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※ 記事制作時の情報です。
ロジスティクスとは、原材料の調達から生産、保管、販売、最終消費者への配送に至るまでの一連のプロセスを最適化し、効率的に管理する戦略的な取り組みのことです。このプロセスには、使用済み製品の回収・リサイクルも含まれます。
ロジスティクスの目的は、必要な商品を、最適な量だけ、求められる場所に、理想的なタイミングかつ、適正なコストで提供することです。その結果、需要と供給のバランスを調整可能にし、顧客満足度の向上につながります。
効果的なロジスティクス管理を導入すれば、在庫の適正化や過剰生産の抑制、営業支援などに活用できます。
ロジスティクスは、物流のさまざまな機能の向上を図るとともに,原材料の調達から生産,販売,回収までの一連のプロセスを統合して管理する経営手法です。
ロジスティクスを取り入れることで需要と供給の適正化、顧客満足の向上、環境負荷の低減,従業員の安全対策など、企業が抱える多くの課題を解決に導く可能性があります。(注1)
ロジスティクスは元来、軍事用語であり、前線に武器や弾薬、燃料、食料、医薬品などの物資を計画的に補給する活動のことでした。日本語では、これを「兵たん」といいます。有事の際に「必要な物を、必要なときに、必要な場所へ」届けるという基本概念は、現在のロジスティクスにも通じるものです。
ロジスティクスと物流は、その役割と範囲に違いがあります。
物流は、物資を供給者から需要者に移動させる活動を指し、運送・保管・包装・荷役・流通加工・情報管理といった具体的な機能を意味します。物流という呼称のとおり、「モノの流れ」にフォーカスした言葉です。
一方、ロジスティクスは、これらの物流活動を包括的に管理する経営戦略であり、商品の生産から在庫管理、配送までを効率化する仕組みを構築するための概念です。サプライチェーン全体に対し、コスト削減や顧客満足度向上を実現する計画を立て、各工程の監視・最適化を目的としています。したがって、ロジスティクスは物流を含んだ上位概念といえます。
ロジスティクスは重要な経営管理手法のひとつであり、企業活動の円滑化や顧客満足度の向上に役立ちます。主な役割は、生産から配送までの管理を通じ、正確かつ迅速な商品配送によって顧客の利便性を図り、信頼を獲得することにあります。これを実現するには、一連の企業活動プロセスの最適化と、無駄を省いた効率性の追求が重要です。
一方、ロジスティクスが適切に機能しない場合には、生産ラインの停止や在庫の過不足、運送トラブル、無駄な経費の増加といった問題が発生するリスクがあります。これらの問題は、納期の遅延や顧客の不満を招き、最終的には企業の信頼失墜や市場競争力の低下を引き起こすでしょう。適切なロジスティクス運用は、在庫の最適化や物流全体のコスト削減、さらには営業活動の支援にも効果を発揮します。営業担当者は正確な在庫・納期情報を活用して顧客対応の質を高められるほか、柔軟な物流体制により急な要望にも対応が可能となります。
以下、ロジスティクスの代表的な役割について解説します。
ロジスティクスの代表的な役割のひとつが在庫の最適化です。在庫の適正管理によって品切れや過剰生産を抑えられれば、企業の利益率向上に貢献できます。
在庫不足は販売機会の損失を意味し、過剰な在庫を抱えると保管コストや廃棄リスクが増大するおそれがあります。
消費者ニーズが多様化している現代では、商品の種類ごとに最適な販売量の見極めが欠かせません。ロジスティクスは、需要に応じた供給と在庫管理を徹底することで、効率的な経営の基盤となります。また、データ分析フェーズにおける市場の需要予測の精度向上は、生産プロセスの効率化を促すことになるでしょう。
ロジスティクスで物流全体のプロセスを一元化して管理することによって、コスト削減可能な領域を効率的に洗い出せます。コストを削減できる箇所が明確になれば、ITシステムの導入、データや仕様の標準化、オートメーション技術 (注2) の採用、物流拠点の集約など、適切な解決策を検討することが可能です。ただし、コスト削減を重視しすぎて物流サービスの質を損なわないよう、適切なバランスの維持が不可欠です。
ロジスティクスの活用で営業部門の負荷を軽減し、本来の業務への集中が可能な環境を整備できます。
例えば、営業が在庫管理までも担当していると、本来の営業活動に割く時間が圧迫されるという事態を招きます。ロジスティクスの専門部署を設置し、営業部門を在庫管理業務から解放すれば、本来の業務に集中して取り組めるようになるでしょう。また、ロジスティクスの導入によって在庫管理の正確性も高まるため、営業活動において精度の高い提案も可能となります。
さらに、在庫データと取引情報の正確な把握は、マーケティングや営業戦略にも有効です。データの精度が高いほど営業戦略の効果も上がりやすく、顧客満足度や収益性の向上へつながります。
ロジスティクスを有効に機能させるためには、以下の6つが必要です。
それぞれについて、詳しく解説します。
ロジスティクスにおいて、消費者ニーズを満たして収益を拡大するためには、人気商品の把握が非常に重要です。市場の需要をデータに基づいて分析し、商品を適切な量だけ市場に投入する「マーケットイン」のアプローチが欠かせません。
消費者のニーズを正確に把握できれば、どの商品を優先的に確保すべきか、どのような輸送手段が効率的か、といった判断の精度が高まるでしょう。さらに、戦略的な供給体制を構築することで在庫の過不足を防ぎ、物流全体の最適化も図れます。
