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「ゼロトラストを検討せよ」と言われたら第 2 回:自社に何が足りない?
ゼロトラストブログ vol. 14

「ゼロトラストを検討せよ」と言われたら
第 2 回:自社に何が足りない?

2024 8/9
お客さまへKDDIのゼロトラスト導入事例をご紹介する際や、ITインフラのコンサルティング依頼をいただく際、お客さまから「ゼロトラストを導入したいがどのように検討を進めればよいか分からない」「ゼロトラストを導入中だが今の進め方で問題ないのか自信がない」といったご相談をいただくことがあります。本記事では、ゼロトラストの検討・対応を進めていく際、何から取り組めばよいか、進め方の一例をゼロトラスト推進部の茶木が会話形式でご紹介します。全3回を予定しており、今回は「現状評価・分析 (アセスメント) 編」です。本記事をご覧いただくことで、ゼロトラストを検討する際の一助となれば幸いです。

前回の記事は、こちらの記事を参照ください



登場人物紹介

自社の現状を評価・分析するためには?

Aさん先日、KDDIにゼロトラスト勉強会開催してもらって、ゼロトラスト概要用語必要な取り組みについて理解できました。
ゼロトラストは、どのような通信でも、社内外通信属性を問わずに信頼を疑う (信頼ゼロベースで考える) 考え方であること、1つのソリューション導入するだけではなく、複数ソリューションを組み合わせて実現していく必要があることが、KDDIの事例構成ソリューション選定理由を聞いて、改めてイメージできました。

B課長:KDDIのゼロトラストモデル化に踏み切った背景や、ゼロトラストモデル検討にあたり重視したポイントも聞けて参考になったね。ゼロトラスト概要や、コンポーネント (構成要素) の理解が深まったところで、次はどうやって進めようか。

Aさん:IPA (情報処理推進機構) の『ゼロトラスト移行のすゝめ (注1) 』に、ゼロトラスト構成移行するための全体的な流れとして、Phase1「As-Is分析、ありたい姿の検討」とありました。「As-Is分析」として、自社現状把握をしていこうと思います。

[図 2-1 ゼロトラスト構成へ移行するための全体的な流れ] Phase1:As-is分析 ありたい姿の検討、Phase2:グランドデザイン作成、Phase3:投資判断、Phase4:環境構築、Phase5:検証・改善

B課長自社現状把握はどうやって進めようか。課のメンバーで集まって、課題点をあげてもらうやり方もよいけれど、検討観点の漏れがありそうかな。

Aさん検討観点の漏れがないように、サイバーセキュリティフレームワークチェックリストなどの第三者観点整理されたアセスメント (現状評価分析) を実施しようと思います。

B課長アセスメントといっても、我々の取り組みに合ったものを実施したいね。以前、別の機会に、セキュリティアセスメント実施したときは、いくつかセキュリティリスク指摘されたけれど、何から対策すべきか判断できず、アセスメント実施後改善活動につなげることができなかったんだよね。また、ゼロトラスト移行に関する検討を早めに進めたいから、予算化する前に短期間でやる方法はないかな。

Aさん:おっしゃるとおりですね。アセスメント現状評価方法について調べる中で、経済産業省の『サイバーセキュリティ経営ガイドライン支援ツール(注2) や、IPAの『5分でできる!情報セキュリティ自社診断(注3) を使った自己診断検討しました。
ただ、経営目線であったり、サイバーセキュリティ全般に対する評価であったり、ネットワーク、ITインフラゼロトラスト移行に向けた現状評価分析としては、直接的に生かすことは難しそうだと感じました。できれば、自分たちだけでなく、外部知識・力を借りたいと思っています。

先日紹介されたKDDIの『ゼロトラスト成熟度アセスメント(注4) は、ゼロトラストの考えに基づいたサイバーセキュリティリスク現状評価を1カ月程度短期間定量評価されるようです。
また、対策優先度実施後効果提示されるとのことです。
まずはKDDIの『ゼロトラスト成熟度アセスメント』から取り組みたいと思いますが、いかがでしょうか。

B課長:それはよさそうだね。KDDIの『ゼロトラスト成熟度アセスメント』はどういう判断基準評価されるのかな。

Aさん米国NIST『Cyber Security Framework』(注5) や、米国CISA『ゼロトラスト成熟度モデル(注6) を基に、KDDIのノウハウを加えた評価がされるようです。

B課長アセスメントはどのように実施するのかな?今の時点では、あまり時間をかけすぎないやり方がよいね。

Aさん:50問程度アセスメントシート記入する形式のようです。KDDIからヒアリング形式での実施可能なようですが、課のほかのメンバーにも確認しつつ進めたいので、まずは社内確認し、記入をしようと思います。

アセスメント実施後、次のステップは?

