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IPアドレスとは、インターネット上で通信を行うために、ネットワーク上の個々の機器に割り当てられる「住所」のようなものです。例えば、「192.168.0.1」のようにピリオドで区切られた数字の羅列で表現されます。この数字によって、ネットワーク上で相手を識別し、正確にデータを届けられる仕組みです。
手紙を出す際に宛先の住所が必要になるのと同様に、インターネット上での通信においても相手のIPアドレスを指定する必要があり、インターネット上の通信においてIPアドレスは重要な役割を果たします。
IPアドレスは、使用される範囲によって主に「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス (ローカルIPアドレス) 」の2種類に分けられます。それぞれのIPアドレスには異なる役割があり、インターネット通信において重要な機能を果たしています。
ここでは、これら2つのIPアドレスの種類について詳しく解説し、それぞれの特徴と使われ方をご紹介します。IPアドレスの種類を理解することは、ネットワークの仕組みを把握する上で非常に重要です。
グローバルIPアドレス | プライベートIPアドレス | |
---|---|---|
定義 | インターネット上で唯一無二のアドレス | 限定されたネットワーク内で使用されるアドレス |
接続環境 | インターネットに直接接続される | インターネット上には接続されず、内部ネットワークにのみ存在 |
割当方法 | ISPから提供 | DHCPサーバーや手動設定で割り当て |
外部アクセス | 外部インターネットから直接アクセスが可能 | 外部インターネットへのアクセスにはNATを経由する必要がある |
アドレスの重複 | 唯一無二のアドレスのため、発生しない | 異なるネットワークで同じアドレスを使うため、発生する |
グローバルIPアドレスは、インターネット上でただ一つ存在する、インターネットに直接接続された機器に割り当てられるIPアドレスです。主にインターネットサービスプロバイダー (ISP) から提供され、Webサイトの閲覧やメールの送受信など、私たちが普段インターネットを利用する際に使われます。グローバルIPアドレスは、インターネットに接続するルーターなどの機器に割り当てられることが一般的です。
グローバルIPアドレスの用途は幅広く、Webサーバー・メールサーバーの公開や、外部から社内ネットワークにアクセスするVPN接続、クラウドサービスを利用する際にも使用されます。割当方法によって動的IPアドレスと固定IPアドレスに分かれている点が特徴です。
■ 動的IPアドレスとは
動的IPアドレスは、インターネットに接続する際にプロバイダーから一時的に与えられるIPアドレスです。このアドレスは、接続するたびに変更されるのが特徴で、オフィス内のPCやスマートフォンがインターネットに接続する際には、動的IPアドレスが自動的に割り当てられることが一般的です。その理由として、多数のデバイスがネットワークに接続される企業環境では、各デバイスに固定のIPアドレスを割り当てるのは効率的ではない点が挙げられます。
例えば、1つのオフィスに50台以上のPCやスマートフォンがある場合、それぞれに固定のIPアドレスを設定することは非常に管理が煩雑となり、時間やコストがかかります。そのため、動的IPアドレスを用いてIPアドレスを自動で割り当てることで不要な管理負担を軽減し、コストを抑えられるという利点があります。
■ 固定IPアドレスとは
固定IPアドレスは、インターネットに接続する際に常に同じIPアドレスが割り当てられる仕組みです。動的IPアドレスとは異なり、接続するたびにアドレスが変わることがありません。この特性から、特定のサーバーやネットワーク機器へのアクセスにおいて、安定性が求められるビジネスシーンで広く利用されています。
例えば、個人情報や社外秘情報を取り扱うシステムへの接続に際して、特定のIPアドレスからのみアクセスを許可するセキュリティ設定を行うことで、不正なアクセスの防止にも役立ちます。セキュリティ管理者などから求められたセキュリティ基準に応じて、動的IPアドレスと使い分けを行うようにしましょう。
プライベートIPアドレス (ローカルIPアドレス) は、家庭や企業内といった限定されたネットワーク内で使用されるIPアドレスです。これらのアドレスはインターネット上に直接接続されることはなく、異なるネットワークでは同じIPアドレスを使うことができる点が特徴です。
プライベートIPアドレスを持つ機器がインターネットに接続する際には、NAT (Network Address Translation:ネットワークアドレス変換) という技術を使用し、ルーターのグローバルIPアドレスに変換されます。これにより、数に限りのあるグローバルIPアドレスを複数の機器で共有しながら同時にインターネットを利用できます。
