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WAFとは?種類や仕組み・防御範囲までわかりやすく解説

WAFとは?種類や仕組み・防御範囲までわかりやすく解説

2026 4/27
WAF (Web Application Firewall) は、Webサイトやオンラインサービスをサイバー攻撃から守るために欠かせないセキュリティ対策の一つです。近年では、Webアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃が増加しており、従来のファイアウォールだけでは十分に防御できないケースも多くなっています。このような状況を背景に、通信内容そのものを解析し、不正なアクセスを検知・遮断できるWAFの導入が加速しています。従来のネットワークレベルの防御に加え、アプリケーション層まで保護する対策が求められているのです。
本記事では、まずWAFの基本的な仕組みや役割を解説し、そのうえでファイアウォールとの違いを整理します。さらに、防御できる攻撃の種類や導入時の選び方についても、順を追ってわかりやすく説明していきます。

※ 記事制作時の情報です。

1.WAFとは

WAFはワフと読み、Webアプリケーションを狙った攻撃からサイトシステムを守るセキュリティ対策です。ファイアウォールとは次のような点が異なります。

  • 通信中身まで確認して攻撃判定する
  • Webサイト特有攻撃対応できる
  • アプリケーション脆弱性補完できる

1-1. WAFの定義と基本的な役割


WAFは、Webアプリケーション対象とした攻撃からシステムを守るためのセキュリティ対策です。Webサイトへ送られる通信内容確認し、不審操作攻撃判断されるアクセス自動的遮断します。

例えば、データベース不正命令を送り込み情報を盗み出そうとするSQLインジェクションや、利用者ブラウザ悪意あるプログラムを動かすクロスサイトスクリプティング (XSS) への対策可能です。サーバー手前通信チェックすることで、アプリケーション弱点を突く攻撃未然に防ぎ、サービス安全運用を支えます。

WAFの定義と基本的な役割のイメージ画像

1-2. WAFが必要とされる背景

独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) が公開した「情報セキュリティ10大脅威2025 (組織編)」において、Webサービス弱点悪用する「システム脆弱性を突いた攻撃」が3位にランクインしました。これは、Webアプリケーション不備を狙った不正アクセス情報漏えいが、依然として深刻リスクである証拠といえるでしょう。

インターネット上に公開されるWebサービス企業規模を問わず攻撃対象となるため、継続的防御対策重要性が高まっています。

出典: IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報セキュリティ10大脅威 2025

  • ※ 外部サイトへ遷移します。

2.ファイアウォールとの違い

WAFとファイアウォールは、防御対象となる範囲が異なります。

  • ファイアウォールネットワーク通信制御
  • WAF:Web通信内容解析して攻撃防御
項目 ファイアウォール WAF
保護対象 ネットワーク Webアプリケーション
主な防御 不正接続・DoS SQLインジェクション・XSS

2-1. 保護層の違い

ファイアウォールとWAFの決定的な違いは、保護する通信の「階層」にあります。前者ネットワーク層やトランスポート層 (L3/L4)、いわば通信宛先や通り道を管理する層で動作し、IPアドレスポート番号を基に通信可否判断するのが一般的です。

一方、WAFはアプリケーション層 (L7)、つまりWebサイトでの会話内容そのものを扱う層で通信内容解析し、Webリクエスト中身まで確認します。

例えば、通常通信に見えても不正命令が含まれている場合ファイアウォールでは検知できませんが、WAFはHTTP通信内容解析して攻撃識別できるのです。両者を組み合わせることで、多層的防御実現します。

3.WAFの仕組み

WAFは、Webサーバーへ届く通信監視し、不正アクセス検知遮断する仕組みです。流れは次のとおりです。

  1. 通信をWAFが受信
  2. 内容解析して安全性確認
  3. 問題がなければサーバー転送
  4. 攻撃判断した通信遮断

検知にはシグネチャ方式行動分析が使われます。

3-1. 攻撃検知のメカニズム


攻撃検知のメカニズムのイメージ画像

WAFは、Webサイトへの通信を一つひとつ精査し、多角的攻撃判定する仕組みです。まず通信データ解析し、過去攻撃パターン照合するシグネチャ方式で、不正なSQL命令不審スクリプト即座遮断します。

そして、通常とは異なる振る舞いを検知する行動分析により、アクセス急増不規則操作などの異常をいち早く捉えます。 これらを組み合わせることで、進化し続ける新たな攻撃にも柔軟対応し、安全判断した通信だけをサーバーへ届けることが可能です。

4.WAFで対応できる攻撃

WAFは、Webアプリケーションを狙った攻撃への対策として利用されます。

  • SQLインジェクションデータベース情報不正取得
  • クロスサイトスクリプティング (XSS):利用者情報窃取
  • DDoS攻撃大量アクセスによる負荷増大

