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※ 記事制作時の情報です。
サテライトオフィスとは、本社・支社・営業所とは別の場所に設けられた小規模な業務拠点のことです。テレワーク (リモートワーク) が普及する中で、従業員の通勤負担を軽減し、柔軟な働き方を実現する手段として注目されています。
サテライトオフィスは、自宅と本社の中間地点や地方・郊外に設置されることが多く、IT環境を整えることで、本社と同様の業務が可能になります。完全な在宅勤務が難しいケースにおいて、集中できる作業環境を確保できる点も大きなメリットです。
また、生産性の向上やワークライフバランスの改善、人材の定着や採用活動の強化にもつながることから、経営戦略の一環としても期待が高まっています。今後のテレワーク推進において、サテライトオフィスは重要なインフラとなるでしょう。
支社や営業所を設置する場合は、法人登記や税務署への届け出、社会保険の手続きなど、法的・行政的な手続きが必要です。支社は営業活動や人員管理などの明確な業務機能を持ち、組織としての役割や人員配置の検討も求められるため、一定の規模を持つ恒常的な拠点として運用されます。
サテライトオフィスは、業務の一部を行うための作業拠点として設置されます。原則として法的な手続きは不要で、経理上も本社や支社に含めて処理されることが多く、独立した管理は行われません。少人数での運用が可能なため、通勤負担の軽減や業務の効率化など、特定の目的に応じて柔軟に導入できます。開設や撤去も比較的容易に行えるため、最小限の投資で設置可能なことも需要が高まっている背景の一つといえるでしょう。
このように、規模や設置目的、運用の柔軟性という観点から見ると、恒常的な組織拠点である支社と、課題解決型の機動的な拠点であるサテライトオフィスとでは、大きな違いがあります。
コロナ禍によりテレワークが急速に普及し、従来の働き方が大きく変化しました。感染リスク回避や通勤負担の軽減、自宅での業務に集中できないといった課題への対応として、サテライトオフィスは柔軟な働き方を支える場として注目されています。また、育児や介護との両立、短時間勤務、非正規雇用など多様な就労ニーズに応える場としても有効です。従業員が無理なく働ける環境を提供することで、企業にとっては離職の防止や人材の定着率向上にもつながります。
サテライトオフィスを地方に設置することで、地域活性化や企業の社会的責任 (CSR) の遂行、さらには地方創生施策への貢献といった観点からも意義があります。加えて、BCP対策としても有効で、災害時にも分散勤務体制を確保する手段として注目を集めています。
オフィス賃料や交通費といった固定費の削減にもつながるため、経営効率の改善という実利的な側面からも導入が進んでいます。サテライトオフィスは単なる業務拠点にとどまらず、企業の柔軟性や持続可能性を支える重要なインフラとして、その存在感を増しています。
サテライトオフィスには、自社のみで利用する「自社専用型」と、複数企業で共用する「共有型」があります。自社専用型は高いセキュリティを確保できるうえ、自社の働き方に合わせて、環境を自由に整えられるのが大きな魅力です。導入・維持にコストはかかりますが、その分、安定性や独自性を重視する企業に適しています。共有型は初期投資を抑えつつ短期利用にも対応でき、柔軟な運用が可能です。セキュリティ配慮は必要ですが、スピーディーに拠点を拡充できる点が強みです。
立地は「都市型」「地方型」「郊外型」に分かれ、都市型は利便性、地方型は地域活性、郊外型は生活との両立に役立ちます。企業は自社の目的に応じて最適な組み合わせを選び、生産性向上やコスト最適化を実現できます。
都市型サテライトオフィスは、主要都市の駅周辺などに立地する利便性の高いオフィスです。取引先や本社とのアクセスが良好で、打ち合わせや出張の合間の作業拠点としても有効に活用されます。
都市部在住の従業員にとっても通勤時間を短縮できる利点があり、集中力が求められる業務に適しています。設置コストは比較的高めですが、その分、稼働率や効率性を重視する企業にとっては大きなメリットがあります。
選定の際は、最寄り駅からの距離、通信環境、セキュリティ体制、共有スペースの有無など、多角的に検討することが重要です。短期間のプロジェクトや外部との共同作業を行う場としても柔軟に活用できるため、幅広い業種・職種での導入が進んでいます。また、従業員のモチベーション向上や採用活動におけるアピールポイントとしても期待されています。
地方型サテライトオフィスは、地方都市や地域拠点に設置されるオフィスで、地元人材の活用や地方移住者の受け入れにも適しています。働く場所の選択肢を広げ、ワークライフバランスを重視する人材にとって魅力的です。また、地方での営業活動や現場作業の合間に立ち寄れる作業拠点として移動効率の向上が期待できるほか、災害リスクの分散やBCP対策にも貢献します。
サテライトオフィスは企業ブランドの地域貢献にもつながるため、地方自治体との連携も有効です。選定の際は、交通手段や生活インフラ、支援制度の有無も確認しましょう。地域との接点を持つことで、新たなビジネスチャンスや地場企業との協業の可能性も広がります。
