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まちづくりとは|基本要素や取り組みの目的・課題、成功事例を解説

まちづくりとは|基本要素や取り組みの目的・課題、成功事例を解説

2025 11/18
まちづくりとは、地域の人々が安心して暮らせる環境を整え、将来にわたり持続可能な社会を築くための取り組みです。従来の都市計画が行政主導であったのに対し、まちづくりは住民主体で進める点が特徴で、行政・企業・NPOの連携、地域資源の活用などが重視されます。
本記事では、まちづくりの定義や基本要素、取り組みの目的をわかりやすく解説し、代表的な仕事や成功事例、直面する課題と具体的な解決策についても掘り下げていきます。

※ 記事制作時の情報です。

1.まちづくりの定義と3つの基本要素

まちづくりとは、地域に住む人々が自らの暮らしをよりよくするために、行政企業、NPOなどと協力しながら進める取り組みです。道路建物整備中心とした従来都市計画と比べ、暮らしの質を高めることを目的に、住民意見地域特性反映させる点が大きな特徴といえます。

そのため、まちづくりには次の3つの基本要素が欠かせません。

まちづくりの定義と3つの基本要素のイメージ画像
  • 住民主体: 地域未来住民が自ら考え、行動すること
  • 多様連携: 行政企業・NPOなどが協働して取り組むこと
  • 地域資源活用: 歴史文化自然人材といった資源最大限に活かすこと

これらの要素を組み合わせることで、地域持続的発展するまちづくりが実現します。

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1-1. 住民主体: 地域の未来を自分たちで創る

まちづくりを成功させるには、地域主役である住民中心となって取り組むことが欠かせません。外部組織行政だけでは、本当課題や暮らしの実情把握できないため、住民の声を反映させることが重要です。

各地では、地域協議会設置公開ワークショップ開催を通じて、住民意見を出し合い、将来像共有する取り組みが進められています。これにより、地域への愛着が深まり、継続的活動につながります。

1-2. 多様な連携: 行政・企業・NPOとの協働

まちづくりは一部主体だけで進めるのではなく、行政企業・NPOが連携することで大きな効果を生み出します。行政制度予算を担い、企業資金技術提供し、NPOは地域課題に即した活動展開するなど、それぞれの強みを生かせる点がメリットです。

具体的手法としては、民間資金ノウハウ公共事業に活かすPFI (民間資金等活用事業) や、公共施設運営民間委託する指定管理者制度があります。これらは、事業効率性サービスの質を高める有効仕組みです。

1-3. 地域資源の活用: 隠れた魅力を価値に変える

まちづくりでは、地域に眠る歴史文化自然人材といった資源見直し、新たな価値への転換が求められます。観光資源として活用するだけではなく、日常生活地域経済に結びつけることで、持続的発展につながるのです。

例えば、空き家をリノベーションしてカフェコミュニティスペースに変える取り組みは、各地成果を挙げています。地域雇用を生み出すだけではなく、住民来訪者交流の場となり、新しいにぎわいを創出しています。

2.まちづくりに貢献できる代表的な仕事5選

まちづくりに貢献できる代表的な仕事5選のイメージ画像

まちづくりにはさまざまな立場から関わることができます。代表的職種以下の5つです。

  • 企業のまちづくりプロジェクトメンバー
  • まちづくりプランナー/コンサルタント
  • 地域コーディネーター
  • 公務員 (都市計画地域振興担当)
  • NPO/一般社団法人職員

2-1. 企業のまちづくりプロジェクトメンバー

企業立場からまちづくりに参画し、新しい街の価値創出寄与します。プロジェクトメンバーとして参加する社員は、都市開発地域活性化に関わる企画立案、ICTを活用したサービス導入地域との協働など幅広役割を担います。

KDDIは都心部での大規模開発参画し、先端技術活用したまちづくりを進めています。通信インフラ整備スマートサービス導入を通じ、持続可能快適都市空間実現する取り組みです。

