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地域・国ごとのカーボンニュートラルへの取り組みを紹介!対応遅れにより生じるリスクとは?

地域・国ごとのカーボンニュートラルへの取り組みを紹介!
対応遅れにより生じるリスクとは?

2026 1/7
カーボンニュートラルを実現するため、各地域や国ではさまざまな施策を策定しています。例えば、EUでは「欧州気候法案」を採択し、温室効果ガス削減目標を法定化するなど、厳格な規制を設けています。一方で、米国やAPAC地域では、各産業や地域特性に応じた柔軟なアプローチが見られます。
これらの国際的な動向に企業が対応するためには、自社内だけでなく、サプライチェーン全体でのCO2排出量の正確な把握が重要です。情報開示や排出量削減などの対応が遅れると、企業はパートナー企業からの取引停止などに直面するリスクがあるため、早急に対応を進める必要があるでしょう。
本記事では各国がどのようにカーボンニュートラルに取り組んでいるか、詳しく紹介します。対応が遅れるリスクや企業が取り組むべき対応策も解説しますので、参考にしてください。

※ 2024年4月16日公開

1.地域・国ごとのカーボンニュートラルの規制動向

各国の気候変動対策や目標を示す表。EU、米国、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナムの取り組みやスケジュール、ネットゼロや排出削減目標についての詳細が記載されている。EUは2021年に「Fit for 55」を発表し、2035年以降のガソリン車の販売停止、2050年までにネットゼロを目指す。米国は2035年までに電力部門の脱炭素化、2050年までにネットゼロを目標化。シンガポールは2022年からサステナビリティ報告書の義務化を開始し、2026年からはScope3も開示予定、2050年にネットゼロを目指す。タイは2022年8月にScope1,2報告義務化、2050年までにカーボンニュートラル達成、2065年にネットゼロを計画。インドネシアは2023年からサステナビリティ報告書義務化、2030年までにGHG排出量29%削減、2060年にネットゼロを目指す。ベトナムは2016年から報告義務を開始し、2030年にGHG排出量43%削減、2050年にネットゼロを目標としている。

カーボンニュートラル実現するため、多様施策策定されています。グローバル規模展開する企業は、自社直接消費するエネルギー資材 (Scope1、2) のみならず、サプライチェーン全体での間接排出 (Scope3) への対応が求められます。はじめに、地域・国ごとのカーボンニュートラル規制動向について解説します。

1-1.EUでのカーボンニュートラルの規制動向

EUでは気候変動対策主要な取り組みとして、2021年7月に欧州理事会で「欧州気候法案」が採択されました。この法案により、2050年と2030年の温室効果ガス削減目標法定化され、「Fit for 55」と呼ばれる包括的政策パッケージ導入されています。

主な施策以下のとおりです。

  • 排出量取引強化 (2005年43%→2030年61%)
  • エネルギー効率化目標引上げ (1990年32.5%→2030年36-39%)
  • 2035年以降ガソリン車の新車販売禁止

1-2.米国でのカーボンニュートラルの規制動向

米国は2035年までに電力部門脱炭素化をめざしています。産業分野では電化推進し、電化困難分野ではクリーン水素活用推進しています。

また、エネルギー転換部門ではHFC (代替フロン) 石油ガス開発時メタン排出規制策定し、航空分野では持続可能航空燃料への転換計画するなど、部門ごとの具体的な取り組みが進められています。

1-3.APAC地域でのカーボンニュートラルの規制動向

APAC地域では、シンガポール・タイ・インドネシア・ベトナムなどの国々がそれぞれ独自目標政策を掲げています。APACでは急速経済発展とともに排出削減への取り組みが重要視されており、特にScope3のような広範囲排出対応企業に求められる点が特徴です。

1. シンガポール

2050年までにネットゼロ (温室効果ガス排出量を差し引き「ゼロ」にすること) を目標に掲げ、2022年に上場企業に対して段階的サステナビリティ報告書開示義務化しました。さらに2025年からISSB (国際サステナビリティ基準審議会) 基準適用させ、2026年からはScope3データ開示義務に含まれる予定です。

2. タイ

2050年までにカーボンニュートラル、2065年までにネットゼロ達成目標に掲げています。2030年までにGHG (温室効果ガス) 排出量の30%削減計画しています。また、2022年8月より石油事業者に対してScope1、2の報告義務化し、遵守しなかった場合罰金が科すなど、厳しい環境責任を課しています。

3. インドネシア

2060年までにネットゼロ目指し、2025年には炭素税導入検討しています。2023年より金融機関に対し、サステナビリティ報告書開示義務化しており、2025年から炭素税導入検討されています。

4. ベトナム

2050年までにネットゼロ目指し、ベトナム政府は2016年より全上場企業に対するサステナビリティ報告書提出要請し、2025年までに排出権取引市場開始宣言しています。

2.CO2排出量の策定と開示に向けた、リスクと背景とは?

