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何が変わる?知っておきたい2025年4月施行「育児・介護休業法」改正のポイントをわかりやすく解説

何が変わる?知っておきたい
2025年4月施行「育児・介護休業法」改正のポイントをわかりやすく解説

2025 4/23
共働き世帯の増加と高齢化社会が進む現代において、男女ともに仕事と家庭を両立できるよう支援する動きが加速しています。政府としてもこうした課題を解決し、より柔軟な働き方を実現できるよう、育児・介護休業法を改正し、2025年4月から施行することとなりました。過去にも何度か改正が行われてきましたが、今回の改正では、育児・介護をしながら働く人への支援が強化され、企業にも新たな対応が求められます。
ではいったいどのような点が改正されるのでしょうか。主な変更点を「育児関連」と「介護関連」に分け、知っておきたいポイントを具体例とともに解説いたします。

1.改正の主なポイント【育児関連】

項目 改正前 改正後
子の看護休暇の対象年齢 小学校就学前まで 小学校3年生修了まで
子の看護休暇の取得事由 病気・けが
予防接種・健康診断
病気・けが
予防接種・健康診断
感染症に伴う学級閉鎖等
入園・入学式、卒園式
子の看護休暇の取得要件 継続雇用期間6カ月以上 雇用期間に関わらず取得可能
時間外労働の制限の対象 3歳未満の子を養育する労働者 小学校就学前の子を養育する労働者
短時間勤務制度の代替措置 育児休業に関する制度に準ずる措置
始業時刻の変更等
育児休業に関する制度に準ずる措置
始業時刻の変更等
テレワークが追加
育児休業取得状況の公表義務 従業員数1,000人超の企業 従業員数300人超の企業

① 「子どもの看護休暇」の対象年齢・取得事由・取得条件の拡大

これまで「子どもの看護休暇」の対象は「小学校就学前まで」でしたが、今回改正により「小学校3年生修了まで」に拡大されました。さらに、取得事由として「病気・けが」と「予防接種健康診断」に加え、
感染症に伴う学級閉鎖など」や「入園入学式卒園式」も新たに対象となり、より現代事情に応じた休暇取得可能となります。
また、労働者雇用面における取得条件についても、これまで
継続雇用期間6カ月未満」の方は取得対象外でしたが、改正後雇用期間にかかわらず取得可能となり、働き始めて間もない方にも寄り添った改正内容となります。

子どもは就学前だけでなく、小学校入学してからも体調を崩し、急な対応必要になる場面があるものです。
今回改正により、小学校3年生修了まで子どものケア専念しやすくなるだけでなく、新型コロナウイルス感染症インフルエンザによる学級閉鎖入学式などの学校行事にも柔軟対応でき、仕事育児両立が図りやすくなります。

子どもを看病する親



② 時間外労働 (残業) に対する制限対象の拡大

また、これまで時間外労働 (残業) の制限対象は「3歳未満の子を養育する労働者」に限定されていましたが、改正により「小学校就学前の子を養育する労働者」まで対象拡大されました。

これにより、保育所幼稚園に通う子どもを持つ労働者は、残業時間を減らして子どもの送迎夕食準備時間確保しやすくなり、育児に関する負担軽減期待できます。
 



③ 短時間勤務制度の代替措置に「テレワーク」を追加

3つめの改正内容は、短時間勤務制度代替措置に「テレワーク」が追加されたことです。そもそも「短時間勤務制度」とは3歳未満の子どもを養育する労働者が1日の労働時間短縮できる制度ですが、業種業務によっては導入困難場合もあります。
改正後はそうした場合代替措置としてテレワーク追加することで、テレワーク可能業務場合は、 自宅で働くという選択肢を持つことができるようになります。

また、企業に対しても「3歳未満の子どもを養育する労働者へのテレワーク導入」が努力義務化されるため、通勤時間削減により、育児家事に充てる時間を増やすことが可能になります。
 



④ 育児休業取得状況の公表義務対象企業の拡大


育児に関する4つめの改正内容は、育休取得状況公表する企業対象拡大です。これまでは「従業員数1,000人超企業」が公表義務対象となっていましたが、改正後は「従業員数300人超企業」まで公表義務対象拡大されます。

公表内容として『男性の「育児休業等取得率」または「育児休業等育児目的休暇取得率」』が義務付けられますので、これにより、男性育休取得促進企業育児支援に対する可視化が進み、男女ともに育児を行いやすい社会実現期待されます。

