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IPv6とIPv4どちらを選ぶべき?オフィス導入時のメリット・デメリットと確認ポイント解説

IPv6とIPv4どちらを選ぶべき?
オフィス導入時のメリット・デメリットと確認ポイント解説

2025 9/17
社内Wi-Fiの見直しや、新たなインターネットの導入を検討する際に、よく登場するのが「IPv6対応」というワード。すでに多くの通信事業者やクラウドサービスではIPv6への対応が進んでおり、将来的には主流になる規格だと言われていますが、まだまだ実際の現場では、「そもそもIPv6とIPv4の違いがよくわからない」や「IPv4のままで何か問題があるのか?」といった疑問の声も少なくありません。
特に中小企業においては、専任のIT担当者やネットワークエンジニアが社内にいないことも多く、情報システム担当者や総務担当者が兼任でインフラ管理を担っていることも。たとえITの専門家ではなくとも、IPv4とIPv6の違いからそれぞれのメリット・デメリットや法人での選び方のポイントまで、ビジネス目線でわかりやすく解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.IPv4とIPv6の違い

まずは、IPv4とIPv6について簡単説明していきましょう。IPv4とIPv6の「IP」とは、インターネット上の「住所」にあたるものです。WEBサイトアクセスしたり、メール送受信したりする際に、どの機器通信しているのかを識別するために使われます。

IPv6のネットワークイメージ

そのIPアドレスで広く使用されているのが「IPv4」という規格です。IPv4では「0.12.123.255」のように4つに区切った0から255までの数字で表すため、256×256×256×256と、約43億個のIPアドレスを割り当てることができますが、近年のように世界中スマホやIoTが普及し、インターネット接続する機器爆発的に増えた結果、IPアドレス枯渇するという問題が出てきました。

そこでその問題解決すべく開発されたのが、「IPv6」という規格です。IPv6では、IPv4の約43億個に比べて約340澗 (かん) 個 (1澗は1兆×1兆×1兆) と、IPv4に比べ膨大な数のIPアドレス作成できるため、今後さらに増え続けるIoT機器などのインターネット接続機器にも枯渇心配なく対応できるようになりました。

2.IPv6のメリット:法人でインターネットを導入する際に知っておきたいこと

では、そんなIPv6のビジネスにおけるメリットは、どんなところにあるのでしょうか。IPv6のメリットとしてまず挙げられるのは、通信速度向上安定化です。IPv4ではIPアドレス不足する懸念から、複数デバイスで1つのグローバルIPアドレス共有するNAT (ネットワークアドレス変換) という仕組みが広く利用されていました。このNAT処理ルーターなどのネットワーク機器負荷をかけることがあるため、NAT処理がいらないIPv6ではルーターへの負担軽減され、通信速度向上安定化期待できるというわけです。

そしてもうひとつのメリットが、セキュリティ強化です。IPv6にはIPsec (IP Security) というセキュリティプロトコル標準搭載されているため、データ暗号化認証を行うことで、通信盗聴や改ざんを防ぎ、セキュリティ強化できるというメリットがあります。

さらに、IPv4の課題として見過ごせないのが、インターネットサービス発展への影響です。IPv4では、前述のNATによって複数機器がIPアドレス共有していました。このIPアドレス共有環境では、社内機器からインターネットアクセスすることは可能ですが、インターネット側から共有されている特定機器に対して直接アクセスすることはできません。その状態では、デバイス同士相互通信し合うP2P型 (注1)アプリケーションや、モノモノとをつなぐIoT機器では、NATを介することでうまく機能しない、あるいは設定非常複雑になるという課題がありました。

IPv4とIPv6のイメージ

この課題もIPv6を導入すれば、すべてのデバイス固有のIPアドレスを持つことで制約がなくなり、より自由多種多様インターネットサービス開発普及を促すことができるようになります。

この観点からも、通信管理する総務省でもガイドラインを設け、IPv6への移行を促しているのです。

  • 注1) P2P型とは、「Peer to Peer」の略称で、PCやスマホなどの端末同士がサーバーを介さずに直接接続しデータなどのやり取りを行う通信方式。また、そのような方式を用いるシステムやソフトウェアもP2Pと呼ばれる。

3.IPv6を導入する際に確認すべきポイント3点

では、実際オフィスでIPv6を導入する際には、どのような点に気をつければよいでしょうか。IPv6のみで通信するには、通信機器アプリケーションなどですべてのIPv6対応必要です。以下対応できているかどうかを事前確認しておきましょう。


