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セキュリティ対策とは?必要性や対策方法を解説します
Smart Workコラム vol. 59

セキュリティ対策とは?
必要性や対策方法を解説します

2024 4/24
セキュリティ対策とは、インターネットやパソコンを安全に使用するために行う対策のことです。 企業においてセキュリティ対策は非常に重要ですが、「ノウハウがなく、具体的に何を実施したらよいかわからない」という人も多いのではないでしょうか。 この記事では、代表的なセキュリティリスクや企業が行うべきセキュリティ対策、おすすめのセキュリティツールについて説明します。

1.セキュリティ対策とは?代表的なセキュリティリスクをご紹介

セキュリティ対策とは、セキュリティリスク未然に防ぎ、インターネットやITツール安全使用するための対策のことです。
代表的セキュリティリスクとして、以下のものが挙げられます。


1.1 ウィルス感染

経済産業省によるコンピューターウィルス定義は、次のとおりです。

第三者プログラムデータースに対して意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラムであり、 次の機能を一つ以上有するもの。

(1)自己伝染機能
自らの機能によって他のプログラムに自らをコピーし又はシステム機能利用して自らを他のシステムコピーすることにより、 他のシステム伝染する機能

(2)潜伏機能
発病するための特定時刻一定時間処理回数等条件記憶させて、発病するまで症状を出さない機能

(3)発病機能
プログラムデータ等のファイル破壊を行ったり、設計者意図しない動作をする等の機能

―引用:経済産業省「コンピュータウイルス対策基準
※ 外部サイトへ遷移します。

コンピューターウィルス感染を防ぐには、感染経路を知ってウィルス侵入予防するのが有効です。
そこで、コンピューターウィルスの主な感染経路と、それぞれの予防対策解説します。


不正サイト・URLの閲覧

不正サイト閲覧しただけで、自動的コンピューターウィルスダウンロードされてしまうことがあります。
アクセスすると警告が出るサイトや、URLの頭が「https://」でないサイトなどにはアクセスしないようにしましょう。

しかし、どんなにユーザー自身が気を付けていても、企業公式ホームページなどの正規サイトが改ざんされ、ウィルス仕込まれているリスク否定できません。

そのため、ウェブブラウザセキュリティ設定を行う、ウィルス対策ソフト導入するなど、万が一ウィルス仕込まれたサイトアクセスしても感染シャットアウトできるような対策必要です。

添付ファイル

メール添付されたファイルにも注意必要です。
取引先過去にやりとりしたメール返信を装い、添付ファイルを開かせることでウィルス感染させる場合があります。

特に、プログラム実行する拡張子「.exe」ファイルには注意しましょう。また、Word・ExcelなどOfficeソフトファイルにもマクロ機能悪用してウィルスが組み込まれているおそれがあります。

身に覚えのない差出人からのメール開封しないのはもちろん、取引先からのメールであっても、不審ファイル名のファイルは開かない、安易コンテンツ有効化 (マクロ自動実行) をしないなどの対策を心がけましょう。

ファイル共有ソフト

社内取引先ファイル共有する際に、ファイル共有ソフト活用している企業も多いかと思います。

ファイル共有ソフトは、インターネット上で不特定多数ユーザーファイル共有できて便利ですが、その分ウィルス感染リスクが高いという点で注意必要です。

ファイル共有ソフトネットワーク上に悪意あるファイルアップロードされると、気付かずダウンロードしたユーザーパソコンウィルス感染するだけでなく、共有しているほかのユーザーにも感染が広がってしまう可能性があります。ファイル共有ソフト使用する際は、アップロード権限アクセス権限制限し、適切管理するようにしましょう。

ファイルのダウンロード

ウィルス仕込まれたファイルをWebサイトからダウンロードすることによって、感染することもあります。
ファイルダウンロードする際は、ダウンロード元のサイト安全性確認するようにしましょう。
ファイル名が文字化けしているなど、不審な点があるファイルダウンロードしないことをおすすめします。

USBメモリーなどの外部ドライブ

USBメモリーには、パソコン接続しただけであらかじめ指定した処理が行われる自動実行機能付きのものがあります。この自動実行機能悪用し、パソコンに差し込んだだけでウィルス感染を引き起こす手口存在します。

