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カーボンニュートラルにおけるグローバル展開の実践的アプローチを解説

カーボンニュートラルにおけるグローバル展開の実践的アプローチを解説

2026 1/14
グローバル企業がカーボンニュートラルを推進する際、各地域の排出係数や算定基準などの規制に合わせて異なる対応を取る必要があります。しかし、各拠点が個別の対応を取ることで、ITの利活用や運用フローの統制、一貫性を確保が難しくなり、本社である日本側で各拠点の規制を十分に把握しきれないケースがよく見られます。
本記事ではカーボンニュートラルにおけるグローバル展開の実践的なアプローチと、成功させるポイントを解説します。

※ 2024年4月30日公開

1.海外拠点の担当者が実施すべき取り組み

カーボンニュートラルにおけるグローバル展開を進める際は、具体的に何から始めればよいのでしょうか。ここでは、担当者実施すべき取り組みを3つ紹介します。

1-1.段階的な導入計画の立案 (短期・中期・長期の目標設定)

短期計画(1-2年、2-5年、5-10年)の内容と環境・資源管理の取り組みを示す図。

カーボンニュートラル実現するためには、まず短期 (1-2年)・中期 (2-5年)・長期 (5〜10年) の3段階計画立案する必要があります。

短期計画 (1-2年) は、カーボンニュートラル推進する基礎固めの期間です。この段階では、まず現地環境規制基準調査し、本社方針と照らし合わせて遵守すべき要件リスト化します。現状認識として、各拠点使用しているエネルギー源や、原材料製造物流における排出量データとして収集し、各拠点でのCO2排出量測定体制構築します。

ここでのポイントはScope1 (直接排出) とScope2 (間接排出) を中心とした、排出量把握可視化です。どのプロセスからCO2が多く排出されているのかを明確にし、優先順位をつけて削減策を講じます。

中期計画 (2-5年) は、CO2排出量削減本格的な取り組みを展開する期間です。資源計画を立て、現地条件に適した太陽光風力発電などの再生可能エネルギー導入を進めていきます。ポイントはCO2排出量25%削減目標とするなど、具体的数値目標設定です。サプライヤー選定物流プロセス見直し、環境負荷の少ない選択肢採用しましょう。

長期計画 (5〜10年) では、全社的構造改革を進める期間です。例えば、以下のような取り組みが挙げられます。

  • 環境に優しい材料製造プロセス採用し、環境配慮型新製品開発に取り組む
  • 取引先パートナーとも協力し、サプライチェーン全体での取り組みを推進する
  • 再生可能エネルギー利用最大化し、足りない部分カーボンオフセットを組み合わせ、カーボンニュートラル (ネッゼロ) をめざす

1-2.グローバルでのデータ統合


各拠点のCO2排出量正確把握には、拠点ごとにバラバラ管理されているデータクラウド上に集約して、本社側一元管理を行います。海外拠点では、データ収集プロセス整備し、標準化されたテンプレートクラウドベースのITツール活用することが重要です。 

これにより、本社側で異なる単位形式データ統一し、各拠点データダッシュボード視覚化することで、全体進捗状況把握しやすくなります。

拠点ごとにバラバラに管理されているデータを一元管理できる、異なる単位や形式のデータを統一できる

1-3.現地スタッフの教育

海外拠点担当者は、現地スタッフに対し、温暖地球化仕組みやカーボンニュートラル意義自社が果たすべき役割などの研修実施します。特に、CO2排出量測定方法データ入力報告手順など、実務直結する技術的教育を行い、運用精度向上を図ることが大切です。 

また、本社基準各国環境規制支援制度に関する知識提供し、拠点間ギャップ解消します。現地スタッフ自信を持って業務遂行できる環境を整えて、拠点全体での意識行動統一を図りましょう。 

