※ 2024年4月24日公開
グローバル企業がサプライチェーン全体でCO2排出量を算定・開示する際は、以下の課題に直面するケースが多く見られます。
サプライチェーン全体でのCO2排出量を算定するためには、膨大な情報を整理し、全社的な取り組みを計画する必要があります。しかし、何から始めればよいか、どの工程を優先するべきかが不明確な場合が多く、計画の初期段階でつまずく企業も少なくありません。
特にCO2排出量の算定ではScope1~2 (直接排出) に比べてScope3 (間接排出) のデータ収集は、取引先やサプライヤーの協力が必要となるため、難易度が高い傾向にあります。
また、データ収集・管理に必要な人員、システム、時間などの正確な見積もりが難しく、準備不足に陥りやすいのが実情です。くわえて、トレーニングやガイドラインの提供が不十分で算定作業を進められないケースもあります。
海外拠点ではCO2排出量算定に必要な知識やスキルをもつ現地スタッフが不足していることが 課題になります。また現地サプライヤーの協力も得にくいため、一次データの収集が難しく、部分的な算出に留まる企業も少なくありません。くわえて、収集したデータに欠損が生じていることもあり、サプライチェーン全体で収集したデータに欠損や誤差が生じると、適切な検証が困難になります。
CO2排出量の算定ではデータ分析ツールや計算モデルの理解が必要ですが、理解が不足している場合、ミスが発覚せずに不正確な数値が報告されるリスクがあります。
グローバル企業においては、国ごとに異なる排出係数や算定基準などの規制が存在するため、本社がさまざまな算定ロジックを統合・統率する必要があります。しかし、これには大きな工数を要し、業務負担が大きいことが課題です。
また、日本本社からのガバナンスが効きづらい海外拠点では、ITの利活用や運用フローの統制が困難となり、拠点ごとにシステムやデータ管理のばらつきが発生しやすくなります。
2050年までにネットゼロ (温室効果ガスの排出量を差し引き「ゼロ」にすること) を目標に掲げ、2022年に上場企業に対して段階的にサステナビリティ報告書の開示を義務化しました。さらに2025年からISSB (国際サステナビリティ基準審議会) 基準を適用させ、2026年からはScope3データも開示義務に含まれる予定です。
多くの企業ではCO2排出量の管理にExcelを用いていますが、レガシー運用では以下のような課題が浮き彫りになります。
CO2排出量のデータ収集と入力を手作業で行うと、入力ミスや漏れが発生しやすくなります。数値や単位を間違えたり、入力漏れが起こったりすると、全体の算定結果に影響がおよびます。正確なデータでないと、排出量の算定結果が実態を反映しないため、削減施策の計画や報告が不適切になる可能性が高くなるでしょう。
一部の企業では入力プロセスを自動化している場合もありますが、多拠点を管理する場合、リアルタイムでのデータ更新が難しく、意思決定が遅れる要因にもなります。
各拠点やサプライヤーのデータが異なる形式や単位で提出される場合、集計前にデータの変換・整備を行う必要があります。統一されたデータ形式を作るためには、多大な時間と労力を要します。
集計作業を自動化しても、データの入力段階での欠損や、集計ロジックや計算式にエラーが含まれている場合、それを検出して修正するには人の手による確認が必要となり、結果として手作業による確認工程が残ることがあります。特にScope3のように、複雑で大量のデータを扱う場合には、効率的な運用の妨げとなります。
排出量を算定するために使用される排出係数は、エネルギー源や地域に応じて異なり、定期的な更新が求められます。Excelの場合、これらを手動で更新する必要があり、反映漏れが起こりやすくなるのが課題です。
またExcelはセンサーやシステムからリアルタイムで取得される1次データを直接、取り込むことができないため、最新情報を活用した分析が難しくなります。過去のデータに基づいた不正確な分析により、誤った意思決定を招くリスクがあります。
カーボンニュートラルへの取り組みでは、CO2排出量の可視化や削減、代替・オフセットなど多岐にわたるプロセスが求められます。ITサービスを活用すれば、包括的に対応できます。
