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IoT (Internet of Things) とは|仕組みや活用事例をわかりやすく解説

IoT (Internet of Things) とは|仕組みや活用事例をわかりやすく解説

2025 3/12
IoT (Internet of Things) は、さまざまなモノをインターネットにつなぐことで、これまで以上に私たちの生活やビジネスに革新をもたらす技術です。製造現場での生産性向上や効率化、業務の自動化に留まらず新たなサービスやビジネスの創出にまで、IoTの活用は急速に広がっています。本記事では、IoTの意味やメリット、具体的な活用事例をわかりやすく解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.IoTとは

IoTは現在製造業での生産管理小売業での在庫管理一般家庭でのスマート家電など、幅広分野活用されている技術です。IoTの読み方と意味について、詳しく見ていきましょう。

IoTのイメージ画像

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1-1. IoTの読み方

IoTは「Internet of Things  (インターネット・オブ・シングス)」の略称で、読み方は「アイオーティー」です。


1-2. IoTの意味

IoT (Internet of Things) とは、日本語では「モノインターネット」を意味し、身の回りのあらゆるモノインターネット接続する技術です。

通信インフラクラウドサービス発展により、IoTの導入企業だけでなく一般家庭でも進んでいます。従来は主にサーバーパソコンスマートフォンなどに限られていたインターネット接続が、IoT技術登場により、家電製品ウェアラブル端末自動車工場生産設備をはじめとするIT機器以外のさまざまなモノにも広がりました。

この技術により、これまで把握困難だったさまざまなデータ収集でき、商品在庫管理冷蔵庫内温度管理製造機器監視など人手を割いていた複雑作業自動化実現できるようになりました。

2.IoTの仕組みとは|4つの構成要素

IoTの仕組みは、簡単にいうと「モノ情報をやり取りする流れ」です。このシステムは 「デバイス」「ネットワーク」「クラウド」「アプリケーション」 という4つの主要構成要素から成り立っています。

具体的には、センサー情報収集し、ネットワーククラウド送信、そこでデータ蓄積分析され、アプリケーションを通じてグラフ通知として可視化活用されます。

収集蓄積分析可視化活用」という連携サイクルこそが、IoTが私たちの生活ビジネス変革する力の源泉です。


2-1. デバイス:モノから情報を集めるセンサー

IoTの起点となるのが「デバイス」です。温度センサー気温湿度、動きセンサーは人や物体動作カメラ映像検知してデータ化します。

これらの情報ネットワークを通じて送信され、分析制御活用されます。家庭ではエアコン照明自動制御ビジネスでは工場設備稼働監視などに使われています。

さまざまなIoTデバイス紹介した「IoTデバイスギャラリー」はこちら

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2-2. ネットワーク:集めた情報を送る通信網

デバイス収集したデータは、ネットワークを通じてクラウド送信されます。Wi-Fiは家庭オフィス内などでの短距離通信に適しており、Bluetoothは機器同士近距離接続ペアリング可能です。

一方、LPWAは広範囲かつ省電力通信できるため、遠隔地設備監視農業センサーに向いています。5Gは高速大容量低遅延特長で、自動運転スマート工場などリアルタイム性が求められる分野活用されています。

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2-3. クラウド:情報を蓄積・分析する場所

ネットワークを通じて送られてきた膨大なIoTデータは、クラウド上に集約されます。クラウドは、大量情報安全保管し、必要なときに高速データを取り出せる基盤を担っています。

特に重要なのは、ここでデータビッグデータ分析にかけられ、異常検知需要予測などの精度向上直結することです。代表的なIoT向けプラットフォームとしては「AWS IoT」や「Azure IoT」などがあり、機器管理データ可視化効率化できます。

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2-4. アプリケーション:分析結果を人が見てわかる形にする

クラウド分析されたデータは、アプリケーションを通じて人が理解しやすい形で表示されます。スマートフォンやWebダッシュボードでは、温度稼働状況グラフ確認でき、異常があればアラート通知が行われます。

