※ 記事内の部署名、役職は取材当時のものです。
※ 記事制作時の情報です。
建設業の最大の課題は、労働人口の減少と高齢化です。2024年の総務省データによると、建設業就業者の約37%が55歳以上で、全産業平均 (約30%) を大きく上回り、29歳以下の若年層はわずか12%程度で推移しています。これにより、将来的な担い手不足は避けられず、作業の効率化や長時間労働の是正が強く求められています。
また、建設業は、全産業平均を下回る労働生産性の低さも問題の一つです。伝統的な紙の書類や図面、FAXによるやり取りが依然として多く、現場では非効率な重複作業や情報伝達ミスも発生しやすい状況となっています。こうした課題を克服し生産性向上や働き方改革を実現するためには、デジタル技術を活用して業務プロセスを変革するICTの導入が不可欠です。
建設現場へICTを推進するうえで、手軽に導入でき即効性のあるツールとして、スマートフォンの活用が注目されています。スマホは現場とオフィス、顧客をリアルタイムでつなぎ、従来は紙やパソコンで行っていた作業を現場で完結させることが可能です。ここでは、スマートフォン活用の大きなメリットを2点紹介します。
スマホやタブレットを活用することで工事進捗や非常時の情報連携といった情報共有の効率が大きく向上します。従来は、現場の状況を報告する際に写真を撮影し、パソコンに取り込んでからメールで送信する必要があり、パソコンが使いにくい環境では報告が遅れがちでした。しかし、スマホと現場向けのチャットツールを使えば、その場で撮影した写真にコメントを添えて即座に送信できるため、情報共有のスピードと正確性が飛躍的に高まります。
さらに災害時などの非常時には、安否確認や一斉連絡が容易となるため災害時の初動も迅速化し、BCP (事業継続計画) 対策の強化にもつながります。
また、現場管理アプリやクラウドサービスと連携すれば、図面や書類をクラウド上に保存し、タブレットやスマホから必要な図面に即座にアクセスできます。その結果、「図面を取りに事務所へ戻る」といった無駄な往復が不要となり、手間と移動時間を削減できます。紙の図面や日報を電子化し、現場で直接入力すれば、事務所での転記作業という二度手間も解消されます。
このようにスマホは「現場の今」をそのままデジタルで共有できるツールであり、建設業の働き方と業務効率を大きく変革する原動力となっています。
実際にスマホやクラウドを活用して建設DXを推進し、業務効率化に成功した企業の事例を紹介します。以下の4社はいずれもKDDIのソリューションを導入し、現場の課題解決と生産性向上に取り組んだケースです。
石材の調達・加工・施工を手掛ける矢橋大理石工業株式会社様では、社用スマホに高性能カメラ搭載の Google Pixel を約140台導入しました。従来の端末では暗く狭い現場で状況の分かる写真が撮れず、石材の色柄も正確に再現しづらいという不満がありましたが、Google Pixel への機種変更によりうす暗い場所でも鮮明な写真撮影が可能となりました。撮影した画像はそのまま「LINE WORKS with KDDI」で社内共有し、施工状況や製品の検品結果を即座に本社へ報告できるようになりました。
情報共有の迅速化によって品質管理の精度が高まり、万が一不具合が見つかっても素早く対処できるため、結果として顧客満足度の向上にもつながっています。スマホへの統一後は社内コミュニケーションも活性化し、写真撮影の負担軽減とあわせて幅広い業務効率化につながっています。
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従業員数約300名規模のゼネコンである馬淵建設株式会社様 (MZEC) では、全従業員に「auスマートフォン」を貸与し、コミュニケーション基盤を刷新しました。社内には「Webex Calling (クラウドPBX) 」を導入して固定電話をほぼ全廃し、社内外どこからでも内線通話が可能な環境を実現。これにより場所に縛られない円滑なコミュニケーションが可能となり、通話コストも約96%削減できました。
さらに、スマホ上で業務アプリを活用し、現場の建設作業や施工管理をデジタル化することで建設DXを推進。例えば、3Dスキャンアプリの導入により、従来の測量や手計算が不要になり、カードリーダーの代わりにスマホを使うなど、アナログだった業務を置き換えることで生産性を向上させています。
以上の結果、業務効率化・コスト削減・働き方改革という三つの効果を同時に実現しました。
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従業員数40名規模の空調設備会社である株式会社東京サーマル様では、スマホ導入と同時に社内コミュニケーション基盤として「LINE WORKS with KDDI」を全社員に展開しました。それまで現場報告は写真データをパソコン経由でメール送付していましたが、この仕組みを大きく転換し、スマホだけで写真付きの工事進捗報告を簡単に送信可能にしました。これにより正確かつスピーディーな情報共有が可能となり、現場と会社間の連絡効率が飛躍的に向上しています。
加えて「KDDI Smart Mobile Safety Manager (SMSM) 」も導入し、スマホのGPSから社員の所在確認ができる体制を構築しました。万一災害が発生しても速やかな安否確認ができるようになり、「災害時対策が強化できた」と評価されています。全社員への一斉連絡も容易になるなど、副次的な効果も含めて多様な業務効率化を実現した好例です。
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北陸電気工事株式会社様 (通称リクデン) は従業員1,000名超の総合設備工事会社です。いち早くワークスタイル変革に全社を挙げて取り組み、工事部門に「Microsoft 365 with KDDI」とタブレットを導入しました。現場ではクラウド (SharePoint) に図面や資料を共有し、タブレットでいつでも閲覧できるようにした結果、施工管理担当者が1日に何度も事務所へ図面を取りに戻るといった非効率が解消され、大幅な時間短縮につながりました。実際「現場によっては1往復20分かかっていた負担が、今ではタブレットですぐ確認できるようになった」と現場社員も効果を実感しています。
クラウド活用による業務の効率化を推進したことで残業時間の削減にも成功し、働き方改革関連法への対応と同時に顧客満足度の向上も果たしています。このように大手企業においてもスマホ・タブレットとクラウドの積極活用が働き方改革とDX実現の鍵となっています。
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DX施策を円滑に進めるには、通信インフラからクラウドサービス、デバイス調達までをワンストップで提供できるパートナーの存在が重要です。KDDIはまさにその一社であり、建設業向けに現場とオフィス、クラウドを結び付け、DX推進をトータルに支援しています。例えばスマホ導入支援では、現場の利用シーンに応じた最適な端末選定やセキュリティ対策 (MDM導入) を提案し、キッティング (初期設定) 作業やモバイル端末の管理負担軽減まで包括的にサポートします。
また、建設業の現場では、通信の安定性と信頼性が業務効率化やDX推進の鍵を握ります。KDDIは、Opensignal社のグローバル・モバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・レポートにおいて、「信頼性エクスペリエンス」など複数の指標で世界最高評価を獲得し、「つながる体感世界評価No.1」として高い評価を受けています。
▶︎「つながる体感世界評価No.1」における詳細はこちら (※ auホームページへ遷移します。)
このように専門知見を持つプロの知見を活用することで、社内にIT専門人材が不足していてもDXに取り組める環境を整えられます。スマホの導入による業務効率化や生産性向上を検討されている建設業の皆さまは、ぜひKDDIへお気軽にご相談ください。
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