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BCP対策とは?必要性や策定のポイント、事例をご紹介

BCP対策とは?
必要性や策定のポイント、事例をご紹介

2025 4/21
BCP対策とは、企業が災害やシステム障害などの緊急時でも事業を継続し、早期復旧を目指すための計画です。具体的な計画を策定することは、事業の核を明確にし、従業員の安全を確保するために欠かせません。本記事では、BCP対策の必要性や策定のポイント、必要な手順、具体的な事例についてわかりやすく解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.BCP対策とは

BCP (Business Continuity Planning) 対策とは、企業自然災害システム障害サイバー攻撃感染症拡大といった緊急事態直面した際、被害最小限に抑えつつ、事業継続するための計画です。
事業継続計画」とも呼ばれ、企業リスクマネジメントにおいて重要位置を占めています。

BCP対策基本は、企業の核となる商品サービス明確にし、従業員を守るための仕組みを整えることです。また、幅広リスク想定し、あらゆる状況迅速対応できる体制構築が求められます。

このBCP対策は、非常時だけでなく平時業務プロセス見直し、効率化を図ることにもつながります。企業持続的成長信頼性向上に欠かせない取り組みです。

2.BCP対策が必要な理由・背景

BCP対策必要とされる主な理由背景は、次の3つです。

  1.  事業の継続
  2.  従業員の保護
  3. 企業の価値向上

2-1. 事業の継続

自然災害事故システム障害などの緊急事態はいつ発生するか、予測できません。事前十分準備できていない場合は、事業中断し、顧客離れや売上減少取引先からの信頼喪失競合他社への顧客流出といった深刻影響を及ぼす可能性があります。特に資金力に限りのある中小企業は、事業継続困難になるおそれがあるでしょう。

このようなリスクに備えるため、BCP対策企業中核となる商品サービス明確にしたうえで、緊急時対応手順事前に定めることが求められます。限られたリソース効率的活用し、迅速復旧実現して、被害最小限に抑えられる計画策定重要です。


2-2. 従業員の保護

企業において、従業員は最も重要存在です。災害事故発生した際に従業員安全確保されなければ、事業継続は難しくなります。従業員安全確保は、事業再開スピードを大きく左右するだけでなく、企業社会的責任を果たすうえでも欠かせない要素です。

BCP対策は、非常時従業員保護するだけでなく、平時において従業員安心して業務に取り組める環境整備にもつながります。対策周知徹底社員教育避難訓練連絡体制強化などを行い、従業員安全確保に取り組むことが必要です。

従業員の保護を考えるビジネスマン



2-3. 企業の価値向上

顧客取引先株主などのステークホルダーに対する信頼向上させるうえでも、BCPの策定重要です。大規模自然災害サイバー攻撃増加している昨今、BCP対策有無は、取引先選定基準においても大きな影響を与えるでしょう。加えて、従業員安全を守る体制整備は、人材採用市場においても高い価値提供します。

BCP対策自社企業価値向上後押しするものでもあり、その観点からもこれからの企業経営において不可欠といえます。

企業の価値向上を考えるビジネスマン


3.BCP対策に必要なポイント

BCP対策必要ポイントは次の3つです。

  1. 事業の核と対応基準明確化
  2. 情報共有社内教育
  3. ITツール活用

3-1. 事業の核と対応基準の明確化

BCP対策では、事業の核となる業務明確にすることが重要です。製造業であれば主要生産ライン維持サービス業であれば顧客対応窓口継続などが挙げられるでしょう。
また、BCPの策定には、実現可能対応基準設定不可欠です。そのために、収益直結するサービス顧客との信頼関係維持するのに欠かせない業務特定し、優先順位をつけます。

さらに、核となる業務を支えるリソースリスクを洗い出し、緊急時優先して復旧させる対象明確にします。有事の際には現場迅速対応でき、現実的実行可能であるという点が重要です。


3-2. 情報共有と社内教育

BCP対策効果最大化するためには、従業員全員必要情報共有し、理解を深めてもらう必要があります。計画配布するだけでなく、緊急連絡先避難経路各部署役割分担などを社内全員共有するようにしましょう。
また、必要性目的具体的方法従業員理解できるよう、社内教育定期的訓練実施することが欠かせません。取引先地域防災機関など外部関係先とも情報共有し、緊急時円滑連携できる体制整備します。関係先を含めた対応力強化しておくと、有事の際の被害を抑えることができます。


