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NaaSとは?SASEとの違いや導入メリット、必要性を解説

NaaSとは?SASEとの違いや導入メリット、必要性を解説

2026 3/3
テレワークの定着やクラウド利用の拡大により、企業ネットワークには柔軟性と即応性が強く求められています。こうした背景から注目されているのが、ネットワークをサービスとして提供するNaaS (Network as a Service:ナース) です。
本記事では、NaaSの基本概念や仕組みをはじめ、SASEとの違いや導入メリットなどを体系的に解説します。ネットワーク運用の見直しを検討している企業担当者にとって、判断材料となる情報を具体的に整理しました。

※ 記事制作時の情報です。

1.NaaSとは何か

NaaSとは回線ルーターファイアウォールなどのネットワーク機能クラウド上で提供する仕組みです。企業物理機器自社購入管理する必要がなく、利用したい機能通信量サブスクリプション型のネットワークサービスとして契約します。サブスクリプションネットワークサービスの主な特徴以下のとおりです。

  • 高額機器購入不要月額従量課金利用可能
  • 通信量拠点数変化に応じて柔軟契約内容変更できる
  • 運用保守障害対応サービスとして一体提供される

これにより、初期投資を抑えながら、事業規模利用状況変化に応じて柔軟ネットワーク環境構築変更できる点が大きなメリットです。

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1-1. 仕組みと特徴


NaaSは、SDN (Software Defined Networking) やNFV (Network Functions Virtualization) といったネットワーク仮想化技術基盤として提供されるサービスです。

SDNによりネットワーク制御集中管理し、NFVによってルーターファイアウォールなどの機能ソフトウェアとして提供することで、物理構成依存しない柔軟ネットワーク運用可能になります。

仕組みと特徴のイメージ画像

また、NaaSではオンデマンド帯域調整できます。例えば、月末処理キャンペーン期間など、通信量一時的に増える場合でも、管理画面から必要な分だけ帯域拡張可能です。利用後はすぐに元へ戻せるため、常に余剰回線確保する必要がありません。

さらに、従量課金制採用している点も特徴です。使用した帯域期間に応じて料金発生するため、繁忙期のみコストが増え、通常時は抑えられます。これにより、通信需要変動対応しながら、無駄のないネットワーク運用可能になります。

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2.SASEとの違い

NaaSと混同されやすいものに「SASE (Secure Access Service Edge:サシー)」があります。NaaSがネットワーク基盤そのものを柔軟提供するサービスであるのに対し、SASEはネットワークセキュリティ統合して安全アクセス環境実現する考え方です。

両者補完関係にありますが、以下のように目的が異なります。

  • NaaS:通信インフラ提供運用効率化目的
  • SASE:セキュリティを含めた安全アクセス制御目的

2-1. 目的の比較

NaaSの主な目的は、拠点間通信クラウド接続などのネットワークインフラを、柔軟かつ効率的提供することです。回線帯域構成変更迅速に行えるようにすることで、ネットワーク運用複雑化コスト増大といった課題解決します。

一方でSASEの目的は、ユーザー端末社内外のどこからアクセスしても、業務システム安全利用できる環境を整えることです。VPN集中による遅延や、拠点ごとに異なるセキュリティ対策といった課題解消し、ゼロトラスト前提としたアクセス制御実現します。

2-2. 機能の比較

NaaSの主な機能は、SDNやSD-WANを活用した通信制御帯域最適化ネットワーク構成一元管理です。拠点追加通信量増加にも柔軟対応でき、安定したネットワーク基盤提供します。

一方でSASEは、SD-WANを基盤としつつ、SWG、CASB、ZTNA、FWaaSといったクラウドセキュリティ機能統合して提供します。SD-WANは両者共通する要素ですが、NaaSはネットワーク基盤機能を、SASEはセキュリティ機能中心としている点が大きな違いです。

3.NaaSが今注目されている背景

昨今、働き方改革やIT利用形態変化により、従来型ネットワークでは対応が難しくなり、柔軟構成変更できるNaaSが注目されています。本章では、NaaSが注目されている背景を詳しく解説します。

