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法人トピックス

ドローンを活用した「スマート農業」の導入に向けた実証実験を開始 生産者高齢化が進む沼津のみかん畑で農薬散布の作業時間を93%削減 ~WAKONX (ワコンクロス) を通じて農業の課題解決を目指す~

  • 富士伊豆農業協同組合
  • KDDI株式会社
  • KDDIスマートドローン株式会社
  • 全国農業協同組合連合会
  • 静岡県経済農業協同組合連合会

富士伊豆農業協同組合 (代表理事組合長: 梶 毅、以下、JAふじ伊豆)、KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区代表取締役社長 CEO: 髙橋 誠、以下、KDDI)、KDDIスマートドローン株式会社 (本社: 東京都千代田区代表取締役社長: 博野 雅文以下、KDDIスマートドローン)、全国農業協同組合連合会 (本所: 東京都千代田区代表理事理事長: 野口 栄、以下、JA全農)、静岡県経済農業組合連合会 (本所: 静岡県静岡市代表理事理事長: 石川 和弘以下、JA静岡経済連) は2024年5月22日、静岡県沼津市にてドローン活用した農薬散布実証実験 (以下 本実証) を開始しました。

本実証第一回目では、手作業では2時間ほどかかる傾斜20度以上・2,000平方メートルの畑への農薬散布が、自動航行ドローン活用することにより約93%減の8分間終了し、「スマート農業」の有用性確認しました。
実証実験終了後は、日本農業課題のさらなる解決に向け、AI時代の新たなビジネスプラットフォームWAKONX (ワコンクロス)」を通じたサービス提供目指します。

本実証は、生産者高齢化が進む「西浦みかん」の産地で、農作業負担軽減させる「スマート農業」の効果検証するものです。「スマート農業」はICTやロボット技術ドローンなどの先端技術活用し、作業効率化品質向上実現する新たな農業です。2024年5月29日、「農政憲法」と呼ばれる「食料農業農村基本法」に「スマート農業」の促進に関する条文が盛り込まれるなど、日本農業課題解決に資する方法として注目を集めています。その一方農家にとっては、収穫品質への影響不透明であることが導入懸念として残っています。
本実証は、2027年3月31日まで期間を設け、年7回の農薬散布ドローン実施していきます。また、農薬散布手作業で行うエリアドローンで行うエリアに分けることで、農家懸念である「スマート農業」の収穫品質への効果継続的定量的分析します。

背景

沼津市代表する農産物の1つである「西浦みかん」は、品質と味のよさから価格上昇出荷量安定しており、市場からもさらなる増産期待されています。一方で、農業従事者高齢化後継者不足により沼津市をはじめ多くの農家では労働力不足必至とされており、近い将来の担い手不足深刻状況です。さらに、西浦みかん園地は、傾斜が20度以上急斜面が57%を占めており作業重労働となっています。
このような課題解決に向けて、「スマート農業」に期待が集まっており、五者関係機関連携し、本実証実験に至りました。

本実証について

(1) 実証概要

  • 本実証ではJAふじ伊豆沼津市助成を受け購入した、KDDIスマートドローン提供する最新型農業用ドローン活用
  • 物理的基準局必要とせずcm単位測位精度可能にするKDDIの高精度位置測位サービスドローン連携傾斜地散布対象点在する果樹に対して、通常のGPSより正確自動航行効果的自動散布可能
  • 事前測量飛行ルート設定し、ドローン1台で農薬自動散布

(2) 第一回目の実験結果

  • 作業者散布時立会いのみでよく、作業負荷が大きく軽減
  • 手作業で2時間程度要していた傾斜地での農薬散布を、自動航行可能ドローン使用することにより8分間完了
  • 手作業による散布時遜色なく薬液が葉と果実付着していたことを目視確認
  • 2024年7月の散布において、水滴付着すると変色する感水紙などを用いて薬液付着量のさらなる定量分析実施予定

(3) 実証実験の開始日・終了日

開始日: 2024年5月22日
終了日: 2027年3月31日

(4) 実証場所

JAふじ伊豆なんすん地区本部 西浦みかん営農経済センター管内柑橘園

(5) 使用機体

DJI社製「AGRAS T25」

(6) 各社の役割

JAふじ伊豆 防除暦の作成、ドローン防除に適した樹形剪定作業、試験区の測量・農薬散布、運用検討
KDDI 高精度位置測位サービスの提供、作業受託システムのスキーム検討サポート
KDDI スマートドローン ドローンの調達、オペレーター育成、散布飛行サポート
JA全農 実証試験の企画協力、関係機関調整
JA静岡経済連 実証実験の企画および設計

(7) 各社の狙い

  • JAふじ伊豆: 産地規模維持および拡大に向け、担い手経営体規模拡大法人化のために喫緊課題となっている防除作業省力化を図る。防除効果実証により、実証実験後作業受託システムスキーム構築目指す。
  • KDDI: KDDIは2024年5月から、お客さまの事業成長社会課題解決貢献するため、AI時代の新たなビジネスプラットフォームWAKONX (ワコンクロス)」を始動実証実験終了後サービス展開中上空利用モバイル通信サービスドローン運用管制システム活用し、「WAKONX」を通じた農業課題解決目指す。

(8) 関係機関

静岡県沼津市

今後の展開

実証実験で得られた知見活用し、JAふじ伊豆窓口とした作業受託システムスキーム検討しています。ドローンによる防除作業効率化により、日本農業が抱える農家高齢化人手不足などの社会課題解決貢献することを目指します。
今後も、KDDIは「WAKONX」を通じて、日本デジタル化のスピードアップ推進します。

参考

西浦みかんについて

西浦みかんは、穏やかな気候と山の斜面利用して西浦内浦地区栽培される高糖度系のみかんです。なかでも「寿太郎」は本格貯蔵した最高級温州みかんです。

<西浦みかん「寿太郎」>
<山の斜面にある西浦みかん農園>

WAKONXについて

「WAKONX」は、KDDI VISION 2030「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」の実現に向け、日本のデジタル化をスピードアップするというコンセプトから生まれたブランドであり、機能群を有するAI時代のビジネスプラットフォームです。「WAKONX」を通じて、最適化したネットワークの設計・構築から、大規模計算基盤による企業間データの蓄積・融合・分析を行います。また、AIが組み込まれたサービスやソリューションを各業界に最適化して提供することで、法人のお客さまの事業成長と社会課題の解決を支援していきます。

WAKONX

※この記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。