後輩社員
Aさん
入社2年目の若手システムエンジニア。製造業のお客さまを担当しており、提案力を高めたいと奮闘中。先輩社員の指導を受けながら、ゼロトラストやDX支援の知識を積極的に学んでいる。
通信と多様なケイパビリティを活用し、DXと事業基盤サービスでお客さまビジネスを支援します。
CO2排出量の可視化から削減まで、一貫してカーボンニュートラル実現を支援します。
KDDIは『つなぐチカラ』でビジネス、ライフスタイル、社会をアップデートします。
場所にとらわれずつながるソリューションを、デバイスからセキュリティまで支援します。
多数の次世代型低軌道衛星により高速・低遅延通信を提供します。
データセンターからネットワークまで、業務に最適なソリューションをトータルで提供します。
中小規模の事業者向けに特化したスマートフォンのご利用方法のご案内です。
中小規模事業者のやりたいことや変えたいことを、モバイルとクラウドの技術を用いてサポートします。
Aさん:先輩、製造業のお客さまからの相談についてなんですが、課題がいろいろあって、どう対応すればいいのか分からなくて……。
例えば、セキュリティ対策を強化したいとか、クラウド利用が増えているからトラフィック制御を考えたいってお話がありました。
Bさん:それは確かに製造業界ではよくある相談だね。お客さまごとに抱える課題が異なるから、全体像を整理して考えるのが大事だよ。
「製造業のお客さまに多い課題として、例えばこんなケースがあるよ。」
課題1. 海外拠点のセキュリティガバナンス強化
Bさん:あるお客さまは、海外拠点でランサムウェア攻撃を受けたことをきっかけに、海外拠点を含む全拠点でのセキュリティ対策を考え始めたんだ。
Aさん:海外にある工場も含めたセキュリティ管理って、すごく難しそうですね。
Bさん:そこで、ゼロトラストセキュリティを採用することで、どこにいても一貫したセキュリティ基準を適用できる仕組みを提案したんだよ。
課題2. クラウド利用増加に伴うトラフィック制御
Bさん:DXが進む中で、クラウドサービスの利用が増えているお客さまも多い。これにより、インターネットトラフィックが急増してしまうんだ。
Aさん:トラフィックが増えるとネットワークの遅延が懸念されますね。業務に支障が出ることもあるんですか?
Bさん:そうなんだ。だから、SD-WAN (Software Defined WAN) (注1) やSASE (Secure Access Service Edge) (注2) を活用して、トラフィックを効率的に制御しながら、セキュリティも強化する方法を提案するようにしているよ。
課題3. サプライチェーン全体のセキュリティ対策
Bさん:製造業では、サプライチェーン全体でのセキュリティ対策が求められることも多いね。特に、外部パートナーが絡む場合、リスクが拡大するんだ。
Aさん:サプライチェーン全体って、範囲が広いから管理が難しそうですね。
Bさん:そうだね。だから、例えば、サプライチェーン全体のリスク評価をした上でガイドラインを作成し、サプライヤーとの通信やデータ共有を安全に行う仕組みを構築する必要があるんだよ。
課題4. 工場における無線環境の安定化
Bさん:それから、製造業特有の広大な敷地や金属製の設備の影響で、無線環境が不安定な場合も多いんだ。
Aさん:その問題を放置すると、生産ラインにも影響が出そうですね。
Bさん:そうなんだ。特に、AGV (自動搬送車) を導入している場合、無線が不安定だと全体の稼働効率が下がることもあるんだ。だから専用の無線技術や設計が重要になるんだよ。
Aさん:お客さまの課題を整理してみると、どれも緊急性が高そうです。でも、どれを優先すべきか迷いますね。
Bさん:お客さまのビジネス目標や課題の緊急度を聞きながら、優先順位をつけることが重要なんだ。例えば、無線環境が生産ラインの稼働に影響を及ぼしている場合には、事業に大きく関わる問題だから優先度をあげて早急に対策を講じる必要があるんだ。
Aさん:なるほど……。まずは、お客さまの現状を詳しくヒアリングして、適切なソリューションを提案していきたいと思います!