サプライチェーン全体でのCO2排出量算定開示は、企業持続可能性確保地域・国ごとの規制対応において避けては通れない課題の一つです。

CO2排出量におけるサプライチェーン全体図

特にScope3は多くの企業全排出量の8割を占めていますが、その算定開示には多くのリスク課題が伴います。例えば、海外拠点ではデータ収集仕組みが整っていない場合が多く、現地サプライヤーからの情報収集精度向上には多大労力必要です。こうしたハードルを乗り越えるためには、企業全体背景リスク把握し、戦略的対応を進めることが求められます。

2-1.グローバルサプライヤーからの情報開示請求

グローバルサプライヤーのピラミッド図

環境規制が厳しい製造業自動車業界では、サプライヤーに対する情報開示請求活発実施されています。例えばTier1 (一次サプライヤー) 企業に対し、Scope3排出量データ算定提供義務付ける動きが広がっています。

この傾向は、Tier2、Tier3 (下位サプライヤー) にも連鎖的波及しており、親会社サプライチェーン全体管理する必要性が高まっています。具体例として、某自動車会社では、「グリーン調達ガイドライン」を通じて、サプライチェーン全体排出量把握する仕組みを構築し、取引先企業に対し具体的排出データ提供を求めています。

2-2.ステークホルダーからの要請

投資家金融機関をはじめとしたステークホルダーは、企業環境対応に厳しい目を向けています。例えば、欧州では企業持続可能性報告指令 (CSRD) に基づき、企業環境パフォーマンス情報開示義務付けられ、サプライチェーン全体でのCO2排出量データ透明性が求められています。

また、消費者製品選択においても環境負荷の少ない製品を選ぶ傾向が強くなっています。このような状況下適切算定情報開示を怠ることは、企業価値低下競争力喪失といった大きなリスクを伴うため、海外拠点を含めて企業全体戦略的な取り組みを進める必要があるでしょう。

3.カーボンニュートラルの実現にはCO2排出量の可視化が重要

カーボンニュートラル実現するには、企業全体 (コーポレートレベル) と製品ごと (プロダクトレベル) の両面でCO2排出量正確把握管理することが重要です。CO2排出量可視化により、達成可能削減目標設定効果的対策を講じることができます。これらの取り組みは、環境規制への対応だけでなく、企業プレゼンス向上競争力向上にも寄与します。

3-1.コーポレートレベルでCO2排出量を管理する意義・メリット

効果的な削減策の実施、企業価値 の向上、従業員の環境意識向上

企業全体でのCO2排出量把握管理は、環境規制への確実対応可能にするとともに、経営戦略上重要判断材料となります。例えば、工場オフィスでの電力使用量社用車からの排出製造過程での排出などを正確測定すれば、効果的削減策を講じられます。

くわえて、CO2排出量削減の取り組みを外部発信することで、企業価値向上にもつながるでしょう。また、全社的環境目標設定進捗管理を行うことで、従業員一人ひとりの環境意識を高める効果期待できます。

3-2.プロダクトレベルでCO2排出量を管理する意義・メリット

環境に配慮した製品開発が可能、競争力強化、取引先との関係強化

製品サービスライフサイクル全体での環境負荷把握することは、競争力強化市場での差別化につながります。例えば原材料調達から製造輸送使用廃棄に至るまでの各段階での排出量理解することで、環境配慮した製品開発実現できます。他にも、取引先との関係強化コスト削減期待でき、サプライチェーン全体での最適化につながります。

コーポレートレベルプロダクトレベル両面でのCO2排出量把握管理は、環境負荷低減という社会的責任を果たすとともに、企業持続的成長競争力強化につながるでしょう。

4.まとめ

カーボンニュートラル実現は、国際的規制への対応が求められます。親会社パートナー企業からの情報開示排出量削減などの対応が遅れると、取引停止企業価値低下といったサプライヤーとしての地位を失う可能性があるため、CO2排出量可視化からはじめ、戦略的対応を進めることが重要でしょう。

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