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レガシーシステムとは?DX阻害などの企業リスクや脱却方法を解説

レガシーシステムとは?DX阻害などの企業リスクや脱却方法を解説

2026 5/22
レガシーシステムとは、長年にわたって使われ続けてきた古い技術や構造のまま運用されている情報システムのことです。多くの企業において、このレガシーシステムがDX (デジタルトランスフォーメーション) 推進の足かせとなっており、業務の属人化や高額な維持コスト、セキュリティリスクの増大といった深刻な経営課題を引き起こしています。
本記事では、レガシーシステムの定義や抱えるリスクに加え、経済産業省が指摘する「2025年の崖」との関係性を整理し、事例も交えながら、脱却に向けた現実的なアプローチをわかりやすく解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.レガシーシステムとは

レガシーシステムとは、過去の古い技術仕組みで構築され、現在業務要件セキュリティ基準十分対応できなくなったシステム総称です。具体的には、メインフレームオフコン (オフィスコンピューター) といった旧世代ハードウェアや、現在では使われなくなったプログラミング言語開発された業務システムなどが該当します。

これらのシステムは、長年運用によって複雑化肥大化し、改修機能追加困難になっているケースが少なくありません。「時代遅れのIT資産」とも言い換えられ、企業競争力低下させる大きな要因とみなされています。

2.システムがレガシー化する要因と具体例

長く使われてきたシステムレガシー化するのは、単に技術が古くなるからではありません。組織運用体制過去改修の積み重ねなど、さまざまな要因が絡み合って発生します。ここでは、その代表的な3つの要因解説します。

2-1. 度重なる改修による複雑化


システムレガシー化する大きな要因の一つが、度重なる改修による構造複雑化です。事業環境変化対応するため、場当たり的に改修機能追加を重ねていくと、処理同士依存関係複雑に絡み合い、全体構造把握しづらくなります。

結果として、わずかな変更でも予期せぬ不具合発生しやすくなり、システム改修リスクコスト増大します。例えば、20年前導入した販売管理システム度重なる改修を行った結果データ連携不整合頻発し、新機能追加に大きな工数がかかるといったケース典型例です。

度重なる改修による複雑化のイメージ画像

2-2. 技術者の退職とドキュメントの欠如

システム理解できる人材資料が失われることも、レガシー化を加速させる要因です。開発当時技術者退職し、設計書仕様書といったドキュメント十分整備されていない場合システム内部構造が分からない「ブラックボックス状態になります。

その結果、残された担当者仕組みを十分理解できないまま運用を続けることになり、障害発生時原因究明改修困難になります。軽微修正であっても影響範囲が読めず、対応時間がかかるため、次第に「触ること自体リスク」と認識されるようになります。

2-3. 経営判断の先送り

レガシー化の背景には、システム刷新に対する経営判断先送りもあります。システム刷新には多額投資一時的業務負荷が伴うため、「まだ動いているから」という理由抜本的見直しが後回しにされるケースは少なくありません。

しかし、この判断によって問題解消されるどころか、応急的改修が積み重なり、システム老朽化複雑化がさらに進行します。その結果数年後にはより大規模困難刷新プロジェクト余儀なくされ、経営リスク一層高まるという悪循環に陥ります。

3.レガシーシステムが企業にもたらすリスク

レガシーシステムを使い続けることは、業務効率低下コスト増大に留まらず、事業継続そのものを脅かす深刻リスク内包しています。ここでは、企業直面する具体的リスク解説します。

3-1. 管理・業務の属人化


管理・業務の属人化のイメージ画像

レガシーシステムは、運用ノウハウ特定個人集中する「属人化」を招きやすいという深刻リスクを抱えています。これは、組織知的資産であるべき情報が、公式記録ではなく個人記憶の中にしか存在しない状態にほかなりません。

この状況下担当者離職すれば、システム仕様運用ノウハウ完全に失われます。残された従業員ではトラブル対応もままならず、最悪場合業務停止事業継続不可能になる事態を招きます。

3-2. 運用・保守にかかるコストの高額化

古い技術構築されたレガシーシステムは、その維持管理多額コストがかかります。専門技術を持つエンジニア確保が難しく人件費高騰するほか、老朽化したハードウェア保守費用経営圧迫します。

さらに、複雑化したシステム障害発生しやすく、一度トラブルが起きると原因究明復旧時間がかかり、業務停止による経済的損失甚大なものになりかねません。維持するだけでコストがかさみ、IT予算を新たな投資に振り向けられないという悪循環に陥ります。

3-3. 従業員の業務パフォーマンスの低下

レガシーシステム処理速度の遅さは、従業員生産性直接的影響を及ぼします。例えば、日次月次データ集計長時間かかる「バッチ処理 (注1)」の間、従業員作業中断せざるを得ません。この待ち時間日常的発生することで、業務効率は著しく低下し、結果として不要残業代増加につながるケースもあります。

また、直感的でない操作画面複雑業務フローは、従業員ストレス増大させ、モチベーション低下を招く要因にもなるでしょう。

  • 注1) 一定データをまとめて一括処理する実行方式集計・締め処理などで多用され、処理中は待ち時間発生しやすい。

3-4. 法改正や新技術対応への遅れ

ビジネスを取り巻く環境は常に変化しており、法改正や新たなビジネスモデルへの迅速対応が求められます。しかし、柔軟性に欠けるレガシーシステムでは、こうした変化スピーディー対応することが困難です。

例えば、2024年1月から本格施行された電子帳簿保存法のように、法制度変更に伴うシステム改修必要場合でも、レガシーシステムでは対応多大時間コストを要します。結果として、ビジネスチャンスを逃したり、法令遵守ができなかったりするリスクが生じます。