工場設備管理物流位置追跡農作物生育モニタリングなどが代表的活用例です。IoTの価値は、この「見える化」によって現場迅速判断支援できる点にあります。

3.IoTデータの活用方法

IoTで得られるデータは、ただ集めるだけでは価値を生み出しません。「どのように扱うか」によって、その真価は大きく左右されます。

データ活用は「収集保存可視化分析」の4つの段階で進められ、それぞれが連携することで業務改善や新たなサービス創出を支えています。


① 収集の段階

デバイス搭載されたセンサーが、温度湿度動作位置情報などを自動取得します。人手を介さないことでデータ正確性保証され、現場状況リアルタイムかつ高精度把握できます。


② 保存・蓄積の段階

収集されたデータクラウド安全保管され、複数拠点から共有可能です。長期的データ蓄積により、過去との比較トレンド分析可能となり、経年変化傾向把握将来予測役立てられます。


③ 可視化の段階

蓄積されたデータは、アプリケーションやWebダッシュボードを通じて、グラフ地図といった視覚的にわかりやすい形式表示されます。異常値即座確認できるほか、現場管理者の間で共通認識が生まれ、迅速意思疎通促進します。


④ 分析の段階

AIや統計技術駆使してデータを深く分析することで、隠れた傾向ボトルネックが明らかとなります。この知見は、生産効率改善エネルギー消費最適化などに活用可能です。

これら4つの段階連携させることで、IoTは単なるデータを「判断根拠」へと昇華させ、企業成長を支えます。

4.IoTの身近な活用例【分野別】

IoTの仕組みは、すでに私たちの生活産業のあらゆる場面で活かされています。

ここでは、分野ごとの代表的なIoT活用例紹介します。

分野 活用内容
家庭 テレビで動画配信を視聴、音声操作スピーカーで家電を制御。外出先から監視カメラの映像確認も可能。
製造業 センサーや機器からリアルタイムにデータを収集し、製造工程の改善や設備の故障予測に活用。
医療 ウェアラブル端末で心拍数や体温を測定。遠隔診療や高齢者見守りに応用。
農業 温度・湿度センサーで作物の生育環境を自動調整し、安定した収穫を実現。
交通・物流 車両や荷物の位置をリアルタイムで管理し、渋滞回避や配送効率を向上。

IoTは暮らしや産業横断して、効率化安全性向上貢献しています。

5.IoTのメリット

IoTを活用することで、従来人手に頼っていた作業自動化効率化リアルタイムでの状況把握、新たなサービス創出など、さまざまな効果期待できます。ここでは、IoTがもたらす代表的な4つのメリット紹介します。

  • 業務効率化省人化実現
  • リアルタイムデータ収集活用
  • 顧客体験向上サービス品質改善
  • 新たなサービスビジネス創出

5-1. 業務効率化と省人化の実現

人手必要だった作業をIoTデバイスシステム自動化することで、人件費削減労働力不足解消につながります。現場管理設備管理業務場合遠隔制御技術活用することで現場出向かずに機器設備管理できるため、作業員負担軽減され、人的リソースをほかの業務に振り分けることが可能です。

無人の工場

5-2. リアルタイムのデータ収集と活用

製造業では、IoTデバイス活用して設備正常時データ蓄積し、そのデータ基準値としたリアルタイムでの監視可能です。例えば、冷蔵庫内温度変化製造機器動作速度などが基準値から逸脱した場合自動検知トラブル予兆をいち早く感知できます。また、収集したデータは、作業工程可視化設備消耗部品交換時期予測にも活用でき、生産性向上業務効率化役立ちます。


