社員間の情報共有も容易になり、業務効率向上。
通信と多様なケイパビリティを活用し、DXと事業基盤サービスでお客さまビジネスを支援します。
CO2排出量の可視化から削減まで、一貫してカーボンニュートラル実現を支援します。
KDDIは『つなぐチカラ』でビジネス、ライフスタイル、社会をアップデートします。
場所にとらわれずつながるソリューションを、デバイスからセキュリティまで支援します。
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データセンターからネットワークまで、業務に最適なソリューションをトータルで提供します。
中小規模の事業者向けに特化したスマートフォンのご利用方法のご案内です。
中小規模事業者のやりたいことや変えたいことを、モバイルとクラウドの技術を用いてサポートします。
※ 記事制作時の情報です。
リテールテックとは、小売企業がIT技術を活用して経営課題を解決する取り組みを指し、小売業を意味する「Retail」と、技術を意味する「Technology」を組み合わせた造語です。言葉自体は聞き慣れないかもしれませんが、すでに身近なところで取り入れられています。
具体的には、セルフレジやオンライン接客がリテールテック導入例としてあり、アパレル業界では、電子タグと情報管理システムを利用した在庫管理などが広く活用されています。
小売業を取り巻く環境は、近年大きく変化しています。ここでは、現在の小売業が抱える課題を解説します。
日本では少子高齢化により労働人口が減少の一途を辿っており、どの業界でも人手不足の課題を抱えています。
特に小売業では、店舗人材の不足により営業時間の短縮を余儀なくされるなど、売上減少の深刻化が予測されています。
小売企業は多種多様の商品を扱っており、在庫管理にもコストがかかります。食料品を扱う店舗の場合は、賞味期限や消費期限の管理も必要とされ、それらの対応だけでも大きな負担となります。
オンラインショッピングが普及してさまざまな商品が入手しやすくなった昨今、売りたい商品を陳列するだけでは売上は上がりません。顧客に快適な購買体験を提供する手段が必要とされています。
誰がいつ、どの商品を購入したかといったデータが、十分に活用されていない場合が多くあります。購買データや来店履歴の分析が不足し、消費者一人ひとりに合わせた商品提案やプロモーションの実施を行う機会が失われてしまっています。
すでに多くの企業がリテールテックを導入し、経営課題の解決に向けて取り組んでいます。
ここでは、KDDIが支援した事例を具体的に紹介します。
衣料品や服飾雑貨などを扱う株式会社 トゥモローランド様は、日本全国に店舗を展開しています。従来は店舗スタッフがお客さまとLINEで個人的に連絡をとり、新商品情報などをご案内してきました。
しかしその際、スタッフは個人のLINEアカウントを使用していたため、セキュリティ面で懸念があり、「LINE WORKS with KDDI」を導入しました。
これにより会社側でLINEの履歴を管理するセキュアな環境ができ、スタッフはお客さまとのコミュニケーションを積極的に行えるようになりました。
また、LINEで「友だち追加」をしてもらうことで誘客率が向上し、多くの店舗スタッフが売上を伸ばしています。スタッフから本社や管理部門への問い合わせの回答を、チャットボットで自動化する取り組みも進め、対応業務の負担軽減にもつながっています。
タバコ関連製品の流通・小売を行う日本煙草 (香港) 有限公司様は、輸出入の際に必要となる、税関サイトに情報を入力する業務に、多くの手間と時間がかかっていました。膨大な情報をミスなく入力する作業は、スタッフにとって大きな負担となっていたのです。
そこで、 ロボットとの協業によりルーチンワーク を自動化するRPAソリューション「UiPath」を導入しました。その結果、業務負担が大きかった入力作業を大幅に軽減することができました。受注伝票に基づいた在庫確認作業や受注内容のシステムへの入力作業もすべてRPAで自動化したことで、スピード・正確性が劇的に向上し、スタッフは心に余裕をもって業務に取り組めています。
この取り組みにより約157時間 / 月の作業時間削減を達成し、人員を増やさずとも新たな業務にも取り掛かれるようになりました。
リテールテックは、小売業の経営課題を解決する効果的なツールです。店舗運営に導入することで、人件費や在庫管理コストの削減が可能になり、データ分析に基づく効果的な販売戦略で売上拡大なども期待できます。
また、購買履歴や顧客属性などのデータは貴重な経営資源となり、商品開発やマーケティング戦略の立案に活用できます。以下では、リテールテック導入によって得られるメリットについて具体的に解説します。