  • テレワーク拡大
  • クラウド利用増加
  • ネットワーク管理複雑化

3-1. テレワークの拡大


テレワークの拡大のイメージ画像

NaaSが注目される理由の一つとして、コロナ禍や働き方改革一環急拡大したテレワークが挙げられます。

現在、多くの企業リモートワーク導入され、従業員自宅外出先から業務システムアクセスすることが一般化しました。従来ネットワークは、社内から閉域網を通じてシステム接続する前提構築されていたため、VPN装置へのアクセス集中による遅延障害課題となりました。その結果データセンター経由ではなく、クラウドサービス直接接続する構成移行する企業増加しています。

こうした環境変化に対し、柔軟帯域接続方式調整できるNaaSが有効選択肢として注目されています。

3-2. クラウド利用の増加

クラウド利用拡大に伴う通信トラフィック増大も、NaaSが注目される要因です。

昨今はSaaSやIaaS、PaaSを組み合わせたマルチクラウドや、オンプレミスクラウド併用するハイブリッドクラウド導入が進んでいます。これにより、クラウド間通信拠点からの通信が増え、ネットワークトラフィック複雑化し、増大し続けています。Web会議クラウド上でのデータ分析といった大容量のやり取りが増えたことで、既存回線帯域がひっ迫し、業務アプリ応答速度低下するケースも少なくありません。

NaaSを活用すれば、トラフィック可視化優先制御に加えて、オンデマンドでの帯域拡張可能です。通信量増加による性能低下を抑え、安定した利用環境実現できます。

3-3. ネットワーク管理の複雑化

拠点増加テレワーク対応によりネットワーク管理複雑化していますが、これらの一元管理可能にする手段としてNaaSが活用されています。

ネットワーク運用複雑化は、情報システム部門の大きな負担となっています。拠点クラウドリモートアクセスなどを個別管理する場合、それぞれ異なるツール設定必要です。

また、障害発生時には回線機器・クラウドのどこに原因があるのか切り分けるだけでも時間を要します。例えば、通信遅延発生すると回線事業者セキュリティ機器クラウドサービスを順に確認しなければならず、対応後手に回るケースもあります。

NaaSではネットワーク全体一元的可視化管理できるため、設定変更障害対応工数大幅削減し、限られた人員でも安定運用実現できます。

4.NaaSの主な機能

NaaSはネットワーク柔軟かつ効率的提供するために、以下の3つの機能を組み合わせています。

  • 1. SDN機能
  • 2. SD-WAN機能
  • 3. NFV機能

1. SDN機能


SDN (Software Defined Networking) は、ネットワークソフトウェア一元制御する技術です。

ネットワーク機器ごとに分散していた制御機能を切り離し、中央コントローラから集中管理します。これにより、ルータースイッチ一台ずつ設定する必要がなくなり、設定ミス作業工数大幅削減できます。

また、障害検知した際に自動最適経路へ切り替える動的ルーティングにより、通信断を防ぐことが可能です。

1. SDN機能のイメージ画像

2. SD-WAN機能

SD-WANはWANを仮想化し、通信最適化する技術です。

専用回線インターネット回線論理的に束ね、アプリ通信内容に応じて最適経路自動選択します。特に、クラウドサービスへの通信直接インターネット分岐させる「インターネットブレイクアウト」により、データセンター経由による遅延回避可能です。

これにより、Web会議やSaaS利用時通信品質向上し、拠点間通信安定します。

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3. NFV機能

NFV (Network Functions Virtualization) は、ネットワーク機能ソフトウェアとして提供する技術です。

ファイアウォールロードバランサー、UTMなどのネットワーク機能を、専用ハードウェアではなく仮想マシンコンテナ上で動作させます。これにより、物理的機器増設を行わずに機能追加性能向上可能です。通信量を増やしたい場合も、ソフトウェア上で対応できます。

需給に応じて柔軟スケールできるため、急な事業拡大トラフィック増加にも迅速対応できる点がメリットです。

5.NaaSの導入メリット

NaaSの主な導入メリット以下の4つです。これらのメリットにより、従来型ネットワーク課題包括的解決できます。

  • コスト削減
  • 運用負荷軽減
  • 拡張性向上
  • セキュリティ強化

5-1. コスト削減

NaaSはルーターファイアウォールなどのネットワーク機器自社購入保有する必要がなく、CapEx (資本的支出) を抑えられる点がメリットです。

従来ネットワーク構築では、耐用年数数年に及ぶ機器一括購入するため、多額初期投資必要としていました。NaaSではサブスクリプション (月額課金) 型で費用支出するため、運用費用としての平準化可能になります。