5-3. 顧客体験の向上とサービス品質の改善

ここでは、小売業の例を紹介しましょう。

商品専用タグをつけ、IoTデバイスデータ収集すれば、商品在庫状況商品が棚から手に取られた回数時間帯別人気商品などをリアルタイム把握することが可能です。これにより、人気商品在庫最適化し、品切れや過剰在庫を防ぐことができます。また、顧客購買行動分析して過去購入履歴嗜好に基づいて関連商品提案したり、売場レイアウト最適化すれば、顧客体験向上にもつながります。

スーパーの商品棚の前でタブレットで在庫を確認している管理者

5-4. 新たなサービスやビジネスの創出

IoTは、従来業務サービスに新しい価値を加え、革新的ビジネスを生み出しています。

農業分野では、IoTセンサー気象データを組み合わせて作物生育環境最適化する「スマート農業」が広がっています。介護分野では、センサー被介護者の動きを感知し、転倒などの異常通知する仕組みが普及しています。

さらに、家庭では家電連携させて快適な暮らしを実現する「スマートホーム」、ビジネスでは機器異常事前察知する「工場予知保全」など、IoTが新たなサービス創出を支えています。

6. IoTのデメリットと課題

IoTには多くの利点がある一方で、導入運用には以下のような課題存在します。

  • セキュリティリスク不正アクセスデータ漏えいなどの脆弱性
  • 初期投資コスト機器システム構築にかかる費用負担
  • 技術的互換性メーカー規格の違いによる接続トラブル

6-1. セキュリティ上の脆弱性

IoT機器常時ネットワーク接続されているため、不正アクセスサイバー攻撃標的になりやすい点がデメリットです。実際に、監視カメラ外部操作による映像流出や、ルーター乗っ取りによる機密情報漏えいといった重大事例報告されています。

こうしたリスク最小限に抑えるには、OSやファームウェア定期的アップデートを通じ、最新セキュリティ対策維持することが欠かせません。


6-2. 導入・運用コストの問題

IoT導入においては、センサー通信機器初期投資に加え、クラウド環境システム構築費用運用後保守・メンテナンス継続的発生します。この総費用負担の大きさが、多くの企業にとって導入の高い壁となるでしょう。

コスト対効果最大化するには、まず限定的範囲でIoTを試験導入し、成果確認しながら段階的拡大していくアプローチ有効です。小規模からの展開により、無理のない投資計画を立てられます。


6-3. 技術的な互換性と標準化の課題

IoT機器メーカー通信規格が異なると、相互連携できない場合があります。例えば、デバイス仕様通信プロトコル不統一原因で、システム全体動作不安定になるケースが見られます。

こうした互換性問題解決するため、国内外共通規格整備相互接続認証制度確立が進められている状況です。技術標準化が進めば、将来的多様機器シームレス連携できる環境が整うことが期待されます。

7. IoTの未来をさらに広げる関連技術

5G・AI・エッジコンピューティングといった先端技術との組み合わせにより、IoTのデータ活用高速かつ高度領域へと進化します。これらの技術相互連携することで、IoTの可能性はさらに広がるでしょう。


7-1. 5G:超高速・大容量通信でIoTの可能性を広げる

5Gは「高速通信」「大容量」「低遅延」「多数同時接続」を特長とする次世代通信技術です。この技術により、IoT機器膨大データリアルタイムでやり取りできるようになり、従来通信では難しかった高度応用可能となります。

例えば、自動運転では車両同士瞬時情報共有し、衝突回避サポートします。遠隔医療では高精細映像遅延なく伝送でき、スマートシティでは交通防災・エネルギー管理統合的制御可能です。


7-2. AI(人工知能):集めた膨大なデータを分析・活用する頭脳

IoTで収集蓄積された膨大データは、AIによって分析することで新たな価値を生み出します。AIは人が見落としがちなパターン発見し、業務改善意思決定精度向上貢献します。