USBメモリーからのウィルス感染を防ぐには、自動実行機能作動させないようパソコン上で設定を行う、USBメモリーに対して定期的ウィルススキャンを行うといった対策必要です。


1.2 情報漏えい

売上データ顧客データといった社外秘情報が、外部へ漏えいしてしまうリスクがあります。
情報漏えいは情報悪用されるだけでなく、企業信頼まで損なわれ、多大損害につながりかねません。

情報漏えいの原因としては、主に以下が挙げられます。

外部からの攻撃によるもの

外部からの攻撃による情報漏えいの例としては、コンピューターウィルス不正アクセスなどにより、悪意ある第三者の手によって内部情報を抜き取られるケースがあります。外部からの攻撃による情報漏えいは、セキュリティソフト導入で防ぐことができます。

社員のセキュリティリテラシーの欠如によるもの

社員セキュリティリテラシー欠如によって情報が漏えいしてしまうこともあります。

例えば、社員が持ち出したパソコン電車に置き忘れてしまった、テレワーク社用パソコンではなく個人パソコン使用していたなど、社員セキュリティリテラシー欠如により情報漏えいが起こる場合もあります。

社員一人ひとりが機密情報を守るための適切行動を取れるよう、セキュリティ対策を行えるよう、セキュリティリテラシーに関する教育を行うとよいでしょう。


1.3 不正アクセス

社内ネットワークコーポレートサイト管理画面不正アクセスされる事例も増えています。
不正アクセスは、ウィルス感染情報漏えい、改ざんなどの二次被害を引き起こします。

社内ネットワークへの不正アクセスを防ぐには、ファイアウォールという外部からのアクセス制限する仕組みの導入有効です。

また、コーポレートサイト管理画面への不正アクセスを防ぐ方法としては、適切パスワード管理ログイン画面へのアクセス制限多要素認証 (ID・パスワード指紋認証を加えるなど、複数要素を組み合わせて行う認証) の導入などが挙げられます。


1.4 機器の障害

サーバー通信障害停電災害時などの機器障害は、業務支障をきたし、利益損失にもつながりかねません。
サーバー通信障害は、定期的メンテナンス実施や、予備システム導入によって予防できます。停電時に備え、サーバー無停電電源装置設置し、停電時でもバッテリーから電気一時的供給できるようにすると安心です。

また、万が一のときのために、重要データ定期的バックアップ取得し、いつでも復旧できるようにしておきましょう。

2.企業のセキュリティ対策で気を付けるべきこと

前項では、代表的セキュリティリスク対策解説しました。
ここからは、さらに具体的セキュリティ対策方法について説明していきます。


2.1 パスワード管理を徹底する

先述のとおり、不正アクセスウィルス感染情報漏えい、改ざんなどの二次被害の元になります。
不正アクセスを防ぐためには、第三者内部侵入できないようパスワード管理徹底必要です。
具体的には、次のような方法があります。

  • 第三者に推測されにくいパスワードを設定する
  • パスワードを定期的に変更する
  • パスワードをデバイス内にメモしない
  • パスワードをブラウザに記憶させない
  • パスワード管理アプリを活用する
  • 多要素認証を導入する
  • ワンタイムパスワード (一定期間だけ有効な使い捨てパスワード) を導入する など

多要素認証については、こちらの記事で詳しく解説しています。


2.2 OS やソフトウェアは常に最新に

OSやソフトウェアアップデートしないまま放置すると、脆弱性 (セキュリティ上の欠陥) を突かれ、ウィルス感染などの攻撃対象になる可能性が高まります。

アップデート情報はこまめに確認し、都度バージョンアップを行うことが大切です。自動更新機能が付いている場合は、活用するとよいでしょう。


2.3 ウィルス対策ソフトを活用してネット環境を安全に保つ

コンピューターウィルス感染経路多様化し、手口巧妙化しているため、気を付けていてもウィルス接触してしまう可能性があります。

万が一ウィルス接触しても侵入シャットアウトできるよう、ウィルス対策ソフト導入推奨します。
ウィルス対策ソフト導入によって環境を整えたうえで、企業指定するソフト以外ダウンロードしない、不審メール安易開封しないなど、ユーザー自身セキュリティリテラシーを持って注意することで、より安全インターネット利用できます。


