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デジタルトランスフォーメーション (DX) とは?意味やIT化との違いを事例を用いて解説

デジタルトランスフォーメーション (DX) とは?
意味やIT化との違いを事例を用いて解説

2025 3/26
グローバル化の加速や消費者のニーズの変化など、昨今のビジネス環境の急速な変化に伴い、企業では競争優位性を確保する取り組みが求められています。多くの企業がデジタルトランスフォーメーション (DX) に取り組んでいる中、DXの正確な意味や具体的な進め方を知りたい方も多いのではないでしょうか。本記事では、DXの意味や、混同されやすい「IT化」との違い、DXの成功事例を詳しく紹介します。

※ 記事制作時の情報です。

1.デジタルトランスフォーメーション (DX) とは

デジタルトランスフォーメーション (DX) 」とは、「Digital Transformation」の略称で、デジタル技術活用し、ビジネス生活変革する取り組みを指します。DXは、直訳すると「デジタル変革」を意味します。

DXを推進する際に活用されているのが、AIやIoTなどのデジタル技術です。これらの技術活用し、業務フロー改善や新たなビジネスモデル創出レガシーシステム (導入から長い年月が経ち、現代技術ビジネス要件適合しづらい古いシステム) からの脱却目指します。

2.DXとIT化の違いは

DXは、「IT化」や「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」などの用語混同されがちです。
ここでは、それぞれの用語との違い (注1) について解説します。


2-1. IT化との違い

「IT化」とは、業務効率化強化を図るために、デジタル技術やIT・データ活用導入することです。例えば、電話やFAXなどの連絡手段メールチャットツールなどに置き換えるといった取り組みが該当します。

DXが企業全体プロセス自体変化させ、ビジネスモデル革新する取り組みであるのに対し、IT化は既存プロセス生産性向上させることを目的としています。そのため、IT化はDXを実現する手段の一つといえます。


2-2. デジタイゼーションとの違い

デジタイゼーション (Digitization) 」とは、企業内特定作業効率を高めるためにデジタルツール導入することです。具体的には、紙資料デジタル化する取り組みなどが該当します。

それに対してDXは、事業組織根本的変革目指します。多くの企業は、DXの初期段階デジタイゼーションに取り組んでいます。


2-3. デジタライゼーションとの違い

デジタライゼーション (Digitalization) 」とは、自社内だけでなく、外部環境ビジネス戦略を含むプロセス全体デジタル化することです。一例としては、これまでアナログ実行していた複数組織間申請承認ワークフローシステム上で実行する取り組みが挙げられます。

デジタライゼーションが「既存ビジネスデジタル化することにより効率化する」のに対し、DXは「デジタル活用して事業のあり方自体変革する」ことを目的としています。

3.DXが必要な理由

DXが必要理由は、次の4つです。

  • 既存システム老朽化
  • 労働力人口減少
  • 業界内での競争優位性確保
  • 持続可能社会実現のため

3-1. 既存システムの老朽化

国内企業では、老朽化したシステムレガシーシステムを抱えている企業が多くみられます。また、将来的にはシステム保守運用担当する技術者高齢化退職が重なり、システム維持困難になるケースも考えられるでしょう。

このような状況は、企業競争力低下セキュリティリスク増大につながりかねません。そのため、既存システムアップデートされないうえに、システム属人化ブラックボックス化が進む前にDXを実現させる必要があるのです。


3-2. 労働力人口の減少

IT人材需要は高まる一方で、日本労働人口少子高齢化により年々減少しています。今後IT人材確保する難易度はさらに高くなるでしょう。

デジタル技術活用し、業務自動化効率化すれば、限られたIT人材でも事業持続的成長させることが可能です。業務効率化による生産性向上は、企業収益性従業員の働き方改革両面で大きなメリットをもたらします。


3-3. 業界内での競争優位性の確保

競争が激しい社会の中で企業が生き残るには、顧客ニーズを満たすサービス提供し続ける必要があります。そのためには、市場での競争力継続して高めていく取り組みが必須です。

デジタル技術活用することで、製品開発時間短縮コスト削減顧客満足度向上につながり、企業価値を高めることができます。例えば、データ詳細分析することにより、顧客行動パターン嗜好を細かく把握し、より効果的マーケティング戦略立案することが可能になれば、顧客満足度が高まります。すなわちデジタル技術有効活用は、競争優位性上昇につながるのです。


3-4. 持続可能な社会の実現のため

DXを推進することで、エネルギー効率向上させたり、限られたリソース有効活用することが可能になります。また、ペーパーレス化やオフィススペース削減は、エネルギー使用量減少に結びつき、環境負荷軽減にも貢献します。このような取り組みが結果的に、持続可能社会実現し、企業社会的責任を果たすことにつながります。

4.日本企業は海外より遅れている

独立行政法人情報処理推進機構実施した調査 (注2) によると、日本でDXに取り組んでいる企業割合は、2021年度調査では55.8%となっていましたが、2023年度調査では73.7%に増えています。この調査結果から、DXに取り組む企業割合が年々増加していることがわかります。

ただし、全社戦略に基づいて取り組んでいる割合は、2022年度調査米国が68.1%に対して日本が54.2%となっています。日本企業米国よりもDXへの取り組みについて後れをとっているといえるでしょう。

DXの取り組み状況 (経年変化および米国との比較)
出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2024 DXの取組状況」p2

さらに、日本企業のDXへの取り組みは、企業規模によって大きな差がみられます。(注2) 従業員1,001人以上大企業では、87.6%が全社戦略としてDXに取り組んでいる一方中小企業の取り組みは限定的で、従業員101人以上300人以下企業では60.3%、従業員100人以下企業では31.0%にとどまっています。特に従業員100人以下企業では「DXに取り組んでいない」という回答が38.1%に上り、大企業の2.3%と比較して極めて高い数値となっています。