例えば、工場ではセンサー情報から機器異常検知し、故障未然に防ぐ「予測保全」が可能です。また、小売業では販売データから需要予測し、在庫最適化できます。


7-3. エッジコンピューティング:通信の遅延を減らし、応答速度を向上させる技術

エッジコンピューティングとは、クラウドデータを送らず、機器の近く(エッジ)で分散処理を行う技術です。クラウド集中処理を担うのに対し、エッジ現場即座判断応答するため、通信遅延大幅に減らせます。

自動運転では車両周囲状況瞬時認識し、危険回避します。工場ではセンサー異常検知した際に、その場で制御を行うことが可能です。リアルタイム性と即応性が求められる分野真価発揮します。

8. IoTの活用事例

ここでは、前章紹介してきたIoTが、実際企業活動でどのように活かされているのかを具体的に見ていきます。製造業流通インフラなどのさまざまな分野で、KDDIのソリューション活用して成果を上げた3つの事例紹介します。

8-1. 遠隔作業支援システムで生産性を向上

株式会社SHINKO様は、技術研修増加する保守案件対応効率化課題でした。特に技術研修では、指導スタッフ全国拠点移動するのに多くの時間コストを要していたことから、KDDIの遠隔作業支援システム「VistaFinder Mx」を導入しました。

「VistaFinder Mx」は、ライブ映像とAR技術を組み合わせたシステムです。現場エンジニア装着したスマートグラス視線映像各拠点端末視聴でき、遠隔地にいながら熟練技術者技術指導可能になりました。作業現場ではパソコン画面コマンドを読み取るため、映像品質が特に重要でしたが、「VistaFinder Mx」は通信環境が悪い場所でも高解像度維持できる特長があり、遠隔での技術指導保守作業支援実現貢献しています。

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8-2. 人流データで商圏の未来を予測

名古屋鉄道株式会社様分析特化したツール「KDDI IoTクラウド Data Market」を導入することで、自社データとKDDIが保持する精度の高い人流データ活用でき、需要予測商圏分析効率化成功しました。10mメッシュという詳細データを基に、地域ごとの人の流れや動向正確把握し、新規事業開発サービス改善役立てています。

同社は、「KDDI IoTクラウド Data Market」から取得できる滞在人口分析や、来訪者属性分析などの分析結果を基に、新規事業の立ち上げやコインパーキング料金体系見直しを実施しました。コインパーキングでは、滞在人口顧客属性データ活用することで、夜間料金最適化を進め、売上アップ達成しています。さらに、分析情報新業態店ターゲット層を明確化し、新メニューサービス効果検証を行い、顧客リピート率向上目指した取組実施しました。このように、エリア業種ごとの販売促進活動最適化することで、需要に合わせたマーケティング戦略展開し、施策精度を高めています。

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8-3. LPガス業界待望のIoTによる自動検針を実現

東洋計器株式会社様は、LPガス販売企業課題であった検針員不足業務負担軽減に対し、KDDIの4G LTEネットワーク利用する通信サービス「KDDI IoT通信サービス LPWA」を活用し、KDDIと共同ガスメーター『IoT-R』を開発しました。これにより、同社検針業務の100%自動化実現しています。

LPWAは低消費電力広範エリアでの通信可能とする無線通信技術です。LPWAの通信端末装着したガスメーターをLPガス販売企業導入することで、検針作業員現地に赴かずともガスメーター検針可能になり、現場負担軽減されます。さらに、リアルタイムガス残量把握できるため、ガスボンベ効率的配送もできます。検針作業から解放された従業員営業活動やお客さま対応などの業務配置転換可能で、さらなる生産性向上期待されています。

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9.まとめ

IoTは、あらゆるモノインターネット接続することで新たな価値を生み出す技術です。
本記事解説したように、業務効率化省人化リアルタイムデータ活用顧客体験向上など、多くのメリットをもたらします。製造現場での遠隔作業支援小売業での人流データ分析、LPガス自動検針など、具体的活用事例からもわかるように、業界を問わず企業課題解決貢献しています。IoT導入の際は、自社課題明確にし、目的に応じた適切ソリューション選択することが重要です。

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