2.4 データにはアクセス制限やパスワードを設定する

社内パソコンデータを持ち出すと、情報漏えいのリスクが高まります。重要データおよび社内パソコンは、できる限り持ち出さないようにしましょう。

やむをえずデータを持ち出す場合には情報暗号化したうえでパスワードをかけるなど、第三者閲覧されないための工夫必要です。


2.5 社員のセキュリティに関する理解を深める

情報漏えいの原因の一つとして社員セキュリティリテラシー欠如を取り上げたように、ハード面だけでなく社内ルールといったソフト面でのセキュリティ対策必要不可欠です。セキュリティ研修を行うなど、教育機会を設けて全社員セキュリティリテラシー向上目指しましょう。
社内セキュリティ対策ノウハウがない場合は、外部講師を招いたり外部セミナー参加を促したりするのも有効です。


2.6 ゼロトラストに基づいた対策を行う

IT技術革新加速する現代において、情報資産保護社会的信用保持安定した業務継続実現するためには、ゼロトラストに基づいたセキュリティ対策必須です。従来は、「社内外ネットワークには境界線があり、社内ネットワーク安全さえ守られていれば安心」という考えが一般的でした。

ところが、近年ではテレワーククラウドサービス普及によって社内外境界線曖昧になっているため、「たとえ社内であっても信用せず、あらゆるアクセスに対して安全性検証を行うべき」というゼロトラストの考え方が推進されています。

ゼロトラストに基づく効果的セキュリティ対策は、企業によって異なります。まずは、社員アクセスログ確認するなど現状分析を行ったうえで、セキュリティリスクになりうる要素を一つずつ対処していくことが大切です。

ゼロトラストの考え方や必要要素については、こちらの記事解説していますのでぜひご覧ください。

3.セキュリティ対策のおすすめツール・システム

最後に、セキュリティ対策におすすめのツールシステムについて説明します。


3.1 ファイアウォール

不正アクセスウィルス感染予防には、内部ネットワーク監視するファイアウォール有効です。
ファイアウォールには、不正パケット (分割されたデータ) を遮断し、許可されたパケットのみを通過させるフィルタリング機能があります。その他、通信ログ監視を行い、不審ログがあれば通知する機能なども搭載されています。


3.2 WAF

WAF (Web Application Firewall) は、Webサイト上の通信監視し、不正通信検知報告遮断するツールです。
ファイアウォール外部公開しない社内ネットワークへのアクセス制限するのに対し、WAFは外部にも公開するWebサイトアクセス制限をかけるという点で異なります。


3.3 サンドボックス

サンドボックスとは、外部との接続管理された領域のことです。
「怪しいファイルは開かない」というのはセキュリティ対策基本ですが、近年手口巧妙で、見た目だけではウィルス感染したファイルかどうか識別しにくくなっています。サンドボックス内でプログラム実行すれば、万が一ウィルス感染していてもサンドボックスの外には影響しません。


3.4 IDS

IDS (Intrusion Detection System) は、不正侵入検知システムのことです。
ネットワーク監視し、不正アクセス兆候検知すると管理者通知します。


3.5 IPS

IPS (Intrusion Prevention System) は、不正侵入防止システムのことです。IDSが不正アクセス通知のみ行うのに対し、IPSは攻撃に対して通信遮断まで行います。

前述したIDSやIPSの導入は、Webサイト負荷をかけるDDoS攻撃といった妨害への対応として効果的であり、システム障害予防することにもつながります。ファイアウォール・WAF・IDS・IPSはそれぞれセキュリティ対策を行う対象役割が異なるため、併用することで強固セキュリティ対策を行えます。

こうしたネットワークセキュリティについては、こちらの記事解説していますのでぜひご覧ください。

4.まとめ

セキュリティリスクウィルス感染情報漏えい、不正アクセス機器障害多岐にわたります。特にウィルス感染不正アクセスといった悪意ある第三者による攻撃手口は、年々巧妙化しています。

そのため、セキュリティ対策を講じる際は、社員セキュリティに関する知識を持ち実行すること、そしてツールなどを導入して安全性の高い環境を築くことが大切です。適切セキュリティ対策のために、まずはゼロトラストの考え方に基づいて自社課題を洗い出すことから始めてみてはいかがでしょうか。

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