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リテールテックとは?小売企業の課題を解決した事例や成功のポイントを解説

リテールテックとは?
小売企業の課題を解決した事例や成功のポイントを解説

2025 4/7
小売業界では、人手不足や在庫管理の効率化などの課題が深刻さを増しています。このような課題解決として近年注目されているのが「リテールテック (Retailtech)」です。適切に取り入れることで、長期的に大きなメリットが期待できます。本記事では、リテールテックが必要な理由や事例、メリット、成功のポイントを解説します。

※ 記事制作時の情報です。

目次

  1. リテールテックとは
  2. リテールテックが注目される理由:小売業が直面する課題
  3. リテールテックの事例
  4. リテールテック導入のメリット
  5. リテールテックを成功させるポイント
  6. まとめ

1.リテールテックとは

リテールテックとは、小売企業がIT技術活用して経営課題解決する取り組みを指し、小売業意味する「Retail」と、技術意味する「Technology」を組み合わせた造語です。言葉自体は聞き慣れないかもしれませんが、すでに身近なところで取り入れられています。
具体的には、セルフレジオンライン接客リテールテック導入例としてあり、アパレル業界では、電子タグ情報管理システム利用した在庫管理などが広く活用されています。


2.リテールテックが注目される理由:小売業が直面する課題

小売業を取り巻く環境は、近年大きく変化しています。ここでは、現在小売業が抱える課題解説します。

「お支払い セルフレジ」の一部が表示された画像。


2-1. 人手不足

日本では少子高齢化により労働人口減少一途を辿っており、どの業界でも人手不足課題を抱えています。
特に小売業では、店舗人材不足により営業時間短縮余儀なくされるなど、売上減少深刻化予測されています。
 


2-2. 在庫管理の効率化

小売企業多種多様商品を扱っており、在庫管理にもコストがかかります。食料品を扱う店舗場合は、賞味期限消費期限管理必要とされ、それらの対応だけでも大きな負担となります。
 


2-3. 顧客体験の向上

オンラインショッピング普及してさまざまな商品入手しやすくなった昨今、売りたい商品陳列するだけでは売上は上がりません。顧客快適購買体験提供する手段必要とされています。
 


2-4. データの有効活用

誰がいつ、どの商品購入したかといったデータが、十分活用されていない場合が多くあります。購買データ来店履歴分析不足し、消費者一人ひとりに合わせた商品提案プロモーション実施を行う機会が失われてしまっています。
 


3.リテールテックの事例

すでに多くの企業リテールテック導入し、経営課題解決に向けて取り組んでいます。
ここでは、KDDIが支援した事例具体的紹介します。


3-1. LINE活用で誘客率向上と業務効率化を実現

衣料品服飾雑貨などを扱う株式会社 トゥモローランド様は、日本全国店舗展開しています。従来店舗スタッフがお客さまとLINEで個人的連絡をとり、新商品情報などをご案内してきました。
しかしその際、スタッフ個人のLINEアカウント使用していたため、セキュリティ面で懸念があり、「LINE WORKS with KDDI」を導入しました。

これにより会社側でLINEの履歴管理するセキュア環境ができ、スタッフはお客さまとのコミュニケーション積極的に行えるようになりました。
また、LINEで「友だち追加」をしてもらうことで誘客率向上し、多くの店舗スタッフ売上を伸ばしています。スタッフから本社管理部門への問い合わせの回答を、チャットボット自動化する取り組みも進め、対応業務負担軽減にもつながっています。
 


3-2. RPAによる業務自動化で精度向上と負担軽減を両立

タバコ関連製品流通小売を行う日本煙草 (香港) 有限公司様は、輸出入の際に必要となる、税関サイト情報入力する業務に、多くの手間時間がかかっていました。膨大情報ミスなく入力する作業は、スタッフにとって大きな負担となっていたのです。

そこで、 ロボットとの協業によりルーチンワーク自動化するRPAソリューション「UiPath」導入しました。その結果業務負担が大きかった入力作業大幅軽減することができました。受注伝票に基づいた在庫確認作業受注内容システムへの入力作業もすべてRPAで自動化したことで、スピード・正確性劇的向上し、スタッフは心に余裕をもって業務に取り組めています。
この取り組みにより約157時間 / 月の作業時間削減達成し、人員を増やさずとも新たな業務にも取り掛かれるようになりました。
 


4.リテールテック導入のメリット

リテールテックは、小売業経営課題解決する効果的ツールです。店舗運営導入することで、人件費在庫管理コスト削減可能になり、データ分析に基づく効果的販売戦略売上拡大なども期待できます。
また、購買履歴顧客属性などのデータ貴重経営資源となり、商品開発マーケティング戦略立案活用できます。以下では、リテールテック導入によって得られるメリットについて具体的解説します。

