検知自動遮断といった高度セキュリティ対策を備えています。

KDDIのFIDO対応サービスは、自社サービスセキュリティ利便性向上目指企業にとって有力選択肢となります。重要情報を取り扱う金融機関医療機関クラウドサービス活用する企業はもちろん、あらゆる業種においても強固認証基盤構築不可欠です。


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