通信と多様なケイパビリティを活用し、DXと事業基盤サービスでお客さまビジネスを支援します。
CO2排出量の可視化から削減まで、一貫してカーボンニュートラル実現を支援します。
KDDIは『つなぐチカラ』でビジネス、ライフスタイル、社会をアップデートします。
場所にとらわれずつながるソリューションを、デバイスからセキュリティまで支援します。
多数の次世代型低軌道衛星により高速・低遅延通信を提供します。
データセンターからネットワークまで、業務に最適なソリューションをトータルで提供します。
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中小規模事業者のやりたいことや変えたいことを、モバイルとクラウドの技術を用いてサポートします。
※ 記事制作時の情報です。
デジタルツインとは、現実空間に存在する物や人をサイバー空間で再現する技術です。「現実空間に存在する物」と「サイバー空間に存在する物」が双子 (ツイン) のように見えることから、名づけられました。
デジタルツインは、現実世界から収集したさまざまなデータを利用して構築されます。工場の生産ラインを例に挙げると、設備の稼働状況や温度・湿度などの環境データをリアルタイムで取得し、AIやIoTなどの技術で処理することで、サイバー空間上に工場のデジタルツインを作り出します。これにより、生産ラインの最適化などが行えます。
「デジタルツイン」と「シミュレーション」の大きな違いは、データのリアルタイム性にあります。
従来の「シミュレーション」では、あらかじめ設定した条件やシナリオに基づいて仮想環境を作り、分析を行うのが一般的です。そのため、現実で発生する変化をリアルタイムで反映することはできず、主に特定の検証を目的に使用されます。
一方、「デジタルツイン」は現実世界のデータをリアルタイムで取り込み、継続的に更新しながら効果的な分析や最適化を行うことが可能です。例えば、空調管理を最適化する場合は、構築したデジタルツインが人の流れや温度の変化、天候の影響をリアルタイムに反映し、最新の状態に基づいた実証が行えることで、効率的なエネルギー制御が可能になります。
つまり、「シミュレーション」は特定の条件下での検証に使われるのに対し、「デジタルツイン」はリアルタイムで現実の変化を反映しながら分析、最適化を行う点が大きな違いです。
「デジタルツイン」と「メタバース」の違いは、現実世界との関係性にあります。
「デジタルツイン」は、データを分析して現実の物や人、システムをサイバー空間で再現し、最適化を目指す技術です。一方、メタバースは、現実の制約を超えた仮想空間を構築し、ユーザーがアバターを通じてさまざまな活動を行うためのプラットフォームです。「デジタルツイン」は現実世界を正確に再現したものであり、「メタバース」は現実世界から独立した仮想世界である点が大きな違いです。
デジタルツインを活用することで、現実世界で物や人を実際に動かすことなく、サイバー空間上で多様なシミュレーションや検証を行うことができます。例えば、サイバー空間に用意した製品を、過酷な状況で長時間稼働させた場合、故障の発生や原因を分析し、故障しやすい箇所の設計変更を迅速に行うなど、製品の改善やメンテナンスに役立てることが可能です。
このように、物理的な制約にとらわれることなく、迅速かつ効率的な製品開発や検証を実現できます。
KDDIではデジタルツインを用いたソリューションとして、VR/AR技術を駆使した「αU place 」(外部サイトへ遷移します) を提供しています。このサービスでは、実店舗をデジタル空間に精密に再現し、ユーザーがオンライン上で商品を閲覧しながら、スタッフとリアルタイムにチャットで相談できる環境を構築しています。導入に際しては、お客さまの業務課題や目的を丁寧にヒアリングし、最適な活用方法をご提案します。
また、デジタルツインでは大量のデータを取り扱うため、サイバー攻撃対策などのセキュリティ対策が不可欠です。KDDIでは、独自のセキュリティサービスと組み合わせることで、安全性の高いデジタルツイン環境を確保します。
KDDIは国内外の通信インフラを通じて、豊富なデータを収集・分析しています。特に、通信ネットワークから得られる人の移動や行動に関するビッグデータは、デジタルツインの構築において重要な資産です。こうしたデータを組み合わせることで、実用的なデジタルツインソリューションを構築できるのがKDDIの強みです。
その具体例が、トヨタ自動車株式会社様との連携で実現した「交通デジタルツイン」です。KDDIが保有する「人流データ」とトヨタ自動車様が持つ「車両データ」を組み合わせることで、交通事故予測の精度を高められます。これにより、事故が起こりやすいエリアを特定し、運転手への事前警告や速度抑制の促進など、具体的な事故防止策を適宜講じることができます。今後は自治体などと協力し、交通事故減少につなげていく予定です。
アパレル業界では、衣服のデジタルツイン「XRマネキン」が活用されています。ここでは、布地の質感や特徴も忠実に再現されており、衣服のデザインから完成状態、着用時の動きまで一貫してデジタル上でシミュレーションできます。
このデータを活用することで、店舗に備えた高精細サイネージで、お客さまが「XRマネキン」を360度自由自在に動かして衣服を確認したり、室内、野外といった着用環境でコーディネートを見ることも可能です。バーチャルファッションショー向けには、着用して動いたときの布地のしわや揺れなども確認可能です。
また、衣服に使用する布の質感や厚み、ドレープ感なども忠実に再現されるため、デザイナーは実際に縫製を行わなくても、デザインから完成状態までデジタル上で把握できます。これにより、企画から製造・販売までのリードタイムが短縮され、経営効率が向上し、環境負荷軽減にもつながります。
デジタルツインは、現実世界の物や人をサイバー空間で正確に再現する技術です。センサーやIoTを活用してリアルタイムで多種多様なデータを収集し、現実の状態を忠実に再現することで、実際に物や人を動かすことなく検証可能です。従来は多大な時間とコストを要していた実証実験や製品開発を、より迅速かつ効率的に実現できるようになります。今後、幅広い分野で活用されていくと予想されています。
デジタルツインの導入には、さまざまなデータを効果的に組み合わせ、活用するための専門的な知見が必要です。KDDIは通信ネットワークを通じて収集したデータと、デジタルツインを構築してきた豊富な経験を活かし、効果的なデジタルツインの導入をサポートします。
デジタルツインの導入をお考えの方は、ぜひKDDIにご相談ください。具体的な取り組みについては、こちらの記事をご覧ください。