3-3. ITツールの活用

BCP対策には、ITツール活用効果的です。例えば、クラウドサービス利用すると、災害時にも重要データシステム安全性確保され、迅速アクセスすることが可能です。
また、遠隔操作ツール導入しておけば、従業員安全場所から業務継続できます。さらに、衛星通信サービス活用すれば、緊急時一般電話回線不通になった場合でも、衛星通信を通じてスムーズ連絡可能となるでしょう。

このようなITツール通常業務効率化リスク管理業務改善にも大きく貢献し、平時生産性向上にも寄与します。

4.BCP対策を策定する手順

BCP対策を策定する手順についてのメモ

BCP対策策定方法は、次の5ステップです。

  1. 基本方針策定
  2. 中核事業リスクの洗い出し
  3. リスク評価
  4. 具体的行動計画策定
  5. 定期的見直しと訓練

4-1. 基本方針の策定

まず、BCP対策基本方針目的明確にしましょう。「従業員の命を守る」「顧客対応維持」「収益への影響最小限に抑える」など、優先事項確認します。

基本方針明確かつ簡潔であることが重要であり、経営陣承認を得てから全従業員共有します。自社最適目標設定は、企業ビジョン基本理念に基づき、一貫性を持たせることが大切です。


4-2. 中核事業とリスクの洗い出し

次に、「中核事業」を特定します。中核事業とは、主力商品製造社会インフラへの貢献など、事業継続に欠かせない業務です。非常時に、優先的継続すべき業務をあらかじめ特定しておくと、限られたリソース効率的活用できます。
続けて、事業に与えるリスクを洗い出しましょう。このとき、「自然災害」「感染症」「システム障害」「サイバー攻撃」など、さまざまなリスク考慮しておくことが重要です。


4-3. リスク評価

洗い出したリスク評価し、優先順位をつけます。被害規模発生確率事業への影響度基準評価実施し、対応必要リスクを絞り込みましょう。

発生確率の高いリスクには、迅速確実対応策不可欠です。一方発生確率は低いものの、致命的被害をもたらすリスクにも適切対策が欠かせません。このリスク評価を行うことで、限られたリソース効率的活用できます。


4-4. 具体的な行動計画の策定

行動計画には、緊急時対応手順担当者役割代替手段具体的記載します。個別リスクに応じて、現実的計画立案しましょう。例えば、システムダウン許容できる最大時間を表す「目標復旧時間 (RTO)」や、許容可能データ損失量を表す「目標復旧時点 (RPO)」を基準として優先順位設定します。


4-5. 定期的な見直しと訓練

計画だけでなく、実効性を高めるためにも、定期的シミュレーションテスト実施することが大切です。

リスク優先度は、技術進歩社会情勢に応じて変化するため、BCP対策定期的見直しが必要です。計画周知だけでは緊急時スムーズ行動できないため、定期的訓練を行います。訓練では、計画適切機能するか検証し、実践的対応力を高めます。この訓練で、課題が見つかった場合は、速やかに計画修正改善を進めましょう。

5.BCP対策のメリット

BCP対策の主なメリットは、次の3つです。

  1. 緊急時迅速対応可能
  2. 取引先顧客からの信頼性向上
  3. リスク可視化業務改善
BCP対策のメリットのイメージ画像。


5-1. 緊急時に迅速な対応が可能

計画入念策定することで、緊急時迅速対応可能になります。災害事故などが発生した際、従業員連絡が取れなくなるケース想定されます。あらかじめ緊急時優先事項計画明記していれば、従業員指示を待たずに必要対応策実行できるため、混乱を防ぎ、スムーズ業務継続することができます。

計画指揮命令系統連絡手段記載しておくと、初期対応迅速化します。BCP対策を講じていない場合比較して、事業中断期間短縮でき、被害影響を抑えられます。


5-2. 取引先や顧客からの信頼性向上

適切なBCP対策は、災害影響を抑えることにより、取引先顧客からの信頼性向上につながります。IT企業であれば、システムダウン時間短縮することが可能です。製造業であれば、物流網迅速復旧することで顧客への影響抑制できます。災害発生時に、他社よりも迅速事業継続可能にすることで、大きなアドバンテージとなるでしょう。
また、平時からBCP対策への取り組みを積極的対外的発信することで、危機対応能力の高い企業というイメージがつくりあげられ、災害時連鎖倒産防止従業員を守る企業というブランド価値向上につながります。


5-3. リスクの可視化と業務改善

BCP対策に取り組むことにより中核事業明確になり、リスク可視化できるのが大きなメリットです。リスクに応じて業務フロー見直し、事業継続に適した改善を進められます。例えば、遠隔地サーバー設置して、バックアップ体制強化してデータ消失リスクを抑え、サプライチェーンへの対策を施し、重要部品材料途絶えた場合の、代替手段確保しておくことなどが有効です。

