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法人トピックス

高耐久スマホでの放射線測定データ伝送実証を実施 ~災害時を想定し、「au Starlink Direct」で通信確保したモニタリング体制の強靭化を目指す~

  • KDDI株式会社
  • 公益財団法人原子力安全技術センター
  • 原子力規制庁

KDDI株式会社 (以下 KDDI) 、公益財団法人原子力安全技術センター (以下 原子力安全技術センター) 、原子力規制庁は、2026年8月20日から、原子力災害時における放射線モニタリング体制のさらなる強靭化を目的とした共同実証実験 (以下 本実証) を実施します。

本実証では、酷暑下や低温下の寒冷地といった過酷な環境を想定した状況下において、防水・防塵・耐衝撃に耐泥水を有し、過酷な使用条件にも耐えるKDDIが提供するスマートフォン「TORQUE(R) 」シリーズを放射線測定器 (以下 サーベイメータ) と連携させます。放射線測定データを原子力規制庁が運用する「放射線モニタリングプラットフォーム (RAMP) (注1) 」に安定的に伝送し、「放射線モニタリング情報共有・公表システム(RAMIS) (注2) 」で表示できるかを確認します。
あわせて、災害時の通信障害を想定し、衛星とスマートフォンの直接通信サービス「au Starlink Direct」を活用した通信の冗長化が可能かを確認します。

3者は、本実証で得られた知見をもとに、災害時にも途切れることのない、より強靭な放射線モニタリングシステムの実現を目指します。将来的には、安価で設置が容易な放射線を測定する小型の可搬型モニタリングポストの配備を推進し、日本の原子力防災体制のさらなる向上に貢献していきます。

背景

  • 原子力災害対策では、放射線量を常時測定するモニタリングポストからの測定データをリアルタイムかつ、確実に収集することが極めて重要です。現在、固定型のモニタリングポストは、原子力発電所の周辺30km圏内に、約1,700箇所設置されています。
  • 現在、原子力規制庁を中心に、モニタリングポストの放射線測定データをRAMPに集約する取組を進めています。RAMPに集約された放射線測定データは、全国のモニタリングポストなどの測定データをリアルタイムで公表するRAMISにおいて表示されます。
  • 2024年1月に発生した能登半島地震では、通信障害により一部のモニタリングポストの放射線測定データが欠測する事態が発生したため、当該地点に可搬型モニタリングポストを設置する必要がありました。この可搬型モニタリングポストは、通信の冗長化を確保するため衛星携帯電話を搭載していますが、長期間の使用を想定しているために必要なバッテリーの重量が大きくなっています。結果として、可搬型モニタリングポスト全体重量は約45kgであり、3名の人員が徒歩で運搬する必要があるため機動性に課題がありました。そのため、強靱で機動的なモニタリング体制を実現するために、容易に設置可能かつ通信の冗長化が確保された「小型の可搬型モニタリングポスト」を配備することが急務となっています。
  • こうした背景から、原子力規制庁は令和7年度に、地上通信網 (4G LTE) と衛星通信 (au Starlink Direct) を自動で切り替えるスマートフォンおよびサーベイメータを用い、ショートメッセージサービス (SMS) を活用した伝送方式により、放射線測定データのWebサーバーへの伝送を実現する実証実験を行い、災害時における通信確保の有効性を確認しました。
  • 今回はその成果を踏まえ、年間を通じてより過酷な現場環境 (夏期の酷暑下、冬期の低温下) における実用性を検証します。
従来の可搬型モニタリングポストを、スマートフォンとサーベイメータで構成する小型システムへ置き換えるイメージ図。

本実証について

1. 概要

  • 酷暑下や低温下の寒冷地など、過酷な屋外環境における高耐久スマートフォン「TORQUE(R) 」シリーズの動作安定性を検証する。
  • サーベイメータとBluetoothで接続した「TORQUE(R) 」シリーズを、小型の可搬型モニタリングポストとして屋外に設置し、長時間の連続稼働における機器の安定性と放射線測定データ伝送の品質を評価。
  • 「4G LTE」が途絶した際に、「au Starlink Direct」へ自動的に切り替えて放射線測定データ伝送を継続する機能の有効性を評価する。「4G LTE」と「au Starlink Direct」ではデータ伝送時の通信方式が異なることから、スマートフォンからの放射線測定データの伝送にあたっては、SMSとhttpsによる暗号化通信を併用して伝送できるアプリケーション (MONIFIT-S (注3) ) を活用し、その実用性を評価する。

2. 実施時期

第1回 (耐熱実験) 2026年8月20日~8月27日 (予定)
酷暑下を想定した耐熱試験や、降雨を想定した耐水試験を実施。
第2回 (耐寒実験) 2026年12月 (予定)
降雪や低温下の環境を想定した耐寒試験を実施。

3. システム構成

サーベイメータの測定データをスマートフォン経由で送信し、4G LTEと衛星通信を自動切替しながらRAMPへ連携するシステム構成図。
  • サーベイメータとスマートフォンをBluetoothで接続して放射線測定データを取得。
  • 「4G LTE」が途絶した際は、「MONIFIT-S」が放射線測定データの通信方法をhttpsによる通信からSMSに自動で切り替えるとともに、スマートフォン本体が自動的に、データ伝送先を「4G LTE」から「au Starlink Direct」に切り替え。復帰時には元の回線へ自動復旧。
  • Webサーバーで受信した放射線測定データは、RAMP用の伝送フォーマットへ変換した上で、暗号化通信によりRAMPに送信。
  • RAMPにて取得した放射線測定データをRAMISにおいて確認。

各者の役割

担当 役割
KDDI 通信ネットワーク、本実証用スマートフォンの提供、通信技術に関する技術支援、RAMPにおけるネットワークの提供事業者としてデータ伝送の技術支援および運用保守
原子力安全技術センター アプリケーション開発 (MONIFIT-S) 、関連機器連携・設定全般、放射線測定データ測定
原子力規制庁 本実証の全体計画の策定・評価

  • 注1) RAMP:Radiation Monitoring Platform
    2026年3月から原子力規制庁が運用を開始した新たな基盤システム。これまで国と地方自治体で個別に管理されていた放射線測定データの収集の機能をクラウド上に統合することで、インフラの堅牢性を高め、災害時においてもより迅速かつ安定した放射線測定データの集約と国民への情報公開を可能にするもの。
  • 注2) RAMIS:Radiation Monitoring Information Sharing and Publication System
    日本全国の空間放射線量 (放射線量データ) を24時間リアルタイムで収集し、マップやグラフを用いて分かりやすく、インターネット上に公開・共有するシステム。
  • 注3) MONIFIT-S:Monitoring Field Team Support tool (放射線モニタリング支援ツール)
    原子力安全技術センターが開発・運用する放射線モニタリング支援ツール。スマートフォン端末での放射線測定データの地図表示、小型サーベイメータによる放射線測定データを衛星通信 (Starlink) などによりデータ送信する際にSMSかhttpsかによらず送信元の端末を識別できる機能などを搭載。

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