自動充電ポート付きドローン「Skydio Dock for X10」を活用した遠隔自動ダム点検実証を実施 ～地震時一次点検業務のさらなる高度化・効率化を実現～

KDDIとKDDIスマートドローンは、東京電力リニューアブルパワー株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 永澤 昌、以下、東電RP) が運営する葛野川ダム (山梨県大月市) において、Starlinkを活用したauエリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」と、Skydio, Inc. (以下、Skydio) の自動充電ポート付きドローン「Skydio Dock for X10」を活用し、地震発生後を想定した臨時点検 (注1) 実証 (以下 本実証) を実施しました。

本実証では、KDDIが葛野川ダムの水門上部にStarlinkと4G LTEアンテナを一体にした架台型のSatellite Mobile Linkで構築した通信環境において、Skydio Dock for X10による遠隔飛行を実施しました。
米国製のドローン「Skydio Dock for X10」の設置により、ドローンの自動充電および遠隔地からの飛行操作やリアルタイムでの映像確認を実現しました。ドローンで撮影された映像や写真はインターネットを経由してクラウドに格納されるため、データの効率的な取得と管理が容易になりました。

その結果、地震発生後の一次点検業務の効率化や、ダムまでの移動経路の安全確保が困難な状況における作業員のリスク軽減、さらには二次点検業務の時間短縮、平時の湖岸巡視業務にも活用できることを確認しました。

• 多くのダムは山間部や人里離れた場所に位置しており、ダム周辺には地形が複雑な場所が多く、特に地震などの災害時にはダムまでの移動が非常に困難になります。道路の損傷や崩壊、安全状況が不明であることが原因でアクセスが遮断される可能性があります。また、こうした地形的な要因により通信環境の構築も容易ではありません。山間部ではインフラが未整備である場合が多く、安定した通信を確保することが課題となります。
• そうした環境下、地震後のダム一次点検では作業員が現場へ行く必要があります。しかし、移動には多くの時間を要し、道路の安全状況も不明であるため、人身災害の発生リスクを想定するとすべての点検箇所を目視で確認することは困難でした。

KDDIは2024年5月から、お客さまの事業成長・社会課題解決へ貢献するため、AI時代の新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX (ワコンクロス)」を始動しました。
WAKONX Mobilityのアセットであるドローンの技術は、その高い実用性を活かし、迅速かつ正確なインフラ点検を可能にするだけでなく、災害時の被害状況や復旧活動の効率化にも寄与する需要なツールとして期待されています。
さらに、クラウド上にデータを蓄積することで、リモートで現場の状況を包括的に管理することが可能となります。この蓄積されたデータは、AIを活用した高度な分析および予兆管理に役立ち、将来的な課題やリスクを未然に防ぐための措置につながると考えます。

長年にわたりインフラ事業を支え続けてきたKDDIとKDDIスマートドローンは、今後もパートナー企業と協力し、高度なドローン技術の活用を通じて、お客さまの課題解決に貢献するとともに、社会課題の解決と未来への取り組みを加速していきます。

「Satellite Mobile Link」は、衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」を活用したau通信エリア構築ソリューションです。通信不感地の現場に設置することで、携帯電話による音声通話やデータ通信の利用が可能となり、現場の作業員への遠隔支援や緊急時の連絡など情報伝達の効率や即時性が向上します。また、通信環境整備により、スマートドローンやロボットを活用した遠隔でのインフラ点検やメンテナンスなども実現可能となります。

詳細は、こちらをご確認ください。

KDDIスマートドローンは、2025年5月29日 (木) にKDDI スマートドローン初主催のドローンカンファレンス「KSD CONNECT 2025」を、大手町三井ホール会場とオンライン配信のハイブリッド形式で開催します。
「『技術と現場』『社会課題と解決策』『お客さまとパートナー』をつなぐ」をテーマに、最新技術やサービスの展示、活用事例の紹介、特別講演などを予定しております。会場では、本実証で利用した「Skydio Dock for X10」を国内カンファレンスで初めて一般公開します。
詳細は、「KSD CONNECT 2025」特設サイトをご確認ください。