ファイル転送サービスとは、インターネットを介してデータやファイルを送付・共有するためのサービスです。データはメールに添付して送信することが一般的ですが、ファイルの容量が大きくなると送受信に時間がかかるほか、相手のメールボックスの容量によっては受信できない場合もあります。
特に、データをメールで送信する際には、パスワード付きzipファイルと解凍用パスワードを別々に送る「PPAP (注1)」と呼ばれる方法が使われることがあります。しかし、この方法には、メールが盗聴されるリスクや、パスワード付きzipファイルがウィルスチェックを通過できないといったセキュリティ上の問題があります。
こうした一連の課題を解決する手段として、ファイル転送サービスの利用が推奨されています。このサービスを利用すれば、大容量のデータもスムーズかつ安全にやり取りできるため、相手のメールボックスを圧迫する心配もありません。
ファイル転送サービスの基本的な仕組みは、送付したいデータを一時的にクラウド上に保存し、相手方にダウンロードしてもらうというものです。データをクラウド上に格納した際にURLが発行され、ダウンロードリンク情報を相手方に共有する形が一般的です。
ファイル転送サービスには無料で利用できるものも多く、コストをかけずに手軽に利用できるサービスが多くありますが、ビジネス用途を前提として無料版のファイル転送サービスを利用する場合、具体的にどういったリスクが懸念されるのでしょうか。
企業が特に注意すべきポイントとして、以下の3点が挙げられます。
無料版のファイル転送サービスの中には、セキュリティ対策が不十分なものもあります。
例えば、データの暗号化やウィルスチェックに対応していない場合、第三者に情報が漏れるリスクが高まるでしょう。ビジネスでの利用には特に注意が必要であり、顧客や取引先の機密情報が不正アクセスやデータ漏えいの危険にさらされる可能性があります。
また、無料版のファイル転送サービスはシステムへのアクセス履歴や、誰がいつアップロード・ダウンロードしたかを記録しておくログ管理機能に対応していないものが多く、万が一情報漏えいなどのトラブルが発生した際の原因究明が困難になるリスクもあります。
無料版のファイル転送サービスでは、転送可能なデータのサイズやファイルの数に上限が設けられていることもあります。
例えば、あるファイル転送サービスでは、1ファイルあたり2GBを上限とし、20個までのファイル転送に対応しています。大容量の画像データや動画データを送る場合、転送容量の制限により一度にアップロードできず、ファイルを分割する手間が生じる可能性もあります。数GB以上の大容量のファイルを頻繁にやり取りする場合には、有料プランへのアップグレードや大容量に対応したファイル転送サービスを検討することが望ましいでしょう。
無料版のファイル転送サービスは、ユーザーから利用料を徴収しない代わりに広告収入によって運営されているサービスもあります。
しかし、「スタート」や「ダウンロード」などの紛らわしいアイコンを用いた広告もあり、ダウンロードリンクが分かりづらく、利便性を損なうおそれもあるでしょう。送信する取引先に迷惑をかけないためにも、ファイル転送サービスを選ぶ際には広告の表示にも注意しましょう。
このように、無料のファイル転送サービスには隠れたリスクや問題点が存在するのも事実であり、十分な信頼性や利便性が期待できるか、事前に確認したうえで利用する必要があります。
上記で紹介したような無料版ファイル転送サービスのリスクを低減するには、セキュリティ対策が施されたファイル転送サービスを選ぶことが重要です。信頼性の高いファイル転送サービスを導入することで、顧客や取引先の安心感が向上し、継続的な取引関係を構築・維持していくことにもつながるでしょう。
そこで、安心して利用できるファイル転送サービスをお探しの方におすすめなのが、「KDDI ファイルストレージ」です。
「KDDI ファイルストレージ」では、1IDあたり10GBまでの保存容量を柔軟に設定でき、インターネット環境さえあれば社内外を問わず簡単にデータを共有できます。セキュリティ対策も充実しており、IPアドレス制限やIDごとに設定可能な端末認証、パスワードポリシー設定、フォルダやファイルの時限設定機能などを備えています。
また、ファイルの送受信はSSLによって暗号化されているため盗聴・改ざんを未然に防止できるほか、アップロード後のファイルも暗号化された状態で格納するため情報漏えいのリスクを低減できます。
さらに、データセンターが国内で運用されており、海外のデータセンターに比べるとアクセス速度が高速でセキュリティ対策も充実しているなど、信頼性が高く安心です。
気になるコスト面は、初期費用が無料で1IDあたり月額330円 (税込) で利用でき、30日間の無償トライアル期間もあります。利用中のグループウェアに依存せずに導入することが可能であり、事業の成長に合わせて柔軟に契約内容を変更できる点も大きな強みといえるでしょう。
このように、「KDDIファイルストレージ」はセキュリティ機能が充実しており、さらに大容量・低価格で利用できることから、できるだけコストをかけずに安全なデータ共有の仕組みを整備したいという企業さまにおすすめです。
セキュアなファイル転送サービスを利用したいとお考えの中小企業にとって、「KDDIファイルストレージ」はコスト以上の価値を提供してくれるサービスといえます。一方で、システムの操作性や使いやすさは実際に触れてみないと分からず、不安に感じることも多いでしょう。
そこで、「KDDIファイルストレージ」は30日間の無償トライアルを提供しており、実際の業務を想定しながらお試しいただくこともできます。
ファイル転送サービスの導入にあたって「大切なデータの保護と業務効率化を両立するために、自社にとって最適なサービスがどれか分からない」「コスト面やセキュリティ面での不安がある」などの不安や疑問を感じている方は、お気軽にKDDI までご相談ください。
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