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通信が届かない“空白領域”を解消する事業運営へ 企業の通信課題を解決するKDDIの「Starlink」活用ビジネス

通信が届かない“空白領域”を解消する事業運営へ
企業の通信課題を解決する
KDDIの「Starlink」活用ビジネス

圏外災害時遠隔地といった通信環境制約によって、業務効率化やDX推進を諦めてはいないだろうか。山間部海上災害時現場など、これまで通信インフラ十分整備されていない環境では、業務継続課題が生じるケースは少なくなかった。しかし、衛星通信進化によって、その前提は大きく変わりつつある。KDDIの「au Starlink Direct」は、2025年の提供開始からすでに400万人以上 (注1)利用されるなど急速普及している。また、KDDIでは「Starlink」を活用し、IoTや閉域接続といった領域活用領域を広げている。本記事では、KDDIが進める「Starlink」を活用したサービス最新動向と、企業にもたらす可能性紹介する。

  • 注1) 20264月時点・弊社調べ。
  • ※ 記事内部署名役職取材当時のものです。


「空が見えればどこでもつながる (注2)
――400万人以上が利用する「au Starlink Direct」

Starlink」は、低軌道衛星活用した通信サービスとして注目されている。KDDIではこの技術活用したサービス展開しているが、その取組単発の新サービスではない。2022年に国内初 (注3) の「認定Starlinkインテグレーター (注4)」として「Starlink」サービス開始して以来今期で5期目を迎えている。

そのなかでも「au Starlink Direct」は、2025年4月の提供開始以降、すでに400万人以上利用されている。この数字が示すのは、衛星通信一部先進導入企業だけのものではなく、実際業務生活の中で受け入れられ始めているという事実だ。

背景には導入ハードルの低さがある。「au Starlink Direct」は日本初 (注5)衛星スマートフォン直接通信サービスであり、auの4G・5Gエリア外でも、空が見える場所であれば自動的衛星モードへ切り替わる。au回線利用者追加料金なしで利用でき、他キャリア利用者専用プランを2枚目のSIMとして申込可能だ。

対応端末もAndroid各機種からiPhone、Apple Watchまで拡大しており、サービス開始当初と比べて対応機種数大幅増加している。

  • 注2) 空が見える場所であれば、auの5G/4GLTEエリア外でつながります。
  • 注3) 弊社調べ。
  • 注4)「Starlink」サービス提供においてSpaceX社と連携する国内認定事業者
  • 注5) 弊社調べ。

現場業務を支える衛星通信
――業務アプリも圏外で利用可能に

「au Starlink Direct」の価値は、つながる場所が増えることだけではない。これまで圏外だった場所でも、現場利用するアプリコミュニケーション手段一部利用できるようになった点にある。

ダム山間部海上などの現場では、auエリア外であってもメッセージ送受信位置情報共有緊急情報受信可能だ。さらに「KDDI SMARTアドレス帳」や「eYACHO」などの業務ツール利用できるため、通信環境理由業務中断する必要がなくなる。

また、衛星通信対応したアプリは44種類に達している。Google マップ、LINE、Yahoo! JAPAN、YAMAP、ウェザーニュースなどの日常利用アプリに加え、法人向けでは「Nobi for Driver」、KDDIが提供する「ロケーション安否確認」、今後対応予定の「Buddycom」なども含まれる。

KDDIはアプリ事業者向けに技術要件説明試験環境提供も行っており、衛星通信対応アプリ拡大後押ししている。

通信サービス現場評価されるのは、理論上つながるかどうかではなく、現場利用するツール実際機能するかどうかである。衛星通信を閉じた特殊用途にとどめるのではなく、既存業務環境自然に組み込めるようにしている点は、企業にとって大きな導入メリットとなるだろう。


広がる利用エリアと活用シーン
――進化を続ける「au Starlink Direct」

特に注目したいのは、「au Starlink Direct」が利用者数を伸ばしているだけでなく、継続的機能アップデートによってサービス価値を高め続けている点である。

現在以下のようなアップデートが進められている。

  • 国内接続エリアが2倍に拡大
  • 世界初 (注6) の海外ローミング接続開始
  • 対応アプリ拡大
  • 24時間365日のSOSセンター新設
  • 国内初 (注7) となるIoT向け直接通信サービス提供開始

例えば国内接続エリアは、2026年1月の機能アップデートにより、海岸線から24海里までの接続水域へと拡大した。これにより接続可能エリアは約2倍に広がっている。海上利用においては、「au Starlink フェリーWi-Fi」と組み合わせることで、船内通信環境に加え、圏外エリアにおいても通信手段確保できるため、業務継続緊急時連絡手段としての活用可能となる。

さらに2026年3月からは、アメリカ (注8)海外ローミング接続開始した。これは「Starlink衛星」とスマートフォン直接通信における国際ローミングとして、連携事業者間では世界初取組である。今後対象国拡大 (注9) も予定されており、衛星直接通信国内向サービスにとどまらない構想が見えてくる。