リスク対応目的とした改善新技術導入は、緊急時だけでなく、日常業務効率化コスト削減といった平時収益向上にもつながります。

6.BCP対策の導入事例

ここでは、BCP対策導入により、日常業務においても利点があった3社の事例紹介します。


6-1. 次世代衛星通信サービス「Starlink Business」の活用

株式会社日本取引所グループ (JPX) 様は、大規模災害時における事業継続重要性から、KDDIが提供する次世代衛星通信サービス「Starlink Business」を導入し、社会インフラである証券市場のBCPを強化しました。

導入後は、高速大容量低遅延通信環境整備され、東京から大阪へのネットワークの切り替えが容易になり、バックアップ体制が整いました。また、Web会議チャットなどの連絡手段追加し、平時においても「Starlink Business」を市場運営に関する一部業務でも活用して、性能面問題がないことを確認しています。
これにより、各拠点ステークホルダーリアルタイム情報共有し、迅速必要意思決定を下せるようになりました。

JPX様は今後もKDDIと連携を続け、市場運営安定化を図るとともに、衛星通信サービス知見ノウハウ蓄積し、独自サービス創出目指しています。


BCP対策をご検討中の方はKDDIへ│Starlink Business

「Starlink Business」は、アメリカのSpaceXの「Starlink」を基盤とした法人向インターネット通信サービスです。数千機低軌道周回衛星を通じて、場所環境左右されない高速でのインターネット通信が行えるため、多拠点展開企業インフラに適しています。

自然災害時山間部離島でも安定した通信環境確保でき、BCP対策日常業務通信安定性向上貢献します。




6-2. 信頼性の高いクラウド基盤で大規模災害に備える

エース株式会社様は、大規模災害サイバー攻撃への対応目的に、KDDIが提供する「Microsoft Azure with KDDI」を導入しました。従来オンプレミスサーバー課題となっていた、更新時コストリモートワーク環境整備について、クラウドへの移行解決することができました。

「Microsoft Azure with KDDI」は、国内2拠点冗長構成信頼性が高く、災害時業務継続可能です。さらに、リモートアクセス環境整備したことにより、高セキュリティ快適リモートワークができるようになり、平時業務効率化とともに緊急時業務継続実現しています。


BCP対策をご検討中の方はKDDIへ│クラウドサーバーサービス

自社物理的サーバー設置すると、オフィス災害などの被害に遭った際に重要データを失うリスクが生じます。クラウドサービス利用すれば、クラウド上にデータバックアップできるため、自社サーバー被害に遭った場合データ保護でき、遠隔地から迅速アクセスできるのが強みです。

通常業務でもクラウドサーバー使用すれば、ビジネス状況に応じてリソース柔軟調整できます。KDDIのクラウドサービス厳重セキュリティ対策を講じており、セキュアにご利用いただけます。




6-3.「Webex Calling」の導入で多様な働き方とBCPを両立

株式会社佐賀電算センター様は、BCP対策多様な働き方への対応目指し、「Webex Calling」を導入しました。「Webex Calling」は会社固定電話番号内線通話スマートフォン使用できるクラウドPBXサービスです。
従来電話設備は、組織レイアウト変更時工事設定必要でしたが、「Webex Calling」の導入で、ブラウザ操作簡単変更できるようになり、運用負担大幅軽減しました。

在宅勤務中でも会社固定電話対応可能となったため、コロナ禍におけるBCP対策として大きな効果発揮しました。福岡支社試験的導入されていますが、今後運用検証を行いながら、全社での導入検討しています。


BCP対策をご検討中の方はKDDIへ│音声・電話サービス

KDDIでは、高品質通話可能クラウド電話サービス提供しています。固定電話回線などの物理的機器必要とせず、使用中電話番号をそのまま利用できるサービスです。

場所を問わず会社固定電話対応できるため、災害時業務継続だけでなく、リモートワーク環境にも適しています。クラウド電話サービスは、導入時運用手間軽減するだけでなく、事業拡大時にも柔軟対応できるのが魅力です。クラウド電話サービス以外にも、従来型オンプレミス電話環境構築強化にも対応できます。

7.まとめ

BCP対策は、自然災害サイバー攻撃などが発生した際、事業継続するために不可欠です。事前計画策定しておくことで、緊急時基本方針に基づいた対応可能になります。さらに、BCP対策にあわせてITツール導入することで、日常業務効率化コスト軽減にもつながるでしょう。

KDDIでは、衛星通信クラウドサーバーなど、緊急時役立つさまざまなサービス提供しています。お気軽にご相談ください。

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