リテールテック導入には初期投資が必要ですが、人件費削減や業務効率化により、長期的なコスト削減に有効です。
例えば、セルフレジを導入した場合、機器の購入やスタッフの教育に費用が発生するものの、必要最小限の人員配置に移行することで、人件費の削減につながります。
また、事務作業を自動化すれば入力ミスが防げ、修正や確認にかかるコストを減らせます。在庫管理システムを活用すれば管理業務の効率化が可能です。
リテールテックは売上拡大の有効な手段となり得ます。例えば、実店舗のみの企業がECサイトを開設することで、販売機会を大幅に増やすことができます。
また、実店舗ではPOSデータやAIカメラによる購買行動の分析を活用して、売り場レイアウトの最適化や効果的な商品陳列が可能になります。
さらに、オンライン接客の導入や、定型業務の自動化により生じた時間を接客に充てることができれば、顧客満足度の向上や、継続的な売上増加にもつながります。
リテールテックの導入により、販売データを自動で収集・蓄積することができます。従来のアナログの手書き記録と比べて、正確なデータを効率的に集められるだけでなく、詳細な分析も容易になります。
また、ECサイトの会員登録を通じて得られる顧客情報と、購買履歴を組み合わせることで、顧客像の可視化が進みます。
こうしたデータは、品揃えの最適化や出店戦略の立案など、経営判断の重要な指標として活用できます。
リテールテックを適切に取り入れることができれば、業務効率化や売上向上など、多くの小売企業にとって大きなメリットが期待できます。
しかし、導入には相応のコストと時間がかかるため、戦略的な計画策定が不可欠です。以下で、リテールテック導入を成功に導くための重要なポイントを解説します。
リテールテックの導入を検討する前に、まず自社が直面している具体的な課題を洗い出し、優先順位をつけましょう。例えば、レジ待ち時間の短縮が課題である場合、どの時間帯にどの程度の待ち時間が発生しているか、具体的なデータとして確認します。
そのうえで、セルフレジ導入など、課題に沿った最適なソリューションを検討することが重要です。
リテールテックの導入にあたっては、初期費用の大小にかかわらず、費用対効果の検証は不可欠な要素です。機器やシステムの導入コストが抑えられても、期待される効果が十分に得られなければ意味がありません。
そのため、導入の際には機能や用途を正しく理解し、初期費用だけでなく、運用・保守費用、教育費用なども含めた費用想定が必要です。在庫管理システムを導入する場合を例に挙げると、システムの導入費用や月額利用料、保守メンテナンス費用、社員教育費用などの支出に対して、在庫削減効果や人件費削減効果、売上増加効果などの収益面での改善が見込めるかを慎重に検討する必要があります。
新しいシステムや機器の導入は、必ず現場の業務フローを変えることになります。
そのため、導入時にはスタッフ教育を徹底し、機器やシステムの使い方だけでなく、リテールテックの必要性や目的についても理解を得ましょう。従来の業務手法を変更することは社員にとって一時的には負担となりますが、長期的には業務効率化による負荷軽減というメリットがあります。
この点を丁寧に説明し、社員の理解と協力を得ることが、導入成功の鍵となります。
リテールテックは、小売業が抱える人手不足、在庫管理、顧客体験向上などの課題を解決する有効な手段です。導入することで業務効率化によるコスト削減や、データ活用による売上拡大などが期待できます。
ただし、リテールテック導入のメリットを享受するためには、課題の明確化、初期費用に見合う効果が得られるかなどの総合的な検討、社員教育の徹底などが必須条件となります。
今後はAIカメラやロボット、リモート接客など次世代技術の活用がさらに進むと考えられ、各企業の状況に応じた導入・活用が求められています。
KDDIは、リテールテックを推進するためのプラットフォーム「WAKONX (ワコンクロス)」を提供しています。KDDIの顧客基盤、クラウド、AIなどを活用し、パートナー企業とともに開発している業界別プラットフォームです。
KDDIは、ローソン様、三菱商事様と協業し「未来のコンビニ」への変革に向けた取り組みを開始しました。具体的には、2025年春をめどに「TAKANAWA GATEWAY CITY」にローソンを2店舗 (オフィスフロア・一般フロア) 開店し、スマホレジによるフリクションレス決済、AIカメラを活用した商品提案、ロボットによる店舗業務の最適化、リモート接客プラットフォームなど、先進技術を取り入れた店舗運営の実証実験を行う予定です。
この実証実験を基に「Real×Tech Convenience」の仕組みを拡大し、小売業向け店舗ソリューションを提供していきます。
リテールテックについてご検討中の方は、お気軽にKDDIへご相談ください。