ロジスティクスを正しく機能させるには、リアルタイムのデータ活用と、それを支えるシステム構築が必要です。特に、需要予測や在庫管理、配送スケジュールの最適化などで大きな効果を発揮するでしょう。
また、データを活用したシステムやソリューションの導入により、各プロセスの自動化・可視化が進み、柔軟かつスピーディーな対応力が高まります。
ロジスティクスの高度化には、専門性の高い人材の育成が不可欠です。物流の基礎知識からサプライチェーン、ロジスティクス戦略、物流機能、CSRまで、体系的かつ段階的な知識とスキルの向上が求められます。
新任者には実務に必要な基礎知識を習得させ、中堅層には戦略的思考やマネジメント能力を育成するなど、組織全体のロジスティクス体制の強化を進めることが重要です。
輸送ルートや輸送手段の最適化も、ロジスティクスが機能するために欠かせない要素です。輸送の最適化で、配送コストの削減や配送時間の短縮が期待できます。需要予測や季節変動、天候といったさまざまな要因を考慮することで、より効率的な輸送計画の立案が可能です。
また、エネルギー効率が高い輸送手段の採用もロジスティクスの目的にかなっています。持続可能な社会への取り組みとしてコスト削減と環境保全に寄与し、企業価値の向上につながるでしょう。
ロジスティクスの効果を高めるには、作業プロセスを見直して不要な工程を省き、現場作業の効率化が必須となります。倉庫内レイアウトや動線の最適化により、作業効率の向上、事故やミスの抑制が期待できます。
無駄な動きがなくなれば現場作業者の負担も軽減され、全体の生産性が高まります。さらに、安全や健康面のリスク要素も減るため、人材の定着率改善にも効果的です。
物流システムとは、輸送、保管、荷役、包装、流通加工、情報処理といった物流工程を管理するための仕組みです。在庫確認や発注、発送といった業務を一元的に管理し、需要に応じた生産・輸送計画を策定できます。生産データや在庫データ、トラックの動態データなどをリアルタイムで把握し、柔軟な対応が可能です。
物流業務を専門事業者へ委託するのも、効果的な選択です。専門事業者は自動倉庫システムやRFID (注3) による在庫管理、AIによる配送ルート最適化など、先進的な設備とテクノロジーを活用し、複数顧客の物量を集約して効率的な運営を実現しています。物流DXを迅速に進めたいのであれば、すでに確固たるシステムとノウハウを持つ専門事業者にアウトソーシングするのがおすすめです。
サプライチェーンマネジメント (以下、SCM) は、企業活動における原材料の調達から製品の配送まで、サプライチェーン全体を最適化するプロセスを指します。SCMの適切な運用で、各プロセス間の連携が強化され、業務の効率化やコスト削減、顧客満足度の向上に寄与します。SCMはロジスティクスを包括する上位概念であり、ロジスティクスを効果的に運用するためにはSCMの視点が不可欠です。
近年では、市場競争の激化や急速なグローバル化、ECサイトの普及などにより、SCMの重要性がますます高まってきました。サプライチェーンの複雑化に伴い、情報の可視化や迅速な意思決定が求められる場面が増えています。中でも、需要変動や物流遅延などの課題には、サプライチェーン全体を見渡しながら臨機応変な対応力が問われます。
環境問題への対応もSCMの重要な役割といえます。効率的な物流や在庫管理を通じて、企業はCO2排出量の削減や持続可能な経営を推進することができます。
以下、SCMをより深く理解するために、その定義と注目される理由を解説します。
SCMの定義は、サプライチェーン全体の流れを管理し、効率化と最適化を図る手法であり、日本語では「供給連鎖管理」です。経済産業省の資料によると、「サプライチェーンとは、商品の企画・開発から、原材料や部品などの調達、生産、在庫管理、配送、販売、消費までのプロセス全体を指し、商品が最終消費者に届くまでの『供給の連鎖』である」とされています。(注4)
ロジスティクスが企業単体のサプライチェーンを対象範囲にするのに対し、SCMは原材料の調達、生産、在庫管理、流通、顧客への配送に関わるあらゆる企業を対象にしています。
多くの企業が複雑化した市場環境に直面しており、対応力を高める手段としてSCMが注目されています。特にグローバル化の進展によってサプライチェーンが広範囲にわたるようになり、需要変動や物流の遅延、コスト増加といった課題が発生しやすくなっているのが現状です。これらの課題に対応するために、SCMに基づいて経営戦略を見直し、物流も含めた業務の効率化を図る企業が増加しています。
また、環境問題への意識が高まる中で、企業は持続可能な社会の実現に向けた社会的責任を果たすことが求められています。SCMの活用を通じて効率的な物流計画や在庫管理を推進することで、CO2排出量の削減や廃棄物の抑制も実現可能です。さらに、SCMの導入で非効率な物流プロセスなどを企業間で最適化でき、業界全体の生産性向上にもつながります。
ロジスティクスは、原材料の調達から生産、保管、販売、配送までの一連のプロセスを最適化し、管理する手法です。その役割を理解し、正しく機能させるために必要なポイントを押さえれば、物流の効率化やコスト削減が進み、顧客満足度も向上するでしょう。さらに、上位概念であるSCMの導入により、企業全体の生産性も高まります。
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ロボットを活用した倉庫の自動化や、ドローン、共同配送による配送の効率化を実現することで、ドライバーの負担軽減に貢献することを目指します。ロジスティクス・サービスについてはKDDIまでご相談ください。