※ 記事制作時の情報です。
フリーダイヤルとは、電話をかける人 (発信者) の通話料が無料になる仕組みです。一般的には「0120」や「0800」から始まる番号がこれにあたります。通常の電話では、発信者が通話料を負担しますが、フリーダイヤルではその費用を着信側、つまり企業が支払います。そのため、利用者は気軽に電話をかけることができ、企業は顧客との接点を増やせます。日本では1985年に初めて通話料無料の「フリーダイヤル」サービスが開始され、現在ではKDDIのほか複数の通信事業者が提供しています。
関連サービス: フリーコール
フリーダイヤルでは、通話にかかる費用を発信者ではなく着信者が負担します。KDDIの「フリーコール」を例にすると、企業はフリーダイヤル番号を取得し、契約プランに応じて通話料を支払います。発信者がどこから電話をかけても、通話料金は企業側に請求されるため、利用者は無料で通話できます。
この仕組みにより、顧客は問い合わせや相談を気軽に行えるようになります。企業が費用を負担する理由は、顧客満足度の向上や問い合わせ数の増加によるビジネス機会の拡大にあります。特に通販やサポート窓口などでは、「電話代がかからない」という安心感が問い合わせを後押しします。結果として、企業と顧客の信頼関係を築くうえで重要な役割を果たしています。
フリーダイヤルと混同されやすいのが「ナビダイヤル (0570)」です。どちらも企業への問い合わせに使われる番号ですが、料金の仕組みが異なります。フリーダイヤルは発信者が無料で利用できるのに対し、ナビダイヤルは発信者も通話料を負担します。
| フリーダイヤル (0120・0800) | ナビダイヤル (0570) | |
|---|---|---|
| 通話料負担 | 企業が全額負担 | 発信者が一部または全額負担 |
| 携帯電話からの利用 | 可能 (無料) | 利用可だが有料 |
| 海外からの発信 | 不可 | 一部可能 |
| 利用目的 | 問い合わせ・サポート窓口 | チケット予約・カスタマーセンターなど |
利用者視点では、ナビダイヤルは通話料がかかるため、時間が長くなると費用負担が大きくなります。一方、フリーダイヤルは無料で利用できる点が大きな違いです。
フリーダイヤルには「0120」と「0800」の2種類があります。どちらも発信者の通話料が無料になる点は共通ですが、番号の歴史や利用目的に違いがあります。0120は古くから使われている番号で認知度が高い一方、0800は比較的新しく導入された番号で、空き番号が多いのが特徴です。
番号を選ぶ際は、次のような点を考慮しましょう。
0120番号は日本で長く使われてきたフリーダイヤルの形式です。1980年代から企業の問い合わせ窓口やサポートセンターで広く利用されており、無料で電話できる番号として定着しているため、利用者にとって安心感や信頼感を与えやすい番号です。しかし、利用が広がった結果、希望する番号の取得が難しくなっているのが現状です。特に覚えやすい語呂や並びのいい番号はすでに多くの企業に使われており、新規取得には工夫が必要になります。
0800番号は、0120番号の空きが少なくなったことを受けて導入された比較的新しい番号体系です。0120と同じく発信者が無料でかけられる点は共通ですが、認知度はやや低めです。その分、取得しやすく覚えやすい番号を選べる可能性があります。機能面で大きな違いはありませんが、企業によっては新しい番号を活用し、ブランドイメージを刷新するケースもあります。番号枯渇への対策として、さらに利用が広がると考えられています。
フリーダイヤルの取得は、通信事業者を通じて行います。KDDIの「フリーコール」を例にとると、以下の流れで取得できます。
KDDIの「フリーコール」では、0120や0800の取得から着信管理、転送設定、音声ガイダンスまでワンストップで対応できます。クラウドPBXやコールセンターシステムとの連携も容易で、リモートワーク環境にも柔軟に対応可能です。
フリーダイヤルの料金体系は、主に初期費用と月額料金、通話料の3つで構成されています。初期費用は番号の発行や開通工事にかかる一時金、月額料金は番号を維持するための基本料金、通話料は発信元に応じて発生する通話ごとの利用料です。導入時はこの3要素を基準にコスト全体を把握することが大切です。
契約時に発生する初期費用には、番号発行手数料や回線設定に関する工事費などが含まれます。例えばKDDIの場合、基本的な番号発行料に加えて、着信先が複数拠点の場合はルーティング (着信振り分け) 設定費用が発生する場合があります。初期費用は一度きりの支払いであり、運用後は月額料金や通話料のみが継続的にかかります。導入規模や利用環境によって費用が変動するため、複数の事業者から見積もりを取って比較するといいでしょう。
関連サービス: フリーコール: 料金
月額料金は、フリーダイヤル番号を維持するために毎月支払う基本料金です。金額は契約プランや利用回線数によって異なります。KDDIのフリーコールでは、1番号あたりの基本料金に加え、オプションサービスの利用料が加算される仕組みです。例えば、時間帯や発信地域ごとに着信先を振り分けるルーティング機能や、営業時間外に自動で転送する時間外転送機能を利用する場合は、追加料金が発生します。こうしたオプションを組み合わせることで、顧客対応の効率化や機会損失の防止が可能になります。