また、コスト予測を立てやすく、突発的設備投資発生しにくい点もメリットです。

5-2. 運用負荷軽減

NaaSの導入により、情報システム部門負担軽減できます。

ネットワーク監視障害対応ソフトウェア更新などの運用業務サービスベンダーが担うため、担当者日常的保守作業から解放されます。

さらに、一元化されたダッシュボード全拠点通信状況設定確認できるため、変更作業トラブル対応工数削減可能です。結果的に、少人数体制でも安定的運用できます。

5-3. 拡張性の向上

通信量増減拠点新設統廃合に対し、オンデマンド簡単帯域機能変更できます。

特にグローバル展開時には、海外拠点においても国内同一ネットワークポリシー短期間適用可能です。現地ベンダーとの個別契約複雑回線調整最小限に抑えられるため、拠点立ち上げまでの期間大幅短縮できます。

5-4. セキュリティ強化

NaaSは脅威情報更新セキュリティ機能アップデート自動適用されるため、自社個別対応する負担を減らしつつ、常に最新セキュリティ対策維持できます。ゼロトラスト前提とした設計により、利用者端末ごとに適切アクセス制御可能です。

昨今拡大しているテレワークにおいても、社内外を問わず統一したセキュリティポリシー適用できるため、不正アクセス情報漏えいリスク低減につながります。

6. NaaS導入時の課題

NaaSの導入にあたっては、既存環境運用体制を踏まえた事前整理重要となります。主な課題以下の2点です。

  • 既存環境との互換性
  • ベンダー選定

6-1. 既存環境との互換性

NaaS導入時は、レガシーシステムオンプレミス環境との互換性課題になります。

多くの企業では基幹システム業務アプリオンプレミス環境に残っており、NaaSと既存ネットワーク併用するハイブリッド構成一般的です。そのため、単純ネットワークを置き換えるのではなく、段階的移行想定した設計重要です。

特に、通信方式ルーティング設計セキュリティポリシーの違いを考慮せずに導入すると、業務アプリ正常動作しなかったり、通信遅延発生したりするおそれがあります。

接続要件整理し、検証環境確認することで、本番移行時トラブル防止可能です。

オンプレミス環境との接続確認チェックリスト
確認項目 確認内容 チェック結果
既存回線との接続可否 専用回線・インターネット回線・VPNとNaaSが問題なく接続できるか
IPアドレス設計 既存ネットワークとのIP重複やアドレス設計の整合性が取れているか
ルーティング設定 通信経路が適切に制御され、意図しない経路を通らないか
セキュリティポリシー ファイアウォールやアクセス制御ルールがNaaS環境でも適用可能か
業務アプリ通信要件 ポート・プロトコル・通信方向などの要件を満たしているか

6-2. ベンダー選定

NaaS導入成功させるには、ベンダー選定重要です。

障害発生時対応ベンダー任せになりやすく、復旧までの責任範囲不明確になりやすい点が課題です。そのため、SLA (サービス品質保証) において稼働率障害時対応時間明確定義されているかを確認する必要があります。

PoP (接続拠点) の数や配置については、自社拠点から接続ポイントまでの距離が長いと通信遅延品質低下を招くおそれがあるため注意必要です。国内外十分拠点を持つベンダーであれば、低遅延安定した通信期待できます。

さらに、利用拡大に伴って想定外コスト発生しやすいという課題があるため、料金体系明確さも重要判断材料です。帯域追加機能拡張時費用が分かりやすく、価格透明性が高いベンダーを選ぶことが、計画的コスト管理につながります。

あわせて、24時間対応サポート体制日本語での技術支援導入支援実績などを確認することで、長期的安心して利用できるベンダー選定できるでしょう。

7. まとめ

NaaSはネットワークサブスクリプション型で利用できるサービスであり、テレワーククラウド活用が進む現在ビジネス環境に適した選択肢です。柔軟構成変更運用効率化実現し、コスト削減セキュリティ強化にも貢献します。一方で、既存環境との互換性ベンダー選定などの課題もあるため、自社ネットワーク要件整理したうえで段階的導入することが重要です。

また、クラウド利用や働き方の多様化が進むなかでは、ネットワークだけでなくセキュリティ面も一体的見直必要が高まっています。NaaSの導入と合わせて、ゼロトラストの考え方を取り入れることで、より安全柔軟ネットワーク環境整備しやすくなるでしょう。

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