製造業の課題をDXで解決！
スマートフォン活用による業務効率化の成功事例

2025 9/26

製造業界では、DXの推進が急務となっています。特に中小企業においては、人手不足や業務の属人化、情報共有の遅延など、さまざまな課題が山積しており、これらの課題を解決する手段として、スマートフォンの活用が注目されています。スマートフォンを業務に取り入れることで、現場でのリアルタイムな情報共有やデータの可視化が可能となり、業務効率化や生産性の向上が期待できます。
本記事では、製造業におけるスマートフォン活用の具体的な方法や成功事例を紹介し、DX推進の一助となる情報を提供します。

※ 記事内の部署名、役職は取材当時のものです。
※ 記事制作時の情報です。

目次	製造業の課題と現状スマートフォン活用による業務効率化スマートフォン導入により課題解決に成功した事例業務用スマートフォンの導入はKDDIへお気軽にご相談を

1．製造業の課題と現状

日本の製造業では、コスト増と人材不足が同時に進み、収益性と現場運営の両面に負荷がかかっています。経済産業省「2025年版ものづくり白書」では、約9割の事業者が「原材料価格の高騰」および「エネルギー価格の高騰」を事業に影響する要因として挙げており、賃上げの流れも重なって製造に関連するコスト増加傾向にあります。

また、人材面では、若年就業者 (34歳以下) が2002年の384万人から2024年に259万人へと約125万人減少。労働力の構造的な縮小を背景に、66.7％の事業者が「労働力不足」を深刻な環境変化として回答しています。結果として、現場では少人数で多工程を回す必要が生じ、紙・口頭・固定電話に依存した運用の遅れが、設備異常の初動対応や承認の停滞、記録の分散を招き、品質・納期リスクにつながっています。

※ 出典：2025年版ものづくり白書 (外部サイトに遷移します。)

2．スマートフォン活用による業務効率化

こうした課題に対し、業務用スマートフォンは小さな投資で効果を出しやすい選択肢です。

現場で撮影した写真・動画と簡易フォームにより、不良や設備異常をリアルタイムに報告・共有。クラウドと連携すれば、進捗・設備状態・在庫のデータを一元管理し、意思決定の速度と精度を高められます。

高画質カメラは技能の見える化にも有効で、熟練者のコツを動画として標準化し、OJTの効率化に直結します。営業・サービス現場でも、カタログや仕様資料を即提示でき、顧客対応の迅速化に寄与します。

さらに、業務用端末の貸与とMDM (モバイルデバイス管理) の併用で、アプリ制限・リモートロック・データ消去などの統制が可能となり、私物端末利用 (シャドーIT) による情報漏えいリスクを抑制できます。

3．スマートフォン導入により課題解決に成功した事例

3-1．株式会社オイシス様：タブレット導入による現場管理の効率化

株式会社オイシス様は、兵庫・大阪・滋賀に9工場を構え、パンや惣菜など多様な食品を小売店に供給する企業です。従来、品質管理や生産管理を紙の帳票で行っており、その数は約40種類、月間2万枚を超えていました。この課題に対し、全工場に200台のタブレットを導入し、「Microsoft 365 with KDDI」と帳票電子化のためのクラウドサービスを活用することで、ペーパーレス化を実現しました。

この取り組みにより、帳票の約1/4を電子化し、神戸工場では月間約100時間の省力化を達成。また、「Microsoft Teams」の活用により、社員間のコミュニケーションが活性化し、現場での情報共有がスムーズになりました。さらに、手順書の電子化や画像・動画の活用により、作業品質の平準化も進められています。

▶︎株式会社オイシス様における事例の詳細はこちら (※ KDDIまとめてオフィス株式会社のページへ遷移します。)

3-2．株式会社彌満和製作所様：コミュニケーションツールによるチーム連携の強化に成功

株式会社彌満和製作所様は、ねじ加工工具の専業メーカーであり、国内に4工場・9営業拠点を展開しています。役職者とスタッフ社員間での情報格差や組織のサイロ化が課題となっていたため、全社員にauスマートフォンを貸与し、チャットや各種クラウドサービスを活用することで、情報共有基盤を構築しました。

この取り組みにより、社内コミュニケーションが飛躍的に活性化し、部署や工場を超えた連携が強化されました。また、業務アプリやクラウドの活用により、業務効率化が進み、製造現場では手順書の動画化やトラブル時の動画共有により、教育の負担軽減や早期の問題解決が実現しています。

▶︎株式会社彌満和製作所様における事例の詳細はこちら (※ KDDIまとめてオフィス株式会社のページへ遷移します。)

3-3．日星電気株式会社様：デジタル書類管理によるコスト削減と業務スピードの向上

日星電気株式会社様は、ふっ素樹脂関連製品や光ファイバー関連製品を手がける企業であり、国内外に拠点を展開しています。セキュリティの強化と業務の効率化を目的に、「Microsoft 365 with KDDI」を導入し、自社サーバーからクラウドへの移行を進めました。

これにより、拠点間のコミュニケーションの質が向上し、クラウド化による業務の効率化が実現。また、テレビ通話や翻訳機能の活用により、海外拠点との連携も強化されました。さらに、定型業務のデジタル化により、テレワーク率80％を達成しています。

▶︎日星電気株式会社様における事例の詳細はこちら (※ KDDIまとめてオフィス株式会社のページへ遷移します。)

3-4．東邦工業株式会社様：スマートフォンとクラウド活用による業務の見える化と効率化

東邦工業株式会社様は、群馬県に本社を構えるプラスチック製品の一貫生産メーカーです。自動車、家電、モバイル機器など多様な分野に製品を供給しており、金型設計から成形、塗装、組立までを自社で手がけています。同社は、グローバル競争力の強化を目的に、DXによる業務改革を推進しました。

従来、広大な工場内での固定電話による内線連絡や紙ベースの情報管理が業務の非効率を招いていました。これらの課題に対し、同社はKDDIの提案を採用し、以下の施策を実施しました。

auスマートフォンの全社員への貸与
Google Workspace の導入

「KDDI ビジネスコールダイレクト」を導入し、スマートフォンを内線電話として活用。これにより、電話の取次時間が従来の1/10以下に短縮され、業務効率が大幅に向上しました。また、業務書類を Google スプレッドシートに移行し、情報への即時アクセスを実現。また、チャット機能を活用した組織横断的なコミュニケーションにより、生産進捗や顧客要望の迅速な共有が可能となりました。