この背景には、DXを推進するために必要資金人材ノウハウ不足課題があると考えられます。しかし、これは裏を返せば大きな成長機会が残されているとも言えます。デジタル技術普及に伴う導入コスト低下など、中小企業のDXを後押しする環境着実に整いつつあり、中小企業のDXの取り組み状況改善余地があるといえるでしょう。

DXの取組状況 (従業員規模別)
出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2024 DXの取組状況」p2

5.DXの進め方

DXの進め方は、業界企業規模経営課題によって異なります。基本的には以下の4つのステップで進めるのが一般的です。

テクノロジーとビジネスの融合のイメージ画像
  1. 現状課題整理
  2. 人材確保組織体制構築
  3. デジタル化による業務効率化
  4. データ活用

それぞれのポイント解説します。


5-1. 現状と課題の整理

自社ビジネス社内現状可視化することから始めましょう。まず既存社内システム各業務関係性や、業務プロセス全体像などを詳細把握します。そのうえで、現場担当者へのヒアリングを行い、業務における非効率部分改善必要課題明確にします。このプロセスでは、部門間連携状況情報共有仕組みなど、包括的現状分析実施することが重要です。


5-2. 人材の確保と組織体制の構築

DXを推進するためには、適切人材確保組織体制構築不可欠です。情報システム部門だけでは対応が難しい場合や、社内リソース不足している場合は、外部専門家への委託検討することをおすすめします。

このプロセスでは、経営陣円滑コミュニケーションが取れる組織体制構築必要です。データ活用システム開発精通した専門人材配置し、部門横断的プロジェクトチーム編成します。


5-3. デジタル化による業務効率化

続いて、業務プロセスにおけるアナログ作業見直し、業務システムなどを導入します。このプロセスでは、自社状況に適したツールシステムを選ぶことが肝要です。

デジタル化は必要人員コスト期間算出し、優先順位を付けて段階的導入を進めましょう。導入後効果測定改善サイクル確立などの取り組みも、併せて実施しましょう。社内でのシステム活用促進するために、従業員向けの研修マニュアル整備などを実施することもポイントです。


5-4. データの活用

データ活用は、DXを成功に導くために欠かせない要素の一つです。近年では、データに基づいた経営判断実現する「データドリブン経営」の重要性が高まっています。

データ活用して市場動向顧客ニーズ正確把握することで、客観的根拠依拠した意思決定可能になります。業務プロセス無駄改善点データ分析を通じて特定できるため、継続的業務改善につなげられます。

6.DXの成功事例

DXを推進する際は、まずほかの企業の取り組みを参考にするとよいでしょう。

ここでは、日本国内におけるDXの成功事例を3つ紹介します。


6-1.【飛騨市様】スマート農業でコメ作りの品質維持、労力削減を実現

飛騨市様は、日本有数コメ産地として有名地域です。しかし、人口減少高齢化進行により、コメ作りに手が行き届かないエリアが増え、水田をすべて見回ることが困難になっていました。また、山や河川に囲まれており、大雨による洪水土砂災害リスク懸念されていました。

そこで飛騨市様はKDDIと協力し「スマート農業」として、コメ作りの見える化や水管理デジタル化を推進しました。具体的には、温度計設置し、風土に合わせた刈り取りにベスト時期算定したり、センサー水位確認水門管理できるようになったのです。この施策により、品質維持しながらコメ作りの労力削減実現できました。加えて、河川監視カメラ設置し、遠隔から河川様子役所送信するようにしたことで、避難指示タイミング的確判断できるようになりました。


6-2.【三井物産株式会社様】オーダーメイドのITインフラを提供し、多角的な事業展開を支援

三井物産株式会社様は、自社オフィス移転に合わせ「Work-Xプロジェクト (偶発的出会いや自発的コラボレーションを促す取り組み) 」をKDDIと協力して実現させました。このプロジェクトでは、フリーアドレス化やコミュニケーションエリア設定などを行いましたが、DX領域では自動個人判別最適ネットワーク環境提供したり、ロケーション管理システム社員現在地把握したり、多角的事業展開サポートするオーダーメイド環境具現化しました。今後セキュリティ使用しているデバイス継続的改善し、さらなる生産性向上目指しています。


6-3.【三浦工業株式会社様】MEIS CLOUDを共同開発し、お客さまの工場メンテナンスを手厚くサポート

三浦工業株式会社様は、貫流ボイラー国内シェア約6割 (注3) を誇る産業ボイラーメーカーであり、現在メンテナンス事業に力を入れています。同社はIoT技術ソリューション提供するエコモット通信技術提供するKDDIと「MEIS CLOUD」を共同開発しました。

「MEIS CLOUD」によって、PCやスマートフォンからでもリアルタイム設備運用状況把握し、エネルギー管理可能になりました。今後スマートファクトリー化を推進し、収集したデータとAIを組み合わせ、工場全体機器への予防保全工場全体節電対策未利用エネルギー活用提案などを実現していく見通しです。

  • 注3) 参考:三浦工業株式会社「統合報告書 2023

  • ※ 外部サイトへ遷移します。

7.各業界のDXの推進ポイント

各業界におけるDXの推進ポイントについて解説します。

8.まとめ

DXは、デジタル技術活用してビジネス生活変革する取り組みです。企業競争優位性確保するためには、DXの推進が欠かせません。まずは、自社ビジネス社内現状可視化することからスタートしましょう。

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