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ここまで、災害時に備えた危機管理として『人』『モノ』『情報』を守る、三つの観点で解説してきました。本シリーズの最後として、少し異なった視点で災害への備えを考えたいと思います。その視点とは、近年の経営者ならば必ず考えているはずのものです。
災害からの復興を考えるとき『人』『モノ』『情報』を守れたとしても、環境の変化は否めません。本社社屋や工場・倉庫が被災し、これまでどおりに稼働できないとしたらどうでしょう。事前に準備しておいた代替施設があったとしても、これまで働いてきた従業員にとっては、通勤の負担が変わってきます。場合によっては、通勤が困難で離職を検討しなければならないということもありえます。
会社の施設が無事でも、従業員の住居が被災する可能性もあります。一時的に遠隔地に避難することがあったとしても、帰ってくるときに同じ場所に戻れるとは限りません。家庭環境も変わり、住む場所・環境が大きく変化する可能性が高いのです。
本人や家族の体調が変化し、今までと同じように働けないこともありえます。こういった場合、やむなく離職せざるを得ないことも多いようです。そうなるとせっかく事業を再開しようにも大切な人材がいなくなってしまうという事態を招きかねないのです。そこで、注目すべきなのが、今話題となっている『テレワーク』『在宅勤務』です。
例えば、避難生活が長引き、遠隔地に一時的に生活拠点を移すというケースがあります。多くの場合、元の住居と全く同じ環境には戻れないため、そのまま移住、転職せざるを得ないことが多いようです。また、家族の事情によりフルタイムで働けなくなることも起こりえます。できればそのまま働き続けたいのに、それができなくなってしまうのです。これまで会社に貢献してきてくれた大切な従業員をその経験とノウハウごと失うことになるのは、会社にとって大きな損失です。
そこで、在宅勤務、テレワークができる仕組みを活かすことで、ある程度働く環境の変化に対応することができます。通信環境を整備し、ノートパソコンやスマートフォン・タブレット端末を用意。仕事に必要なデータなどはクラウドサービスを活用して、オンラインで共有できるようにしておきます。工場で機械を動かすなどの場所に縛られてしまう仕事は無理ですが、事務職・企画職などは十分に在宅勤務ができるようになります。
会議などもウェブ会議システムで遠隔地からも参加することができます。従来のウェブ会議システムは、専用の設備が必要だったり、大掛かりで高コストなものでしたが、今では簡易に、タブレット端末やスマートフォンからでも参加することができるようになっています。
前回のコラムでデータのバックアップ手段としてクラウドサービスの活用を紹介しましたが、災害でこれまでのように働けなくなった従業員のためにも、クラウドサービスは活用できます。災害で事業の継続に苦心する企業と同じように、従業員も家族と生活を守ることに苦心しています。これまでと同じ会社で、同じように働けることは大きな安心となるでしょう。これも経営者・総務担当者の大切な仕事なのです。
在宅勤務・テレワークができる環境を用意していたとしても、災害発生後、いわば非常時にいきなり経験がないことをやろうとしても、なかなかうまくいかないものです。第二回のコラム、緊急時の安否確認でも言いましたが、事前に体験しておくことが必要です。テレワークや在宅勤務はクラウドサービスをうまく使えば、案外簡単に環境が整います。そこで、例えば、一部の職種だけでも週に一日だけ在宅勤務を実行してみる。営業担当者には、テレワークできるようにして直行直帰を奨励してみるなど、徐々に会社から離れて働くことを経験しておくと、万が一のときでも自然に在宅勤務を実行できるに違いありません。
このクラウドサービスによる在宅勤務環境の整備は、なにも災害対策に寄与するだけではありません。出産や育児、介護による離職も減らせるでしょう。業務の効率化につながり、生産性の向上にも貢献するでしょう。
災害対策が進まない理由に『知識ノウハウがない』『人手が足りない』『自社では重要ではない』というものが上位に上がっていたことは第一回のコラムで紹介しました。しかし、ただ災害のためだけではなく、業務効率化・生産性向上・人材の確保にもつながるならば、取り組まない手はないでしょう。そもそも会社を、従業員を守ることは経営者の務めです。まずはできることから、一歩一歩手を付けていくことが大切なのです。
企業が最低限やっておくべき、万が一への備えについてご紹介します。