※ 記事制作時の情報です。
振り返ってみると、情報収集の方法は時代とともに大きく変化してきました。PC中心の時代は日本ではYahoo!検索が主流でしたが、スマホの普及とともに Google 検索が一般的となり、「ググる」という言葉が生まれました。そして従来のWEB検索に加えて、X (当時はTwitter) やInstagramなどのSNSでは「タグる」という新しい検索スタイルが生まれ、現在でもハッシュタグを使った検索が利用されています。
さらに最近では、Google Gemini やChatGPTなど生成AIへの相談という新しい情報収集手段も登場し、YouTubeやTikTokでの動画検索と合わせて、あらゆる方向から情報を得ることができる時代です。
では、それぞれの情報収集方法に、どのような特徴やメリットがあるのでしょうか。検索手段ごとにその内容を見ていきましょう。
・メリット:公式サイトを確認することで、公式情報や統計データなど、一次ソースとしての信頼性の高い情報を得ることができます。また、検索結果の豊富さと情報量の多さも従来からあるWEB検索のメリットです。
・デメリット:情報量が多いぶん、目的の情報にたどり着いたり、取捨選択したりする際に時間がかかる場合があります。もちろん、情報掲載元が信頼できるサイトかどうかの確認も必要です。
・こんなときに便利:正確な事実確認、公式情報の確認、統計データなどを探すときに便利です。
・メリット:リアルタイムなトレンドや体験談、口コミなどの生の声を収集できます。テキストやビジュアル情報による、雰囲気や感情をつかむときに適した検索です。公式アカウントのフォローと通知設定によるいち早い一次情報の取得もできます。
・デメリット:一方で、一般的にタイムラインに流れる情報は信頼性が低いこともあり、偏った意見に影響されるという危険性もあります。短文かつノイズも多いので、情報取得者の選択能力が問われる部分があります。
・こんなときに便利:リアルタイムの情報取得や、新商品・新サービスの体験を基にした口コミや感想、トレンド調査などの収集に適しています。
・メリット:視覚と聴覚による情報取得ができることで、特に動きのある操作説明や手順、プロセスの理解に適しています。
・デメリット:動画の最大のデメリットは、視聴に時間がかかり、即座に要点をつかみにくい場合があることです。字幕の活用や早送り再生などの時短テクニックを使う方もいますが、音声を聴かなければいけないケースもあるため、ほかの検索に比べて情報の把握に時間がかかる場合があります。
・こんなときに便利:操作方法の把握、トレーニング、料理、DIY、学習コンテンツなどの検索に適しています。
・メリット:対話形式で回答を得ることができます。検索に比べてより曖昧な質問でも、文脈を理解して的確な回答や選択肢を提示してくれる場合があり、詳しい人に質問する感覚で情報を取得できます。特に Google Gemini のマルチモーダル対応のように、画像や音声、テキストを横断的に理解して統合的な回答を生成する能力は、従来の検索にはない強みです。
・デメリット:情報が学習元に左右されるため、情報の正確性を自分で判断する必要があります。また、回答の質がプロンプト (AIへの指示の出し方) に左右されるため、利用者が聞き方を鍛える必要がある点も、AI検索の特徴といえるでしょう。
・こんなときに便利:情報検索にあわせて、判断に迷うときの相談やアイデア出しに適しています。
では、上記の検索をどんなシーンでどのように使うのがよいのでしょうか。一次ソースはWEBでの公式サイト検索、みんなの反応を見たいときはSNSなど、それぞれの強みを活かす検索を単独で利用してもよいですが、組み合わせることでさらに便利に効率よく活用することが可能です。ビジネスシーンを例に、具体的な使い方を見ていきましょう。
まずは、新規事業のアイデア検討において、AIとWEB検索を組み合わせる例です。いきなりWEB検索から始めることもできますが、まずAIに「◯◯業界で注目されている新しいビジネストレンドは?」と相談することでアイデアの方向性を整理し、AIが提示した内容を検索することで、検索効率を上げることができます。
次はどちらを選ぶべきか判断に迷ったときの活用法です。
例えば「次の出張で泊まるAホテルとBホテルを比較して」とAIに相談。評価軸を明確にしてもらった上で、SNSでそれぞれのホテル名を検索し、利用者による口コミ、投稿写真を確認。
AIの客観的な比較とリアルなレビューを組み合わせることで、より納得感のある選択ができます。
3つめは、Excelでのデータ集計やレポート作成時の活用法です。最近では「Microsoft Copilot」や Google Gemini の進化で、AIに相談するだけで解決することも増えてきましたが、実際にメニューがどこにあるのかや、操作手順そのものがわからない場合は、AIと動画検索の組み合わせが有効です。
例えば、売上レポートの作成時に、売上個数データに別ファイルの販売価格をVLOOKUPで反映させたいケースを考えましょう。
このように、AIで「何をすべきか」の道筋を立て、動画で「どうやるか」を視覚的に理解することで、学習の効率が飛躍的に高まります。
この組み合わせは、Excelだけにとどまりません。ほかにも、AIに今日のシーンに最適なメイクと化粧品候補を絞ってもらい、動画でメイクのコツを確認するなど、文字情報だけではわからないことは、AIと動画検索を組み合わせることで、より深く知識を得ることができます。
このように情報収集の方法が多様化した今だからこそ、それぞれの特性を理解して使い分け、ときには組み合わせることで、より多彩で豊富な恩恵を受けることができる時代です。特に生成AIとの相談は、従来の「答えを探す」検索から「よりよい提案を受ける」立場へと私たちの行動を変えています。
もちろん生成AIの活用には、今回のような相談以外にもExcel活用術や英語のスキルアップなど、ビジネスや日常生活を便利にするAI活用術がたくさんありますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。