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クラウドPBXとは?仕組みやメリット・デメリット、機能を解説

クラウドPBXとは?仕組みやメリット・デメリット、機能を解説

2026 4/23
企業の電話環境は、オフィスに設置した設備を使う形から、インターネットを活用するクラウド型へと大きく変化しています。その中心となるのがクラウドPBXです。従来の電話システムでは、社内に専用機器を設置する必要がありました。しかしクラウドPBXなら、インターネット環境さえあれば、オフィス以外の場所でも会社の電話番号で発着信ができます。これにより、テレワークや外出先での対応がしやすくなり、働き方の柔軟性や業務効率の向上にもつながります。通信環境への依存など事前に理解しておきたい注意点も忘れてはいけません。本記事では、クラウドPBXの基本的な仕組みから、導入によるメリット・デメリット、主な機能や選び方のポイントまでを、わかりやすく解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.クラウドPBXとは何か

PBX (Private Branch Exchange) とは、企業内電話管理し、内線通話外線接続転送などを制御する交換機のことです。従来オフィス内に専用機器設置し、電話回線接続して利用していました。クラウドPBXは、このPBX機能インターネット上のクラウド環境提供する仕組みです。社員スマートフォンパソコンネットワーク経由クラウド接続されることで、場所を問わず会社電話番号利用できます。これにより拠点間でも内線通話可能になり、電話設備を持たない運用実現します。

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2.クラウドPBXの導入メリット

クラウドPBXには、次のようなメリットがあります。

  • コスト削減効果
  • 柔軟な働き方の実現
  • 導入運用手軽
  • 拡張性の高さ
  • BCP対策になる

2-1. コスト削減効果

クラウドPBXは、拠点同士社員同士通話を「内線」として利用できるのが大きな特長です。そのため、本社支店通話外線ではなく内線でつなぐことができ、通話料金削減につながります。実際に、拠点間外線利用を減らすことで、通信費を抑えた事例もあります。

また、導入費用の面でも大きな違いがあります。従来のPBXでは、主装置購入設置工事必要となり、数十万数百万円ほどかかるケースもあります。一方クラウドPBXは専用設備設置不要なため、初期費用数万円程度で始められるサービスもあります。

このように、クラウドPBXは通話コスト削減だけでなく、導入時費用負担を抑えられる点も大きなメリットです。

2-2. 柔軟な働き方の実現


クラウドPBXを導入すると、オフィスにいなくても会社電話番号を使えるようになり、働き方の自由度が高まります。スマートフォンパソコン内線として利用できるため、自宅外出先からでも代表番号電話発着信可能です。

その結果電話の取りこぼしを防ぎやすくなり、業務効率向上につながります。例えば、営業担当者外出中でも会社宛電話直接受けられるため、顧客への対応スピードも高まります。

柔軟な働き方の実現のイメージ画像

さらに、個人携帯番号取引先に伝える必要がないため、プライバシーを守りながら対応できる点も大きなメリットです。

2-3. 導入・運用の手軽さ

クラウドPBXは、専用機器設置工事がいらないため、短期間導入できます。従来のPBXでは、機器設置配線工事各種設定などが必要で、導入までに数週間から1カ月ほどかかることもありました。一方クラウドPBXはインターネット環境パソコンスマートフォンなどの端末用意すれば利用を始められます。サービスによっては、最短数日ほどで導入できる場合もあります。

また、自社物理的装置管理する必要がないため、保守アップデート負担軽減されます。設定変更はWebの管理画面から行えることが多く、内線追加利用者変更にも柔軟対応できます。こうした点から、運用管理手間を減らせるのも大きなメリットです。

2-4. 拡張性の高さ

クラウドPBXは、会社規模体制変化に合わせて、電話環境柔軟調整できる点が魅力です。従来電話機のように、機器追加工事を行う必要はありません。管理画面操作するだけで、内線追加設定変更がすぐに完了します。

また、まずは小規模拠点から導入し、様子を見ながら全社へ広げていくといった段階的導入スムーズに行えます。設備増設にかかる手間コストを抑えられるため、急な人員増加にも素早対応できます。

このように、クラウドPBXは将来変化にも対応しやすい、柔軟通信環境構築できる仕組みです。

2-5. BCP対策になる

クラウドPBXは、災害トラブル発生時にも通信手段維持しやすく、BCP対策 (事業継続計画) として有効です。従来のPBXでは、オフィス内に設置した機器被災すると電話利用できなくなる可能性がありました。一方クラウドPBXであれば通話制御クラウド上で行うため、拠点被害に遭った場合でも、インターネット環境があれば別の場所から業務継続できます。出社困難状況でも社員自宅などから会社番号対応できるため、問い合わせ対応継続しやすくなる点がメリットです。さらに、顧客情報といった関連データクラウド上で管理されることで、サーバー被災によるデータ消失リスクも抑えられます。