Aさん:先輩、お客さまの課題を整理できてきたんですが、どんな提案をすると喜んでいただけるでしょうか?お客さまが製造業ということで、工場など現場ごとに特有の要件もあるようなんです。
Bさん:特に工場などで利用されるアプリケーションの品質要件によっては、求められるネットワークの安定性やセキュリティレベルも変わってくるから、それを踏まえたソリューションを考えてみよう。
1. ネットワークソリューションの提案
Bさん:製造業のお客さまがDXを進める上で、ネットワークは重要なインフラ基盤になるんだ。
例えば、工場間でのリアルタイムなデータ共有や、クラウドを活用した生産管理システムの運用など、すべてネットワークが土台になっている。だからこそ、可用性の高い閉域網である「KDDI Wide Area Virtual Switch (以下、KDDI WVS)」をよく提案するんだよ。
Aさん:「KDDI WVS」はマルチレイヤーに対応していて、アクセス品目も豊富だから、柔軟なネットワーク構成が可能ですし、複数拠点を持つお客さまにも最適ですね。それに、クラウドやDX対応に合わせた提案がしやすそうです。
Bさん:そのとおり。加えて、「KDDI Wide Area Virtual Switch 2 (以下、KDDI WVS 2)」や「マルチクラウドゲートウェイ」を提案することが多いんだ。「KDDI WVS 2」は、高品質なインターネットアクセスによって、クラウドサービスの利用拡大に伴うトラフィック増加にも対応できるんだよ。
Aさん:なるほど、クラウドの利用が増えているお客さまには有用なサービスですね。
Bさん:そうだね。そして「マルチクラウドゲートウェイ」は、複数のクラウド環境へのアクセスを一元的に管理できるのが特長だよ。お客さまが、DX推進のために複数のクラウドを活用されるケースでは非常に役立つサービスだといえるね。
2. 工場向け無線LANや海外拠点のIT支援
Bさん:それから、製造現場の無線LAN環境を安定させるご提案もよく行うよ。金属製の機械や広大な敷地がある場合、専用の無線設計と施工が必要になるからね。
Aさん:無線LANの提案も奥が深いですね。工場の特殊な環境だと、汎用的な設計じゃ対応できなさそうです。
Bさん:そのとおり。さらに、海外拠点に向けては、海外ITアセスメントのお客さま支援も行っているんだよ。ITアセスメントを実施することで、海外拠点特有のネットワーク事情や課題を解消するのに役立つんだ。
3. コンサルティングとIT構想支援
Aさん:技術的な提案だけじゃなくて、構想支援も行うんですか?
Bさん:もちろん。お客さまのDX化を支えるには、IT構想支援やコンサルティングが欠かせないんだ。特に製造業のお客さまは、人材やスキル、情報といったさまざまなリソースが不足しているケースが多いから、提案するだけじゃなく実現を支援するところまでサポートや伴走を行うんだよ。
Aさん:いろんな提案ができるんですね。これをお客さまにどうやって伝えるか、考えてみます!
Bさん:まずは、お客さまの現状や要望をしっかりヒアリングして、最適な提案をまとめてみよう。個々のお客さまの状況に応じた課題解決ができたら、きっとお客さまからの信頼も厚くなるよ。
本記事では、製造業のお客さまが抱えがちなネットワークやセキュリティの課題に対し、具体的な解決策をご紹介しました。お客さまの状況に合わせた最適な打ち手を講じることで、安全で効率的なネットワーク環境を実現することが可能です。
業務環境のDX推進、適切なネットワークの構築やセキュリティ対策を検討されている方、今後の進め方に不安をお持ちの方など、お困りごとがございましたら、ぜひ弊社までご相談ください。
次回は、「製造業の課題を理解しよう対話形式で学ぶDXとセキュリティ対策 ~後編~」と題し、製造業の特徴と弊社の強みについてご紹介します。
執筆者プロフィール
KDDI 法人営業担当者が、導入へのご相談やお見積もりをいたします。
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