4-1. SQLインジェクション対策

SQLインジェクションは、Webサイト入力フォームなどを悪用し、データベース不正命令を送り込む攻撃です。例えば、本来ユーザー名を入力する欄に「' OR '1'='1」といった特殊なSQL構文入力すると、認証処理回避される可能性があります。こうした不自然命令通信内容からいち早く検知し、Webサーバーへ届く前に遮断するのがWAFの役割です。

実際に、企業運営するECサイトがSQLインジェクション攻撃を受け、数十万件顧客情報が漏えいした事例もIPAに報告されています。アプリケーション修正前でも防御できる点は重要であり、情報漏えいリスク低減する対策として有効です。

出典: 独立行政法人情報処理推進機構 セキュリティセンター 「コンピュータウイルス・ 不正アクセスの届出事例 2021年下半期(7月~12月)」 (PDF)

  • ※ 外部サイトへ遷移します。

4-2. クロスサイトスクリプティング対策

クロスサイトスクリプティング (XSS) は、Webサイト入力フォームコメント欄などを悪用し、悪意あるプログラムを埋め込む攻撃です。利用者がそのページ閲覧すると、仕込まれたスクリプトブラウザ上で実行され、ログイン情報やCookieと呼ばれる認証データ第三者送信される可能性があります。その結果利用者になりすました不正ログイン情報の書き換えといった実害発生しかねません。

クロスサイトスクリプティング対策のイメージ画像

WAFは通信内容解析し、不審スクリプト危険コードを含むリクエスト検知して遮断します。これにより、情報窃取セッションハイジャックなどの被害を防ぎ、安心して利用できるWebサービス環境維持につながります。

4-3. DDoS攻撃対策

DDoS攻撃は、大量アクセス特定のWebサイトサーバーへ送りつけ、サービス停止を引き起こすことを目的としたサイバー攻撃です。多数端末から同時通信発生すると、サーバー処理能力限界を超え、正規利用者ページ閲覧できなくなるなどの影響が生じます。WAFには、短時間集中する異常リクエスト検知し、不審通信制限することでサーバー負荷軽減する機能を備えるものがあります。これにより、サービス停止リスクを抑え、安定したサイト運用につなげることが可能です。

ただし、すべてのWAFが大規模なDDoS攻撃対応できるわけではありません。攻撃規模に応じて、専用のDDoS対策サービスネットワーク防御と組み合わせる運用重要になります。

5.WAFの種類

WAFは導入形態によって種類が分かれます。

  • クラウド型:導入しやすく運用負荷が低い
  • アプライアンス型:専用機器高性能
  • ホスト型:サーバー直接導入
種類 特徴 主な利用場面
クラウド型 導入が容易 クラウド環境
アプライアンス型 高性能 大規模運用
ホスト型 個別保護 特定サーバー

5-1. クラウド型WAF

クラウド型WAFは、クラウドサービスとして提供されるWAFをインターネット経由利用する方式です。自社内専用機器設置する必要がないため、比較的短期間導入できます。Webサイトへの通信クラウド上で監視分析されるため、既存システム構成を大きく変えることなく、手軽セキュリティレベルを引き上げることが可能です。

初期費用を抑えながら利用開始でき、アクセス量の増減にも柔軟対応できます。さらに、拠点利用者が増えても設定変更がしやすく、成長に合わせて使い続けやすいことも利点です。

5-2. アプライアンス型WAF

アプライアンス型WAFは、専用機器自社ネットワーク内に設置して利用するタイプのWAFです。通信社内環境直接処理できるため、高い処理能力確保しながら柔軟セキュリティ設定を行える点が特徴です。アクセス数が多いWebサービスや、厳格セキュリティ管理が求められるシステム採用されるケースが多く見られます。

また、自社ポリシーに合わせた細かな制御可能なため、独自要件への対応もしやすくなります。外部環境依存せず運用できる点も安心材料の一つです。一方で、機器購入設置作業必要となるほか、運用メンテナンスには専門知識が欠かせません。継続的管理体制を整えたうえで導入を進めることが求められます。

5-3. ホスト型WAF

ホスト型WAFは、Webサーバーソフトウェアを組み込んで利用するタイプのWAFです。サーバーごとに保護を行う仕組みのため、運用中アプリケーションに合わせて柔軟設定を行える点が特徴です。特定のWebサービスだけを重点的に守りたい場合や、小規模システム環境でも導入しやすい方法といえます。既存サーバー環境をそのまま活用できるケースもあり、新たな専用機器準備する必要がない点もメリットです。

一方で、防御処理サーバー自身が行うため、アクセス集中すると負荷が増える可能性があります。複数サーバー運用している場合個別管理必要となり、結果として運用負担が大きくなる点には注意必要です。

