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モビリティについて、以下2点を解説します。それぞれ詳しくみていきましょう。
モビリティ (Mobility) とは「可動性」「移動性」「流動性」を意味し、交通関連の話題では「人や物が移動する能力や手段」を示します。近年、この言葉がよく使われるようになった理由は、電動キックボードやドローン、自動運転など新たな移動手段と技術が登場したからです。
また、デジタル庁では、モビリティを「人から物まで」「歩くから飛ぶまで」の全ての移動を対象にしています (注1) 。国民の自由な移動手段の確保や物流の効率化、環境負荷低減などを喫緊の課題と捉え、官民連携のもとでデータ共有や利活用のルール整備を進め、高付加価値な空間利用と効率的な移動の実現を目指しています。
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モビリティ分野は、社会生活を支える基盤の1つであり、その進化は単なる移動手段の改良にとどまらず、交通事故の削減や都市の効率化など多様な課題解決に寄与します。具体的なモビリティの事例は以下のとおりです。
モビリティの具体例を以下2つの区分で紹介します。
個人向けモビリティの具体例は、以下のとおりです。
自転車や自動車、電動キックボードのシェアリングサービスの登場で、個人向けモビリティは必要なときだけ利用する形態へと変化を遂げ、人々の移動手段の選択肢を広げています。
今後はAIによる最適な移動手段の提案や自動運転技術を活用した無人タクシーなど、さらに多様なモビリティサービスの登場が予想されます。
次世代モビリティは、すでに私たちの生活や都市のあり方を変えはじめています。ここでは、その革新的な取り組みについて紹介します。
モビリティ業界、特に自動車業界ではCASEを中心に進化しています。
CASEとは「Connected (コネクティッド)」「Automated/Autonomous (自動運転)」「Shared&Service (シェアリング&サービス)」「Electric (電動化)」の頭文字をつなげた言葉です。それぞれみていきましょう。
最新のモビリティ技術には、以下のテクノロジーが活用されています。
関連サービス:生成AI
関連サービス:KDDI IoT アクセス
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都市部では電動キックボードや電動自転車を活用したシェアリング型モビリティサービスが都市部で急速に広がっています。2023年7月の道路交通法改正により、特定小型原動機付自転車として免許不要で利用できるようになり、16歳以上であれば歩道モードでの走行も可能になりました。
これにより主要都市ではポート数が1万箇所以上、車両は2万台規模に拡大。利用者の約80%が「移動が便利になった」と回答し、ラストワンマイルの課題解決や自家用車利用の代替によるCO2排出削減に寄与しています。
地方では人口減少や利用者減により、公共交通の維持が大きな課題となっています。ICカード導入には高額な初期費用が必要で、運転手不足も深刻です。こうした中、KDDIは徳島県と連携し「徳島MaaS」を推進。鉄道とバスの連携に対応した「スマホタッチ支払い」を開発し、NFC技術、高精度位置測位サービスとクラウドを活用することで専用機器不要・低コストでキャッシュレス決済を実現しました。共同経営区間の通し運賃にも対応し、利便性向上と持続可能な交通ネットワーク構築に貢献。この仕組みは全国展開モデルとして期待されています。
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BRT (Bus Rapid Transit) は、専用レーンを活用した高速バス輸送システムで、国内外で導入が進んでいます。日本では東北地方や地方都市で災害復興や交通再編の一環として採用され、海外では南米やアジアで都市渋滞解消に成功。低コストで鉄道並みの輸送力を実現し、持続可能な公共交通モデルとして評価されています。
こうした導入を円滑に進めるため、国土交通省は「地域公共交通 (BRT) 等の導入に関するガイドライン」(注3) を策定し、計画段階での留意点やまちづくりとの連携を示しています。今後は地域特性に応じたBRTの普及が進み、より快適で環境負荷の少ない都市交通が実現していくでしょう。
KDDIは、最先端の技術と多層的なアプローチを通じて、モビリティ分野におけるさまざまな課題の解決を目指しています。その取り組みの中心にあるのが「WAKONX (ワコンクロス) 」です。「Network Layer」「Data Layer」「Vertical Layer」という3つのレイヤーで、モビリティを含む6つの領域でさまざまなソリューションを提供しています。
また、コネクティッドカーの分野では、世界各地で2800万台以上の車両をサポートし、24時間365日の体制で運用や監視を行っています。
さらに、自動運転技術や生成AI、SDV (Software Defined Vehicle) といった最新技術を積極的に導入し、移動手段の安全性と利便性の向上を追求しています。モビリティの進化は、コネクティッドカーだけでなく、ドローンや水空合体ドローン、物流DXなど多様な分野に広がり、移動の概念そのものを覆すような開発を進めています。
先端技術の活用を通じて、KDDIは移動や運搬に新たな価値を提供すると同時に、社会課題の解決を目指します。
モビリティを理解するには、関連する重要用語を押さえることが不可欠です。MaaSや自動運転、ZEVなどは企業の効率化や環境対応に直結します。以下の比較表で、各用語の意味とビジネス活用のポイントを整理しましょう。
| 用語 | 意味 | ビジネスでの活用例 | 期待される効果 |
|---|---|---|---|
| MaaS | 複数の交通手段を統合したサービスモデル | 企業の通勤支援、 観光業の移動最適化 |
コスト削減・利便性向上 |
| 自動運転 | IoTやAIなどを活用し、 車両運転操作の自動化 |
物流業の配送効率化、 タクシーの無人運行 |
人手不足解消・安全性向上 |
| ZEV (ゼロエミッション車) |
排出ガスゼロの車両 (EVやFCVなど) |
社用車のEV化、 環境配慮型サービス提供 |
脱炭素・企業価値向上 |
| ラストワンマイル | 最終目的地までの短距離移動の最適化 | EC配送の効率化、 都市部の小口輸送 |
顧客満足度向上・物流コスト削減 |
| パーソナルモビリティ | 個人向け小型移動手段 (電動スクーター等) |
社内移動や工場内移動の 効率化 |
時間短縮・生産性向上 |
| スマートモビリティ | ICTとモビリティを融合した次世代移動システム | スマートシティ開発、 交通データ活用 |
都市効率化・新規ビジネス創出 |
モビリティ分野は、通信技術やテクノロジーの進化により、移動の概念を大きく変えています。自動運転や電動化、MaaSといった革新的な取り組みは、効率的で持続可能な交通システムの実現を後押ししています。さらに、環境負荷の低減や都市のスマート化、データ活用による新サービスの創出など、企業にとっても新たなビジネスチャンスが広がっています。今後もモビリティは、社会構造やビジネスモデルに大きな変革をもたらす可能性を秘めた分野として注目が集まるでしょう。
KDDIは2000年代の初めから、国内の主要自動車メーカー向けにグローバル通信プラットフォームを提供しており、モビリティに関する取り組みは20年以上にわたります。現在は自動車だけでなく、ドローンや物流DXなど、新たな移動手段の開発にも注力しています。
KDDIは、自社が持つAI、クラウド、大規模計算基盤、ネットワークインフラを活用し、今後もパートナー企業との共創を通じて、モビリティや物流を含むさまざまな産業分野で未来を切り拓いていきます。モビリティサービスについてはKDDIまでご相談ください。