3-5. セキュリティリスクの増大

レガシーシステム利用されているOSやミドルウェアは、メーカーサポート終了している場合が少なくありません。サポート終了すると、新たな脆弱性発見されても修正プログラム提供されず、サイバー攻撃格好標的となります。

新型マルウェアランサムウェアへの抵抗力が著しく低下し、情報漏えいやシステム停止といった深刻事態を招く危険性が高まります。

4.レガシーシステムと「2025年の崖」の関係

経済産業省警鐘を鳴らした「2025年の崖」は、日本企業直面している現在経営課題です。2026年現在保守人材不足システム障害増加といった問題はすでに表面化しており、レガシーシステムからの脱却は待ったなしの状況となっています。

そもそも「2025年の崖」とは、同省が2018年に公開した「DXレポート」で指摘した問題です。このレポートではレガシーシステム残存し続けた場合、2030年までに年間最大12兆円経済損失が生じうると試算されていました (注2)

レガシーシステムと「2025年の崖」の関係のイメージ画像

この予測現実のものとなりつつある今、レガシーシステム刷新は、企業今後持続的成長していくための喫緊経営課題といえるでしょう。

  • 注2) 出典: 経済産業省ウェブサイトDXレポート」(2018年9月7日公表、P20) (PDF)
  • ※ 外部サイトへ遷移します。

5.レガシーシステムから脱却する3つのアプローチ

レガシーシステムから脱却するためのアプローチは、一つではありません。既存システム状況経営戦略に応じて最適手法選択することが、刷新成功させる鍵となります。ここでは、その代表的な3つのアプローチ解説します。

5-1. モダナイゼーションの実施

既存のIT資産最大限活用し、段階的システム現代化したい企業にとって、モダナイゼーション有効アプローチです。

モダナイゼーションとは、既存のIT資産 (ソフトウェアデータ) を有効活用しながら、最新技術設計思想に基づいてシステム刷新する手法です。代表的手法として以下の3つが挙げられます。

手法 概要 メリット デメリット
リプレイス 既存システムを、同等機能を持つパッケージ製品などの新システムへ置き換える方法。 開発期間が短く、コストを抑えやすい。最新機能を利用できる。 パッケージ仕様に合わせるため、業務側の運用変更が必要になる場合がある。
リホスト アプリケーションはそのままに、ハードウェアやOSなどの基盤のみを新環境へ移す方法。
※「マイグレーション」とも呼ばれ、本記事の5-2で詳述。
アプリケーションの改修量が少なく、リスクが低い。 アプリケーション自体が抱える課題は解決されない。
リライト 業務ロジックは同じまま、新しい言語やアーキテクチャでプログラムを作り直す方法。 既存業務を維持しながら最新技術へ移行できる。保守性も向上。 開発工数が大きく、コストも高額になりやすい。

5-2. マイグレーションの実施

マイグレーションとは、前述したモダナイゼーション一手法である「リホスト」と実務上ほぼ同義で使われる言葉です。特にアプリケーション変更最小限に、インフラ老朽化保守コストといった課題解決焦点を当てる際に、この呼び方が用いられます。

つまり、システム全体刷新する広範モダナイゼーションの中でも、特に「IT基盤の引っ越し」という側面特化したアプローチマイグレーションである、と理解すると分かりやすいでしょう。

利用者操作性業務フローを変えることなく、ハードウェア老朽化保守コスト増大といったインフラ課題ピンポイント解決できる点が、マイグレーションの大きなメリットです。

5-3. クラウドプラットフォームの活用

インフラ運用負荷軽減し、ビジネス柔軟性拡張性を高めたい企業には、クラウドプラットフォーム活用が適しています。サーバーネットワーク機器自社保有運用 (オンプレミス) せず、IaaSやPaaSなどの基盤利用するアプローチです。

基盤クラウド化することで、ハードウェア老朽化保守切れといったインフラ起因課題から解放されます。さらに、ビジネス成長に合わせてリソース柔軟拡張できるほか、最新セキュリティ対策サービスとして提供されるため、自社運用負荷大幅軽減できる点も特長です。レガシーシステムからの脱却において、現在特採用が進んでいるアプローチの一つといえます。

6.クラウド活用でレガシーシステムからの脱却に成功した事例

ここからは、実際クラウドサービス活用してレガシー業務プロセスからの脱却実現した企業事例紹介します。

6-1. レガシーな社内サーバー群をクラウドへ移行し、管理負荷を削減

あるITサービス企業は、長年事業拡大に伴い、継ぎ足しで構築してきた社内ネットワーク複雑化老朽化していました。その結果システム処理速度低下運用管理負担増大、さらには大規模リモートワークへの対応困難になるなど、数多くの課題を抱えていました。

そこで同社は、このレガシーなIT基盤抜本的改革するため、KDDIのクラウドサービス導入オンプレミス稼働していたサーバー群を「KDDI クラウドプラットフォームサービス」へ移行するとともに、ネットワーク全体刷新しました。

これにより、通信速度大幅向上し、セキュア快適リモートアクセス環境実現。また、システム運用をKDDIに集約したことで、情報システム部門管理負担大幅軽減され、柔軟な働き方を支えるIT基盤近代化成功しました。

7.まとめ

本記事では、レガシーシステム定義から、それがもたらすリスク、そして「2025年の崖」との関係性について解説しました。レガシーシステム放置することは、コスト増大セキュリティリスクを招くだけでなく、DX推進を妨げ、企業競争力低下させる要因となります。モダナイゼーションクラウド活用といった手法を通じてレガシーシステムから脱却することは、もはや先送りできない経営課題です。まずは自社システム現状課題整理し、最適アプローチ検討することから始めてみてください。将来ビジネス成長に向けた第一歩として、計画的なIT基盤刷新に取り組むことが重要です。

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