6.WAFのメリット

WAFを導入することで、Webアプリケーションに対するセキュリティ対策強化できます。主に次のようなメリットがあります。

  • Webサイト脆弱性悪用した攻撃防止できる
  • システム改修前でも迅速防御対策実施できる

その結果情報漏えいやサービス停止リスクを抑えながら、安全なWebサービス運用継続しやすくなります。

6-1. 脆弱性の即時保護

WAFの大きな利点は、Webアプリケーション脆弱性が見つかった場合でも、システム改修を待たずに防御対策実施できる点です。通常プログラム修正には調査開発検証といった工程必要となり、対応までに時間がかかるため、その間に攻撃を受けるリスクも高まります。

WAFを導入していれば、防御ルール追加することで不正アクセス即座遮断でき、被害拡大防止可能です。開発部門運用部門負担軽減にもつながり、迅速かつ継続的セキュリティ対策実現できます。

7.WAFのデメリット

WAFは有効セキュリティ対策ですが、導入運用において注意すべき点もあります。主に次のようなデメリットがあります。

  • 導入運用コスト発生する
  • 設定内容によっては誤検知が起こる可能性がある

これらの課題は、運用体制整備クラウドサービス活用によって負担軽減できます。

7-1. 導入と運用コスト

WAF導入検討する際は、目に見える費用だけでなく運用手間までセットで考えるのが成功秘訣です。アプライアンス型は機器代に加え、設置後設定トラブル対応を担う専任スタッフ確保が欠かせません。対してクラウド型は、月額制初期コストを抑えやすく、複雑ルール更新も任せられるのが強みです。

自社予算はもちろん、無理なく守り続けられる運用体制に合った方式を選ぶことが、重要判断基準となります。

8.WAFの選び方

WAFを選定する際は、次の基準検討することが重要です。

  • 最新攻撃パターン自動ブロックできるか
  • ルール更新などの運用サービス提供元に任せられるか
  • 既存システム構成を大きく変えずに済むか
  • 初期費用月額料金予算内に収まるか
企業規模・タイプ おすすめ 特徴
小〜中規模・ECサイト クラウド型 安価・素早い導入・運用が任せられる。
大規模・金融・官公庁 アプライアンス型 独自の厳しいルールで細かく制御。
特定のサーバーのみ ホスト型 1台からピンポイントで安価に守る。

8-1. 環境に合ったタイプ選定

WAFの選定は、自社インフラ運用リソースバランスで決まります。専任担当者がいないなら運用サービス提供元に任せられるクラウド型、独自の厳しい要件があるならカスタマイズ性の高いアプライアンス型が適しています。

  • クラウド環境クラウド型WAF。拡張性が高く、導入迅速です。
  • オンプレミスアプライアンス型。社内通信完結でき、高負荷にも対応
  • ハイブリッドクラウド型WAFで入り口を一元化するか、各環境に合わせた併用理想的です。

9.WAF運用の注意点

WAFは導入するだけで十分効果発揮するわけではなく、継続的運用管理が欠かせません。

  • 最新攻撃対応するためルール更新する
  • 正規アクセス遮断しないよう設定調整する
  • 通信状況定期的確認する

日常的見直しを行うことで、防御性能維持しながら安定したサービス運用実現できます。

9-1. シグネチャ更新と誤検知防止

攻撃手法は日々進化するため、WAFの防御ルールであるシグネチャ最新状態に保つことが不可欠です。更新を怠ると、新種脆弱性を狙った攻撃 (ゼロデイ攻撃) を素通りさせてしまうリスクが高まります。

一方で、厳格すぎるルール正規通信攻撃とみなす誤検知を招きます。これを防ぐには、運用初期検知のみを行う「ログ参照モード」で通信傾向分析し、特定のIPアドレス安全パス監視対象からはずすホワイトリスト登録などのチューニング効果的です。

10.よくある質問

10-1. WAFはどこに置くべきですか?

WAFは通常、Webサーバー手前配置するのが鉄則です。インターネットからの通信最初確認できる位置に置くことで、不正アクセスサーバー到達する前に遮断できます。特にクラウド環境では、通信経路上に組み込む手法主流既存システムに大きな手を加えることなく、スマート防御を固められるのが利点です。 

11.まとめ

Webサイトオンラインサービスサイバー攻撃から守る強力な盾、それがWAFです。通信中身リアルタイム解析し、不正アクセスを入り口で食い止めることで、情報漏えいやサイト改ざんといった深刻リスク大幅に減らせます。導入にあたっては、自社インフラ環境運用体制にぴったりのタイプを選ぶことが成功の鍵です。

もちろん、一度設置して終わりではなく、最新脅威に合わせてルール継続的更新していく姿勢も欠かせません。自社状況に寄り添った対策を積み重ねることこそが、安全信頼されるサービス運用第一歩となります。

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