例えば、「この情報を教えてほしい」「この文章を翻訳してほしい」などです。指示が明確であればあるほど、イメージに近い出力結果を得られます。
画像生成AIを用いて希望に沿う画像を作り出す場合、角度や構図、背景の要素を細かく設定すれば、より結果の精度が高まるでしょう。
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※ 記事制作時の情報です。
プロンプト (Prompt) は、AIやコマンドラインインターフェース (CLI) などの対話型システムにおいてユーザーが入力する命令文や質問を指します。AIの出力の質はこのプロンプトの的確さに大きく依存します。
プロンプトの意味については次のとおりです。
プロンプトとは、日本語で「促す」という意味です。もともとコンピューター分野では、ユーザーに入力を促す記号 (例:$ や > ) を指していました。この記号は、コマンド入力する位置を示す目印であり、特に「コマンドプロンプト」と呼ばれるコマンドラインツールで使われています。近年ではAI技術の普及に伴い、「プロンプト」という言葉も一般的に知られるようになりました。
AIの発展とともに、「プロンプト」という言葉は、従来の定義に加えて新たな概念として広がりました。この背景には、自然言語処理技術の進化があります。従来のコンピューターは、厳密なコマンド形式でしか指示を理解できませんでしたが、AIは文脈を理解し、人間らしい対話を行うことができます。例えば、従来のシステムでは「del:ファイルの削除」のような厳密な構文が必要でしたが、現代のAIは「昨日作成した報告書を削除してくれませんか」という曖昧な指示でも意図を理解できるようになりました。
そのため、プロンプトも単なる「入力指示」ではなく、AIの出力を最適化するための工夫や戦略を含むものになりつつあります。
プロンプトには主に3つの種類があります。具体的な指示を与える「命令」、文章の続きを生み出す「補完」、例を示して判断を促す「実演」です。状況や目的に合わせてそれぞれを使い分けることで、AIとのコミュニケーションがいっそう円滑になります。
ここからは、それぞれの特徴と活用例を紹介します。
AIの活用を通じて、定型作業の自動化や資料作成の効率化が実現可能です。また、アイデアの発想や文章の下書き作成、さらには画像やグラフの生成も行えます。これらを効果的に行うためには、目的に沿った適切なプロンプトの設定が重要です。
ここでは、活用シーンについて解説します。
例えば、メールの下書きを作成したい場合、業種や取り扱い製品などをAIに伝え、「クライアントへの提案メールの雛形を用意してください」と指示すれば、文章を自動で生成してくれます。
さらに、会議の議事録を取りまとめるときには音声データを投入し、「要点整理をした議事録を作成してください」と依頼するだけで、発言の要約や重要事項を一括で整理可能です。こうしたプロンプトを適切に使えば、AIに業務の一部を任せられます。人間の手による最終チェックや微調整は必要ですが、定型業務の省力化につながると言えるでしょう。
KDDIでは、社内版ChatGPT「KDDI AI-Chat」を約1万人の社員に開放し、プログラミング、アンケート分析、日程調整など多岐にわたる業務の効率化 に活用しています。その効果として、1日かかっていた作業が2 ~ 3時間で完了するケースも報告されました。
近年、生成AIを活用したコンテンツ作成が急速に普及し、製品説明文の作成、記事執筆、広告コピーの作成、SNS投稿などさまざまな場面で活用されています。
コンテンツ作成における活用方法は多岐にわたります。例えば、「〇〇の商品を扱う通販会社がウェブ広告を出す場合のセールスコピー例を作成してください」と特定のテーマや条件を指示することで、セールスコピーの候補案を生成できます。文章作成においても専門性の高い内容をより平易な表現に書き換えたり、カジュアルからフォーマルな文体に変更したり、目的に応じたプロンプトの入力を通じて、表記やスタイルの調整が可能です。
ただし、昨今では生成された文章をそのまま利用する行為に対して、 さらに制限が厳しくなっています。AIの活用によって、ゼロからイチを生み出すアイデアを得ることができるようになりますが、それを基に仕上げられたコンテンツにおいても、責任の所在はユーザーにあることを忘れてはなりません。
また、AIは文法的には正しい文章を生成できますが、論理の飛躍や一貫性の欠如が生じることがあるため、内容の流れが自然かどうか、人間の視点で読み直す作業が不可欠です。
画像やグラフの作成においても、プロンプトの設計が重要です。特に画像生成AIでは、どれだけ詳細に要望を伝えられるかが出力結果の質を左右します。例えば、顔の表情や背景の雰囲気、色合い、配置といった要素を細かく指定すれば、人間が描いたものと区別がつかないほどの高品質な画像を得ることができます。
また、グラフを作りたい場合は、「縦軸は 〇〇、横軸は △△ で以下のデータを棒グラフにしてください」など、正確かつ必要な情報の入力が重要です。このようにすると、瞬く間にグラフを生成できます。
プロンプトの精度は、AIから得られる出力結果の質を左右する大きな要素です。曖昧な指示を与えると、望んでいるイメージとはかけ離れた回答を引き出す可能性があります。例えば、「おすすめの本を教えて」と入れると、おすすめの基準が曖昧なうえにジャンルも小説や実用書、漫画、雑誌など、どの中から選択すべきか判断できません。
「30代のビジネスパーソン向けの自己啓発書」「SF小説の名作、2000年以降に出版された作品」といった、本のジャンル、著者、出版時期などの詳細条件を提示すれば、より精度の高い出力結果を得られます。
プロンプトエンジニアリングとは、AIが求められる回答を正確に生成できるように指示文を設計・調整する技術です。この技術を活用するにはAIの仕組みや自然言語処理への理解が欠かせません。適切に導入すれば、データ分析やカスタマーサポートなどの分野でAIの能力を最大限に活かせます。例えばカスタマーサポートの場合、高度なチャットボットの構築により、24時間365日リアルタイムで顧客の問いかけに対応可能です。
しかし単に「ユーザーの質問に回答してください」といった簡素なプロンプトでは、高い精度は期待できません。そこで必要なのが、プロンプトエンジニアリングによるプロンプトの最適化です。「ユーザーの状況を理解し、適切な対応を提案してください。返品理由や購入日を考慮し、最適なアクションを示しましょう」など、具体的な指示を含むプロンプトに調整すると、AIは「返品のご希望ですね。ご購入日を教えていただければ、返品可能かどうかを確認し、手続き方法をご案内します」といった個別対応が可能になります。
このように、プロンプトエンジニアリングはAIの性能を最大限引き出すための重要な技術です。それは単なる指示文の調整にとどまらず、業務効率や顧客満足度の向上、さらには企業の競争力の底上げ要素として重要な役割を担うと言える でしょう。
適切なプロンプトを入力することで、ユーザーはさまざまな恩恵を享受できます。大切なのは、命令型や補完型、実演型といったプロンプトの種類を正しく理解し、用途に応じて使い分けることです。
なかには、「適切なプロンプトの設計が難しい」「どのように業務へ組み込めばよいかわからない」といった課題に直面する企業も少なくありません。
本記事で解説した内容を参考に、目的に沿った適切なプロンプトの作成を通じて、生成AIの活用をさらに効果的に進めていきましょう。
生成AIの導入に必要なインフラやシステム環境の整備、専門人材の不足、セキュリティ対策など、多くの企業が直面するAIツールの導入・活用における課題に対し、KDDIグループでは最適な生成AIソリューションをご提供します。
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