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SASE(サシー、サッシー) とは?ゼロトラストとの違いや導入のメリットを解説

SASE(サシー、サッシー) とは?
ゼロトラストとの違いや導入のメリットを解説

2025 2/18
SASE (サシー、サッシー) とは、これまで別々に提供されてきたネットワークとセキュリティの機能をクラウド上で統合した新たなサービスです。オフィス外で仕事をするリモートワークの普及とSaaSなどのクラウドサービスの一般化に伴い、大きく変化したネットワークセキュリティのニーズに対応しています。本記事では、SASEの仕組みや、ゼロトラストとの違い、導入のメリットについてわかりやすく解説します。

1.SASEとは

「Secure Access Service Edge」の略称であるSASEは、2019年にアメリカガートナー社が提唱した新しいネットワークセキュリティサービスです。

SASEはネットワークセキュリティ機能クラウド上で統合し、パソコンタブレットといったデバイスアクセス拠点を問わず一貫したセキュリティポリシー適用できます。複雑化するネットワークセキュリティ管理負担コスト負担軽減可能です。

SASE (SECURE, ACCESS, NETWORK,FRAMEWORK, SERVICE)

2.ゼロトラストとの違い

SASEと混同されやすい概念が「ゼロトラスト」です。ゼロトラストとは「トラスト (信頼) がゼロ」を意味します。
つまり、すべてのネットワークアクセスを疑うことを前提としたセキュリティの考え方です。ゼロトラストでは、アプリケーションデータへのアクセス時にその都度認証を行い、必要最小限権限のみの付与が求められます。

一方、SASEはゼロトラストの考え方を取り入れつつ、ネットワークセキュリティ機能統合して提供するクラウド型のサービスです。すべてのユーザークラウド上のセキュリティプラットフォーム経由して社内アプリケーションデータ資産アクセスすることにより、本人認証信頼性安全性担保されます。加えて、ネットワーク全体効率的管理する機能も備えています。

3.SASEが必要とされる理由

SASEが現在ビジネス必要とされる背景には、近年多くの企業直面している2つの課題があります。

ひとつは、広域展開する複数拠点からのアクセスや、多様デバイスからのセキュリティ管理です。従来オンプレミスセキュリティ対策では、拠点デバイスごとの個別設定必要でした。

もうひとつは、リモートワーク環境での社外アプリケーション利用オンライン会議普及に伴う、ネットワークへの負荷増大です。SASEはクラウドベース一元的管理することで、これらの課題同時解決できます。

セキュリティ面では統一的セキュリティポリシー実現し、ネットワーク面においては通信遅延解消するため、企業からのニーズが高まっているのです。

4.SASEの仕組み・構成要素

SASEを構成する主な機能としては、次の5つがあります。

SD-WAN / SWG / CASB / FWaaS / ZTNA

これらの機能連携することにより、ネットワークセキュリティ一元的管理可能になり、運用効率向上とともに高度セキュリティ対策実現します。以下では、各機能役割についてみていきます。

5.SASEを導入するメリット

SASEを導入するメリットとしては、次の3つが挙げられます。


5-1. セキュリティ対策の強化

SASEを導入することで、SWG、FWaaS、CASB、ZTNAといった最新セキュリティ機能利用できるようになり、リモートワークなど社外からのアクセスにも対応した包括的セキュリティ対策可能になります。

また、一貫したセキュリティポリシー適用でき、リアルタイム監視高度アクセス制御実現できます。結果として、マルウェアなどの脅威迅速検知・ブロックでき、ネットワーク全体安全性向上します。

さらに、クラウドサービス利用時に高い効果発揮するのもメリットです。各々のセキュリティ機能連携することで、機密情報流出防止など、複雑化する脅威にも効果的対応できます。


5-2. 運用負荷とコストの削減

ネットワークセキュリティ機能を1つのクラウドプラットフォーム統合するSASEによって、従来オンプレミスセキュリティのようにハードウェアネットワーク機器個別調達して管理する必要がなくなり、コスト削減期待できます。

また、IT部門管理負担大幅軽減し、社内リソース付加価値の高い業務戦略的プロジェクトシフトできるのがメリットです。

加えて、クラウドベースサービスであるがゆえに、企業成長に応じた柔軟拡張可能です。具体的には、リモートワーク導入拠点追加などに迅速対応することができます。


5-3. 拠点を問わず安全性の高いアクセスを実現

ゼロトラスト概念に基づくSASEは、すべてのユーザーデバイスからのアクセス常時監視しており、国内外拠点を問わず、ユーザーがどこからアクセスしても、一貫した認証プロセスにより組織全体で同じセキュリティレベル維持できます。

また、ユーザーには必要リソース最小限アクセス権限しか付与されないことから、サイバー攻撃によってアカウント侵害された場合も、被害軽減できます。リアルタイムトラフィック監視不審挙動検知にも迅速対応でき、ネットワーク全体安全性を高められるのも大きな優位です。

6.SASEのデメリット

SASEはネットワークセキュリティ機能一元管理するため、プラットフォーム問題が生じると業務全体への影響懸念されます。この単一障害点 (その箇所停止するとシステム全体停止する箇所) のリスクに加え、プラットフォーム自体脆弱性がある場合問題組織全体波及する点も課題です。

信頼性の低いサービスを選ぶと、サービス停止機能低下リスクが生じる可能性があり、注意しなければなりません。SASEの導入に際しては、サービス事業者信頼性慎重検討したうえで、バックアップシステムなども考慮してリスク最小限に抑え、安定したセキュリティ運用目指すことが求められます。

7.SASEに関するよくある質問

CASBとの関係は?

前述のとおり、SASEはネットワーク全体セキュリティ監視し、安全アクセス環境提供する包括的クラウド型のサービスで、セキュリティポリシー適用行動分析リアルタイムトラフィック監視など多角的アプローチを通じて不正利用を防ぎ、クラウド上のデータ保護強化します。

一方、CASBはクラウドサービス利用する際のセキュリティ特化した機能です。


SSEとの関係は?

SSE (Security Service Edge) は、SASEに含まれるSWG、FWaaS、CASB、ZTNAで構成されたサービスを指します。ユーザーインターネットクラウドサービスアクセスする際のセキュリティ強化目的としており、ネットワーク管理機能は含まれません。

一方、SASEはSSEのセキュリティ機能に加え、SD-WANを通じてネットワーク統合的管理します。そのため、リモートワーク複数拠点からのアクセス一元管理したい場合はSASEが適しています。一方拠点間通信必要とせず、シンプル機能構成を求める際や、インターネットクラウドアクセスセキュリティ強化集中したいときはSSEを選択肢とするとよいでしょう。

8.まとめ

SASEは、ネットワークセキュリティ機能一体化されたクラウド型のサービスです。リモートワーク多拠点間通信を含む、幅広アクセス環境対応しています。ユーザーがどこからアクセスしても統一されたセキュリティポリシー適用できるため、組織全体で高いセキュリティレベル維持できるのがメリットです。

ビジネス環境柔軟適応できるネットワーク環境構築目指して、SASEのご利用をおすすめします。

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