郊外型サテライトオフィスは、都市部から電車や車で1時間圏内の郊外に位置し、都市の利便性と自然環境のバランスを兼ね備えた立地が特徴です。通勤負担を減らしつつ、一定の業務集中が可能な落ち着いた環境を提供できます。住宅地に近いため、家庭と仕事の両立を図りやすく、特に子育て世代の従業員にとっても通いやすく、働きやすい環境です。
設置コストも比較的抑えやすく、柔軟な働き方の中間拠点としての活用が進んでいます。選定時は、通勤手段や周辺環境の快適さ、生活利便性などを総合的な確認が大切です。
郊外型サテライトオフィスは、地域住民との共生や、災害時のバックアップ拠点としても機能します。郊外ならではの広いスペースを確保しやすいため、感染症対策としても安心感があります。企業イメージの向上や従業員満足度の向上にもつながり、長期的な人材確保の面でも有効な手段と言えるでしょう。
多面的な利点の中でも、従業員の働きやすさ向上や組織の生産性に直結する代表的なメリットについて、以下で具体的に解説します。
サテライトオフィスを都市部や郊外に設けることで、自宅と職場の中間拠点として活用でき、通勤時間や体力的な負担を大幅に軽減できます。これにより短時間勤務や分散出社がしやすくなり、従業員が安心して働き続けられる環境づくりに寄与します。
また、テレワークでは「在宅勤務では集中が難しく、カフェ利用では情報管理への不安が残る」といった課題が存在しますが、サテライトオフィスはこうした問題を解消し、安心感と集中を両立できる業務環境を提供します。その結果、効率的で安定した働き方を支え、生産性やサービス品質の向上に寄与します。
育児や介護など、家庭の事情を抱える従業員にとって、フルタイム勤務が難しい時期は一時的に訪れるものです。子育てや介護などで、一定期間フルタイム勤務が難しいケースであっても、柔軟な勤務環境を提供できれば、やむを得ない退職の選択を回避する助けとなるでしょう。
特に、サテライトオフィスの活用によって、在宅勤務に近い働き方や、短時間勤務などにも対応しやすくなります。正社員・非正規といった雇用形態を問わず、さまざまな働き方を受け入れる体制が整えば、優秀な人材を確保しやすくなるのも大きな利点です。
結果として、離職防止や人材定着につながり、経験を重ねた人材が社内に蓄積されることで、組織全体の安定性や競争力も高まっていくはずです。
サテライトオフィスは、異常気象や災害による交通機関の混乱時にも対応でき、安全な出社環境を確保できます。本社や主要拠点が一時的に機能停止した場合でも、代替拠点として活用できるため、企業のレジリエンス強化やBCP対策の向上に直結します。
さらに、機密情報や重要機器が一箇所に集中していると、障害や事故の際に大きなリスクとなります。業務拠点を分散させることで、物理的・情報的なリスクの集中を避けることができ、セキュリティ強化にもつながります。
近年増加する自然災害や公共交通の混乱を踏まえると、近隣にサテライトオフィスがあることで、移動の負担を軽減しつつ、安全に業務を継続できます。特に地方型のサテライトオフィスは、広域での拠点分散に適しており、有事の際の機能維持に大きく貢献するでしょう。
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サテライトオフィスは、支社の新設に比べて初期投資や維持費を大幅に抑えられます。特に、共有型や地方型の施設を活用すれば、低コストで柔軟な拠点展開が実現可能です。
必要に応じて機動的に拠点を設けられるため、地方進出や新市場開拓の足がかりとしても有効です。現地にクライアントを招き、本社とはオンラインで連携すれば、全員が移動する必要がなくなり、出張コストや移動負担も軽減できます。
コスト効率と事業拡張性を兼ね備えたこの拠点戦略は、変化の激しい経営環境において、持続可能な成長を支える有力な選択肢となるでしょう。
サテライトオフィスの活用には多くの利点がありますが、一方で見逃せない運用上の課題も存在します。以下では、導入時に特に注意すべきデメリットを具体的に解説します。
サテライトオフィスを活用する働き方では、物理的に離れて業務を行うため、業務の進捗報告やちょっとした情報共有が滞りやすくなります。対面での即時確認や口頭ベースの調整が難しくなり、伝達ミスや報連相の遅れによって、意思決定や作業の質に悪影響を及ぼすケースもあります。
また、課題の早期発見やナレッジ共有が進みにくく、チーム全体のパフォーマンスが下がる要因にもなります。業務効率を維持するためには、進捗管理ツールや業務ルールの整備、タスクの透明化など、業務プロセスそのものに対する設計の見直しが不可欠です。
サテライトオフィスでは、物理的な距離によってチーム内の連携が弱まり、業務の進捗共有や助け合いが減少しやすくなります。チャットや通話が可能でも、気軽な声かけや相談のきっかけが失われ、些細なコミュニケーションが途切れがちです。
特に、業務に慣れたベテランが他者との関わりを避ける傾向や、新人が相談のタイミングをつかめずに孤立するケースが見られます。こうした状況は、チーム全体の一体感と生産性を損なう要因となります。
