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スターリンク (Starlink) とは?仕組みや通信速度、メリット・デメリットを解説

スターリンク (Starlink) とは?
仕組みや通信速度、メリット・デメリットを解説

2025 12/16
近年注目を集めている「スターリンク (Starlink)」は、アメリカのSpaceX社が提供する衛星インターネットサービスです。地上の通信インフラに頼らず、高速・低遅延の通信を実現できる点が特徴で、山間部や離島など固定回線が届かない地域でも安定した接続を可能にします。本記事では、スターリンクの仕組みや通信速度、従来の衛星通信との違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。

※ 記事制作時の情報です。

1.スターリンク (Starlink) とは何か

「スターリンク (Starlink)」とは、米国宇宙開発企業SpaceX社が提供する衛星インターネットサービスです。従来地上回線が届きにくい山間部離島でも、高速かつ安定した通信環境実現できる点が注目されています。

電源アンテナキットがあれば短時間インターネット接続できる手軽さも評価され、現在個人利用に加え、法人自治体での導入も進んでいます。

スターリンク (Starlink) のイメージ画像

関連ソリューション:スターリンク (Starlink)

1-1. スターリンクの仕組み

「スターリンク」は、高度約550kmの低軌道衛星 (LEO) を数千基単位地球周囲配置し、地上から常に複数衛星通信できるよう設計されています。このような多数衛星連携させる技術衛星コンステレーションと呼び、地球全体カバーすることで切れ目のない通信実現する仕組みです。
ユーザー専用アンテナ (Starlinkキット) を設置し、衛星からの電波受信します。アンテナ自動最適衛星を選び、SpaceXの地上局経由してインターネット接続します。この仕組みにより、光回線に近い通信品質衛星経由提供可能です。

1-2. スターリンクの通信速度

「スターリンク」は、従来静止衛星通信よりもはるかに高速低遅延通信実現しています。2025年10月時点でStarlink公式「サービス提供状況マップ(注1)確認すると、東京都周辺では下り約214〜343Mbps、上り約30〜55Mbpsの通信速度表示されています。この数値一般的固定回線モバイル通信に近い水準です。
この高速通信を支えるのが、低軌道周回する衛星群による短距離伝送です。衛星地上局距離が短いため、データ往復時間が減り、動画視聴オンライン会議でも安定した品質を保てます。地方山間部などでも、光回線に迫る快適通信可能です。

1-3. 従来の衛星通信との違い

「スターリンク」の大きな特長は、従来静止衛星通信とは異なり、低軌道 (約550km) を周回する多数衛星通信を行う点です。静止衛星高度約36,000kmに位置するため、通信距離が長く遅延が大きくなりやすいことが課題でした。
一方、「スターリンク」衛星地上局距離が短いため、遅延大幅削減できます。通信速度安定性の面でも、固定回線に近い品質実現しています。両者の主な違いを以下の表にまとめました。

比較項目 スターリンク (低軌道衛星) 従来の衛星通信 (静止衛星) 固定回線 (光回線)
高度 約550km 約36,000km 地上
通信速度 下り約100~200Mbps
上り約25Mbps
下り約10~50Mbps 下り1Gbps前後
遅延 約30〜40ms 約600ms前後 約10ms前後
通信安定性 高い (天候の影響が少ない) 低い (雨・雲の影響あり) 非常に高い
主な用途 山間部・離島・災害時・インフラ未整備地域など テレビ中継・海上通信・緊急用 オフィス・家庭利用

(2025年10月現在)

「スターリンク」の衛星通信に関する法人向けサービスはこちら

2.スターリンク (Starlink) のメリット

「スターリンク」は、これまで通信が難しかった場所でも高速安定した接続可能にし、災害時臨時利用にも柔軟対応できる点が魅力です。ここでは、「スターリンク」メリットを4つ紹介します。