①現在のネットワーク資産が対応しているかどうか

IPv6での通信には、ルーター機器ファイアウォール側の対応必要です。そのため、まずは自社ネットワーク資産がIPv6に対応しているかどうかを確認し、非対応場合は、ファイアウォールセキュリティソフト更新ルーターを買い替えましょう。


➁業務システムがIPv6で動作するか

また、勤怠管理システム会計ソフト、VPNなどを利用している場合は、それらの社内システムがIPv6で正常動作するかも確認しておく必要があります。ほとんどの法人では「IPv4とIPv6を併用するデュアルスタック構成」を採用しているため問題ないケースが多いのですが、念のため自社構成確認しておくとよいでしょう。


➂ISPやクラウドサービスのIPv6対応状況も要確認

利用中インターネットサービスプロバイダ (ISP) やクラウドサービスがIPv6に対応しているかどうかも注意必要です。IPv6通信時には、トラフィック制御セキュリティ挙動が変わる場合もあるため、管理者事前対応状況確認しておく必要があります。

IPv6のネットワークイメージ

4.IPv6の導入時期はいつがいい?

それらを踏まえて、IPv6を導入するタイミングはいつがよいでしょうか。現時点では先ほどの確認ポイントクリアしていなくとも、今後ネットワーク環境見直時期にあわせ、ひとつずつ更新していくことが現実的な切り替えタイミングといえるでしょう。

  • 次期ルーターやアクセスポイントの購入・更新
  • 新規クラウドサービス導入や社内システムの刷新
  • 社屋移転やフロア拡張など、今後システム刷新やネットワーク拡張を予定しているタイミング

このように現在IPv4で問題が起きていない間は現状のIPv4を維持しつつも、中長期的インフラ更新計画に際してはIPv6への段階的移行計画することが、結果的コスト手間最適化にもつながるでしょう。


【補足】光回線とホームルーター:スモールオフィスの通信手段は?

オフィス内のルーターとWi-Fiイメージ

インターネット回線利用に際して、そもそもの光回線工事を避け、ホームルーター (5G対応) を社内Wi-Fiとして使用するケースもあります。確かに近年ホームルーター速度も上がっており、工事不要コンセントに差すだけで利用できる手軽さは魅力です。一部法人用途に応える性能を持っていますので、以下の点が問題ないのであれば、有効選択肢となります。


・通信速度と安定性

光回線比較すると、ホームルーター無線通信であるため、電波状況周囲環境によって、速度安定性左右されやすい傾向があります。業務大容量データ通信を行う場合や、安定した通信が求められるオンライン会議が多い場合などには、速度不足通信不安定さが課題となる場面が出てくる可能性があります。


・セキュリティ機能

オフィス利用特化したルーター比較して、ファイアウォールやVPNなどのセキュリティ機能限定的である場合があります。また、取引先ネットワークアクセスするには固定IPが必要場合もあるため、法人として利用する際には、セキュリティ対策についても確認しておくとよいでしょう。

比較項目 光回線 ホームルーター
通信の安定性 高い 無線のため
影響を受ける可能性がある
導入までの手間 開通工事が必要
(1カ月〜)
工事不要
すぐに使える
月額料金 5,000〜7,000円程度 4,000〜6,000円程度
IPv6対応 多くのプロバイダで対応可能 提供事業者によって
対応状況が異なる
法人利用の適性 高い
(VPN・固定IPなどに対応)
要確認
(固定IPなどには非対応)

そして、やはり継続的安定した高速通信必要とする場合や、法人利用としての要件を満たしていない場合は、ホームルーターはあくまで補助的利用や、限られた状況での暫定的利用とし、光回線導入検討するほうが現実的です。

5.IPv6の導入や社内インターネット選びはプロにお任せ

現状、IPv4で業務支障がなければ無理に切り替える必要はありませんが、今後の新しいサービス対応できるオフィス環境を整えるためにも、新しい機器導入システム見直タイミングで、ひとつずつでもIPv6へ切り替えていくことが重要です。

とはいえ、社内に詳しい人材がおらず、どの段階で何をしたらよいのか迷う場合は、通信プロであるKDDIにぜひご相談ください。オフィスインターネット環境見直しやIPv6への切り替えに関するご相談など、貴社業務内容規模に合わせた最適ネットワーク環境をご提案させていただきます。

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