3.クラウドPBXの導入デメリット

クラウドPBXには多くの利点がある一方注意すべき点もあります。

  • インターネット環境により通話品質左右される
  • インターネット回線障害時電話利用できなくなる可能性がある
  • 緊急通報など一部機能制約が生じる場合がある

3-1. 通話品質の課題

クラウドPBXの通話クオリティは、利用するインターネット回線状態に大きく左右されます。社内ネットワークが混み合ったり帯域不足したりすると、音声遅延途切れ、耳障りなエコー発生するリスクを伴います。特に注意したいのが外出先での利用です。電波の弱い場所や、通信不安定フリーWi-Fi環境下では、相手の声がロボットのように歪んだり、通話突然切断されたりすることもあります。こうしたトラブルは、大切ビジネスチャンスを逃す一因になりかねません。

3-2. インターネット依存のリスク

クラウドPBXはインターネット回線利用しているため、回線トラブルが起きると、電話発着信ができなくなる可能性があります。例えば社内メイン回線停止すると、すべての拠点電話が使えなくなり、顧客対応が止まってしまうおそれがあります。

そのため、安定したネットワーク環境を整えることがとても重要です。対策としては、予備回線用意する「冗長化」を行ったり、障害発生した際に自動スマートフォン転送したりする設定をしておく方法があります。

このように、あらかじめ通信トラブル想定した二重対策を整えておくことが、業務を止めずに企業信頼を守るポイントになります。

3-3. 緊急通報の制約

クラウドPBXはインターネット回線を使う仕組みのため、110や119といった緊急通報が、利用環境によっては制限される場合があります。発信者位置情報が正しく伝わらない場合があり、従来固定電話と同じように使えないケースもあるため注意必要です。

こうしたリスクを防ぐためには、スマートフォン通常回線 (090・080などの番号) から直接発信する運用をあらかじめ決めておくことが大切です。クラウドPBXのアプリを使わずに発信することで、正確位置情報を伝えやすくなります。

さらに、通常電話回線併用しておけば、万が一のときにも確実連絡手段確保できます。緊急時対応方法事前に整えておくことが重要です。

4.クラウドPBXの主要機能

クラウドPBXには、電話業務を支えるさまざまな機能があります。

  • 基本機能: 内線外線保留転送など従来ビジネスフォン機能踏襲
  • ビジネス特化機能: 全通話録音、IVR (自動音声応答)、スマートフォン内線化
  • 外部サービス連携: CRM (顧客管理) やチャットツールとの自動連携

4-1. 基本的な通話機能

クラウドPBXでは、内線通話外線発着信保留転送など、従来ビジネスフォンと同じ基本的電話機能利用できます。社員同士通話インターネット経由クラウド上のPBXにつながる仕組みとなっており、オフィスだけでなく離れた拠点在宅勤務中でも内線として通話可能です。

この仕組みによって拠点間通話外線で行う必要がなくなり、通信コスト抑制にもつながります。さらに、場所関係なく同じ内線番号連絡を取れるため、部署をまたいだ連携や急ぎの顧客対応スピーディーに進めることが可能になります。

4-2. ビジネス特化機能

クラウドPBXは、単に通話を行うだけでなく、電話対応そのものを効率化できる点が特徴です。例えばIVR (自動音声応答) を活用すると、着信時音声案内で問い合わせ内容選択してもらい、適切部署自動接続できます。これにより、担当者手作業で取り次ぐ必要が減り、受付業務負担軽減可能です。

また、通話録音機能活用すれば、後から応対内容正確に振り返ることができ、教育による品質向上トラブル防止威力発揮します。さらに受付システム連動させれば、担当者在席状況に合わせて自動転送も行えるため、大切なお客さまからの電話を取りこぼす心配もありません。

4-3. 外部サービス連携

電話を単なる通話ツールから、強力ビジネス武器へと変える」のがクラウドPBXの真骨頂です。最大特徴システム連携にあり、CRM (顧客管理) と紐付ければ、着信瞬間相手氏名過去応対履歴パソコン画面自動表示されます。

これにより、受話器を取る前に状況把握しやすくなるため、情報検索タイムラグ短縮化され、顧客満足度向上につながります。

また、チャットツール社内電話帳一本化したり、API (注1)活用して自社専用システム電話機能を組み込んだりすることも可能です。連絡手段を一つのプラットフォーム集約することで、受け付けから営業活動まで、業務全体生産性を高められます。

  • 注1) API (Application Programming Interface) とは、異なるソフトウェアサービス同士機能連携させるための仕組みのこと。