  • 山間部離島でもインターネット接続可能
  • 高速低遅延通信実現
  • 災害時通信手段確保
  • 工事不要ですぐに利用開始

2-1. 山間部や離島でもインターネット接続が可能


山間部でインターネットを使用する男性のイメージ画像

「スターリンク」は、地上通信インフラ依存しないため、山間部離島海上など固定回線が届かない地域でも安定した通信可能です。地上局低軌道衛星経由して接続する仕組みにより、地形距離左右されずに利用できます。

その特性から、建設現場イベント会場など、一時的ネットワーク構築必要場所でも活用が進んでいます。通信環境確保が難しい現場でも、即座業務配信開始することが可能です。

「スターリンク」現場利用紹介する関連記事以下をご参照ください。

2-2. 高速・低遅延通信を実現

「スターリンク」は、衛星通信でありながら下り平均150Mbps・上り25Mbps以上通信速度実現しています。低軌道衛星活用により遅延はおおむね30〜40msに抑えられ、オンライン会議動画配信快適に行うことが可能です。
一般的光回線 (下り1Gbps前後遅延10ms程度) と比べても体感速度の差は小さく、地上設備依存しない利点を活かして安定した通信提供します。災害時移動先でも、業務継続必要通信品質確保できます。

2-3. 災害時の通信手段を確保

「スターリンク」は、地上インフラ依存しない通信手段として、BCP (事業継続計画) におけるバックアップ回線として有効です。災害時光回線携帯ネットワーク途絶しても、衛星経由通信確保できるため、情報共有業務継続支援します。
また、停電基地局障害発生してもアンテナ電源さえ確保すれば通信可能で、通信途絶リスク大幅低減可能です。自治体企業では、緊急時対応体制強化に向けた導入が進んでいます。

2-4. 工事不要ですぐに利用開始

「スターリンク」は、アンテナキット設置するだけで利用開始できる手軽さが特徴です。専用アプリを使って衛星との接続状態確認し、アンテナ角度自動調整すれば、数十分通信できるようになります。
光回線のように宅内工事配線作業を行う必要がなく、設置場所さえ確保できれば即日利用可能です。そのため、建設現場臨時オフィスなど、短期間通信環境を整えたいケースにも適しています。

3.スターリンク (Starlink) のデメリット

多くの利点を持つ「スターリンク」ですが、利用環境コスト面では注意すべき点もあります。ここでは、導入前理解しておきたい主なデメリット紹介します。

  • 空に遮蔽物があると通信不安定
  • 費用面

3-1. 空に遮蔽物があると通信が不安定


「スターリンク」は、衛星アンテナ直接電波をやり取りするため、建物樹木看板などの遮蔽物があると通信不安定になる場合があります。特に衛星位置が低い角度にあるときは、わずかな障害物でも電波途切れが発生しやすくなります。

安定した通信確保するには、空が広く見渡せる屋上高台など、360度に近い範囲視界が開けた場所への設置理想です。専用アプリを使えば、衛星通過範囲確認し、最適設置位置簡単特定できます。

高いビルのイメージ画像

3-2. 費用面

「スターリンク」高品質通信提供しますが、導入費用月額料金従来固定回線よりやや高めです。ただし、衛星通信としてのコストパフォーマンス非常によく、ギガバイト (GB) 単価では安価部類に入ります (インマルサットイリジウム比較した場合)。さらに、2025年6月9日にプラン改定され、主要用途である陸上向けの料金はより安くなっています。
衛星通信ながら低コストで、固定回線とほぼ同じ速度体感できるのが特徴です。
費用面での負担はありますが、地上回線が届かない地域災害時にも通信維持できる仕組みは、事業継続を支える有効手段といえます。