また、24時間365日対応の「au Starlink Direct SOSセンター」も新たに提供されている。圏外遭難事故発生した際には、テキスト送信されたSOS情報センター受信し、警察消防などへ代理通報する仕組みだ。

このように、利用エリア利用シーン対応サービスを広げることで、「au Starlink Direct」は単なる圏外対策サービスから、より実用的通信基盤へと進化を続けている。

  • 注6) 弊社調べ。
  • 注7) 弊社調べ。
  • 注8) 対象地域は、本土/ハワイ/一部アラスカ/プエルトリコ
  • 注9) 2026年度内にはカナダフィリピンニュージーランドにて展開予定

国内初のIoT直接通信と日本初の閉域接続
――「Starlink」活用は新たなステージへ

KDDIの「Starlink」を活用したサービスにおいて特に注目したいのが、IoTと閉域接続領域である。

au Starlink Direct for IoT」は、国内初のIoT向け直接通信サービスとして提供されている。KDDIは20年以上にわたりIoT回線提供してきた実績を持ち、累計回線数は6,000万回線 (注10) を超える国内最大規模基盤構築してきた。その知見を活かし、これまでモバイル通信が届かなかった山間部や島しょ部でも、IoTデバイス衛星直接通信実現している。

想定用途は、水道ガス検針物流集荷防災獣害対策など幅広い。これらの分野では、通信環境制約から現地巡回目視確認必要となるケースも少なくなかった。しかし、人口減少人手不足が進むなか、インフラ維持効率化社会的課題となっている。衛星IoTは単なる通信エリア拡張ではなく、こうした課題解決を支えるインフラとして期待されている。

さらにKDDIは、「Starlink」によるインターネット経由しない専用ネットワーク (閉域網接続) サービス日本で初めて提供している。これは「Starlink」通信閉域ネットワークサービスKDDI Wide Area Virtual Switch」を介して、企業自治体イントラネットワーク直接接続するものだ。

インターネット経由しないため、官公庁自治体病院電力交通など、高いセキュリティ安定性が求められる環境でも活用しやすい。すでにサービス提供は始まっており、今後ギガビット対応 (注11)予定されている。

このIoTと閉域接続の二つは、KDDIの先行優位象徴する取組といえる。KDDIは2020年からSpaceXと連携しながら取組を進めてきた実績を持つ。単に衛星回線提供するのではなく、企業システム業務アプリセキュアネットワーク環境まで含めて設計していることが、他社より先行的提供しているKDDIの大きな強みとなっている。

  • 注10) KDDIグループ累計回線ID数。2026年3月時点、弊社調べ。詳しくはこちら
  • 注11) 1Gbps(1秒間に約10億ビット)の高速通信対応していることを指し、大容量データ送受信可能通信規格

KDDIの「Starlink」活用ビジネスは企業活動を支える通信基盤へ

ここまで見てきたように、KDDIの「Starlink」を活用したサービスは、スマートフォン向け直接通信だけでなく、IoTや閉域接続といった領域にも広がりを見せている。さらに、用途に応じたさまざまなサービスソリューション展開している点も特長だ。
例えば、「au Starlink Station」、「au Starlink イベントWi-Fi・au Starlink フェスWi-Fi」、「au Starlink フェリーWi-Fi」といったサービスに加え、利用シーンに応じた関連サービスとして「オフグリッド公衆Wi-Fi」、「小型携帯電話基地局『auフェムトセル』」「船舶向ソリューション『ShipLINK (注12)』」などのソリューション提供している。

このようにKDDIは、「Starlink」を単体通信サービスとしてではなく、さまざまな利用環境業務課題対応する通信基盤として展開している。

企業にとって重要なのは、衛星通信導入するかどうかではなく、自社業務課題に対してどのように活用するかである。スマートフォン現場のWi-Fi環境海上通信災害対策、IoT監視閉域接続までを一体的検討できるようになることで、業務継続人員削減遠隔監視などの実現につながり、企業にとって大きな導入メリットとなる。

とりわけ、短期間で400万人規模利用実績を積み上げた「au Starlink Direct」と、国内初となるIoT向け直接通信サービスや「Starlink」の閉域網接続サービス展開は、衛星通信実証話題先行段階を越え、企業事業運営を支える実用的通信基盤へと進化していることを示している。

山間部海上災害時インフラ監視など、従来は「つながらないこと」を前提運用せざるを得なかった業務は少なくない。KDDIの「Starlink」活用サービスは、その前提そのものを変えようとしている。

KDDIは、業務継続社会インフラ維持という観点から通信環境拡張するとともに、スマートフォン向け直接通信、IoT、閉域接続といった領域活用範囲を広げることで、衛星通信企業活動に組み込める段階まで引き上げているのだ。

通信環境理由で諦めていた業務サービスはないだろうか。これまで通信制約によって実現が難しかった業務運用も、衛星通信進化によって選択肢が広がりつつある。自社業務に当てはめたときに何が変わるのか、検討してみる価値は大きいだろう。

  • 注12) 株式会社東北電技ソリューションズ開発提供する船舶特化型ソリューション