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※ 記事制作時の情報です。
ChatGPTは、アメリカのOpenAI社が開発した生成AIサービスです。2022年11月に初版がリリースされ、2025年4月には最新モデルであるOpenAI o3がリリースされました。Chatという名前が表すとおり、チャットで人と会話するように指示や質問をするだけで、内容を理解して日本語や英語などで即座に返答してくれます。
GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略で、事前に学習 (Pre-trained) した、関連性の高い単語の組み合わせデータ (Transformer) を使って、コンテンツを生成 (Generative) することを意味しています。質問への回答からメールの文案作成、翻訳、プログラミングまで多岐にわたるタスクに対応可能です。
チャット形式による手軽さと、GPTによる対応範囲の広さ・高い精度により、飛躍的に活用が進み、いまや生成AIの代表格として知られるようになりました。
企業にとって、人手不足や複雑化するビジネス環境への対応は大きな課題です。ChatGPTは、こうした課題を解決し、業務効率化やビジネスのスピード向上をサポートするツールとして注目を集めています。
2024年に行った調査によると、企業の67%が生成AIを「活用・推進中」と回答しており、前年の22%と比較して大幅に活用が進んでいることがうかがえます。なかでもChatGPTは、メール返信、議事録作成、資料のたたき台生成など、実務レベルでの活用が進んでいる代表的なツールです (注1)。柔軟な応答性と高いカスタマイズ性から、幅広い業種・職種で導入が進んでいます。
ChatGPTは大量のデータから学習した大規模言語モデルにより、ユーザーの入力文 (プロンプト) を理解し、文脈や意図を汲み取った対話が可能な生成AIです。その核となるのが、自然言語処理 (NLP: Natural Language Processing) と呼ばれる技術で、人間の言語をコンピューターに理解・処理・生成させる仕組みを指します。
従来のチャットボットはルールベースであらかじめ用意された応答文しか返せませんが、ChatGPTは単語や文脈の関係性を理解しながら文章を生成します。これにより、会話の流れや前後の発言を踏まえた、自然かつ筋が通った応答が可能です。
例えば、取引先へのメールの下書き作成をChatGPTに依頼する際、担当者名や目的、相手との関連性などの情報を入力すれば、その指示に沿ってカスタマイズされた文章を生成できます。
ChatGPTは2022年11月の初版リリース以降、数カ月ごとに新しいモデル (注2) を発表しており、その性能は飛躍的に進化しています。以下に、ChatGPTの主なモデルと進化の変遷、各モデルの特徴をまとめました。
リリース年月 | モデル | 主な進化 |
---|---|---|
2022年11月 | GPT-3.5 | 対話形式での生成AI利用 |
2023年3月 | GPT-4 | 学習データ範囲拡大、高精度化 (画像認識対応) |
2024年5月 | GPT-4o | マルチモーダル対応 (音声・画像・動画) |
2024年9月 | OpenAI o1 | 高度な推論能力強化 (時間をかけて詳細な調査・分析が可能) |
2025年2月 | GPT-4.5 | 会話品質のさらなる向上 (共感的対話など) |
2025年4月 | OpenAI o3 | 推論精度・感情理解の飛躍的向上、より人間らしい対話 |
ChatGPTは自然言語処理に基づく高機能な対話AIであり、以下のような機能を備えています。
機能 | 特徴 |
---|---|
自然言語の理解・生成 | 人間が話すような自然な言葉を理解・解釈・生成 |
コンテキスト理解 | 対話の流れや前後の文章から文脈を理解 |
多言語対応 | 英語、日本語、中国語など多言語での入力・出力に対応 |
マルチモーダル対応 | 文字だけでなく、画像・音声・動画などの入力・出力にも対応 |
感情・トーンの調整 | ビジネス、カジュアルや方言など多様なスタイルを指定して出力 |
推論能力 | 複雑な問題や正確な回答を出力するために、論理的にステップを踏んで調査・出力 |
上記のような機能を活用することで、ChatGPTは従来の検索エンジンやルールベース型AIでは対応が難しかったタスクも、ニーズや表現に応じて臨機応変に対応できます。実際の活用シーンは以下のとおりです。
ChatGPTは入力された目的や条件に応じて、取引先へのメール、チャット文、報告書などの文章を自動で生成します。文体やトーンの調整も可能で、用途に応じた表現を生成できます。これにより、人間は文章の修正や推敲に専念できるため、一から文章を考えて作成する手間を削減可能です。
さらに、作成した文章の誤字脱字チェックや文章校正にも利用することで、文章作成の品質向上につながります。横須賀市では文章作成、誤字脱字のチェックなどにChatGPTを活用し、ニュースリリースの下案作成を行っています。(注3)
ChatGPTは検索エンジンと同じように、情報収集にも活用できます。検索エンジンとは違う点として、会話を通じた詳細な検索や回答結果の修正、深堀りなどが可能で、より柔軟な調査を行えます。
また、専門的な文書や長文記事を簡潔にまとめたり、平易な言葉で解説したりすることも得意です。議事録の要約や法律文書のかみ砕きにも活用できます。
ChatGPTは、英語・日本語・中国語をはじめとした多言語に対応しています。単なる直訳だけではなく「ビジネス向け」「カジュアル」などの文体調整も可能です。また、ChatGPTは一度出力した翻訳文に対して修正指示を出し、翻訳結果を細かく調整できる点に強みがあります。複数の翻訳案を提示させて、最も適した内容を採用することも可能です。