具体的な取り組みはこちら

2-2. まちづくりプランナー/コンサルタント

行政企業からの依頼を受け、第三者的立場専門職として参画します。地域現状調査分析し、課題に応じた解決策企画提案するのが主な業務です。人口動態交通状況地域資源調査を行い、その結果をもとに具体的事業計画立案します。

業務フローは、現状把握課題整理解決策企画実行支援の流れで進みます。その過程では、統計データを扱う分析力と、将来像を描く企画力が欠かせません。地域特性を踏まえた提案を行うことで、実効性の高いまちづくりを後押しします。

2-3. 地域コーディネーター

住民行政企業の間に立ち、意見立場の違いを調整する役割を担います。まちづくりでは多様主体が関わるため、橋渡しをする存在不可欠です。

具体的には、地域イベント企画運営を通じて住民同士交流を促したり、会議ワークショップ合意形成を導いたりします。そのため、単なる調整役にとどまらず、対話を重ねて信頼関係を築く高いコミュニケーション能力が求められます。地域の声をつなぎ、活動円滑に進める要となる役割です。

2-4. 公務員 (都市計画・地域振興担当)

行政立場からまちづくりを推進する中心的役割を担います。都市計画課では、道路公園などのインフラ整備用途地域指定など都市機能を高める施策実施します。地域振興課役割は、観光振興移住支援商店街活性化といった取り組みを通じて、地域のにぎわいを生み出すことです。

また、国や県の補助金制度活用し、地域資源を生かしたイベント産業振興事業企画することもあります。公務員活動は、住民の暮らしを基盤から支える、まちづくりの重要一端です。

2-5. NPO/一般社団法人の職員

市民活動を担う団体として、地域に近い立場地域課題解決に取り組む実践的役割を担います。子育支援環境保全福祉 (高齢者・障がい者支援)、見守活動といったテーマごとに活動し、行政企業では手が届きにくい分野補完します。

活動継続するためには資金調達が欠かせないため、クラウドファンディング助成金獲得企業との協賛会員制度自主事業収益を通じて資金を集め、効果的広報活動意義を広く発信します。市民に寄り添いながら課題解決を進める姿勢が、地域信頼を生み出しています。

3.まちづくりの目的

4.まちづくりの取り組み成功事例3選

ここでは、IT活用住民参加官民連携の3つの視点から、まちづくりの成功事例紹介します。

4-1. 【IT活用】地方自治体: サテライトオフィス誘致による地域活性化

人口5,000人弱地方自治体では、過疎化直面する中で、ICT関連企業積極的誘致するサテライトオフィス誘致戦略を進めてきました。2005年に町内全域へ光ファイバー網を整備したことを契機に、デザイン映像制作などの企業進出し、2023年度までに22社・約130人の雇用創出しています。

この取り組みにより、2014年度には転入者転出者を46人上回り、若年層定着進展しました。空き家を活用したカフェコワーキングスペースなど40件を越える創業が生まれ、地域資源を生かした持続的なまちづくりの成功事例として高く評価されています。

4-2. 【住民参加】地方自治体: 集落活動センターによる地域再生

住民主体運営する「集落活動センター」を設置し、地域拠点再生しました。旧小学校集会所改修し、飲食スペースイベント会場として活用することで、住民同士交流世代間のつながりを育んでいます。

各世代参加する協議会ワークショップを通じて、合意形成を重ねながら拠点運営を進めた点が成功要因です。現在町内複数センター設置され、地域雇用サービス維持にも貢献しています。

4-3. 【官民連携】地方自治体: エリアプラットフォームの構築

駅前エリア再生目的に「エリアプラットフォーム」を設立し、行政企業住民学生協働する体制を整えました。民間発想を活かしながら、行政制度支援提供し、地域全体将来像共有しています。

ここでは、実証実験地域イベント空間再編などが段階的展開され、初期行政民間協働するフェーズを経て、現在地域主体での自走目指体制移行しています。官民連携して持続可能なまちづくりを進める好事例です。