フリーダイヤルの通話料は従量課金制で、通話時間と発信元によって金額が決まります。通話料は従量課金制で、通話時間と発信元によって金額が決まり、固定電話よりも携帯電話や公衆電話からの発信のほうが単価が高く設定されています。KDDIの場合、全国一律料金が採用されており、固定電話発信なら3分約9円、公衆電話は1分約30円、携帯電話は30秒で11円と設定されています (実際のプランにより差異があります)。企業はすべての通話料を負担するため、通話量が多い企業では、定額プランや割引サービスを活用することでコストを抑えられます。
フリーダイヤルを導入すると、顧客が通話料を負担せずに問い合わせできるため、心理的な負担が軽くなります。料金を気にせず連絡できる安心感は、顧客満足度の向上につながります。例えば、製品の使い方やトラブル対応を無料で相談できる体制を整えると、顧客は企業に対して信頼を寄せやすくなります。このような安心感の積み重ねが、結果的にリピート率やブランドロイヤルティの向上につながります。
フリーダイヤル番号を持つことは、企業の信頼性を示す要素の一つです。顧客に対して誠実な姿勢を示せ、特に新規顧客への印象がよくなります。特に0120番号は消費者にとってなじみが深く、安心感を与える効果があります。広告やウェブサイトにフリーダイヤルを記載することで、顧客からの信頼を得やすくなり、企業ブランドの価値を高めることにもつながります。
フリーダイヤルは、顧客が気軽に連絡できる手段として効果的です。通話料を気にせず問い合わせできるため、商品購入前の相談やサポート依頼が増える傾向があります。実際に、導入後に問い合わせ件数が増えたことで、新たな商談機会が生まれた企業も少なくありません。無料で連絡できる環境を整えることは、顧客との接点を広げ、売上拡大につながる重要な施策です。
フリーダイヤルは通話料を企業が全額負担するため、利用が増えるほどコストが上がります。問い合わせが多い企業では、月額費用が想定以上に膨らむこともあります。対策として、通話時間の上限設定やIVR (自動応答) による振り分けを導入し、効率化とコスト管理を徹底しましょう。さらに、通話内容を分析して窓口の最適化や導線の見直しを行えば、不要な発信を減らし、無駄な費用の発生を抑えられます。
フリーダイヤルは誰でも無料でかけられるため、いたずら電話や営業電話といった不要な着信にも通話料が発生します。これを防ぐには、着信拒否機能や番号指定ルールの活用が有効です。KDDIの「フリーコール」などでは、迷惑電話を自動で検知・遮断する機能を追加でき、コストや対応時間の削減につながります。運用後も定期的に通話ログを確認し、不要な通信を最小限に抑えることが大切です。
次に、KDDIをはじめとするフリーダイヤルが取得できるサービスを5つ紹介します。
KDDIが提供する「フリーコール」は、0120や0800、地域の市外局番などの番号を利用できます。高品質な音声通信と安定した回線を強みとしており、全国どこからでも同一番号で受け付けられます。初期費用・月額料金ともに明確な体系で、着信先の振り分け設定や通話明細の確認も容易です。複数拠点での利用や、携帯電話・IP電話からの着信にも対応しています。通話録音や営業時間外ガイダンスなどのオプション機能も充実しており、コールセンター業務にも最適です。また、オプション機能として「時間帯別転送」や「エリア別ルーティング」なども用意されています。営業時間外の自動転送や地域ごとの応答先振り分けなど、顧客対応を効率化できる点も魅力です。
関連サービス: フリーコール
KDDIが提供するクラウド型コールセンターサービス「Amazon Connect」や「Cloud Calling for Genesys Cloud CX」でも、0120や0800番号のフリーコールサービスがご利用いただけます。クラウド型コールセンターはインターネット環境があれば、場所を問わず電話対応業務が可能なため、サテライトオフィスや在宅勤務、複数拠点での運用にも最適です。また、自動音声応答 (IVR) や通話録音、レポート機能など、顧客対応に必要な機能も充実しています。システムの保守や更新が不要で、事業の成長にあわせて柔軟に規模を拡大できるのも大きな特長です。
フリーダイヤル (0120・0800) は、発信者の通話料を無料にすることで、企業と顧客の距離を縮める効果があります。問い合わせ数の増加や顧客満足度の向上につながる一方で、通話料負担などのコスト面にも注意が必要です。番号の種類や取得方法、料金体系を理解し、自社の運用規模に合ったサービスを選ぶことが重要です。特に、安定した品質と柔軟な機能を重視する企業には、KDDIの「フリーコール」や「クラウドコールセンター」のような統合型サービスがおすすめです。
KDDIでは、企業の規模や業種に応じて、最適なフリーダイヤル導入プランを提案しています。0120・0800番号の取得からクラウド環境での運用、着信管理や通話分析まで、すべてワンストップでサポートし、通信品質・セキュリティ・コストバランスを重視した設計で利用いただけます。新規導入はもちろん、既存システムからの切り替えもスムーズに対応可能です。