また、プライベートIPアドレスには、いくつかのビジネス上のメリットがあります。第一に、コスト削減が挙げられます。企業は必要なグローバルIPアドレスの数を減らせるため、ISPへの支払いが軽減されます。次に、プライベートIPアドレスは外部からの直接アクセスを許さないため、不正アクセスのリスクが低減し、重要な情報をより安全に保護できる環境が整います。さらには、DHCP (注1) を使用することで、IPアドレスの自動割当が可能となり、ネットワーク管理の効率化も図れます。
一方で、プライベートIPアドレスにはデメリットも存在します。異なるネットワークで同じアドレスを利用しているためIPアドレスが重複する可能性があり、これが通信の混乱を引き起こす原因となることがあります。また、NATを経由してインターネットにアクセスするため、特定の機器間での直接的な通信が制限されることも懸念されます。加えて、大量のデバイスが同時に接続する場合には、パフォーマンスに影響を与えることもあるため、注意が必要です。
IPアドレスの接続方式には、主にIPv4とIPv6の二つのバージョンがあります。現在インターネットで広く利用されているのはIPv4ですが、IPアドレスの枯渇問題に対応するためにIPv6への移行が進められています。
IPv4は、現在広く利用されているインターネットプロトコルのバージョンです。IPアドレスは32ビットの数値で表現され、約43億個のアドレスを割り当てることができます。これは、例えば「192.168.0.1」のように8ビットごとにピリオドで区切られた4つの数字の組で表記されるのが一般的です。
しかし、インターネットの爆発的な普及に伴い、IPv4アドレスは枯渇の危機に瀕しています。このアドレス枯渇問題に対応するため、さまざまな対策が講じられていますが、根本的な解決策としてIPv6への移行が進められています。IPv4には、アドレスのクラス分け (クラスA、B、Cなど) が存在し、ネットワークの規模に応じて使い分けられていました。
IPv6は、IPv4の後継として開発されたインターネットプロトコルの新しいバージョンです。IPv4のアドレス枯渇問題を解決するために導入されました。IPv6のアドレスは128ビットの数値で表現されるため、その数は約340澗 (かん) 個 (1澗は1兆×1兆×1兆) と、実質的に無限に近い数のアドレスを割り当てることが可能です。これにより、将来にわたってインターネットに接続されるあらゆる機器にIPアドレスを割り当てられるようになります。
IPv6のアドレスは、例えば「2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334」のように16ビットごとにコロンで区切られた8つのブロックで表記されるのが一般的です。IPv6への移行は徐々に進められていますが、IPv4との互換性がないため、両方のプロトコルに対応したネットワーク環境の整備が必要となります。
ここまではIPアドレスの利用範囲や接続方式による違いを解説してきましたが、実際に現在、使用しているIPアドレスを具体的に確認したい方に向けて、グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス、それぞれの確認方法についてご紹介します。
グローバルIPアドレスは、Webサービスで手軽に確認できますが、信頼性を重視するため、コマンドラインでの確認をおすすめします。
PCやスマートフォン向けのアプリもありますが、WindowsではコマンドプロンプトやPowerShellで「nslookup」を実行、Macではターミナルで同様のコマンドを使うことでグローバルIPアドレスを確認できます。ネットワークの問題が発生した際には、正しいIPアドレスの確認がトラブルシューティングに役立ちます。
ローカルIPアドレスの確認方法は複数あります。
Windowsでは、スタートメニューから「コマンドプロンプト」を開き、「ipconfig」と入力することで確認できます。もしくは、「設定」から「ネットワークとインターネット」を選択し、現在のネットワークの詳細情報でも確認可能です。
Macでは、「Appleメニュー」から「システム設定」を開き、「ネットワーク」を選択すると接続中のネットワークのIPアドレスが確認できます。また、ターミナルを使って「ifconfig」と入力する方法や、「ipconfig getifaddr en0」 (Wi-Fi) 「en1」 (Ethernet) を使用することでもIPアドレスを表示できます。
スマートフォンの場合、iOSやAndroidの設定アプリで「Wi-Fi」に進み、接続中のネットワーク名をタップするとIPアドレスが表示されます。
この確認方法はOSのバージョンや機種によって異なる場合があります。
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今やビジネスに欠かせないインターネットですが、IPアドレスのように意外と知らない用語や仕組みがあるかと思います。通常時はこういった知識がなくとも問題ないですが、トラブルが発生した場合、その知識が役立つことがあります。一方で、こういった仕組みなどを理解した担当者が社内にいないという企業も多いのではないでしょうか。
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