大阪観光局では、ChatGPTを利用した多言語チャットボットを導入し、訪日客へ提供しています。(注4)
ChatGPTは「こんなプログラムを作りたい」という指示だけで、各プログラミング言語のコードを自動作成することが可能です。簡単なPythonプログラムやExcelマクロであれば、ChatGPTの出力結果そのままで動作できます。
また、プログラミングでバグが発生した場合でも、エラー画面をChatGPTに入力するだけで原因と対処法を提案してくれます。そのため、定型作業や繰り返しの多い作業を実施しているエンジニアにとって、大幅な効率化につながるでしょう。
初学者向けにコードの解説やコメントの補完も可能で、非エンジニアでもツール作成や業務自動化を行えることが大きな利点です。
ChatGPTは、企画書やプレゼン資料作成にも活用できます。資料のテーマや目的、プレゼンする相手などの情報を入力するだけで、資料の骨子・構成から各スライドの文案までを自動で作成してくれます。
また、ChatGPTに「アイデアを10個提案して」などと依頼し、その後のチャットを通じて深掘りすれば、ブレインストーミングと構成案作成を同時に進めることが可能です。企画立案の効率化と、クリエイティブな企画の立案を実現できます。
上記のようにChatGPTは多様な機能を持ち、幅広い活用方法がありますが、当然できないこともあります。
上記の点に留意し、人間が適切な用途を選んで活用することが大切です。
ChatGPTはこれまでの定型的な操作やルールに従って動作するITツールとは異なり、自然言語による柔軟なやり取りを通じて業務の支援やプロセス改善に貢献します。ChatGPTを積極的に活用することで、企業は以下のようなメリットを得られます。
ChatGPTを活用し、メールやチャットなどでの問い合わせ対応、企画書のアイデア出しやプレゼン資料の作成、情報収集や要約といった日常業務を補助することで、作業時間の削減と業務のスピード向上が実現します。特に、定型業務にChatGPTを組み込んだ業務プロセスの構築により、人手不足への対策や生産性の向上に貢献できるでしょう。
ChatGPTは、従業員が持つスキルや知識を補完し、業務の品質を高めるツールとして活用可能です。例えば、非エンジニアの自動化スクリプト作成、営業担当の英語メール文作成、新人の議事録のたたき台作成などを支援します。
スキル不足を補いつつ、アイデア提案や表現力、問題解決力を高めて個人のパフォーマンスを向上させることで、全体の品質改善につながります。
ChatGPTの活用により、顧客向けの提供価値やサービス品質も改善できます。例えば、カスタマーサポート部門では、FAQの自動応答や有人オペレーターの補助として活用することで、的確な応答を実現でき、ユーザー体験 (CX) の改善につながるでしょう。
また、生成AIを活用した新しい商品・サービス企画など、新規ビジネス創出のきっかけにもなります。
ChatGPTには多くのメリットがある一方、利用するにあたって注意すべき点もあります。AIツールの特性を理解し、適切な対策を講じてから利用するように心がけましょう。
ChatGPTは過去の一定の時点までの情報しか学習しておらず、最新の法改正や動向などのタイムリーな情報は反映されていません。そのため、法令や制度、技術のアップデートなど最新情報が重要なテーマでは、公式サイトや信頼できる情報源を確認しましょう。
また、生成AIは誤った情報をあたかも正しい情報のように回答してしまうハルシネーションを含む可能性があります。自分が全く知らない分野については、検索エンジンやほかの情報源と組み合わせてダブルチェックすることが重要です。
ChatGPTに機密情報や個人情報を入力する場合、漏えいのリスクに注意が必要です。入力した内容は、デフォルトではAIの学習に利用されてしまいます。そのため、重要な情報を入力する際には、データの再利用 (学習) を無効にする設定を実施しましょう。
また企業としては、ChatGPTに入力する情報に関するガイドラインを設けて、社員教育を徹底することが重要です。近年では、学習に使われないようにクローズドな環境でChatGPTを利用する方法もあるため、自社での活用度に応じて導入を検討してください。
ChatGPTは、学習元データに含まれるバイアスを反映し、偏見を含む回答を生成するおそれがあります。例えば、データに職業ごとの性差の傾向が含まれると、その傾向をもとに誤解や偏見の助長につながる回答を出力する可能性があります。
特に、外部に公開する文章や資料作成に生成AIを活用する場合は、法務やコンプライアンスの観点から人間が必ずチェックしましょう。
KDDIは、生成AIを活用した業務変革を推進し、「生成AIの社内利活用」 のプロジェクトを取り組んでいます。社内の実証実験を通じて知見とノウハウを蓄積し、ソリューションとして法人顧客への提供や、新たなビジネス展開や顧客支援に役立てる取り組みを展望しています。詳細は関連記事を参照ください。
ChatGPTは、チャット形式で気軽に使えて、多様な用途で役立つ強力なAIツールです。上手に活用すれば、日々の業務の効率化や新しいビジネスの創出、企業の市場競争力強化など大きなメリットを得ることができます。
生成AIの特性や注意点を理解し、トライアルなどを通じて段階的な活用と社内のガイドライン整備、社員教育を行い、ビジネスの変革につなげていきましょう。
KDDIは法人企業向けに、「生成AI」の導入から活用までをトータルで支援しています。ChatGPTなどのAI言語モデルをセキュアに利用することができる「Azure OpenAI Service」や「Amazon Bedrock」などのマルチLLMにも対応し、自社データを活用した生成AIの導入を実現します。
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