5.クラウドPBXの選定基準

クラウドPBXを選ぶ際は、次のポイント確認することが重要です。

  • 自社業務必要機能が備わっているか
  • 将来的利用拡張対応できるか
  • 十分セキュリティ対策が講じられているか
  • 導入後サポート体制が整っているか

それぞれを詳しく紹介します。

5-1. 必要機能の洗い出し

クラウドPBX選びで失敗しないコツは、自社業務に「本当必要機能」を詳細整理することです。多機能サービス魅力的に映りますが、使わない機能にまでコストを払い続けるのは効率的ではありません。まずは外線内線転送といった基本性能がしっかりしているかを見極めることが重要です。

その土台のうえに、録音自動応答などを必要に応じて追加していくのが賢い選択です。状況に合わせて段階的拡張できるプランを選べば、コスト最小限に抑えつつ、自社最適化された電話環境構築できます。

5-2. 拡張性の確認

クラウドPBXを選ぶ際は、将来事業拡大組織変更柔軟に応えられるかもポイントの一つです。企業成長に伴ってスタッフ拠点が増えた時、あらかじめシステム対応可能ユーザー数や拠点規模感確認しておきましょう。例えば、新拠点開設増員必要になった際、管理画面から即座内線を増やせるサービスであれば、追加工事なしでスムーズ運用継続できます。

まずは小規模からスタートし、会社成長スピードに合わせて無理なく拡張していけるかどうかが、長く使い続けるための判断基準となります。

5-3. セキュリティ対策

クラウドPBXを安心して使うには、サービスセキュリティ体制大切です。ネット経由利用する性質上不正アクセス情報漏えいを防ぐ仕組みは欠かせません。通信暗号化アクセス制限多要素認証など、外部侵入ブロックする機能が備わっているかをチェックしましょう。併せて、自社社内ルールに即した運用ができるかも重要です。利用ログ確認や細かい権限設定ができる環境であれば、誰がいつ利用したかを把握しやすく、トラブル未然防止にもつながります。

5-4. サポート体制

トラブル発生時にどのようなサポートを受けられるかの確認必要です。電話は日々の業務直結するため、障害設定トラブルが起きた場合迅速対応を受けられるかどうかが安定運用ポイントになります。障害はいつ発生するか分からないため、24時間365日対応サポート窓口があるか、また電話リモートなど問い合わせ手段充実しているかを確認しておきましょう。 

さらに、自社と近い業種規模での導入実績があるサービスであれば、実際運用を踏まえた支援を受けやすくなります。

6.クラウドPBXの導入事例

クラウドPBXは、電話管理手間を減らし、柔軟な働き方を実現する手段として活用されています。

例えば、KDDIの導入事例では、企業拠点ごとに従来電話設備管理していたため、運用負担など、PBXの維持管理課題がありました。

そこでクラウドPBXを導入し、auの携帯電話内線として利用可能としたことで、社員同士場所を問わず連絡できる環境を整えました。その結果音声環境一元管理できるようになり、管理業務負担軽減社内コミュニケーション効率化同時実現しています。

さらに、外線から代表番号への着信をau携帯電話転送、au携帯電話から外線発信可能なので、テレワーク中でも会社代表番号電話対応可能となり、業務を止めない体制づくりにもつながっています。

7.クラウドPBXの導入時の注意点

クラウドPBXを導入する際は、事前準備を行うことで運用開始後トラブルを防ぎやすくなります。特に確認しておきたいポイントは次の3点です。

  • 通信環境事前確認
    クラウドPBXはインターネット回線利用するため、通話品質ネットワーク環境に大きく左右されます。安定した回線確保し、同時通話数想定した通信環境を整えておくことが大切です。
  • 利用端末運用方法整理
    スマートフォンパソコン内線として利用する場合対応端末利用ルールをあらかじめ決めておくことで、導入後混乱を防げます。
  • 非常時想定した連絡手段準備
    回線障害などに備え、携帯電話回線や別の通信手段用意しておくと安心です。複数連絡手段確保しておくことで、業務停止リスク低減につながります。

8.まとめ

クラウドPBXは、インターネットを使って電話環境クラウド上で利用できる仕組みです。専用設備設置する必要がないため、導入時手間コストを抑えられます。また、オフィスに限らず、自宅外出先など、さまざまな場所会社電話番号利用できるのも特長です。

拠点同士通話内線化したり、業務システム連携したりすることで、通信費見直しや業務効率向上期待できます。

ただし、安定したインターネット環境を整えることや、トラブル時の対応ルールを決めておくことも大切です。自社目的必要機能整理したうえでサービスを選ぶことで、より効果的電話環境構築しやすくなります。

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