物理的な分断が心理的な断絶に発展しないよう、定期的な1on1や情報共有の場を設けるなど、関係性の質を保つ仕組みづくりがマネジメントに求められます。
サテライトオフィスをはじめ、社外での勤務ではネットワークや情報の管理においてセキュリティリスクが高まります。特に、マンションの共用部やカフェ、シェアオフィスなど、共有Wi-Fiを利用する環境では、第三者による不正アクセスや情報漏えいの危険が常に存在します。
重要書類の持ち出しやUSBメモリなどの小型機器の使用、周囲に人がいる環境での機密性の高い会話などもリスク要因です。こうしたリスクは、テレワーク全体に共通するものですが、サテライトオフィスの利用に際しても例外ではありません。
そのため、施設選定やネットワーク設定の見直しに加え、従業員一人ひとりに対するセキュリティ教育の徹底が不可欠です。改めてリスク認識を深め、実効性のある対策を講じる必要があります。
サテライトオフィスは、中長期的には本社のオフィス費用削減や通勤負担の軽減につながる可能性があります。ただし、導入初期には物件の契約費用に加え、家具や機器の設置など、一定の初期投資が必要です。業務に適した環境を整えるには、Wi-Fiや複合機、会議システムといったインフラの整備も欠かせません。
さらに、拠点を維持するためには、清掃や備品管理などの継続的な業務負担が発生します。こうしたコストや手間は見落とされがちですが、日々の運用において確実に積み重なります。
そのため、業種や業務内容に応じて導入効果を慎重に検討することが重要です。事前にコストと運用負担を具体的に試算し、導入後の運用体制まで含めて設計することが成功の鍵となります。
KDDIは虎ノ門オフィスで働く場の位置づけを再定義し、「ハブオフィス (本社)」「サテライトオフィス」「ホーム (自宅)」の3つのカテゴリを設定することにより、本社集中から分散型への転換を推進しました。従来比で座席数を約4割削減し、効率的に活用できる体制を整備。さらにリモート勤務や在宅勤務と組み合わせることで、働く場所を柔軟に選べる、時代に即した働き方を実現しています。ネットワーク基盤とクラウド環境を統合し、オンライン会議やコラボレーションを円滑化した点も特徴です。
加えて「マネージドゼロトラスト」を導入し、端末・ネットワーク・IDを一元管理し、オフィス・自宅・出先のいずれでも社内と同様の堅牢なセキュリティを確保しています。サテライトオフィスと制度設計を融合させたこの取り組みは、柔軟性と安全性を両立する先進事例として注目されています。
サテライトオフィスの導入を検討する企業にとって、環境整備やシステム導入にかかるコストを軽減できる支援制度の活用は有効です。目的に応じて活用できる制度が異なるのでここでは3つ紹介します。
クラウド型のビジネスツールや業務効率化システムなど、サテライトオフィスのIT環境整備にも活用可能なサービスが多数あります。補助対象や条件には細かな規定があるため、詳細は「IT導入補助金2025 (中小企業庁)」公式サイトを確認ください。
条件の一つに「常時雇用する労働者が2人以上999人以下で、都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業等であること」があります。
そのほかの条件については、公益財団法人東京しごと財団による「令和7年度サテライトオフィス勤務導入奨励金」の公式サイトをご確認ください。
東京都以外にも、全国各地でサテライトオフィスや地方拠点の設置を後押しする補助制度があります。
青森県青森市、福島県白河市、埼玉県、静岡県、長野県松本市、新潟県長岡市、岡山県新見市、福岡県北九州市、長崎県長崎市などでは、サテライトオフィス設置やテレワーク支援に関する独自の補助制度を実施しています。
具体的なITツールや運用目的がある場合、逆引きで対応可能な補助制度を調査するのも有効です。また、IT導入補助金と自治体制度を組み合わせて適用することで、より経済的な導入が可能になるケースもあります。申請には事前準備やスケジュール管理が欠かせないため、早期の情報収集と計画的な対応が重要です。
サテライトオフィスは、コロナ禍で急速に普及したテレワークを背景に注目を集め、柔軟な働き方を支える拠点として定着しつつあります。従来の「勤務場所の選択肢」にとどまらず、人材確保や地方創生、BCP対応、従業員のライフワークバランス支援など、経営課題を解決する多面的な価値が期待されています。
その一方で、コストや運用管理といった課題も伴うため、導入効果を最大化するにはメリットとデメリットを正しく理解し、成功事例や支援制度を活用することが重要です。さらにICTと空間設計を統合した拠点を作るには、課題整理から構築まで一気通貫で支援可能なパートナーの存在が成功を支えてくれるでしょう。
KDDIは、お客さまの課題やニーズに合わせて、オフィスのレイアウトの設計・デザインから、ネットワーク・ICT・内装を含めたオフィス構築を一気通貫でご支援します。ICTと内装の両面の知識協力が必要になるオフィス構築において、両面から最適なソリューションのご提案が可能です。
2025年7月、KDDIは未来への実験場であるTAKANAWA GATEWAY CITYへ本社を移転しました。本社移転で培った知見を活かしてオフィスづくりをご支援します。