5.まちづくりで直面する主な課題と解決策

まちづくりは地域に新しい価値を生み出す一方で、次のような課題直面することが多くあります。

  • IT活用障壁: デジタル導入利活用の遅れ
  • 人材資金不足: 専門人材活動資金確保が難しい
  • 住民無関心: 参加を促す取り組みが不足
  • 連携の難しさ: 行政企業住民間意見をまとめにくい
まちづくりで直面する主な課題と解決策のイメージ画像

5-1. デジタル技術活用の障壁

まちづくりにおいてデジタル技術導入は欠かせませんが、導入コスト専門人材不足住民のITリテラシー格差が大きな壁となっています。特に高齢者が多い地域では、利用者教育仕組みが不十分であることが課題です。

導入に際しては、まず地域課題明確にし、その解決直結するサービスを選ぶことが重要です。例えば、情報発信不足には「まちアプリ」を導入し、住民一人ひとりの嗜好行動に合わせた情報提供実現します。都市運営必要膨大データは「データダッシュボード」で一元管理し、人流シミュレーション防災計画などに活用できます。

こうしたサービス小規模導入検証し、説明会ワークショップ住民理解を深めながら段階的拡大していくことが、障壁を乗り越え、技術定着させるための鍵です。

6.KDDIの取り組むスマートシティのソリューション

KDDIはICTを活用し、都市地域課題解決支援するスマートシティ推進しています。先進的ソリューション詳細は、以下ページをご覧ください。

6-1. 人材・資金不足

まちづくりでは、企画立案運営を担う専門人材不足、さらに活動資金確保が大きな課題となります。特に人口減少が続く地域では担い手が限られ、長期的な取り組みを続けることが困難状況です。

対策としては、多様スキルを持つ人材地域外から呼び込むとともに、クラウドファンディングで広く資金を募る方法があります。また、国や自治体提供する補助金制度活用や、企業寄附を通じて税額控除を受けられる「企業版ふるさと納税」も有効です。これらを組み合わせることで、まちづくりを持続的に進める基盤が整います。

6-2. 住民の無関心と参加のハードル

まちづくりにおいて、住民参加が思うように進まないケースは少なくありません。背景には「忙しさから会議活動時間を割けない」「参加しても意見反映されないのでは」などがあります。特に若年層子育世代では、長時間拘束される活動参加しにくい傾向があります。

参加を促す工夫として、SNSを活用した情報発信により、住民気軽意見共有できる仕組みを整える方法があります。また、休日に1~2時間参加できるワークショップや、子ども連れで参加できるイベント企画することも効果的です。参加ハードルを下げることで、幅広世代参画期待できます。

6-3. 関係者間の連携の難しさ

まちづくりには行政企業、NPO、住民など多様主体が関わりますが、立場目的の違いから連携難航することがあります。行政公共性公平性を、企業収益性を、NPOは社会的課題解決優先するなど、価値基準の差が調整を難しくしています。

円滑連携のためには、まず全関係者共有できる明確目標設定することが不可欠です。そのうえで、定期的協議の場を設け、意見交換進捗確認を行うと相互信頼関係が築かれます。こうした仕組みを整えることが、多様立場を超えた協働実現する鍵となります。

7.まとめ

まちづくりは、従来都市計画とは一線を画し、住民主体活動多様連携地域資源活用を組み合わせて進める点に特徴があります。本記事では、基本要素代表的職種目的成功事例、そして直面する課題解決策紹介しました。

安心快適な暮らしと持続可能社会実現するには、地域の人々が自ら考え、行政企業協力しながら継続的に取り組むことが欠かせません。小さな工夫の積み重ねが、未来につながるまちづくりを形づくっていきます。

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KDDIは、点在するデータ収集分析し、AIを活用することで街や人、業種業態をまたがる企業をつなぎ、街の持続的発展推進します。ICTやIoTを活用したソリューションを通じて、地域課題解決と新しい価値創出支援しています。都市空間設計からデジタルインフラ導入まで、まちづくりを総合的サポートし、住民安心して暮らせる持続可能地域づくりを推進しています。

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