Aさん:KDDIによる『ゼロトラスト成熟度アセスメント』の結果報告を受けて、元々検討していたEDR (注7) によるPCのセキュリティ対策だけでなく、クラウド利用増加に伴うシャドーIT (注8) 対策や、リモートワーク利用しているVPN機器脆弱性対策課題であることが明らかになりましたね。

B課長ランサムウェア対策でEDRは優先して進めたいけれど、C部長から「当社としてクラウド移行本格的に進めていくにあたり、ゼロトラスト検討せよ」と言われたから、シャドーIT対策検討を進めなくてはいけないね。

アセスメントレポートイメージ

Aさん:まずはゼロトラスト中心となるアイデンティティー管理から対策を進めることがセオリーのようですが、当社事情を鑑みた優先順位整理必要ということがわかりましたね。

B課長提示された簡易ロードマップ他社動向参考に、具体的改善策検討必要だね。直近施策検討できそうだけど、中長目線では、サイバーセキュリティ観点だけでなく、当社経営方針にあった検討もしなくてはいけないね。

Aさん:おっしゃる通りですね。緊急性の高いサイバーセキュリティリスクに対する施策は進めつつ、中長期計画は、引き続き検討しようと思います。KDDIによる『ゼロトラスト成熟度アセスメント』の結果報告会でも、利便性コスト観点整理重要との指摘がありました。
一度社内検討のうえ、KDDIの『次期ITインフラ構想策定 (コンサルティングサービス)(注4)検討しようと思います。

  • 注7) EDR (Endpoint Detection and Response) とはエンドポイント端末(個々のコンピュータースマートフォンなどの接続デバイス)を監視し、不審な振る舞いを検知して対処するためのツールサービス
  • 注8) 企業組織管理外のIT機器ソフトウェア。ここでは情報システム部門管理外のSaaSやIaaSなどのクラウドサービスを指す。

ゼロトラスト検討に向けた現状評価・分析の重要なポイント

ゼロトラスト検討を進めるにあたり、現状評価分析イメージは湧いてきましたか?
続いて、現状評価分析 (アセスメント) を進める中で特に重要ポイントを2点ご紹介します。

最後に

ゼロトラスト移行を含め、ITインフラサイバーセキュリティ強化検討する際には、KDDIの『ゼロトラスト成熟度アセスメント』を利用することで、短時間サイバーセキュリティリスク現状評価分析対策優先度整理することが可能です。何から始めればよいか不明な点があれば、ぜひご相談ください。
また、全社的サイバーセキュリティ強化のために、詳細対策計画もご提供しております。ゼロトラストをこれから検討される方、今の進め方に不安を抱えられている方など、何かお困りごとがあるお客さまは、当社までお声がけください。

次回は「第3回:ありたい姿・グランドデザインはどう検討する?」と題し、ゼロトラスト次期ITインフラ検討するうえで実施すべき構想策定について、ご紹介いたします。

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執筆者プロフィール

茶木 隆輔 (ちゃき りゅうすけ) [関連する保有資格:CISSP (注9)、CCSP (注10)]
アプリケーション開発、サーバー構築など幅広くIT・サイバーセキュリティ関連業務に従事後、2022年3月にKDDIへ入社。現在は、ITインフラの構想支援やゼロトラスト導入に関するコンサルティング業務、セキュリティのアセスメントサービスの企画・実施業務を担当。大手総合電機メーカー、大手専門商社等、業界問わずITインフラのコンサルティングを実施。
  • 注9) CISSP (Certified Information Systems Security Professional)
  • 注10) CCSP (Certified Cloud Security Professional)

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