このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、または対応ブラウザでご覧下さい。

閉じる
閉じる
閉じる
データセンターとは?クラウドや自社のサーバールームと比較したメリットを解説

データセンターとは?
クラウドや自社のサーバールームと比較したメリットを解説

2025 3/19
企業によるITの活用は年々加速しており、データ管理の重要性が高まっています。データ管理を適切に行うには、保管するサーバーを効率よく運用する必要があり、災害時に事業を安定して継続するための対策も欠かせません。こうした課題に対処するため、データセンターの利用が注目を集めています。本記事では、データセンターの種類やサービス内容、メリット、デメリットなどについて解説します。

1.データセンターとは

データセンターとは、サーバーネットワーク機器設置し、それらを効率よく運営するために作られた専用施設で、データ保存処理管理バックアップを行うための環境提供します。施設内部には、サーバーなどの機器収納するためのラック配列とともに、外部とのデータ通信を行うための高速回線整備されているのが特徴です。機器適温に保つために冷却装置空調設備も整えられており、安定して作動させるために必要大容量電源設置されています。


1-1. データセンターの種類

データセンターには大きく分けて2つのサービス形態があります。ひとつは、自社サーバーデータセンターに置く「コロケーション」です(「ハウジング」「ケージング」ともいいます)。もうひとつはサービス提供者サーバーを借りる「ホスティング」で、「レンタルサーバー」と呼ばれるケースが多く見られます。それぞれの特徴をみていきましょう。


1-2. データセンターが提供するサービス

データセンター提供する主なサービス以下のとおりです。


1-3. データセンターとクラウドの違い

クラウドデータセンターはよく比較されます。クラウドインターネットを通じて利用可能仮想的環境リソース提供するもので、物理的場所設備提供するデータセンターとは性質が異なるのです。

主な違いを表にまとめると、以下のとおりです。

データセンター
(コロケーション)
データセンター
(ホスティング)
クラウド
提供内容 ネットワーク機器やその設置場所など サーバー機器と設置場所 機器一式を含めた環境すべて
機器提供者 自社 サービス提供者 サービス提供者
運用・保守 自社 (委託も可能) サービス提供者 サービス提供者
構築方法 自由に設計可能 選択肢から選ぶ 選択肢から選ぶ

クラウドは、プロバイダー提供する機器サービス利用できるため、導入容易です。
ただし、サービス種類によって、ユーザー側の責任が及ぶ範囲構築自由度に違いがあります。

2.自社のサーバールームと比べたときのメリット

データセンター自社サーバールームと比べて、以下のようなメリットがあります。


2-1. 建物や設備などの、物理的なセキュリティ対策の向上

データセンターでは関係者以外は立ち入れないよう、入退室厳重管理基本です。入室には専用セキュリティカード生体認証必要で、誰がいつ入退室したかを管理しています。
また、データセンターには常駐しているスタッフがおり、常に監視しているのが特徴です。自社内サーバールーム比較して、人がいないタイミングを狙って侵入される危険性は低いといえます。

ドアの前に立つ人物が、手に持ったカードをカードリーダーにかざしている様子。カードリーダーは青い光で反応しており、ドアは閉じられている。背景にはぼやけた室内の様子が見える。

2-2. 地震への対策

データセンターの多くは、地震が起きるリスクが低い土地を選んで建設されています。加えて地震発生した場合に備え、免震耐震構造採用しているケースも多いです。建物内ラックなどの設備固定され、揺れが起きてもサーバーへの被害を抑える工夫がされています。地震リスク完全には排除できませんが、自社管理と比べると、データセンターはより高い耐震性を有する点が強みです。


2-3. 安定した電源確保や通信環境の提供

サーバーなどの機器作動させるために、大容量電源利用することができます。非常時に備えて自家発電装置が備えられているなど、停電時に備えて万全体制を整えています。
また、高速大容量通信環境整備され、安定した通信確保されています。一定以上通信速度保証する契約を結ぶことも可能です。