料金プランはこちら

4.【法人向け】スターリンク (Starlink) の各プランの利用方法と特徴

KDDIでは、利用環境に応じて4種類「スターリンク」関連サービス展開しています。スマートフォン向けから海上通信まで、あらゆる業種拠点活用可能です。

サービス名 利用方法 主な用途 特徴
au Starlink Direct 衛星通信対応スマホを設定後すぐ利用可能 ・圏外エリアでスマホ通信
・災害時対応
・地上ネットワーク不要
・対応機種のみ利用可
Starlink Business 固定拠点にStarlinkキット設置、工事不要 ・山間部
・離島
・BCP対策
・下り最大220Mbps、
遅延数十ms
・国内/海外/海上対応プランあり
Starlink Business
海事向けプラン
船舶/港湾にアンテナ設置
海上で高速通信
・海上業務
・観光船Wi-Fi
・港湾通信確保
・海上対応
・高速/低遅延で業務効率化
au Starlink Station Starlinkでauエリアを構築 山間部や島しょ地域でauエリア拡張 不感地帯でモバイル通信環境構築

(2025年11月現在)

これらのサービス活用することで、地上回線が届かない地域でも安定した通信環境確保できます。

5.スターリンク (Starlink) の導入事例

「スターリンク」は、地上回線整備が難しい地域現場でも安定した通信実現できることから、さまざまな業界導入が進んでいます。ここでは、建設業海上業務など、実際活用されている事例紹介します。

【建設業】山間地の建設現場でも高速通信が可能に

建設業界では、山間地仮設現場など通信環境が整っていない地域での連絡図面共有課題でした。光回線敷設手間コストが大きく、紙の資料を持ち運ぶ負担もありました。
こうした課題解消するため、低軌道衛星利用する「Starlink Business」を導入衛星アンテナ設置設定するだけで、短時間回線構築できるうえ、工事終了後に別の現場移設容易です。高速かつ低遅延通信確保により、クラウド施工管理アプリ利用可能となり、タブレット必要図面書類確認できるようになりました。
また、ウェブカメラを使って現場映像事務所支店から確認し、遠隔安全指示や打ち合わせを行えるようになり、業務効率安全性向上しました。現在通信品質操作性を踏まえ、緊急用回線として全拠点への展開検討しており、BCP (事業継続計画) 強化につながると期待されています。

導入事例:株式会社大林組様

【海運業】洋上でも高品質なインターネット環境を構築

海洋上船内ではインターネット利用制約があり、通信速度の遅さから業務デジタル化が進んでいませんでした。また、乗組員快適通信できる環境を求める声も多く、労働環境改善課題となっていました。
そこで「Starlink Business 海事向けプラン」を採用し、低軌道衛星による高速低遅延通信回線船上構築短期間運用開始し、従来衛星通信では実現できなかった高品質ネットワーク確立しました。
導入後陸上同等通信環境が整い、クラウド活用大容量データ送受信可能となりました。入出港時連絡手続きが円滑になり、業務効率化が進んでいます。
さらに、洋上でも家族友人とのチャットメール可能となり、乗組員満足度向上しました。今後はこの通信基盤を活かし、ワーケーション船内エンターテインメントなど、新たなクルーズ体験拡充へと発展していく見込みです。

6.まとめ

「スターリンク」は、地上通信インフラ依存せず、低軌道衛星による高速低遅延通信実現する次世代インターネットサービスです。山間部離島海上など、従来回線では接続が難しかった場所でも安定した通信確保でき、災害時バックアップ回線としても活用が広がっています。
今後は、BCP対策遠隔業務効率化重視する企業にとって、事業継続とDX推進を支える重要インフラとなるでしょう。

スターリンク (Starlink) の導入ならKDDIへ

KDDIでは、企業自治体向けにさまざまな「スターリンク」プランをご用意しています。工場建設現場離島山間部などのインターネット環境不安定場所や、災害時通信確保など、ニーズに合わせた最適サービスをご提案します。
「スターリンク」活用し、遠隔地高速通信が求められる場面での事業展開や、新たなサービス創出など、さまざまな事業可能性支援します。


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