ITツールは、膨大なデータを効率的に収集・分析する際に役立ちます。ITツールを活用すれば、正確な情報をもとにした企業全体でのカーボンニュートラルの取り組み推進が可能となります。
クラウドベースのITツールなら、拠点ごとにバラバラに管理されているデータをクラウド上に集約し、一元管理できます。異なる単位や形式のデータを自動で統一や、ダッシュボードで可視化したデータをリアルタイムでモニタリングすることもできます。排出量が高い工程やエリアを分析・特定し、効率的な削減施策へと結びつけることができるのもITツールを活用するメリットです。
KDDIが提供する「工場IoT見える化ソリューション」は、工場内で稼働する設備や生産ラインの一次データをセンサーで自動収集し、クラウド上に転送することでリアルタイムな可視化を可能にします。一次データの収集だけでなく、レガシー運用によるミスや漏れを防ぎ、クラウドベースの一元管理とリアルタイムな分析による、正確な意思決定をサポートします。
くわえて、最新の排出係数やエネルギー使用データを自動更新する仕組みを構築すれば、手動による反映漏れや遅延を防止できるでしょう。
また、生産工場や各部門が統制を取り、正確なデータをリアルタイムで共有する仕組みは、部門間の連携を強化し、排出量の正確な把握と効果的な削減施策の実行を後押しします。
Excel管理の煩雑さだけでなく、データ取得・データ精度などの課題に悩む企業には「アスエネ」の活用をおすすめします。
グローバル企業が各国の拠点やサプライチェーン全体との緊密な協力体制を整えるためには、外部の専門家やコンサルタントの活用が効果的です。「KDDI Green Digital Solution」は、CO2排出量の可視化から削減計画の立案、実行までワンストップでサポートできます。
クラウド上でCO2排出量を可視化すると、現場・本社は下記の効果を得られます。
クラウド上でデータを一元管理することで、収集・入力・集計作業を自動化できます。手作業でのデータ変換・整備が不要となり、作業時間の大幅な削減が期待できます。また、入力形式を統一することで、誤入力を防ぎ、算定結果の信頼性を高めることができます。
各拠点からの排出量データがリアルタイムでクラウドにアップロードされるため、管理者は常に最新の情報に基づいた判断を下せます。クラウド上のデータは統一された形式で管理されるため、複数拠点のCO2排出状況を簡単に比較できます。拠点ごとのCO2排出量推移などが可視化されるため、より詳細な削減戦略などをたてることができ、効率的に効果が得られます。
クラウドサービスを利用することで、グローバルガバナンスの課題を解決でき、日本本社から海外拠点のガバナンス・統制が可能になります。
また、グローバル全体で統一された排出係数や算定基準を使用すると、信頼性の高い分析が可能になるでしょう。クラウド上のデータを自動集計・可視化すれば、手動でのデータ整理を行わずに済みます。即座にレポートを作成できる点もメリットです。
グローバル企業がサプライチェーン全体でCO2排出量を算定・開示する際は、海外生産工場を含めたグローバルでのガバナンス統制が必要となり、管理が煩雑になりがちです。特にCO2排出量の管理をExcelで実施すると、データの品質・信頼性低下や、オペレーションによるヒューマンエラーが発生しやすくなるため注意が必要です。手作業による管理は担当者の負担が大きいため、工数削減も大きな課題となっています。
クラウドベースのITツールであれば、拠点ごとでバラバラに管理されているデータをクラウド上に集約して一元管理できます。「KDDI Green Digital Solution」の「アスエネ」は、CO2排出量の見える化・削減・報告を行うクラウドサービスとなっております。
工場IoT見える化ソリューションでは、海外工場の生産ラインなどに設置したセンサーを用い、ネットワーク経由で機器の一次情報を取得、クラウド上でデータの見える化を実現することができるサービスです。KDDIではデータの取得から可視化までをワンストップでサービス提供させていただいています。
KDDIではCO2排出量の全体把握から原因分析まで一元管理し、CDP認定パートナーとともに伴走型の支援を提供しています。ぜひお問い合わせください。