2-4. サーバーの適切な温度管理

サーバー内部温度上昇は、機器動作不良を引き起こす可能性があります。そうした事態を防ぐため、データセンターでは温度管理徹底しているのが特徴です。さらに、建物構造空調設備は、サーバー温度上昇を抑えるために効率よく排熱が行われるように、設計されているケースが多く見受けられます。自社管理する場合と比べ、適切運用と、省エネ効果メリットです。

ネットワーク機器のラックの前で、手に持った赤外線カメラを使っている人物の手元が映っている。カメラのディスプレイにはカラフルな温度分布の画像が表示されており、ラック内の機器や配線が見える。背景には複数のケーブルが整理されており、データセンターの内部を示している。

2-5. 障害対応の代行

データセンターには専門技術者常駐しており、システム障害が起きた際の対応代行してもらえます。自社サーバールーム管理する場合と比べて、技術者自社まで移動する時間不要です。これにより迅速対応ができ、影響軽減することができます。また、自社技術者深夜休日対応を強いる必要がなくなり、管理負担を減らす効果も大きいでしょう。


2-6. サーバーの管理費削減

サーバー自社管理する場合前述したデータセンター機能をすべて自前用意しなければなりません。あらかじめ環境整備されたデータセンター利用すれば、サーバー管理費相対的に抑えやすくなります。設備コスト軽減に加え、管理業務外部委託できるため、人的リソース節約できる点も大きなメリットです。

3.クラウドと比べたときのメリット

自社サーバールーム廃止する場合データセンターのほかにクラウド選択肢となるでしょう。クラウド手軽利用できる反面運用大部分サービス提供者に任せるため、自由度が低い部分があります。クラウドと比べると、データセンターメリット以下のとおりです。


3-1. 大容量かつ高品質な通信が可能

クラウド場合クラウド事業者接続回線メニュー依存します。ほかの契約者回線共有するベストエフォート(注1)回線だと、一時的通信速度低下するおそれがあります。
一方データセンター場合専用回線用意されており、大容量かつ高品質通信一般的です。高速通信アピールしているデータセンター多数存在します。

サーバーのパネルに接続された複数の青いネットワークケーブルが並んでおり、いくつかのポートからはオレンジ色の光が点灯している。背景はぼやけており、サーバーの内部構造がわずかに見える。全体的にテクノロジー感が強い印象を与える画像
  • 注1) 回線業者公表している最大通信速度上限として、可能な限りの速さでインターネット接続すること。

3-2. 設置場所の選択が可能

データセンターでは、自社要件に応じて設置場所選択可能です。例えば、社内ネットワークへのアクセス遅延考慮して近隣データセンター活用したり、災害対策として遠隔地データセンター選択したりできます。
一方クラウドサービスでは提供者用意した場所データ保管され、場所指定はできません。データ保管場所柔軟に決めたい場合は、データセンター利用するとよいでしょう。

4. データセンターのデメリット

データセンター利用にはメリットが多い一方デメリットもあります。主なデメリット以下のとおりです。


4-1. レンタルサーバーと比較するとコストが高い

データセンター費用レンタルサーバーよりコストが高いケースがあります。これは自社機器調達メンテナンス必要なうえ、データセンター利用料金発生するためです。通信量使用電力が多いと、追加料金必要になる場合もあります。契約する前に、どれだけの費用がかかるかを慎重見積もっておきましょう。


4-2. メンテナンスなど現場での作業が必要な場合も

データセンター保守点検サービス利用しない場合は、自社社員作業を行います。災害時リスク分散を考えて遠方データセンター選択すると、現地への移動負担発生し、出張による技術者開発業務への影響も避けられません。

サーバーラックの前に立つ男性が、ノートパソコンを操作している様子。彼は眼鏡をかけ、青いシャツを着ており、ラックには多数のサーバーが並んでいる。背景は明るく整然としたデータセンターの内部で、配線や機器が見える。

