このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、または対応ブラウザでご覧下さい。

閉じる
閉じる
閉じる
クラウドアプリをMicrosoft Defender for Cloud Appsで制御してみた
ゼロトラストブログ vol. 19

クラウドアプリをMicrosoft Defender for Cloud Appsで制御してみた

2024 11/20
過去のゼロトラストブログ記事「サイバー攻撃をMicrosoft 365 E5 Securityで防御してみた」にて、Microsoft 365 E5 Securityプランで含まれている5つのサービス (注1) をご紹介いたしました。CASB (注2) としてクラウドアプリの監視制御を可能とする Microsoft Defender for Cloud Appsにご関心のある企業さまもいらっしゃると思います。本ブログではMicrosoft Defender for Cloud Appsに着目し、どのように動作するのかゼロトラスト推進部の坂本が検証を通して紹介いたします。

注1) Microsoft Defender for Office 365、Microsoft Defender for Endpoint、Microsoft Entra ID P2、Microsoft Defender for Cloud Apps、Microsoft Defender for Identity
注2) CASBとはCloud Access Security Brokerの略称であり、クラウドアプリとユーザーの間でセキュリティポリシーを適用しクラウドアプリの利用管理/可視化を行うセキュリティの概念


Microsoft Defender for Cloud Appsとは

1. Microsoft Defender for Cloud Appsの概要

今回検証するMicrosoft Defender for Cloud Apps  (以下、MDCA) は、Microsoft社が提供するCASBとなります。昨今企業においてクラウド利用が進められていますが、MDCAを用いることでクラウド環境安全利用することが可能です。具体的には、組織利用できるクラウドアプリ制御/アクセス可視化サイバー攻撃異常動作検出/保護する機能がMDCAには備わっております。以下それぞれの機能についての解説となります。


2. 組織で利用できるクラウドアプリの制御/アクセスの可視化

MDCAの管理ポータル上の「クラウドアプリカタログ(注3) からブロック対象クラウドアプリ非承認タグ付与し、Microsoft Defender for Endpoint (以下、MDE)  (注4) とMDCAを連携することで非承認アプリへのウェブアクセスブロックすることが可能となります。

また、アプリコネクタと呼ばれる設定を行うことで、MDCAがクラウドアプリのAPIを使用することが可能となり、それにより各ユーザーアプリアクセス情報をMDCAから確認することができます。


3. サイバー攻撃や異常な動作の検出/保護

MDCAで定義されているさまざまなポリシー活用することにより組織情報資産保護することが可能となります。
以下ポリシー一例となります。

なお、必要ライセンスとしては、Microsoft 365 E5 Security (注7) もしくはEnterprise Mobility + Security E5が必要となります。
それでは、次の項で検証内容をご説明します。

  • 注3) 31,000以上クラウドアプリ掲載し、10段階でのリスク評価確認することが可能アプリ一覧
  • 注4) エンドポイントセキュリティ対策実現するMicrosoft製品
  • 注5) Microsoft Intune端末管理および制御を行うためのMicrosoft社のMDM製品
  • 注6) Microsoft Entra ID条件付アクセス機能との併用となります。Microsoft Entra IDは、Microsoft社が提供するIDaaS製品となります。
    また条件付アクセスとは、ユーザーデバイスおよびアクセスアプリ条件として、不要アクセスブロック/制限する機能です。
  • 注7) ゼロトラストブログ vol. 08 サイバー攻撃をMicrosoft 365 E5 Securityで防御してみた
  • ※ 2024年11月現在

検証内容

1. 前提

今回は、「利用禁止アプリブロック制御」および「クラウドストレージからのファイルダウンロード防止」の2ケース検証します。「特定アプリ利用させたくない」、「決められたクラウドストレージ外へのデータ持ち出しを禁止したい」といったご要望をお持ちのお客さまが多くいらっしゃいますので、上記2ケース検証ケースとして選定いたしました。本検証を通し、簡単にMDCAで設定できるイメージをお持ちいただければ幸いです。

ケース詳細/事前準備事項以下となります。


2. CASE 1:利用禁止アプリのブロック制御

組織として利用禁止したいアプリクラウドアプリカタログ上で非承認とします。非承認アプリとしてDropboxを選定し、本アプリへのウェブアクセスブロックされることを確認します。

