※ 記事制作時の情報です。
日本の電話番号については、当初、頭に「0」を付加した10桁の電話番号が利用されていましたが、爆発的な携帯電話の普及に伴い、1999年に10桁から11桁の電話番号も追加されました。
同時に「090」から始まる番号が携帯電話専用の番号として割り当てられ、今では11桁の電話番号が、携帯電話番号の代名詞にもなっています。これらの番号の冒頭に用いられている3桁や4桁の番号について解説します。
■主な3桁番号一覧
番号 | 種類 | 用途 | 通話料負担 | 備考 |
---|---|---|---|---|
090 | 携帯電話 | 個人・法人携帯 | 発信者 | 最も歴史のある携帯番号 |
080 | 携帯電話 | 個人・法人携帯 | 発信者 | 090枯渇により追加 |
070 | 携帯電話 | 個人・法人携帯 | 発信者 | 元PHS番号 |
060 | 携帯電話 | 個人・法人携帯 | 発信者 | 2026年7月から順次開始予定 |
050 | IP電話 | インターネット電話 | 発信者 | クラウド電話など |
0AB、0ABJ | 固定電話 | 地域固定電話 | 発信者 | 市外局番から始まる10桁 |
■特殊な3桁番号一覧
番号 | 種類 | 用途 | 通話料負担 | 備考 |
---|---|---|---|---|
110 | 緊急通報 | 警察 | 無料 | 緊急通報サービス |
119 | 緊急通報 | 消防・救急 | 無料 | 緊急通報サービス |
118 | 緊急通報 | 海上保安庁 | 無料 | 海難救助等 |
117 | 案内サービス | 時報 | 有料 | 正確な時刻案内 |
171 | 災害用伝言ダイヤル | 安否確認 | 有料 | 災害時のみ運用 |
携帯電話番号は、最初に割り当てされた090から次の080、PHSから転用した070という、主に3つの電話番号が割り振りされています。その次となる060に関しても、2026年7月以降に順次開始予定です。
IP電話はインターネット回線 (IP網) を利用して通話を行うサービスで、通常の固定電話番号とは異なり、市外局番がなく、全国どこからでも「050」から始まる番号で発信・着信ができます。サービスプロバイダーがインターネット開通時の付随オプションとしても提供するこの050番号は、固定電話と違い工事不要ですぐに番号を取得できることから、ビジネスシーンでの利用が広がっています。
次は固定電話の番号帯です。固定電話の番号も携帯やIP電話と同じく0から始まる10桁の番号で、「0ABCDEFGHJ」という形式で表され、アルファベットの部分に0〜9の数字が入ることから、略して「0AB番号」もしくは数字と間違えやすいアルファベットの「I」を抜いた「J」を最後に付けた「0ABJ番号」などと呼称されています。
数字の構成としては、最初の「0A」もしくは「0AB」の部分が「03:東京」「052:名古屋市」のように地域ごとに割り当てられており、どの数字がどの地域に割り当てられているかを知ることで、どこから電話がかかってきたのか、番号を見るだけである程度判別することも可能です。
ここからは少し特殊な番号帯です。電話番号のなかには、特定のサービスや目的のために使用される4桁から始まる番号がいくつか存在します。
■主な4桁番号一覧
番号 | 種類 | 用途 | 通話料負担 | 備考 |
---|---|---|---|---|
0120 | フリーダイヤル | 顧客向けサービス | 着信者 | 最も一般的な無料番号 |
0800 | フリーアクセス | 顧客向けサービス | 着信者 | 0120の補完として登場 |
0570 | ナビダイヤル | 案内・受付 | 発信者 (有料) | スマホのかけ放題プラン対象外の場合あり |
◎フリー番号系 (発信者は無料)
・0120 (フリーダイヤル)
着信者が通話料金を負担し、発信者が無料でかけることができる番号です。主に企業がカスタマーサポートや、通販の商品注文窓口として利用しています。
・0800 (フリーアクセス)
0120と同様、着信者が通話料金を負担する番号です。0120番号の枯渇に伴い、追加されました。
◎有料系 (発信者が料金を負担)
・0570 (ナビダイヤル)
発信者には、着信者が指定した料金体系で通話料金が課金される番号です。ナビダイヤルは全国一律の料金で利用できるため、企業のお問い合わせ番号として利用されるほか、複数の拠点にかかってくる電話を一元管理する際などにも利用されます。その料金については、携帯電話からかけた場合は通話定額プランの対象外となることが多いため注意が必要です。このナビダイヤルに電話をかけた際は「ナビダイヤルでおつなぎします」というアナウンスとともに料金体系が案内されるため、聞き逃さないようにしましょう。
◎事業者識別番号
最後は、事業者識別番号です。電話をかけるときに特定の番号を市外局番の前につけることで、指定した通信事業者のサービスを利用してかけることができます。0077 (KDDI) などがあり、各社のお得な料金で電話をかける際に利用します。auを利用している方は、通話料無料のお客さま窓口の番号として見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。
ここまで国内電話番号について紹介してきましたが、それ以外にも+から始まる国際電話がかかってきた経験がある方もいるのではないでしょうか。国際電話による海外電話番号は、「+」記号または「+」の代わりに利用する「国際プレフィックス (010など) 」に続く国番号が付く形式で表示されます。
+81 (日本) を始め、+1 (アメリカ・カナダ) 、+86 (中国) など、市外局番と同様に、どの数字がどの国に割り当てられているかを知っておくことで、どこから電話がかかってきたのか、番号を見るだけである程度判別することが可能です。
ただし、海外とのやり取り経験のない人からしてみれば、海外からの電話に関しては、身に覚えのない電話に見えることが多いでしょう。昨今では海外からの電話だけでなく、番号非通知の着信も含め、迷惑電話や営業電話が増えたと感じる方も多いのではないでしょうか。
これらの身に覚えのない電話への基本的な対処法としては、かかってきた電話番号が不明な番号であれば電話に出ないことです。最近では情報提供が進み、電話番号そのものを検索するとあやしい電話番号については情報が提供されている場合があるため、会社用のスマホへの着信であっても、知らない番号の場合はすぐに電話を取らず、一度留守番電話に切り替えたあとに番号を検索するという方法も、選択肢として知っておくとよいでしょう。
それ以外にも、迷惑電話に対する対策としては、スマホでの設定で対応することも可能です。
そのほか、auであれば、Pontaパスの特典として、迷惑電話やSMSを検知し、警告表示や着信拒否をする「迷惑メッセージ・電話ブロック」機能を利用することができます。Pontaパスは「auバリューリンクプラン」など上位の料金プランに含まれていますので、特に会社スマホの場合は設定しておくと安心です。
■auバリューリンクプランについての詳細はこちら
現在、ビジネスで使用している電話番号は、番号のポータビリティサービスにより番号を変更することなく最適なサービスに移行できるケースが広がりました。事務所の移転だけでなく、IP電話に変えることでスマホと固定電話を統合する場合でも、電話番号をそのまま維持しながら移行することが可能です。
もし電話システムの移行や最適化の検討に際し、ご不明点や確認したいことがでてきた際は、ぜひ通信会社として豊富な実績と専門知識を持つKDDIにご相談ください。お客さまのビジネス要件に最適な電話ソリューションをご提案し、サポートさせていただきます。