リテールテック導入のメリットのイメージ画像。


4-1. コストを削減できる

リテールテック導入には初期投資必要ですが、人件費削減業務効率化により、長期的コスト削減有効です。
例えば、セルフレジ導入した場合機器購入スタッフ教育費用発生するものの、必要最小限人員配置移行することで、人件費削減につながります。
また、事務作業自動化すれば入力ミスが防げ、修正確認にかかるコストを減らせます。在庫管理システム活用すれば管理業務効率化可能です。
 


4-2. 売上増加につながる

リテールテック売上拡大有効手段となり得ます。例えば、実店舗のみの企業がECサイト開設することで、販売機会大幅に増やすことができます。
また、実店舗ではPOSデータやAIカメラによる購買行動分析活用して、売り場レイアウト最適化効果的商品陳列可能になります。
さらに、オンライン接客導入や、定型業務自動化により生じた時間接客に充てることができれば、顧客満足度向上や、継続的売上増加にもつながります。
 


4-3. データを収集して活用できる

リテールテック導入により、販売データ自動収集蓄積することができます。従来アナログ手書記録と比べて、正確データ効率的に集められるだけでなく、詳細分析容易になります。
また、ECサイト会員登録を通じて得られる顧客情報と、購買履歴を組み合わせることで、顧客像可視化が進みます。
こうしたデータは、品揃えの最適化出店戦略立案など、経営判断重要指標として活用できます。
 


5.リテールテックを成功させるポイント

リテールテック適切に取り入れることができれば、業務効率化売上向上など、多くの小売企業にとって大きなメリット期待できます。
しかし、導入には相応コスト時間がかかるため、戦略的計画策定不可欠です。以下で、リテールテック導入成功に導くための重要ポイント解説します。

リテールテック導入のメリットのイメージ画像。


5-1. 解決したい課題を明確に定義する

リテールテック導入検討する前に、まず自社直面している具体的課題を洗い出し、優先順位をつけましょう。例えば、レジ待ち時間短縮課題である場合、どの時間帯にどの程度の待ち時間発生しているか、具体的データとして確認します。
そのうえで、セルフレジ導入など、課題に沿った最適ソリューション検討することが重要です。
 


5-2. 導入費用と見込まれる効果を総合的に評価する

リテールテック導入にあたっては、初期費用大小にかかわらず、費用対効果検証不可欠要素です。機器システム導入コストが抑えられても、期待される効果十分に得られなければ意味がありません。
そのため、導入の際には機能用途を正しく理解し、初期費用だけでなく、運用保守費用教育費用なども含めた費用想定必要です。在庫管理システム導入する場合を例に挙げると、システム導入費用月額利用料保守メンテナンス費用社員教育費用などの支出に対して、在庫削減効果人件費削減効果売上増加効果などの収益面での改善見込めるかを慎重検討する必要があります。
 


5-3. 社員教育に注力する

新しいシステム機器導入は、必ず現場業務フローを変えることになります。
そのため、導入時にはスタッフ教育徹底し、機器システムの使い方だけでなく、リテールテック必要性目的についても理解を得ましょう。従来業務手法変更することは社員にとって一時的には負担となりますが、長期的には業務効率化による負荷軽減というメリットがあります。
この点を丁寧説明し、社員理解協力を得ることが、導入成功の鍵となります。
 


6.まとめ

リテールテックは、小売業が抱える人手不足在庫管理顧客体験向上などの課題解決する有効手段です。導入することで業務効率化によるコスト削減や、データ活用による売上拡大などが期待できます。
ただし、リテールテック導入メリット享受するためには、課題明確化初期費用見合効果が得られるかなどの総合的検討社員教育徹底などが必須条件となります。
今後はAIカメラロボットリモート接客など次世代技術活用がさらに進むと考えられ、各企業状況に応じた導入活用が求められています。

リテールテック導入をご検討中の方はKDDIへ

KDDIは、リテールテック推進するためのプラットフォーム「WAKONX (ワコンクロス)」を提供しています。KDDIの顧客基盤クラウド、AIなどを活用し、パートナー企業とともに開発している業界別プラットフォームです。

KDDIは、ローソン様、三菱商事様協業し「未来コンビニ」への変革に向けた取り組みを開始しました。具体的には、2025年春をめどに「TAKANAWA GATEWAY CITY」にローソンを2店舗 (オフィスフロア・一般フロア) 開店し、スマホレジによるフリクションレス決済、AIカメラ活用した商品提案ロボットによる店舗業務最適化リモート接客プラットフォームなど、先進技術を取り入れた店舗運営実証実験を行う予定です。

この実証実験を基に「Real×Tech Convenience」の仕組みを拡大し、小売業向店舗ソリューション提供していきます。
リテールテックについてご検討中の方は、お気軽にKDDIへご相談ください。
 


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