<検証事前準備事項>
ウェブアクセスブロックさせるため、最初にMDEとMDCAを連携しておきます。

MDEとMDCAの連携を オンにする設定

次にDropboxを非承認とする設定クラウドアプリカタログから行います。

Dropboxに非承認のタグを設定
  • 画像イメージです

3. CASE 2:クラウドストレージからのファイルダウンロード防止

クラウドストレージとしてSharePointを利用する前提ファイルダウンロード禁止されることの動作確認を行います。
「Microsoft Defender for Cloud Appsとは」で紹介したセッションポリシー条件付アクセス利用することにより実現します。

<検証事前準備事項>
Microsoft Defenderポータル画面上セッションポリシー作成します。

セッションポリシーの作成画面にて ポリシー名の決定

アクションでブロックを選択し メッセージをカスタマイズ

次にMicrosoft Entra 管理センターから条件付アクセス設定を行います。

ターゲットリソースを選択。 今回はShare pointだが検証であることから、 便宜的にすべてのクラウドアプリを選択。セッション欄「アプリの条件付きアクセス制御を使う」を選択することで、MDCAのセッション ポリシーを条件付きアクセスに適用。
  • 画像イメージです

これで2ケースとも事前準備完了です。


4. まとめ:検証前

CASE 1 CASE 2
検証内容 Dropboxへのウェブアクセス禁止 SharePoint上ファイルのダウンロードブロック
事前準備 1. MDEとMDCAの連携
2. 非承認アプリの設定
1. セッションポリシーの作成
2. 条件付きアクセスの設定

次の項で検証結果確認を行います。

検証結果

1. CASE 1:組織として利用可能/禁止アプリのブロック制御

ローカル端末からDropboxへの接続を試してみます。
すると、以下キャプチャのようにウェブアクセスブロックされました。

アクセス禁止メッセージが表示され Dropboxの利用が不可となっている
  • 画像イメージです

2. CASE 2:クラウドストレージからのファイルダウンロード防止

SharePoint上のファイルダウンロードを試してみます。
すると、キャプチャのとおりメッセージ表示されダウンロードブロックされました。

事前に配置した検証用ファイル

ダウンロードがブロックされ、 セッションポリシー作成時に 定めたメッセージが表示
  • 画像イメージです

2ケースとも、期待した通りの動作結果となりました。


3. まとめ:検証後

CASE 1 CASE 2
検証内容 Dropboxへのウェブアクセス禁止 SharePoint上ファイルのダウンロードブロック
事前準備 1. MDEとMDCAの連携
2. 非承認アプリの設定
1. セッションポリシーの作成
2. 条件付きアクセスの設定
結果 想定通り
(Dropboxへのアクセス禁止)
想定通り
(ファイルダウンロードのブロック)

最後に

本記事では、検証を通してMDCAについて紹介しました。簡単設定クラウドアプリ利用禁止およびクラウド上のファイル保護 (ダウンロード禁止) を実施できることが分かったかと思います。Entra IDやMDEと連携した機能存在するため、これらの製品利用しており、かつクラウドアプリ利用推進しているお客さまには検討価値のある製品ではないでしょうか。

弊社はこれまでの導入実績からMicrosoftのSecurityソリューションパートナー認定取得しており (注8) 、お客さまのセキュリティ環境提案/構築高品質サポート可能です。なにかお悩みごとがあればぜひお気軽にご相談ください。

プロフィール画像

執筆者プロフィール

坂本 大季 (さかもと ひろき)
入社後、情報システム部門にて社内利用アプリの開発業務に約5年間従事。その後、ビジネス部門にてAWS等のクラウド提案業務を経て、2024年4月にゼロトラスト製品を扱う現部門に異動。現在はMicrosoft 365 Securityによる提案および構築業務を担当。

本サービスへのお問い合わせ

KDDI 法人営業担当者が、導入へのご相談やお見積もりをいたします。
何かご不明な点があればお気軽にお問い合わせください。

ホワイトペーパー

最新のイベント・セミナー情報



ピックアップ