育児休暇を取り子どもと一緒に過ごす親

2.改正の主なポイント【介護関連】

項目 改正前 改正後
介護休暇の取得要件 週の所定労働日数が3日以上
継続雇用期間6カ月以上
週の所定労働日数が3日以上であれば
雇用期間に関わらず取得可能
介護に関する研修・相談体制の整備 - 義務化
介護に直面した労働者への
個別の周知・意向確認
- 義務化
介護に直面する前の情報提供 - 義務化
介護のためのテレワーク導入 - 努力義務化

① 介護休暇の取得要件が緩和

ここからは介護関連改正内容です。これまでは「継続雇用期間6カ月未満」の労働者介護休暇取得できませんでしたが、改正後は「週の所定労働日数が3日以上」であれば介護休暇取得できるようになります。
 



② 育児・介護に関する研修・相談体制の整備

また、今回改正により、企業以下のような介護休業介護支援制度利用しやすくするための研修相談体制整備義務化されます。
 

  • 介護休業や介護支援制度に関する研修の実施

  • 相談窓口の設置

  • 社内の介護支援制度の利用事例の共有

  • 介護制度の利用促進に関する方針の周知
車椅子に乗ったシニア女性と介護する女性

なお、「介護休暇」と「介護休業」の違いは、休暇期間の長さです。介護休暇短期間の休み、介護休業中長期の休みを指しますので、取得必要になった際は、勤務先精度確認しましょう。

これにより、例えば今までは会社によっては介護休業があることを知らないまま退職してしまうケースもありましたが、改正後企業研修相談窓口設置に関する義務を負うため、労働者制度を知り、利用しやすい環境が整うようになります。
 



③ 介護に直面した労働者への個別の周知・意向確認の義務化

もうひとつの改正ポイントが、企業において介護休業制度介護両立支援制度導入し、研修相談窓口設置していたとしても、介護直面した労働者支援制度をうまく活用できないという事態を防ぐため、企業個人レベルでも通知するという主旨義務が課されます。
 


車椅子に乗ったシニア女性と介護する男性

この改正により、企業積極的介護支援情報提供することで、労働者支援を知らないまま介護仕事両立に悩むリスク軽減されます。




④ 介護に直面する前の情報提供の義務化

先ほどの「介護直面した時点での対応強化」に加え、企業には労働者介護直面する前に情報提供する義務が生じることになります。
 


今までは介護に関する支援情報は、労働者介護直面した際に初めて知ることが多く、また事前制度について学ぶ機会も少なかったため適切準備ができないケースもありましたが、この改正により、40歳の段階介護休業制度に関する知識を得ることができ、将来の備えをしやすくなります。
 



⑤ 介護のためのテレワーク導入の努力義務化

最後ポイントは、介護のためのテレワーク導入努力義務化です。これまで介護理由とするテレワーク導入企業判断に委ねられていましたが、改正により「要介護状態家族を持つ労働者テレワーク選択できるよう、企業努力義務を負う」ことになります。

もちろん対象者テレワーク可能職種中心となりますが、これにより、育児同様に「介護テレワーク」が選択肢となり、介護仕事両立しやすくなります。



3.まとめ

今回改正は、子育世代介護世代労働者安心して働けるようにするためのものです。
しかし、企業がこれらの制度導入する際には、制度利用する社員だけでなく、周囲メンバーへのサポート重要です。

制度利用者
休暇取得することで周囲負担が増えないよう、業務見直しや支援体制強化することも並行して対応するようにしましょう。

そういった課題への対応を含め、今回改正に基づき人材不足発生しそうな場合は、柔軟業務アウトソースできるサービスBPaaS」の導入も、有効手段のひとつです。

ほかにも企業負担軽減役立つSaaSサービス導入アウトソーシング活用など、人材不足を補い、安定した職場環境を整えたい場合は、ぜひKDDIにご相談ください。中小企業から大企業まで、数々の法人サポートしてきた豊富経験サービスを基に、貴社最適環境提案させていただきます。

  • ※ 2025年3月時点での情報に基づき作成した記事です。
  • ※ 2025年4月施行育児介護休業法改正内容正確内容最新情報については、厚生労働省ホームページなど各省庁自治体のWEBサイトにてご確認ください。

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