【現地スタッフへの教育例】温暖地球化の仕組みやカーボンニュートラルの意義、CO2排出量の測定方法や報告手順、各国の環境規制や支援制度

2.グローバル展開を成功させるポイント

カーボンニュートラルグローバル展開成功させるためには、下記の3つを押さえる必要があります。

現地パートナーとの連携、柔軟なアプローチと継続的な改善、経営層のコミットメントと明確なビジョン

2-1.本社と海外拠点の連携を支援してくれるパートナーを探す

カーボンニュートラル推進する際は、現地規制市場動向精通した信頼できるパートナー存在不可欠です。本社海外拠点連携支援だけでなく、現地文化ビジネス慣習理解した上でのアドバイスサポート可能パートナーを探しましょう。各国地域には固有環境規制市場特性技術水準があります。これらを熟知しているパートナー知見活用すると、カーボンニュートラルの取り組みを推進しやすくなるでしょう。

2-2.柔軟なアプローチと継続的な改善

カーボンニュートラルアプローチは、各拠点状況によって大きく異なります。例えば、工場設備老朽化度合いや、利用可能再生可能エネルギー種類現地環境規制技術者習熟度などが想定されます。そのため、本社が定めた方針目標一律適用せず、各拠点状況に応じた柔軟対応必須です。 

また、CO2の排出量可視化し、そのデータに基づいた削減プラン検討を行うことが重要です。その際、CO2削減だけでなく、生産能力維持しながら効率的なCO2削減目指プランニング実行計画必要です。 

さらに、海外拠点で新たな条例規制変更があった際に、その内容要件本社と速やかに共有できる仕組み・体制整備必要です。円滑情報共有により、要件に沿った対策案立案できます。PDCAサイクル継続的実施し、現場からの改善提案積極的に取り入れ、全社を巻き込んだ形で取り組むことで、各拠点状況に応じた対策を講じられるでしょう。

2-3.経営層のコミットメントと明確なビジョン

カーボンニュートラルへの取り組みには、大規模投資業務プロセス変更場合によっては事業構造転換必要です。カーボンニュートラル推進するためには、経営層が強いリーダーシップ発揮し、明確方針を示すことが大切です。

カーボンニュートラルグローバル展開成功させるためには、各拠点分散して活動しないで、共通方向性のもとで取り組む必要があります。拠点間での優れた事例共有したり、グローバル会議定期的開催したりといった取り組みを継続して実施しましょう。

3.KDDIのカーボンニュートラルの達成に向けての取り組み

KDDIは、2030年度末までにKDDIグループ全体のCO2排出量 (Scope1、2) の実質ゼロ、2040年度末までに「ネットゼロ」の実現をめざしています。ネットゼロとは、Scope3を含んだサプライチェーン全体のCO2排出量実質ゼロにする取り組みです。

2013年11月にCO2排出量削減への寄与目的とした太陽光発電事業スタートしました。自社保有地一部太陽光発電設備建設し「再生可能エネルギー固定価格買取制度」に基づいて電力会社向けに発電した電力販売しています。

3-1.サステナブル基地局の運用


KDDIとau エネルギーライフは、2023年5月にCO2 排出量実質ゼロの「サステナブル基地局」の運用開始しました。晴天日中であれば、太陽光発電自律的電源確保し、1局の基地局運用必要電力をすべて供給できます。

また、夜間カーボンフリープラン ( au エネルギーライフ提供しているCO2 排出量実質ゼロになるプラン) による電力供給自動で切り替わるため、24時間 365日でCO2排出量を抑えられます。

【サステナブル基地局の特徴】太陽光発電で自律的に電源を確保できる、夜間はカーボンフリープランによる電力供給に自動で切り替わる

4.まとめ

カーボンニュートラルグローバル展開成功させるには、短期中期長期計画立案や、データ統合現地スタッフ教育といった具体的な取り組みが必要です。本記事では、各拠点状況に合わせた柔軟対応や、経営層明確ビジョン重要性解説しました。

海外拠点担当者カーボンニュートラルにおけるグローバル展開を進める際は、段階的導入計画立案 (短期中期長期目標設定) から始める必要があります。全拠点でのCO2排出量正確把握すれば、効果的削減策検討できるでしょう。

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