5.データセンター利用までの手順

データセンター利用開始までの一般的手順は、以下のとおりです。

見学 多くのデータセンターでは、契約前に内部を見学できます。見学時には設備やセキュリティ体制を確認することが重要です。
契約 契約前の確認事項として、予算、通信量の上限、供給電力などの条件に問題がないか精査します。サーバーなどの機器を設置するスペース、ラックの大きさや耐荷重は十分かといった点の確認は必須です。
通信回線の手続き データセンターが提供するものとは違う回線を利用する場合、別途手続きが必要です。
機器の設置 サーバーなどの機器を搬入し、契約したスペースに設置します。
利用開始 機器が正常に動作するかをテストして、利用を開始します。

6.データセンターを選ぶポイント

さまざまなデータセンターサービス提供されている中、自社にとって最適なものを選ぶ際のポイント以下のとおりです。

データセンターの通路の中で、青い光が放たれ、周囲にはさまざまなデジタルアイコンやグラフが浮かんでいる。アイコンには、心拍数、地球、ロック、Wi-Fi、音声波形などが含まれており、データの分析や通信を示唆している。背景にはサーバーラックが並び、青いディスプレイが点灯している。

6-1. データセンターの立地

自社保守管理を行う場合アクセスのよいデータセンター選定することは、重要ポイントです。災害時リスク分散するために遠方データセンターを選ぶ際は、空港新幹線の駅から近いかなど、交通アクセスの良し悪しも考慮しましょう。地方建設されたデータセンターの中には、交通手段が限られる場合もあります。データセンター見学する際には、交通経路を含めた移動の便を確認しておくとよいでしょう。


6-2. 必要な電源容量を満たしているか

安定したサーバー運用を続けるには、十分電源確保不可欠です。ラックごとに設定された電源容量が決まっている場合が多いため、必要容量を満たしているか確認しましょう。容量が足りない場合、新たなラック契約する必要がありコスト増加する可能性があります。必要電源容量対応するデータセンターを選ぶことをおすすめします。


6-3. ネットワークの質

使用できるネットワークは、利用するデータセンターによってある程度定まっているケースが多いです。低品質ネットワーク場合接続不安定になることや、通信遅延が起きてしまう可能性があります。求める品質見合った通信ができるか、事前確認しておきましょう。リアルタイム処理を要するサービス運用する場合は、高品質ネットワーク利用必須となります。


6-4. 障害対応の体制について

システム障害の際に、迅速対応を受けられるかも事前チェックしておきましょう。保守点検を任せる契約場合常駐する技術者専門性にも注意必要です。特に自社サーバーなどの機器特殊である場合常駐する技術者では、いざというときに対応できない可能性があります。また、停電が起きた際には、自家発電などによる電源供給が行われるかも確認しておくとよいでしょう。


6-5. セキュリティ体制

十分セキュリティ体制が整えられているかについては、契約前確認必要です。具体的シミュレーションを行い、物理的セキュリティが整っているかも重要です。関係者以外建物に立ち入れないような対策が講じられているか確認しましょう。データセンター見学する際には、セキュリティ面で万全対策がとられているかを確認しておきましょう。

7.まとめ

データセンター利用することで、自社サーバールームよりも安定したサーバー運用可能になります。高度セキュリティ対策温度管理徹底され、専門技術者常駐する信頼性の高い環境データ管理を行えます。クラウド比較すると、多様専用回線使用することで通信安定性が高く、サーバー設置場所自社要件に合わせて柔軟選択できます。

データセンターサービスをご検討中の方はKDDIへ

KDDIは、「Telehouse」のブランド名で国内はもちろん、欧州・アジア・北米の3地域中心世界10ヶ国以上、45拠点以上展開(注2)、24時間365日体制でお客さまからお預かりする機器運用保守サービスを行っています。クラウド事業者通信事業者との『コネクティビティ = 接続性』を武器に培った30年以上経験と、世界約3,000社の実績によるノウハウを活かし、各拠点地域事情考慮した信頼あるシステム環境構築支援可能です。データセンター利用をご検討中の方は、KDDIにお気軽にご相談ください。

  • 注2) 2023年3月現在

関連記事


ピックアップ